「自分の実力で、関わる人を幸せにしたい」
海外生活を経て、新卒で大手飲食チェーンに入社し、店長として活躍していた鈴木さん 。現場の責任者として多忙な日々を送る中で直面したのは、個人の努力だけでは越えられない「ビジネスモデルの壁」でした。
家族や仲間の将来、そして自分自身の市場価値。それらを本気で守るために選んだのは、未経験から挑戦する「採用コンサルティング」の世界。
現在はリーダーとして組織を牽引し、「頑張った分だけ全員が豊かになれる組織」を追い求める鈴木さんに、ヒトツメで見出した介在価値とキャリアの可能性についてお話を伺いました。
鈴木 遥也 / HRコンサルタント
中学時代からフィリピン等のインターナショナルスクールで過ごし、帰国後、日本の大学を卒業。新卒で大手飲食チェーンへ入社し、店長として売上向上や3ヶ月で30名以上のスタッフ増員、離職防止、顧客満足度の改善など店舗経営において多角的な実績を残す。その後、人材業界未経験でヒトツメへ参画。現在はリーダーとして、企業の採用戦略立案から実行支援まで幅広く手掛けている。
10年先も市場価値を高め続けるために。異業種から「自分で売上を作る力」を求めた理由
―― 学生時代は海外での経験も長いと伺いましたが、最初のキャリアに飲食業界の「現場」を選ばれたのはなぜですか?
就職活動を始めた当初から、いわゆるサラリーマンとして働くイメージが全く湧かなかったんです。父の仕事の関係で中学からフィリピンのインターナショナルスクールに通い、その後もタイやニュージーランドなど複数の国で生活してきましたが、当時は正直、学歴や世間体への意識も希薄でした。
ただ、海外生活を通じて「日本の食文化の凄さ」だけは強烈に実感していたんです。どこの国に行ってもご飯が美味しくない中で、この価値を世界に届ける仕事には、確かな意義を感じていました。
もう一つの理由は、組織の規模に対する違和感です。大企業に入って、5年後も10年後も近くに上司がいて、階段を一段ずつ登るようなキャリアは、自分の性格上耐えられないだろうなと…。
それよりも、一つの店舗を経営者のような視点で動かし、若いうちから自分の裁量で業績に責任を持つ。そんな働き方ができる大手飲食チェーン店の方が、圧倒的に成長スピードが速いと考えました。
―― その後、2年目で副店長、さらに店長へと昇進されています。未経験から着実に成果を出せた要因をどう分析されていますか?
一番の要因は、最初に配属された店舗で「本物のプロの基準」を叩き込まれたことだと思います。当時の店長が数字とオペレーションの天才で、原価率をコンマ数パーセント単位で管理し、誰をどのポジションに配置すれば店舗が最速で回るかを、緻密なシステムとして落とし込んでいました。
その圧倒的なレベルを間近で目の当たりにしたことで、自分の中の「できて当たり前」という基準が飛躍的に引き上がりました。
また、店舗運営はチーム戦です。自分ができないことは、そのまま他のメンバーやアルバイトスタッフの負担に直結します。「新卒1年目だからできない」は、現場のスタッフやお客様には関係ありません。
3年目のベテラン社員から私に責任者が代わったとしても、現場のクオリティを落とすことはスタッフに対して失礼だ、という強い責任感を持っていました。この「数字への徹底したコミット」と「周囲への負担を最小限にする」という姿勢が評価され、2年目で副店長、その後店長へと昇進することができました。
―― 着実にキャリアを築かれていた中で、なぜ転職という道を選ばれたのでしょうか
一番の理由は、自分に家族ができた時まで含めた「中長期的なキャリア」を描けなかったことです。店長として店舗を任されるのは刺激的でしたが、土日休みは難しく、転勤も頻繁にあります。
私は「自分の力で、関わる人を幸せにしたい」という欲求が強いタイプです。当時は、自分が14時間働いてお店を回すことで、アルバイトスタッフが少しでも楽しく働けるならそれでいいと思っていました。
しかし、将来家族ができた時、仕事への責任感と家族への想いの間で板挟みになり、耐えられなくなる未来が見えたんです。そこで、土日休みなどの環境を整えつつも、自分一人で売上を生み出せる「営業職」として市場価値を上げ、本当の意味で自由な選択ができる実力をつけたいと考えるようになりました。
―― 転職活動では、当初から「人材業界」を目指していたのでしょうか?
