今回お話を伺ったのは、For A-careerで事業づくりや人事企画を担う重田さん。石油会社からベンチャー企業へ転身し、トレジャー・ファクトリーやDeNAの創業期で数々の新規事業に携わってきました。自ら立ち上げた事業を展開するなど、事業づくりの最前線を歩み続けてきた人物です。
そんな重田さんが一貫して語るのは、「成長を目的にするのではなく、目の前の課題に向き合い続けた結果として成長はついてくる」という考え方です。
若いうちに身につけておきたい仕事観とは何か。そして、挑戦する人が成果を出し続けるために大切なこととは何か。これまでの経験をもとに、そのキャリア観について伺いました。
Profile
重田 晃明
東京大学工学部卒業後、石油資源開発株式会社へ入社。技術者として石油探査に従事した後、ベンチャー業界へ転身。ディー・エヌ・エー、エムスリーにて新規事業・マーケティング・人事など複数領域を横断的に経験。現在はフォーエーキャリアにて業務管理部長・人事企画を担当し、経営基盤づくりを推進している。
「社員食堂では、サラダを高く積む人で有名でした(笑)」
──どんな新卒時代でしたか。
新卒では石油資源開発株式会社に入社しました。技術者として、新潟の山や茨城の海など全国に足を運んで、「石油が埋蔵されている可能性がある場所」を調査する仕事をしていました。……とはいえ、当時から真面目一辺倒だったわけではありません(笑)。社員食堂には100円でサラダを好きなだけ盛れるコーナーがあったんですが、私は「如何に、高く美しく盛れるか」にこだわっていて、ポテトサラダを土台にして、コーンで耳を作って、うさぎみたいな形にしてみたり。毎日そんなことをやっていたので、食堂のおばちゃんにはすっかり顔を覚えられてしまって。辞める時には「有名人でしたよ」と言われたくらいです(笑)。
──その後、ベンチャー企業へ転職されています。
はい。技術者をやって思ったことは、自分で生き方を選択できる生き方がいいな、だったので、当時ようやく認知されてきたベンチャーの世界に行きました。
トレジャー・ファクトリーという会社なんですが、当時はまだ3店舗くらいしかなくて、面接の日も「社長は今、店舗のペンキを塗っているので少し待ってください」と言われました(笑)。
当時のリサイクルショップは、中古品に決まった価格が付いていないのが当たり前でした。「これはいくらですか?」「じゃあ、この値段ならどうですか?」そんなやり取りで価格が決まる世界です。ところが、トレジャー・ファクトリーでは、値段を固定化し、POSレジを導入して商品の販売データを蓄積・分析しながら、店舗運営を仕組み化しようとしていました。
新しいビジネスモデルを作ろうとしている割には社長がペンキ塗ってる。——「これがベンチャーか」と、思いました(笑)。
―― 具体的にはどんな仕事を?
店舗ビジネスの世界って、3店舗以上に増やす上で最初の壁があって、その次は30店舗の壁、その次は300店舗の壁があるんです。
社長1人が頑張れば回る規模から、店長が店舗マネジメントできるようにする「仕組み」が必要になる。売れる商品を別の地域に移動するときの店舗間の在庫移動のルールを作ったり、POSデータを使った分析をしたり、ネット対策もしていました。
風邪をひいた人が出たらお店に行って商品を拭いたり、ベンチャーなのでそういう雑用も含めて(笑)。
―― これまでの社会人歴で苦しかった時期はありますか?
