SaaSの広がりとともに生まれたカスタマーサクセスという職種ですが、複数のSaaSをつなぐパトスロゴスにおいて、その役割はどのようなものなのでしょうか。
今回は、パトスロゴスでカスタマーサクセス組織全体を統括するグループマネージャーの西中に話を伺いました。
西中は、ワークスアプリケーションズ、セールスフォースを経てパトスロゴスに入社しています。次のチャレンジの場としてなぜパトスロゴスを選んだのか。その背景には、パッケージシステムとSaaS、双方の現場を見てきたからこそ強く感じてきた、データが分断されてしまうことへの課題意識がありました。
パトスロゴスにおけるカスタマーサクセスの実態と、西中が描く組織のこれからについて、ひも解いていきます。
パッケージシステムとSaaS、両方を経験して見えてきた課題
——西中さんは、ワークスアプリケーションズとセールスフォースで、長くプロダクトに向き合ってこられました。そうしたご経験を経て、次のチャレンジの場としてパトスロゴスを選ばれた理由を教えてください。
これまでのキャリアを通じて、データ連携がうまくいかないことによる難しさを、何度も実感してきました。パッケージシステムでは、データをつなごうとするだけで多くの時間やコストがかかり、場合によってはシステム全体に影響が出てしまうこともあります。一方でSaaSも、お客様が本当にやりたいことを実現しようとすると、他社システムとの複雑な連携が避けられないケースが多くありました。
どんなに優れたプロダクトを導入しても、データが分断されていれば業務はうまく回りません。そうした課題意識を持っていたからこそ、パトスロゴスが掲げる「共創プラットフォーム」という考え方には、強い納得感がありました。特定のツールだけを広めるのではなく、データのハブとなって業界全体の利便性を高めていくという考えに共感し、当時は代表の牧野とほとんど面識もありませんでしたが、Facebookのメッセンジャーでコンタクトを取りました。
——実際にお話しをされて、どのような印象を持たれましたか。
実際にオンラインでお話しした1時間の中で、これまでのデータ連携の悩みを解消する具体的な道筋を伺いました。11年のキャリアを経て、ようやく自分が腰を据えて取り組むべきフィールドを見つけたという手応えを感じたのを覚えています。
営業、コンサル、技術。さまざまな視点が求められる”総合格闘技”のような仕事
——一般的なカスタマーサクセスは、自社製品をいかに継続してもらうかが主な役割だと思いますが、パトスロゴスでの役割はどう違うのでしょうか。
もちろん、既存のお客様を支え、契約を継続していただくためのフォローも行っています。ただ、それだけが私たちの役割だとは考えていません。
パトスロゴスのカスタマーサクセスが本質的に担っているのは、お客様の新しいニーズに向き合いながら、複数のツールをどう組み合わせれば生産性が高まるのかを考え、業務改善をリードしていくことです。
単にプロダクトの使い方をお伝えするのではなく、お客様の業務そのものをどう設計し直すかまで踏み込みます。製品の知識に加えて、お客様の業務理解や、ときには営業的な視点も求められます。そうした要素をすべて含めて、私はカスタマーサクセスの仕事をよく「総合格闘技のような仕事」だと表現しています。
——自社製品しか提案できない環境と、他社製品も含めて提案できる環境では、具体的にお客様への向き合い方はどう変わりますか。
お客様への向き合い方そのものが、かなり変わると感じています。課題についてご相談を受けた際には、基本的に二つの選択肢をお出しするようにしています。
一つは、今のシステム構成の中で工夫することで解決を目指すプラン。もう一つは、新しいSaaSを導入し、プラットフォームと連携させることで、より大きな効果を狙うプランです。
この二つをフラットに並べたうえで、どちらがお客様の将来にとってより良い選択なのかを、一緒に考えていきます。こうした意思決定のプロセスそのものに関われる点が、私たちの大きな特徴だと思っています。
自社のサービスを売ることが目的ではないので、「本当にお客様にとって最適なのは何か」という視点を常に持ち続けることができます。こうした関わり方は、一つのツールに専念する環境ではなかなか経験できない、パトスロゴスのカスタマーサクセスならではの醍醐味だと感じています。
多忙な人事の現場に寄り添い、業務改善をリードする存在へ
——現在、カスタマーサクセス組織はどのような体制で動いているのでしょうか。
組織としては、約半年前にプロジェクトマネジメント部門から独立し、現在は7名体制で動いています。メンバーの年齢層は20代半ばから40代半ばまでと幅広く、大手SIerや大手SaaSのカスタマーサクセスを行っていたメンバー、コンサルティング会社で従事していたメンバー、異業種だと証券会社での営業職や大手メーカーのカスタマーサポートに従事していたメンバーなど、バックグラウンドもさまざまです。
——立ち上げフェーズということですが、これからどのような組織を作っていきたいか、展望を教えてください。