いえ、実は全くそんなことはありませんでした。当時は「土日休み」「市場価値が上がる」「営業職」といった軸で広く見ていて、正直に言えば業界にはそこまでこだわりがなかったんです。
人材業界に興味を持ったのは、エージェントの方から「人材がいいんじゃないか」と紹介を受けたのがきっかけでした。ただ、詳しく話を聞くうちに、前職で感じていた「ビジネスモデルの限界」という課題を、この業界なら解消できるのではないかと気づいたんです。
私はもともと一緒に働く仲間が幸せであってほしいという想いが強く、前職でもスタッフのために差し入れをしたり、誰かが楽になるならと自ら長時間現場に立ったりしていました。
しかし、飲食業は極めて高い原価率と人件費をコントロールする薄利多売のモデルです。どんなに現場で努力しても利益率は数パーセントしか変わらず、仲間に十分な還元をすることが難しい。「人を大事にしたい」という理想があっても、この構造の中では頑張りようがないという閉塞感を感じていました。
対して人材業界は、無形商材であり「人が原資」です。自分の働きがそのまま価値となり、高い利益率を出せる。頑張れば頑張った分だけ利益が積み上がって、それを組織や仲間に還元できるんです。エージェントからの紹介を機に、この業界に強く惹かれるようになりました。
担当70社の採用を、仕組みから変える。紹介の枠を超えた「本質的な解決」こそがコンサルの醍醐味。
―― 数ある人材会社の中で、最終的に「ヒトツメ」へ入社を決めた理由を教えてください
一番の決め手は、仕事の幅が広く、5年、10年と先を見据えたときに「キャリアをアップデートし続けられるイメージ」が持てたことです。
一般的な人材会社だと、CA(キャリアアドバイザー)として面談を繰り返すだけのキャリアになりがちで、数年もすれば「役職が上がる以外に、自分にやれることが増えないのではないか」という懸念がありました。実際、前職を辞める決意をした理由の一つも、仕事の選択肢が狭まっていくような感覚があったからなんです。
せっかく転職するなら、2年後くらいに「また新しいスキルを求めて転職しなきゃ」となる事態は避けたかった。その点、ヒトツメはRA(法人営業)とCAの両方を経験できる両面型ですし、単なる「人材紹介」の枠に留まらず、より踏み込んだ「コンサルティング」ができる環境です。
求人を紹介するだけでなく、採用サイトの改善やATS(採用管理システム)の導入支援など、企業の課題に合わせて多角的なソリューションを提案できる。ここなら、転職を繰り返さずとも自分の市場価値を高め続けられると確信しました。
また、会社の圧倒的な成長率も大きな魅力でした。まだ発展途上の組織だからこそ、自分の貢献がダイレクトに会社に反映されます。ここでなら、個人の実力を高めながら、同時に「組織をより良くしていく」という私の理想とする働き方が実現できると感じ、入社を決めました。
―― 前職のサービス業での経験が、現在のHRコンサルタントとして活きていると感じる点はありますか
「お客様にいかに満足していただくか」を徹底的に考える姿勢です。店長時代は、料理を提供するだけでなく、お客様が店舗で快適に過ごせるよう、オペレーション全体を設計することに注力していました。
一般的な営業は「商品を買ってください」という提案になりがちですが、私はサービス業での経験から、「相手にとっての使いやすさ」を先回りして考える視点が身についています。
例えば、私が作成する求人票は、それを見る学生担当や学生が「どこで疑問を持つか」「何秒で魅力が伝わるか」という解像度を極限まで高めています。相手が迷わずに動ける状態、つまり「使い勝手の良さ」を先回りして作る。この、相手の満足を追求する汎用的なスキルは、形のない無形商材を扱う今の仕事において、大きな武器になっています。
―― 単なる人材紹介ではなく「人材コンサルティング」であることの面白さはどこにありますか?
