2025年9月にスタートした看護師専門実践型キャリアスクール「メディフリ」。今回は、その運営会社Medifreeの代表を務める吉沢まどかさんにお話をうかがいました!
もともとアートメイクのスクール事業を通じ「フリーランス看護師」の育成に心血を注いでいた吉沢さん。スクール運営が絶好調だったタイミングで、あえて新サービス・メディフリの代表オファーを引き受けた理由とは?
医療業界の変化を求めるすべての看護師さんへ届けたいインタビュー、ぜひ最後までご覧ください。
目次
収入も働く時間も自分次第。病院を出て、人生を自分でコントロールする感動を知った
「誰が責任を取るの?」未完成の事業を前に流した絶望の涙
日本の医療崩壊を止める。「週5フルタイム・夜勤あり」が当たり前の業界を変えたい
「医療業界を変える」という壮大な物語。その主役を張るために、しんどさをともに越えたい
収入も働く時間も自分次第。病院を出て、人生を自分でコントロールする感動を知った
––吉沢さんがMedifreeの代表に就任したのは2025年7月。「メディフリ」サービスローンチの2ヶ月前に代表になった経緯を教えてください。
Medifreeの代表になる前は、アートメイクスクール事業の責任者をしていて、その実績から代表のオファーをもらいました。
アートメイクって医師か看護師の資格を持っていないと施術できないんですね。
だからスクールの生徒さんはほぼ全員が看護師でした。
スクール運営の前は看護師として病院に勤めていたのですが、病院を辞め美容クリニックの立ち上げに携わったのがきっかけで、アートメイクと出会いました。2019年のことです。
その美容クリニックで、「業務委託の看護師」という形でアートメイクの施術者になったんです。
––吉沢さん自身が、いち早く「看護師×フリーランス」の働き方を体現していたんですね。
そうですね。アートメイクの施術者って美容師さんと集客方法が似ていて。
お客さんはクリニックという「箱」ではなく、施術者「個人」を指名して来店される方が多いんですね。
だからSNSでアートメイクについて発信しながら自分で集客して、単価も自分で決めて……
そこでものすごくひらけたんです。
収入は病院勤務時代とは比較にならないほど上がったし、働く時間も自分で決められるようになりました。
「看護師だけど、報酬も時間も自分でコントロールできるんだ……!」と心底感動したのを覚えています。
––自身の働き方や日常vlogをSNSでアップしたところ、看護師さんからの問い合わせが殺到したとか。
はじめはアートメイクの宣伝のためにしていたSNSですが、「看護師でもこんな働き方ができるよ」という発信を始めたら、そちらにも興味を持ってもらえるように。
それで私のSNSには、看護師さんから「私もそんなふうに働きたい」という切実な声が数多く寄せられるようになったんです。
働き方や収入の幅を広げたい人の多さを実感しましたね。
そこから、フリーランスになって人生を変えたい看護師さんのために、アートメイクのスクールを立ち上げました。
アートメイクを施術できるようになったら、病院外で看護師の資格を活かしながらフリーランスとして働く道が拓けるよって。
私自身の経験を伝えて、誰かの人生を変えるお手伝いができる。そのことに大きな喜びを見出したんです。
「誰が責任を取るの?」未完成の事業を前に流した絶望の涙
––アートメイクのスクール事業も「誰かの人生を変える」という点では共通していますが、あえてそれを手放してメディフリに飛び込もうと思った決定打は何だったのでしょう?
スクール事業はかなり順調だったんですが、もともと私自身は事業を別の方に任せて手を引くつもりでした。メディフリとは関係なく。
というのも、スクールを始めて何年か経って、アートメイク業界も飽和しました。
たとえ看護師さんたちにアートメイクを伝えても、私の時のような「フリーランスとして自由に稼ぐ未来」が、今後の生徒さんにはないのでは?と思い始めたんです。
「副業でちょこっとアートメイクができたら」とスクールに入ってくださる看護師さんはそれでもたくさんいたから、従来通り続けることも勿論できたと思います。
でも私が一番したいのは、「人生を変えたい」という熱量を持った看護師さんに対して、「フリーランスになって人生を変える方法を伝える」こと。
アートメイクのスクールでそれが叶えられなくなったのなら、どんなに事業が好調でも自分自身は降りよう、と決めていたんです。
––それでも「メディフリ」という、まだカリキュラムもままならない事業を背負うのは一大事だったのではないかと思います。
代表のオファーをもらった当初は「いやいや、いきなり代表なんて……」とさすがにお断りしました。
でもメディフリは「看護師さんの人生も、Medifreeという会社で働く人の人生も変える」という熱量で仕事ができる場だな、とは思いました。
中途半端ではなく、本気で誰かの人生を変えるような働きをしたい私にとっては、それは何よりの魅力で。
でも看護師に特化したキャリアスクールの前例もないなか、当時のメディフリはまだまだカオスで、家で絶望して一人泣いた夜もありました。(笑)
「こんな状態ではとても引き受けられない」と、代表オファーをくれた方に正直に話したんです。
そうしたら「泣くほど本気で考えてくれて嬉しい」という言葉をもらって。
その言葉で、メディフリを「いったい誰がこの事業の責任を取るんだろう」なんて外野マインドで見るのはやめよう、と心が決まりました。
メディフリのことを泣くほど本気で考えていた自分に気づき、「私がこの事業を正解にする」と腹を括ったというか。
たった1人しか座れない「代表」という席のオファーをありがたく受けよう、と思ったんです。
日本の医療崩壊を止める。「週5フルタイム・夜勤あり」が当たり前の業界を変えたい
––看護師の人生の選択の幅を広げる事業に、そこまで主体性を持って関わろうと思える理由はなんでしょうか?
