失敗人生
私は、今回キーエンスに内定をいただくまで、胸を張って語れる成功体験がひとつもありませんでした。振り返ると、私の人生はどちらかというと失敗の連続だったと思います。
私の両親は教育に熱心で、私は3歳の頃からサッカーを始め、小学生になるとピアノ、そろばん、習字など様々な習い事をしていました。
周りの友達が放課後に遊んだり、ゲームをしたりしている中で、私は常に何かを「やらなければならない」毎日を送っていました。
本当はみんなと遊びたい。ゲームもしたい。
そんな気持ちを胸に抱えながら、日々の習い事や練習に向き合っていました。
そんな生活の中で、私はいつも「逃げ道」を探していた気がします。
そんな私にとって魅力的に映ったものがありました。
姉が挑戦していた中学受験です。
小学生だった私は、中学受験というものをどこか甘く見ていました。サッカーのように怒られることもなく、習い事からも解放され、家で勉強するだけでいい。そんな生活なら、どれほど楽なのだろう。本気でそう思っていました。そして私は、親に中学受験をしたいと頼みました。
これで楽な日常が手に入ると、どこかワクワクしていたのを覚えています。
しかし、現実はそんなに甘いものではありませんでした。朝から晩まで勉強漬けの日々。塾もいくつも掛け持ちし、勉強に縛られる生活が続きました。想像していたものとは全く違う毎日でした。
そして私は、また逃げ道を探し始めました。
どうやったらサボれるか。どうすれば勉強しているように見せられるか。答えを写して、あたかも成長しているように見せる。
今振り返ると、本当に情けないことばかりしていたと思います。
そんな状態で受験に臨んだ結果、当然ながら頭の良い中学校はすべて不合格でした。
自分ができると見せかけていた分、現実とのギャップは大きく、ただただ情けない結果でした。今思うと、両親には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
そして、その「逃げ癖」はその後も続きました。
高校受験、大学受験もうまくいかず、私は浪人することになります。
浪人生活が始まったとき、さすがに自分のこれまでの人生を振り返りました。
このままではだめだ。情けない自分から変わりたい。
そう思いながらも、長年染みついた逃げ癖や負け癖は、そう簡単に変えられるものではありませんでした。それでも、自分なりにできることから始めました。 もがきながら、苦しみながら、それでも前に進もうとした一年でした。
本当に頑張った一年だったと思います。
しかし、神様はそこまで優しくありませんでした。
国立大学を目指して勉強していた私は、共通テストの前日に39度を超える熱を出し、コロナに感染してしまいました。受験を受けることすらできませんでした。
一年間積み上げてきたものが、すべて崩れ落ちたような感覚でした。あのときの絶望感は、今でも忘れられません。
そのとき私は、後に人生の相棒となる高校の親友・四本の前で、声を上げて泣きました。今までの受験とは違う、本当の悔し涙でした。
ここまでの人生を振り返ると、私は何度も失敗し、何度も逃げてきました。それでも両親は、私の挑戦をずっと応援してくれていました。 決して裕福ではない普通の家庭にもかかわらず、塾や習い事など、たくさんのお金と時間をかけて支えてくれました。その期待に応えられなかったことは、本当に申し訳ないと思っています。
だからこそ、この恩はこれからの人生で返していきたいと思っています。時間はかかるかもしれませんが、自分の人生で結果を出すことで、少しずつ返していくつもりです。
転換点
大学に入学した頃の私は、
「就職活動だけは失敗したくない」
という思いと、
「これまで何をやってもうまくいかなかった自分に、本当にできるのだろうか」
という不安、その二つの感情の間で揺れていました。
また、「この大学からでは大企業には行けないのではないか」という焦りもあり、いっそ起業して一発逆転してやろう、という極端な考えを抱くこともありました。
そんな迷いの中にいた私の前に、一人の男が現れました。 それは、高校の同級生であり、浪人時代に私の相談に乗り続けてくれた親友、四本です。
私は彼に、自分の不安や焦り、これからどうすればいいのか分からない気持ちをすべて正直に話しました。すると彼は、「長期インターンをやってみたらいい」と勧めてくれました。
そこで私は色々と調べ、M&A仲介会社の長期インターンにご縁をいただき、働くことを決めました。 業務内容は、企業に電話をかけてアポイントを取る、いわゆるテレアポでした。飲食店に予約の電話をすることすら苦手だった私にとって、それは非常にハードルの高い仕事でした。
そして入社から2ヶ月ほど経った頃、またあの声が聞こえてきました。
「もう逃げちゃえ。やめちゃえ。」
今までの人生で何度も聞いてきた、自分の中の逃げ癖です。
変わりたいと思いながらも、やはり楽な方へ流れようとする自分がいました。
そんなとき、またあの男が立ちはだかりました。 四本です。
私の様子を見た彼は、こう言いました。
「辛いと思っている時が、自分が成長している証だ。」
この言葉は、今まで辛いことから逃げ続けてきた私の胸に深く突き刺さりました。これまでの私は、目の前の苦しさから逃げることしか考えていませんでした。しかしその言葉を聞いたとき、初めて「この先には成長した自分がいるのかもしれない」と思えたのです。
それから私は、この言葉を胸にインターンに向き合うようになりました。毎日、成果を出している人の電話を録音してもらい、それを通学の行き帰りで何度も聞きました。今までのやり方を疑い、自分なりのスクリプトを作り、営業方法を試行錯誤しながら研究を重ねました。
気づけば、インターンを始めて1、2ヶ月ほどで、社員を含めた社内ランキングで2位に5倍以上の差をつけて、アポイント数トップを獲得していました。
さらに半年後には、M&A案件を1件成約することができました。