一言で言えば、企業の採用課題に対して、手段を問わず「本質的な解決」を提案できる点です。現在は一人で約70社の企業を担当していますが、単に人を送るだけでなく、選考フローそのものの見直しや、会社説明会の構成案にまで踏み込んだ提案を行っています。
特にRA(法人営業)としての面白さを感じるのは、自分の仕事が「組織全体の成果を最大化させる起点」になれる点です。CA(キャリアアドバイザー)が一人ひとりの学生さんと深く向き合うのに対し、RAの役割は、その想いを繋ぐための「仕組み」を作ることだと思っています。
私が企業の意図を深く汲み取り、現場のリアルな魅力を反映させた求人票を作り上げれば、社内のCAが迷いなく学生さんへ提案できるようになります。自分が正しく導線を引くことで、一度に50人もの学生さんの紹介へと繋がることもある。そのレバレッジの大きさは、この仕事ならではの醍醐味だと思います。
また、紹介という枠に縛られない提案ができるのもヒトツメの特徴です。「エージェントを何社使っても採れない」という企業に対し、管理工数を削減するためのATS導入を提案したり、学生目線で魅力が伝わっていない部分を指摘して歩留まりを改善したり……。
企業の予算や状況に合わせて最適なソリューションを提示し、採用力そのものを根本から底上げしていく。企業のパートナーとして深い部分で伴走できることに、大きなやりがいを感じています。
「頑張りようがある」ビジネスだから追求できること。ヒトツメで見出した理想のリーダー像。
―― 現在はリーダーを任されていますが、ご自身では「昇格の理由」をどう分析されていますか
一番は、やはり数字への徹底したコミットだと思います。ただ、私の場合、自分の数字を上げること以上に「お客様からクレームをもらわないこと」を大切にしてきました。これは前職のサービス業から続く感覚ですが、お客様に対して誠実に向き合い、守るべきラインは決して譲らない。その「守りの要素」があるからこそ、攻めの提案も受け入れていただけると考えています。
また、常に「会社全体のこと」を自分事として捉えて動いてきたことも理由かもしれません。例えば、組織の課題を他人事として捉えるのではなく、常にポジティブな影響を周囲に与えられるよう、自身の言動を律すること。どうすればチーム全員が幸せに働けるかを本気で考えることは、前職で店長を経験した私にとって、ごく自然なことでした。
―― リーダー就任後、ご自身の役割やマインドにどのような変化がありましたか?
以前は自ら架電するなどのプレイヤー業務が中心でしたが、現在はマネジメントの比重が大きくなりました。
一番の変化は、自分が「チームの責任を負う立場である」という自覚です。
上からの指示を自分がどう咀嚼し、メンバーにどう展開するか。自分が責任を持って把握していなければチームが止まってしまう。その危機感を持って、メンバーの状況を細かくキャッチアップするようになりました。
最近では、メンバー一人ひとりが「なぜこの職場で働いているのか」という理由に向き合うことを大切にしています。人によって、成長に幸せを感じる人もいれば、良好な人間関係に安心感を覚える人もいます。それぞれの背景を理解した上で、この会社にいるメリットをしっかりと感じてもらえるようなフォローを心がけています。
―― 今後、鈴木さんが目指されていることについて教えてください
「雰囲気が良い」のは当たり前で、その一歩先にある「全員が正当に還元される組織」を作りたいです。前職での葛藤でもお話ししましたが、どんなに現場で頑張ってもビジネスモデルの限界で還元できない不幸せを、私は身をもって知っています。
だからこそ、利益率の高い人材コンサルティングというモデルを最大限に活かし、メンバーの頑張りが給与やキャリアとしてしっかりと返ってくる状態を確立したい。私がリーダーとして仕組みを整え、成果を出し続けることで、メンバー全員が「ここで働いていて本当に良かった」と心から思える、そんな幸せな組織を追求していきたいです。