「未経験からゲーム業界に入るのは難しい」転職を考えたことがある人なら、一度は目にした言葉かもしれません。コスモジャパンに入社したメンバーの多くも、同じことを言われてきました。
現在、当社には未経験で入社してゲームプランナーとして働いているメンバーが3名います。全員が、お客様先の現場でプランナーを務めています。
なぜそれが可能なのか。会社は何をしていて、本人には何が必要なのか。
代表に聞きました。
目次
ー 「未経験可」で終わらせない
まず、御社のプランナー3名は全員がお客様先で働いているとのことですが。
そこは当社が意識している部分です。自社のゲーム開発でプランナーをやるだけなら、ある程度未熟でも周りがカバーできてしまいます。社内なので調整も効きますし。
でもお客様先の現場では、そうはいきません。即戦力として求められ、成果が出なければ続けられない。
そこできちんと通用する人材を育てているというのが、当社の言う「未経験からプランナーになれる」の中身です。
未経験可を掲げる会社は多いですが、その先が違うと。
入口を開けるだけなら誰でもできます。問題は、入ったあとに本当にその職種で通用するところまで持っていけるかどうかです。
当社はそこを設計しています。
ー 3人が歩いた、それぞれの道筋
実際にどういう順番でプランナーになっていったのか、教えていただけますか。
3人とも道筋が違うので、順番にお話しします。
1人目は、テスト・QA業務を数年やっていたメンバーです。
その間、社内の面談で「QA業務のこういう部分は、プランナー職でそのまま活きる」という話を具体的にレクチャーしていました。ただ待つのではなく、現場でその力を発揮できるように意識づけをしていったということです。
並行して、自社のゲームで企画や仕様書の作成を任せました。QAをやりながらプランナーとしての経験も積んでいく形です。この二本立てで、現場に出たときに通用する状態を作りました。
2人目は、インフラ系のサポート業務からのスタートでした。こちらも自社のゲームでプランナーとして動いてもらいました。3本ほど自社タイトルのプランナーを経験したあたりで、インフラ系の案件を離れて、プランナーだけで働けるようになりました。
3人目は、未経験可のヘルプデスク業務から入っています。同時に自社ゲームでイラストの制作進行管理を任せていました。
その経歴があったので、まずアシスタントプランナーの案件に入ることができて、ソーシャルゲームのお知らせやヘルプの運用を担当しました。
それをこなしながら、自社ゲームの仕様作成やマスターデータの作成を数本経験して、アシスタントから本格的なプランナーにステップアップしています。
今はディレクターとして活躍しています。
3人に共通している点は何でしょうか。
自社のゲームを使って、実務の経験を先に積ませていることです。
未経験の人がいきなりお客様先でプランナーをやるのは無理があります。でも自社のゲームなら、仕様書を書いてもらう、企画を任せる、マスターデータを作ってもらうといったことができる。そこで経験を積んだ状態で現場に出れば、「未経験」ではなくなっています。
これができるのは、当社が自社でゲームを作っているからです。受託やSESだけの会社では、この練習の場が用意できません。
本業と並行して、ということですね。
そうです。3人とも、最初から専任だったわけではありません。
QA、インフラサポート、ヘルプデスクと、それぞれ別の業務をやりながら、その傍らで自社ゲームのプランナー業務を経験しています。
大変ではあります。ただ、この期間があるかないかで、現場に出たあとがまったく違います。
ー 希望した職種のチームに、全員入る
自社ゲームでプランナー業務を任せるとき、どなたが指導しているんですか。
私が見ることもありますが、ほとんどはチームのメンバーです。社内のゲーム開発部は、プランナーチーム、エンジニアチーム、デザイナーチームに分かれています。
ここが当社の特徴なんですが、プランナーを希望する人は、経験があるかないかに関わらず全員プランナーチームに配属になります。
現在の業務が何であってもですか。
はい。今エンジニアとして働いていても、QA業務をやっていても、ヘルプデスクをやっていても、プランナーをやりたい人はプランナーチームに入ります。
