「事務職として働いているけど、頼まれた書類を作るだけでは物足りない」「もっと自分で考え、仕事の流れ全体に関われる環境で成長したい」。そんな思いを抱えている人にぜひ知ってほしいのが、株式会社クレストでの仕事です。
株式会社クレストで営業事務を担当する鄭 楊さんは、官公庁などが公開する公告の確認から、見積書や入札書類の作成、受注後の社内連携、売上・請求の管理まで、案件の入口から出口までを幅広く支えています。
中国で生まれ育ち、大好きな日本のアニメにあこがれて来日した鄭さん。水質に関する知識がまったくない状態から、どのように専門性を身につけ、幅広く仕事を任される存在へと成長したのでしょうか。鄭さんに話を聞きました。
(この記事の登場人物)
計測器事業所 総務部
鄭 楊
中国・西安市出身。2015年に来日し日本の大学を卒業。留学生支援企業での勤務を経て、2020年に株式会社クレスト入社。営業事務担当として見積書作成や受注後の対応(受注伝票の管理、各部署との連携など)を担い、社内外の連携をサポートしている。
案件の入口から売上まで。仕事全体を見渡す役割
—鄭さんが現在担当している仕事について教えてください。
営業事務として、受注前の見積書作成から、入札、受注後の社内手続き、各部署との連携、売上の管理までを担当しています。ひとことで言えば、仕事の入口から最後までを見ながら、案件がきちんと進むように管理する役割です。
クレストのお客さまは、国や自治体などが中心です。官公庁の案件を手がけるために、まずホームページに掲載される公告(官公庁が発注する案件の募集情報)を定期的に確認します。そこには水質計に関するものだけでなく、道路工事など膨大な数の案件が掲載されているため、クレストが対応できる仕事を探し出さなければいけません。
—クレストの仕事が生まれるところから携わっているんですね。
はい。「水温」「濁度」「pH」など、クレストが扱う機器や計測項目に関係するキーワードを使い、内容を細かく見ながら候補を絞り込みます。そのうえで上司へ報告し、入札することが決まったら、公告や仕様書を確認して必要な申請書類を準備します。
私が案件を見つけなければ、その仕事は始まりません。そう考えると、とても責任のある役割だと感じます。
—受注した後は、どのように仕事を進めるんですか?
受注伝票などの社内書類を整え、技術部をはじめとする各部署へ情報をつなぎます。その後も進捗を確認し、作業が終わったら売上や請求まで管理します。
特に忙しくなるのは年度末ですね。1年間の案件を整理し、売上や請求に漏れがないかをチェックします。経理担当者へ情報を渡す前に、営業側で管理している案件がすべて正しく売上につながっているかを確認する。これも営業事務の大切な業務なんです。
正確にこなすだけでなく、状況を整理して「次」を考えることも大切
—お客さまから緊急の対応依頼を受けることもあるんでしょうか?
ありますね。たとえば、定期的にメンテナンスを行っている現場から、「水質計のデータが反映されなくなった」と緊急の電話をいただくことがあります。営業の窓口として最初に電話を受け、どのように社内へつなぐかを判断することも私の仕事です。
そんなときに大切なのは、まず自分の中で情報を整理すること。どのダムや現場で起きているのか、どのようなトラブルなのか。要点を整理してから社内へ展開することで、技術部も次の対応に向けて動きやすくなります。
—臨機応変に対応することが求められるんですね。営業事務として活躍するためには、どんな力が必要だと思いますか?
最初は、指示されたことを正確に進めることが大切です。まずは一つひとつ教わり、基本を覚えるところから始めれば大丈夫です。
ただ、仕事に慣れてきたら、指示通りに作業するだけでなく自分で考えることも求められるようになります。
仕事を続ける中で、「このやり方はおかしいのでは?」「もっと効率的にできるのでは?」と問題に気づく場面も出てくるはず。そんなときには遠慮せず、上司や先輩に質問・提案すべきだと思っています。
たとえば、いつもと違う条件で見積書を作るよう指示したときに、「なぜ今回はいつもと違うんですか?」と聞いてもらえるとうれしいですね。ただ指示通りに進めるのではなく、自分で考えながら仕事をしていることが伝わるからです。
—専門的な知識は、入社前から必要でしょうか?