「私、失敗しないので」と言いたいところですが(笑)、もちろん色々ありました。
ある会社で新規事業に携わった時のことです。企画段階の調査資料を分析してみたら、「この事業は正直かなり厳しいな」と思ってしまった。例えるなら、誰かが失敗した事業を渡されて、それをきれいに立て直すような仕事で、11人いたメンバーのうち、8人が辞めていくような状況でした。
それでも投げ出さなかったのは、投げ出した瞬間、それが自分の実績になってしまうからです。ちゃんと着地させないといけない。どんな形でも、最後まで着地させる責任がある。そう考えて仕事をしてきました。
そんな苦しい時期でも、忘れられない出来事があります。
よく利用していたコンビニのレジ担当の方がいたのですが、その人は商品をほとんど見ずにレジを打ちながら、最後までお客様の目を見て接客していたんです。会社に教えられたからではなさそうで、自分なりの仕事観としてやっていることが伝わってきました。ある日、その姿勢を褒めたら、「お客様は、人のいいところを見つけるのが上手ですね。」と返されました。
仕事の質とは、肩書きや職種ではなく、その人自身の向き合い方で決まる。そんなことを感じた出来事でした。
「得体の知れない会社」が、一番面白い。
──数多くの企業を経験されてきた中で、なぜFor A-careerへの入社を決めたのでしょうか。
最初の印象は、「得体の知れない会社」でした(笑)。面談で、代表の浅尾さん、新原さん、田中丸さんと話をしました。皆さん、とにかくエネルギーがある。そして、「アジアを代表する会社をつくる」という大きなビジョンはあるけれど、そのための正解はまだ決まっていない。私はこれまで、新規事業をいくつも経験してきました。だからこそ、「まだ決まっていない」という状態に抵抗はありません。むしろ、その方が面白い。もちろん、勢いだけではありませんでした。挑戦するには、失敗できる余力も必要です。For A-careerには、しっかり利益を生み出している事業がある。地に足をつけながら、新しい挑戦にも投資できる。そこに納得感もありました。
実は、入社した今でもFor A-careerは、「得体の知れない会社だな」と思っています。役員陣は滝行に行ったり、バンジーを飛んだり(笑)。もちろん、それだけを見れば不思議な会社です。でも、その根底には「自分を鍛え続ける」「本気で挑戦する」という価値観がある。だからこそ面白い。僕も頻繁にベトナムへ遊びに行ったり、ライブ配信をやってみたりしているので、きっと役員陣から見ても、「あいつも得体の知れない人だな」と思われているでしょうけど(笑)。
──経営陣を近くで見ていて、印象に残っていることはありますか。
浅尾さんは、失敗の尻拭いを、自分でやるんです。世の中には、うまくいった時だけ「自分の成果」にして、失敗すると部下の責任にして終わる経営者も少なくありません。でも、浅尾さんは人のせいにしない。苦しそうにしながらでも、自分で最後まで向き合う。だから、社員も挑戦できるんだと思います。失敗しても、誰かを切り捨てる会社ではない。トップがそういう姿勢だからこそ、挑戦する文化が生まれるんでしょうね。
あと、フィジカルが強いですね(笑)。事業は能力より、体力です。事業を作る時に、何をやればいいか分からない、ということはほとんどありません。やるべきことは分かっている。あとは、やり切れるかどうかです。
もちろん、どうやれば効率的かを考える知性は必要です。でも最後は、行動量。同じ8時間でも、歩いている人と全力疾走している人では、出せる成果は全く違います。事業をつくる人には、やっぱり体力が必要ですね。
※重田さんが気に入っている刃牙のセリフは「一切の戦略がたたずとも…まずは叩け!」
成果を出す人は、「成長しよう」としていない。
──26卒の入社研修も担当されたそうですが、若手社員を見ていて、成果を出す人にはどんな共通点がありますか。
まず、「成長する」ということ自体に重きを置いていない人が多いです。それは事業のKPIとして伸びているというだけの話で、会社という枠組みの中で見た時の話。
言われたことを素直にできる人が伸びます。余計なことを考えない。他の人と比べたり、「本当はこうなりたい」とか、そういうことも関係なく、成果を出すことに真っ直ぐ向き合って、目の前のことをちゃんとやる。他の事を気にしたり話したりする時間が多い人は、それだけ成果から遠ざかります。自分が成果を出すために、という条件だけで行動すればいいと思います。会社は、成長するための場所ではありません。成果を出そうとした結果として、成長するんです。
─ベンチャー企業に不安を感じる人も多いと思います。
「ベンチャーだから不安。」その言葉を聞くたびに思うんです。「何が不安なんですか?」と。会社の歴史が浅いことなのか。制度が整っていないことなのか。業績なのか。そこを考えず、「なんとなく不安」と言っているなら、それはまだ思考が足りません。
不安を言語化する。それが、会社を見る力になります。そして、私から一つアドバイスをするとしたら、会社を見るのではなく、経営者を見てください。会社は時代によって変わります。事業も変わります。でも、会社の強みは経営者が作ります。営業が強い会社なのか。技術が強い会社なのか。人を育てる会社なのか。それは経営者を見れば分かります。
学生の皆さんには、ぜひ会社ではなく、「誰から学べるか」という視点でも会社を見てほしいですね。
もしFor A-careerを見学する機会があるなら、エレベーターホールに立ってみてください。通り過ぎる社員と挨拶してみる。それだけで十分です。挨拶って、人柄が一番出ますから。社員同士でも挨拶が多い会社ですし、それは会社の雰囲気そのものです。これは偶然ではなく、採用の力だと思っています。「一緒に働きたい」と思える人を、採用担当がしっかり選んでいる。社内アンケートでも、「昇給・昇格」や「成長実感」を抑えて「チームワークの良さ」が会社の魅力として一番多く挙げられていました。管理部門から見ても、それは本当に感じます。
―― 仕事で大切にしていることはなんですか?