看護師になった理由にまで遡るのですが、もともとは医者志望だったくらい医学に興味がありました。
じつは看護師になったあとも2年間、医学部に入りたくて猛勉強していたり。
自分でも不思議なくらい、医療の世界に思い入れがあります。
ですがそんな私でも長くは病院勤務が続けられなかったほど、現場の看護師は疲弊しきっていました。
「週5日のフルタイム出勤、夜勤あり」が当たり前の世界なので……。
院内の人間関係も決してよいものではなく、入ってきた当初の目の輝きが失われていく新人看護師の様子を見たことも数知れず。
看護師の待遇も、背負っている責務に見合わないと感じていました。
このままの状況を放置したら、新卒の看護師が定着しない未来しか見えません。
少子化ですし、地方では「医療従事者の不足による死」が現実的なものになる、という危機感があります。
––「医療崩壊」という言葉が、決して大げさではない現状があるのですね。
もしかしたら、看護トップになれば持続可能な勤務体制を目指すべく古い体制を変えられるかもしれません。
でもその立場になるには、いったい何年かかるの?と。
年功序列の世界で若者がいくら変革を叫んでも、相手にされないという現実があります。
では内部から変えるのが難しくても、もし看護師に「病院で働く以外の選択肢」が増えればどうでしょう?
必然的に看護師の待遇も変わらざるを得なくなるかもしれません。
––もし外の世界へ流出する看護師が増えれば、病院側からは反発もありそうですが……。
メディフリが業界からの看護師の流出を加速させる可能性はありますし、それに対するバッシングも覚悟しています。
ですが「メディフリ」がしているのは、内側から変えるのが難しい医療業界に、外側から変化をもたらす試みだと思っています。
––病院の外側に選択肢を作ることで、結果的に内側の待遇も変わる。外圧による革命ですね。具体的に、病院のどんな部分を変えていきたいですか?
看護師さんたちの待遇の改善や持続可能な勤務体制、それに人間関係です。
新人看護師いびりをはじめとする、人間関係からくるストレスも看護師の退職理由として見過ごせないと思っています。
だから、看護学校のカリキュラムには組み込まれていないような人間性の教育にもいずれ参入できたら……という野望も持っています。
たとえば病院の組織改善にコンサルとして入って、現場のチームワークが円滑なものになったら、それだけでも働きやすさが劇的に改善されるのではないかと。
人間関係に悩むことが減ったら、そもそも看護師という仕事からの離脱も減らせると思うんですよね!
人の命を預かる仕事だからこそ、チームワークの悪さが妨げになって業務に集中できない、ということをなくしたい。
ただでさえ多忙で責任重大な仕事をしている看護師さんたちなので、医療以外のことでの悩みを減らしたいんです。
「医療業界を変える」という壮大な物語。その主役を張るために、しんどさをともに越えたい
––代表の熱い想いがすごく伝わってきます。これからMedifreeにジョインする方に期待することはありますか?
Medifreeはベンチャーですが、柔軟なマインドがあればどんな方でも大歓迎です。「業界を変えたい」と思っている人に来ていただけたら!
いま一緒に仕事している仲間たちも、看護師経験しかなかった人がほとんど。
いったん外の世界に出て一緒に頑張ろう、看護師以外の実績をここで作ろう!と言いたいです。
それから、今いるメンバーへ伝えたいこともこの場で話していいですか?
私たちの目標は「医療業界にインパクトを与えること」。それくらい大きな物語の主役なのだから、個人のしんどさを乗り越えよう、とあらためて伝えたいです。
業界にインパクトを与えると一度腹をくくったのであれば、しんどい時こそ頑張ろうよ、と。
メディフリチームは病院で苦労をしてきた人の集まりだからこそ、病院の外の世界で何かを乗り越えた経験をしてほしいと思っています。