チームには第一線で活躍しているプランナーが何人もいるので、その人たちがフィードバックをくれます。仕様書を書いたら見てもらえる、企画を出したら意見がもらえる。この環境があることが大きいです。チームの上長も1on1で個別に指導しています。
チームをまたいだやり取りもありますか。
あります。デザイナーチームにもゲーム業界歴の長いメンバーが在籍しているので、デザイナーの立場から「プランナーにはこう動いてほしい」という助言をくれることがあります。
これは実際の現場に出たときにそのまま効きます。プランナーは他職種と一緒に仕事をするので、相手が何を求めているかを知っているかどうかで、動き方がまったく変わります。
ー 営業が特別なことをしなくても、案件に入れる理由
お客様先の案件に入るとき、会社としてはどんな働きかけをしていますか。
それほど手厚く何かをしているわけではありません。現場の第一線で活躍できるという確証を持ってから、案件を探しているからです。
経歴だけ適当に盛って現場に投入しても、すぐにメッキが剥がれて追い返されるだけです。本人にとっても不幸ですし、お客様に対しても失礼な話になります。
当社は、経歴も実績も技術も備わった状態で世に送り出しています。お客様はそういうところをきちんと見てくださるので、特別なことをしなくても自然と案件に入れます。
押し込む必要がない状態にしてから出している。
そういうことです。営業が頑張って交渉しないと入れないような状態なら、そもそもまだ出すべきタイミングではないと考えています。
ー
3年で、全員が実現している
希望が叶わなかったケースはありますか。
努力している人は、全員できています。かかる時間はまちまちですが、3年あれば全員がプランナーとして現場に立てています。ゲーム業界では経験3年が一つの節目とされているので、そこに合わせた形になっているのだと思います。
全員というのは。
続けた人は全員、という意味です。頑張りきれずにドロップしてしまった人ももちろんいます。
どういう方が続かなかったのでしょうか。
現場の仕事だけで手一杯になってしまって、それ以外の時間で技術研鑽をするという意識を持てなかった人です。ただ、これは当社に限った話ではないと思っています。プランナーでもエンジニアでもデザイナーでも、常に新しい技術を身につけるために自分で勉強する時間を確保しない人は、この業界では置いていかれます。業界の構造がそうなっている以上、避けられない部分です。
だからこそ、採用の段階でそこを見ている。
そうです。学習意欲があるかどうか、それも現場の仕事をこなして満足してしまわない人かどうかを見ています。技術職なので、自己研鑽が仕事の一部です。朝から晩まで現場の仕事をして、それで終わりという人は、現場の仕事ができるようになるだけで、それ以上には広がりません。
さきほどお話しした3人も、本業をやりながら自社ゲームのプランナー業務に取り組んでいました。機会は会社が用意しますが、そこに乗ってくるかどうかは本人次第です。与えられた枠を超えて、本当にやりたい業務に手を伸ばせるかどうか。そのモチベーションがあるかどうかを、採用の段階で見ています。
経験や資格は?
未経験の方を採る前提なので、そこは最初から期待していません。見ているのは、これから伸びるかどうかだけです。
ー これから来る人へ
最後に、未経験からゲーム業界を目指している方に伝えたいことはありますか。
求人票に「経験者募集」と書かれているのを見て、入口がないと感じている人は多いと思います。ただ、そこにたどり着く道は別にあります。
当社の場合は、自社でゲームを作っているので、その中で経験を積んでもらうことができます。プランナーチームには先輩がいて、フィードバックをもらえる環境もあります。3年という時間はかかりますが、続けた人は全員実現しています。
必要なのは、業務時間の外でも手を動かせるかどうかです。そこさえあれば、経験がないことは障害になりません。
会社は今、第二創業期に入っています。2027年の東京ゲームショウ出展を目指した自社タイトルの開発も進めています。つくることに関わりたい人には、機会の多い時期だと思います。