いえ、入社後にじっくりと身につけていけるので、入社前は何も知らない状態でも大丈夫だと思います。私も入社前は、水質に関する知識がまったくありませんでした。面接で仕様書を見せてもらったときには、心の中で「これは一体何だろう……?」と思い、不安を感じたことを覚えています(笑)。
でも、入社後に先輩から教わり、日々の仕事を進める中で少しずつ理解できるようになりました。最初は意味がわからなかった専門用語も、報告書や見積書に触れるうちに、何を示しているのかがつながっていきます。特別に構えて勉強しなければならないというより、実務を通じて自然と知識を身につけていける環境だと思います。
アニメにあこがれて来日。「人を支える仕事」を求めてクレストへ
—鄭さんが日本へ来るまでのことを教えてください。
出身は中国の西安市です。かつては「長安」と呼ばれた歴史のある街で、日本の方には「中国の京都のようなところです」と説明しています。
日本へ来たのは2015年。きっかけは日本のアニメでした。『進撃の巨人』や『名探偵コナン』など、いろいろな作品が好きになり、日本に興味を持ったんです。それまで日本語を勉強した経験はほとんどありませんでしたが、来日後に日本語学校へ通い、その後、日本の大学を卒業しました。
—大学卒業後は、どんな仕事をしていたんですか?
留学生を支援する会社で働いていました。自分自身も留学生として日本へ来たので、来日したばかりで何もわからず、困っている人の気持ちはよくわかります。そんな人に手を差し伸べ、問題を解決できることに、とてもやりがいを感じていました。
しかし、新型コロナウイルス禍によって留学生が日本へ来られなくなったことを機に、次のキャリアを考えるようになりました。一度は帰国も頭をよぎりましたが、「せっかく日本の職場で経験を積んだのだから、もう少し挑戦してみよう!」と思い、転職活動を始めたんです。
そこで、「営業サポート」などのキーワードで仕事を探し、クレストを見つけました。前職と仕事内容は違いますが、誰かを裏側から支えるという点は共通しています。社員数が多すぎず、入社すれば幅広い仕事に携われそうだと感じたことも決め手になり、2020年に入社しました。
—実際に働いてみて、会社の雰囲気はどうでしたか?
とても相談しやすい風土があると思います。私にとって、長く働けるかどうかを左右する大きな要素は会社の雰囲気。人間関係がよくなければ、毎日会社へ行くこと自体がつらくなってしまうからです。クレストでは困ったときに周囲へ声をかけやすく、部署を越えて協力できます。
入社したばかりの頃は、先輩たちが私の日本語も直してくれました。たとえば、お客さまへメールを送る際、私は毎回「お世話になっております。株式会社クレストの鄭と『申します』」と書いていたんですね。すると先輩が「2回目以降のやり取りでは、『鄭です』と書いたほうが自然だよ」と教えてくれました。周囲にとっては小さなことだったかもしれませんが、私にはとてもありがたい指摘でしたね。
営業事務職は、毎週の公告確認や月末の売上報告など定型業務が中心なので、仕事の予定を立てやすく、年度末を除けば残業もほとんどありません。休暇も相談しやすく、急な用事や体調不良があったときには柔軟に対応してもらえます。そうした環境面でも、安心して長く働ける職場だと感じています。
仕事を管理する立場から、人の成長を支える立場へ
—アニメをきっかけに来日し、もう10年以上が経ちましたね。
はい。今でもアニメは大好きで、作品の展示会やコラボカフェへ出かけるなどして、ほぼ毎週のように何かしらのイベントを楽しんでいます。幕張メッセで開催された『ONE PIECE』のイベントへ行けたときは本当に幸せでした(笑)。
好きなものを身近に感じながら、仕事でも新しい挑戦を続けられている。日本に来て、そしてクレストに入社して、本当によかったと感じています。
—これから鄭さんは、どんなキャリアを歩んでいきたいですか?
現在は営業事務として実務を担当していますが、将来は個々の案件だけでなく、会社全体の受注や売上を見渡せる立場を目指したいです。さらに、これから若い人たちが入社してきたときに、人を育て、支えられる管理職になりたいと考えています。
今も後輩へ仕事を教え、少しずつ引き継ぎを進めています。ただ、自分の考えを相手へうまく伝えるのはなかなか難しくて。説明に苦労するときはつい「自分でやったほうが早いかも」と思ってしまうこともあります。
だからこそ、後輩には「わからないことや気づいたことがあれば、何でも聞いてね」と伝えています。仕事を任せるには時間がかかりますが、後輩ができることを増やし、成長していけるよう、しっかり支えていきたいです。
—管理職を目指す鄭さんとして、今後はどんな人と一緒に働きたいですか?
責任を持って、一つひとつの仕事を進められる人です。最初から専門知識がなくても心配はいりません。まずは教わった通りに取り組み、経験を重ねながら、少しずつ自分で考えられるようになってほしいと思います。
クレストの営業事務は定型業務が多いものの、案件によって条件は異なりますし、急な問い合わせに対して臨機応変な判断が必要になることもあります。日々の仕事の中で疑問を持ち、周囲に相談し、自分なりの工夫を加えていく。そんな積み重ねを意識して、仕事の幅を広げ、自分自身の将来に役立つ力を身につけてもらいたいです。
私自身、まったく知識のない業界へ飛び込み、周囲の人に支えてもらいながら成長してきました。だからこそ、新しく入社する方にも「わからないことは何でも聞いてください」と伝えたいですね。今度は私が、新しく仲間になる人を全力で応援します。