AIで管理本部をなくすのではなく、「経営を支える管理本部」をつくりたい
「AIが進化したら、経理や労務の仕事はなくなる」
そんな話を聞く機会が増えました
たとえば、
・請求書の読み取り
・仕訳
・給与計算
・契約書のチェック
・予実集計
・資料作成
確かに、これまで人が時間をかけていた仕事の多くは、AIやシステムによって変わっていくと思います
でも、僕たちが目指しているのは「AIで管理本部の人を減らすこと」ではありません
むしろ逆です
AIを使うことで、管理本部を「処理する部署」から「経営を支える部署」へ変えていきたいと考えています
1.管理本部は「作業する場所」になっていないか
管理本部には、毎日たくさんの「やらなければならない仕事」があります
経理であれば、
・請求書を確認する
・仕訳を入力する
・入金を消し込む
・証憑を探す
・Excelを集計する
労務であれば、
・勤怠を確認する
・給与をチェックする
・社会保険の手続きをする
・入退社情報を登録する
もちろん、どれも必要な仕事です
ただ、こうした作業に一日の大半を使ってしまうと、本来もっと時間を使うべきことに手が回らなくなります
たとえば、
・なぜ利益率が落ちたのか
・なぜこの入金が遅れているのか
・このまま採用を続けて資金は大丈夫なのか
・この業務フローに事故が起きる可能性はないか
こうした問いを考え、経営に伝え、改善していくことこそ、管理本部の重要な役割だと思っています
2.AIに任せたいのは「判断」ではなく「判断までの作業」
僕たちがAIに任せたいのは、経営判断そのものではありません
たとえば、月次決算から経営者へ報告するまでには、大きく6つの工程があります
1.数字を集める
2.数字を整理する
3.予算や計画と比較する
4.異常値を見つける
5.原因を調べる
6.経営者へ説明する
これまでは、人がこの一連の作業をほぼすべて行っていました
ここにAIを入れると、
「この科目が予算から大きく乖離しています」
「この取引は通常の処理と異なっています」
「この入金は請求データと一致していない可能性があります」
といった「確認すべきポイント」をAIが先に見つけられるようになります
そして最後は、人が一次情報を確認し、考え、判断する
僕たちは、AIと人の役割分担をこのように考えています
3.間違った業務をAI化すると、間違いが高速化する
管理本部でAIを活用するとき、特に重要だと思っていることがあります
それは、「AIを入れれば業務改善になるわけではない」ということです
たとえば、
・そもそもルールが曖昧
・担当者によって処理方法が違う
・必要な証憑が残っていない
・承認ルートが決まっていない
・勘定科目の定義がバラバラ
この状態のままAI化するとどうなるでしょうか
間違った業務を、ものすごい速度で処理する仕組みが出来上がってしまいます
だから僕たちは、AI導入の前に次の順番を大切にしています
1.業務を整理する
2.不要な業務をなくす
3.ルールを決める
4.業務を標準化する
5.そのうえでAIを使う
「今ある仕事を、そのままAIにやらせる」のではありません
まず仕事そのものを見直す
ここからAI活用は始まると思っています
4.「月次決算を早くする」だけでは意味がない
たとえば、これまで12営業日かかっていた月次決算が、AIや業務改善によって8営業日になったとします
もちろん、それ自体にも大きな価値があります
でも、本当の目的は「4日短縮できた」ということではありません
数字が早く分かれば、
・利益率の変化に早く気づける
・資金繰りを早く修正できる
・予算との差異を早く分析できる
・経営陣が次の意思決定を早くできる
つまり、早くしたいのは「経理作業」だけではありません
AIによって「経営の意思決定」を可能な限り前倒しする!
ここまでできて初めて、管理本部のAI活用に大きな意味が生まれると思っています
5.AIがあれば「チェックしなくていい」ではない
管理本部が扱う情報には、
・お金
・給与
・個人情報
・契約
・税金
・社会保険
・経営数値
などがあります
一つの間違いが、会社や従業員、お客様に大きな影響を与えるものばかりです
だから、
「AIが判定したからOK」
「AIが仕訳したからOK」
「AIが契約書を確認したからOK」
とは考えていません
僕たちが考える基本的な流れは、
1.AIが異常や確認ポイントを見つける
2.人が一次情報を確認する
3.必要であれば専門家へ確認する
4.権限を持つ人が判断する
5.判断した過程を記録する
というものです
AIが進化するほど、「誰が確認し、誰が責任を持つのか」という設計は、むしろ重要になっていくと考えています
6.管理本部の仕事は、もっと面白くできる
僕は、管理本部の仕事は本来かなり面白い仕事だと思っています
たとえば、
・会社のお金がどう動いているのかを見る
・数字から事業の変化を見つける
・会社が成長しても事故が起きない仕組みをつくる
・経営者が気づいていないリスクを見つける
・現場がもっと仕事をしやすくなる仕組みを考える
・未来の資金や利益を予測する
こうして並べてみると、単なる事務処理ではありません
管理本部は、「会社そのものを設計する仕事」だと思っています
だからこそ、入力や転記、集計、確認といった作業をAIに任せられるようになれば、人はもっと面白い仕事に時間を使えるようになります
7.AI時代に価値が上がる管理本部の人
これからは、
「Excelが速い」
「仕訳を大量に入力できる」
「給与計算を間違えずにできる」
といった能力だけで、「仕事ができる管理本部」が決まる時代ではなくなると思っています
それ以上に大切になるのは、
「なぜ、この作業をしているんだろう?」
「もっと簡単にできないだろうか?」
「この数字、おかしくないだろうか?」
「この仕組みのまま会社が大きくなっても大丈夫だろうか?」
そんな問いを持てることです
AIに答えを出してもらう能力以上に、「AIに何を考えさせるべきか」を考えられる能力が重要になっていくと思います
8.管理本部から、会社を変える
AIによって、僕たちがなくしていきたいのは「管理本部」ではありません
なくしたいのは、
・必要な資料を探している時間
・同じ情報を何度も転記する時間
・同じ確認を繰り返している時間
・人によってやり方が違う仕事
・「昔からこうしているから」という理由だけで続いている仕事
こうした時間です
そして、そこで生まれた時間を、
・分析する
・改善する
・予測する
・仕組みをつくる
・経営へ提案する
という仕事に使っていきたい
AIで管理本部を小さくするのではなく、管理本部が会社に与える価値を大きくする
僕たちは、そんな管理本部をつくっていきたいと思っています
最後に
AIによって管理本部の仕事は、これから大きく変わっていくと思います
でも、それは「管理本部が必要なくなる」ということではありません
☑作業する時間が減るからこそ、人にしかできない仕事にもっと時間を使えるようになる
☑数字を見るだけではなく、その先を考える
☑問題を処理するだけではなく、問題が起きない仕組みをつくる
☑経営から依頼された仕事をこなすだけではなく、管理本部から経営を前に進める
そんな管理本部を、AIと一緒につくっています
P.S
これは、構想の話ではありません
すでに、税務、企業会計、監査、それぞれの専門知識を持たせたAIエージェントが会計データを自律的にチェックし、複数の視点からリスクを検知する仕組みが動き始めています
僕たちがつくりたいのは、AIを「使う」管理本部ではなく、AIと一緒に「考え、判断し、経営を前に進める」管理本部です
完成した仕組みを使う人ではなく、これからの管理本部そのものを一緒につくる人を探しています
AIネイティブな管理本部で、自分の実力を試してみたい方へ
次の管理本部を、一緒につくりませんか?