「正しく数える」です。
日々生きている中での活動は、すべて売上とか利益とか、数字に変わっていきます。努力の出力が数字である以上、正しく数えることは最低限のことで、それができないと計画も立てられないし、状況も把握できない。何もかも無駄になります。
「正しく」というのは、その数字が持つ意味合いを適切に捉えられているかということです。足し算の結果は、目的に対して正しく意味づけできているか。何かの「率」を取るにしても、それはどういう目的で取っていて、上に行ったらどうなるのか、下に行ったらどうなるのか——数字だけを見て、その意味を考えないのが一番よくないと思います。
仕事以外で大切にしている価値観としては、家族を優先できるように振る舞える会社かどうかが、仕事選びの大前提です。仕事のために家族を犠牲にするというのは、僕にとっては対極の考え方です。
※先週、筋膜ローラーで背中を痛めた重田さん。孫の世話はなるべく早くしたいと語ります。
──最後に、就職活動中の学生へメッセージをお願いします。
仕事は、「楽しいからやる」「楽しくないからやらない」で選ぶものではないと思っています。まずは、やるべきことをやる。その上で、「どうすれば楽しめるか」を自分で考える。その姿勢が、仕事を面白くし、自分自身を成長させていくのだと思います。
もう一つ、お伝えしたいことがあります。それは、「会社のために生きよう」と思わなくていい、ということです。
大切なのは、自分の人生をより良くするために、「今の自分にとって、この会社が一番いい」と思える環境を選ぶこと。会社が自分の人生をつくってくれるわけではありません。自分自身が価値を生み出し、その対価として報酬を受け取る。その「契約」関係が、会社と社員の本質だと私は考えています。
For A-careerには、エートラ(社内転職制度)があり、実際にさまざまな職種やポジションに挑戦できます。だからこそ、「会社のために働く」という発想ではなく、「自分の人生にとって、この会社が一番いい場所だ」と思える働き方をしてほしいと思っています。自分にとって何がベストなのか、どんな力を身につけたいのかを考え続けることが大切です。
「こんな仕事に挑戦してみたい」「こういうキャリアを歩みたい」。そんな想いがあれば、ぜひオープンに発信してください。For A-careerは、自分から手を挙げる人を応援する会社です。
一方で、社会に出たばかりの頃は、「これをやりたい」と思っていても、それを実現するにはどんな能力が必要なのかまでは分からないものです。実際に仕事をする中で初めて見えてくることもありますし、周りから「これ、向いているんじゃない?」と言われて気づくこともあります。だから、自分で決めつけすぎず、周囲からもらう刺激や期待に乗ってみるのも、一つの選択だと思います。
学生時代に描いていた夢は、そのときの経験や価値観の中で生まれたものです。社会に出てさまざまな人と出会い、新しい経験を重ねれば、目指したい姿が変わることも自然なこと。夢を捨てる必要はありません。でも、自分の可能性を最初から決めつけず、柔軟に広げていってほしいと思います。
あとがき
実は今回のインタビュー、記事にできたのはほんの一部です。
重田さんのこれまでのキャリアや事業づくりのエピソードはとても濃く、誌面の都合もあって、実際にはインタビュー内容の半分以上を泣く泣くカットしました。
トレジャー・ファクトリーやDeNA創業期での話、新規事業の裏側、数々の修羅場で培われた仕事観など、ここでは紹介しきれなかった話がまだまだたくさんあります。
「もっと話を聞いてみたい。」
そう思った方は、ぜひ一度フォーエーキャリアに遊びに来てください。きっとこの記事だけでは伝わらない面白さを感じてもらえると思います。
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【カルチャー紹介 vol.8】「自分も組織も、挑戦を楽しめる環境をつくる」For A-careerのカルチャー【福利厚生】 | カルチャー紹介
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