こんにちは。株式会社リアルアキバ・コミュニケーションズの倉光です。
今回は、プロジェクトを進めていると意外とよく出てくる、
「それ、誰がやるんだっけ?」
という言葉について書いてみます。
イベントでも、広告でも、コンテンツ制作でも、プロジェクトが大きくなればなるほど関わる人は増えていきます。
企画する人、制作する人、確認する人、クライアントと連絡する人、タレントやクリエイターとやり取りする人。
それぞれが一生懸命動いている。
それなのに、なぜか抜け漏れが起きる。
その原因をたどっていくと、
「やるべきことは分かっていた。でも、誰がやるかは決まっていなかった」
ということが結構あります。
「みんなでやる」は、意外と危ない
会議で、
「これも対応しましょう」
「告知も必要ですね」
「先方にも確認しておきましょう」
と話して、全員が「そうですね」と納得する。
一見、順調な会議に見えます。
でも、そのあと誰も動いていない。
なぜか。
担当者が決まっていないからです。
「誰かがやるだろう」
「担当の人がやってくれるだろう」
「たぶん○○さんが対応するんじゃないか」
全員が少しずつそう思っている。
そして締切直前になって、
「これ、まだやってないんですか?」
となる。
プロジェクトでは、「みんなの仕事」は「誰の仕事でもない状態」になりやすいと思っています。
だから、仕事を発生させたら、できるだけ「誰がやるのか」まで決める。
当たり前のようですが、これだけでもかなり事故は減ります。
会議のゴールは「話したこと」ではない
私は、会議が終わったときに大切なのは、
「たくさん話せたか」ではなく、
「次に誰が何をするかが決まっているか」
だと思っています。
例えば、
「イベントの告知について検討する」
だけでは、まだタスクになっていません。
「倉光が告知内容を整理して、金曜日までに初稿を作る」
ここまで決まって、初めて仕事として動き始めます。
誰が。
何を。
いつまでに。
この3つがあるだけで、プロジェクトはかなり進めやすくなります。
逆に、このどれかが欠けていると、あとで確認する仕事が増えます。
「これ誰担当でしたっけ?」
「いつまででしたっけ?」
その確認を何度も繰り返すこと自体が、結構なコストです。
「担当」と「責任者」は少し違う
前回、「決める人」の話を書きました。
ここにもつながるのですが、
作業する人と、その仕事に責任を持つ人は、必ずしも同じではありません。
例えばイベントの告知画像を作る場合。
デザインを作る人がいる。
情報をまとめる人がいる。
内容を確認する人がいる。
最終的にOKを出す人がいる。
全員が「告知画像に関わっている人」です。
でも、
「この告知画像を公開できる状態まで持っていくのは誰なのか」
は一人決めておいたほうがいい。
私はこれをかなり大事にしています。
担当者が複数いることは問題ありません。
でも、最終的にボールを持っている人が分からない状態は危ない。
仕事を分担することと、責任まで分散させることは違います。
「自分の作業が終わった」で終わらない
仕事ができる人を見ていて感じることがあります。
自分に割り当てられた作業だけを見ていません。
例えば、
「資料を作ってください」
とお願いしたとします。
資料を完成させて終わりではなく、
「このあと誰が確認するんだろう」
「クライアントにいつ送るんだろう」
「この情報が足りないけど大丈夫かな」
と、その先まで考えています。
私は、こういう人には仕事を任せやすいです。
もちろん、何でも自分でやってほしいという意味ではありません。
むしろ逆です。
自分がやる必要のない仕事なら、誰に渡すべきかを考えられること。
それもプロジェクトを進める力だと思っています。
ボールを持ったままにしない
私はプロジェクトを、よく「ボール」に例えて考えます。
今、誰がボールを持っているのか。
次に誰へ渡すのか。
何待ちなのか。
これが見えているプロジェクトは進みます。
一方で、
「先方確認中だと思います」
「○○さんが対応しているはずです」