これまでは、お客様からご相談をいただいた内容に応える、いわば受け身の動きが中心でした。今後はそこから一歩踏み込み、こちらから能動的に提案できる組織へと変えていきたいと考えています。具体的には、「業務改善シート」を活用し、人事部の方々が日々の業務の中で見過ごしがちな課題を整理・可視化したうえで、解決策を提示していく取り組みを進める予定です。
人事の現場は非常に忙しく、自分たちの業務を立ち止まって見直す時間を取りづらいのが実情です。だからこそ、私たちが専門家として入り込み、より良い業務の形を一緒に描いていきたいと考えています。
——チームのカルチャーとして、特に大切にしていきたいことは何でしょうか。
会社のバリューの一つでもある「他責NG」という考え方は、特に大切にしていきたいですね。カスタマーサクセスというポジションはリレーで言うとアンカーであり、未解決の問題・新しく発生する課題など多種多様な問題が生じます。中には他部門が原因となる問題も生じます。何か問題が起きたときに、それは自分たちの担当ではありませんと線を引いたり、マニュアル通りの回答で終わらせたりするのは、私たちが目指している姿ではありません。どんな課題であっても自分事として受け止め、どうすれば解決できるのかを最後まで考え抜く姿勢を、チームとして当たり前にしていきたいと思っています。
実際にお客様から「IT製品って売りっぱなし、導入しっぱなしが多い印象だったけどパトスロゴスさんは、導入後もタイムリーに対応してくれるから驚いた」などポジティブなコメントを頂くケースが多いです。これは、すごくやりがいに繋がりますね。
蓄積されたデータとAIを活用し、お客様の意思決定を支える存在を目指す
——CS組織は一人ひとりの裁量が非常に大きいと伺っていますが、その中で、どのようにメンバーを育てていきたいと考えていますか。
段階的に簡単な業務から任せていくよりも、入社直後から身の丈を超えるような、難度の高い仕事を任せることが、本人の成長につながると考えています。実際に、入社半年・第二新卒のメンバーが「やりたい」という声を上げてくれたので、実施したかったけど、できていなかった年末調整に関するウェビナーの企画をゼロからお願いしました。年末調整は非常に高度な専門知識が必要なのですが、彼女は人事領域の専門知識をゼロでした。カスタマーサクセスチームにとどまらず、導入チームや開発で支え、最終的には無事にやり遂げ、お客様からも非常に高い評価をいただきました。
——現在、会社としてAIを積極的に導入していると伺っていますが、カスタマーサクセスの現場ではどのように活用していくお考えでしょうか。
現在は、よくあるお問い合わせに対して自然言語で対話できるAIのチャットの仕組みを整えております。ChatGPTのパトスロゴス版のようなイメージです。一部のお客様にトライアルをご実施いただいております。これによりお客様は調査時間の削減を達成し、当社は定型的な業務の削減を目指しています。導入を進めている現時点では、AIの回答が正しいかを全件チェックしています。そのため、自社内でかえって手間が増えている部分もあります。しかし、これは将来の効率化や質の高いサービス提供のために避けては通れないステップだと考えています。全件チェックによって、ナレッジのブラッシュアップを行っており、正答率の高いAIチャットにとどまらず、細かいところに配慮できるAIチャットを目指しています。
——AIが日常的に使われるようになった先で、カスタマーサクセスにはどのような役割が求められるのでしょうか。
蓄積されたデータから、お客様にとっての意味を見出す役割がより重要になります。例えば、単に数値の変化を見るだけでなく、その背景にある組織の課題を分析し、最適な解決策を提案することです。
私たちのプラットフォームには、膨大なデータが集まります。今後は、それらを分析して、お客様の組織がより良くなるためのコンサルティングを強化していきたいと考えています。データに基づいてお客様の意思決定をサポートしていくことが、AI時代に求められるカスタマーサクセスではないでしょうか。
ビジネスシーンで一生通用する、確かな課題解決の力を磨くことができる
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——パトスロゴスでのカスタマーサクセスでは、どのような成長、キャリア機会がありますか?
私たちが向き合っている仕事には、コンサルティングや営業、そして時には技術的な視点も必要です。大手企業の複雑な課題を解決していく経験は、どのようなビジネスシーンでも通用する一生もののスキルになると思います。
将来的にコンサルタントを目指す方はもちろん、事業企画やプロダクトマネージャーなど、本人の意向次第でキャリアの可能性はいくらでも広がります。カスタマーサクセスという枠を超えて、ビジネスパーソンとしての厚みを増していける環境だと自負しています。
——最後に読者の方へ、メッセージをお願いします。
もし今の仕事が少し型にはまってきたと感じていたり、もっとお客様の本質的な力になれる仕事がしたいと考えているのであれば、ぜひ一度パトスロゴスの話を聞きに来ていただけたら嬉しいです。
まだすべてが完成している組織ではありませんが、その分、自分たちのアイデアや工夫次第で、新しい価値を形にしていける環境があります。