「たぶん返事待ちです」
という言葉が増えてきたら、少し危険です。
誰も現在地を正確に把握していない可能性があります。
特にエンタメの仕事では、一つの確認が止まると、その後ろの仕事が全部止まることがあります。
出演者が確定しないからデザインできない。
デザインができないから告知できない。
告知できないからチケット販売を始められない。
一つの小さなボールが、プロジェクト全体を止めてしまう。
だから、
「今、ボールは誰が持っている?」
を確認する習慣は、とても大切だと思っています。
タスク管理ツールを入れれば解決するわけではない
こういう話をすると、
「じゃあタスク管理ツールを導入しましょう」
という話になりがちです。
もちろん、ツールは便利です。
Slack、スプレッドシート、Notion、Backlogなど、会社やプロジェクトによっていろいろな方法があります。
ただ、ツールを入れただけでは解決しません。
担当者が書かれていない。
期限が書かれていない。
ステータスが更新されていない。
これでは、どんなに優秀なツールでも意味がありません。
大切なのはツールそのものではなく、
「誰が・何を・いつまでにやるかを明確にする文化」
だと思っています。
極端に言えば、それができているチームなら、最初はホワイトボードでもスプレッドシートでも仕事は進みます。
「気づいた人がやる」だけにしない
エンタメ業界には、気が利く人がたくさんいます。
「これ必要そうなのでやっておきました」
と言ってくれる人。
本当にありがたい存在です。
ただ、組織としては、それだけに頼ってはいけないと思っています。
いつも同じ人が気づく。
いつも同じ人が拾う。
いつも同じ人が最後にフォローする。
それを続けていると、その人に仕事が集中します。
そして、その人がいないと回らないチームになってしまう。
だから、
誰かの「気づき」で救われた仕事は、次から仕組みにする。
これが大切です。
チェックリストに入れる。
担当を決める。
フローに追加する。
次回から「気づかなくてもできる状態」にする。
個人の能力を、チームの仕組みに変えていく。
それもマネジメントの仕事だと思っています。
仕事を振ることと、仕事を任せることは違う
「これやっておいて」
と伝えるだけなら簡単です。
でも、本当に仕事を任せるなら、
なぜ必要なのか。
どこまでやれば完了なのか。
いつまでなのか。
誰に確認すればいいのか。
どこから自分で判断していいのか。
そこまで共有したほうが、任された側も動きやすくなります。
特に若いメンバーには、作業だけを渡すのではなく、できるだけ**「何のためにやるのか」まで伝えたい**と思っています。
目的が分かれば、自分で考えられるからです。
言われた通りに作業する人ではなく、
「この目的なら、こうしたほうがいいのでは?」
と提案できる人になってほしい。
そのほうが仕事は面白いですし、成長も早いと思います。
「それ、誰がやるんだっけ?」をなくす
プロジェクトがうまくいかない原因は、大きな戦略ミスだけではありません。
実際には、
誰かが確認すると思っていた。
誰かが発注すると思っていた。
誰かが連絡すると思っていた。
そんな小さな抜け漏れからトラブルになることも多いです。
だから私は、プロジェクトを進めるとき、
「何をするか」だけでなく、「誰が持つか」まで決める。
ことを大切にしています。
そして仕事を受け取った側も、自分のところで止めない。
終わったら次の人へ渡す。
問題があれば早く共有する。
担当が分からなければ確認する。
派手な仕事ではありません。
でも、こうした積み重ねがあるから、最後にイベントが開催できたり、作品が公開できたり、企画が世の中に出たりします。
エンタメの仕事には、アイデアを生み出す人も必要です。
クリエイティブを作る人も必要です。
そして同じくらい、
「誰が何をするのか」を整理して、みんなの仕事を前に進める人も必要です。
「それ、誰がやるんだっけ?」
この言葉が出なくなるだけでも、チームはかなり強くなると思っています。