そのとき初めて、自分でも「少しは変われたのかもしれない」と感じました。
しかし、半年ほど経った頃、私の中にある新しい感情が生まれました。
「まだ成長したい。もっと成長したい。」
そんな思いを抱いていたある日、またあの男から電話がかかってきました。四本です。
ちょうどM&A案件を1件成約したタイミングでした。彼はこう言いました。
「今まで出会ったどの大人とも違う、圧倒的な人と出会った。その人と事業を立ち上げることになって、お前にも来てほしい。とりあえず一回会ってみてくれ。」
いつも少し大袈裟な言い方をする彼のことなので、「またいつものやつか」と最初は思いました。ただ、その頃の私はさらに成長したいという気持ちを強く持っていました。
だから私は、深く考えることなくこう答えました。
「分かった。明日行くわ。」
そのときはまだ、この人たちとの出会いが、自分の人生を大きく変える転換点になるとは、思いもしませんでした。
私の人生を変える人との出会い
四本から電話をもらった翌日の土曜日。
彼が絶賛していた二人に会うことになりました。
その二人とは、株式会社GOLDFLAGで共同代表を務めている三土さんと吉田さんです。
彼らと初めて会ったときの感想は、一言で言うと「衝撃」でした。
話し始めて数分も経たないうちに、私は自然と引き込まれていました。
これまで出会ってきた大人とは、明らかに何かが違うと感じたのです。
話し方、間の取り方、使う言葉、そして人の話を聞く姿勢。
そのすべてが圧倒的でした。 その瞬間、四本が興奮して話していた理由がようやく分かりました。 そして、私の中にある感情が湧き上がってきました。
「この人たちのようになりたい。」 「この人たちのもとで学びたい。」
そう強く思いました。
その場で私は、四本と共に営業代行事業(テレアポ事業)の立ち上げを、彼らのもとで行うことを決意しました。
当時、私はM&A案件を1件成約しており、そのインセンティブが半年後に振り込まれる予定でした。決して小さくない金額でした。それでも私は、そのお金を手放してでも、この二人のもとで学ぶことの方が価値があると、直感で感じました。
組織を作る覚悟
そんな形で始まったテレアポ事業。
私はそれまでM&Aのインターンで営業経験があったため、正直「ある程度は余裕だろう」と思っていました。 しかし、現実はそう甘くありませんでした。 初日から2日が経っても、私はまだ1件もアポイントを取ることができていませんでした。
そんな時、吉田さんから一言をかけられました。
吉田さんは、どんな人でも惹きつけてしまう、人間力の塊のような方です。 その吉田さんが、静かにこう言いました。
「俺たちは本気で向き合っている。健佑も本気で向き合ってほしい。向き合えないのであれば、この組織には合わないと思う。」
その言葉を聞いた瞬間、自分の中で何かが崩れました。 私はそれまでの経験にあぐらをかき、どこかこの仕事を舐めていたのだと思います。 吉田さんは、それを見抜いてこの言葉をくれました。 情けなさと悔しさが込み上げてきました。
そして私は、その日絶対にアポイントを取ると決めました。
自分でも分かるほど、明確にスイッチが入りました。
結果、その日私は3件のアポイントを獲得することができました。
その時に強く感じたことがあります。
それは、「言葉一つで、人のモチベーションはここまで変わるのか」ということでした。 吉田さんは、常に高い視座を持ち、それを学生にも共有し、同じレベルまで引き上げてくれます。 その圧倒的なマネジメント力が、今のGFインターンのDNAを作ったのだろうと、今では思います。
そして3ヶ月ほどが過ぎた頃、GFインターンの組織は本格的に、私と四本が主導する体制へと変わっていきました。
その時、私たちは二人であることを決めました。
「GFインターンを、永遠に残る組織にしよう。」
「何十年も続く組織にして、いつかOB全員で集まろう。」
「その時、GFインターン出身者全員が、社会に影響を与える存在になっていたら最高だよな。」
そんな思いを胸に、私たちは組織を作っていきました。
もちろん、その道のりは簡単なものではありませんでした。
例えば、残り2週間で400万円の売上を達成しなければならない状況を、四本と二人で乗り越えたこともありました。
また、1ヶ月で学生100人を集め、就活イベントを開催してほしいという無茶な依頼を受けたこともありました。 それでも、私たちは一つひとつ乗り越えていきました。
そんなある時、インターン生の人数が増え、私たち自身が少し慣れてしまっていた頃のことです。 三土さんが、忙しい中わざわざ時間を作ってくださり、こう言いました。
「普通になってきていないか。プロ意識とは何かを考えてみろ。」
常にプロであることにこだわり続ける三土さんの言葉は、私たちにとって大きな衝撃でした。
その日、私たちは「GFインターン プロの十箇条」を作りました。
そして、その基準について来られるメンバーだけが残る形になり、最終的には5人ほどの組織になりました。 しかし、その5人は、その後も徹底してプロ意識にこだわり続けるメンバーでした。
こうしてGFインターンの組織づくりをする中で、私が得たものは、何よりも「成功体験」でした。 これまで失敗ばかりだった人生の中で、視座の高い二人の社長、相棒の四本、そして仲間たちと共に、毎年、毎月、毎日、小さな成功を積み重ねていく。 この経験が、少しずつ私に自信を与えてくれました。
そしてその自信こそが、最終的にキーエンスへの合格につながったのだと思っています。
失敗人生への終止符
一年間GFでインターンを続ける中で、自分でも分かるほど成長することができました。
しかし、それでも就職活動の期間中は、これまでの失敗の記憶が何度も頭をよぎりました。
「また失敗するのではないか。」
そんな不安から、夜眠れない日も少なくありませんでした。 そんなとき、支えてくれたのは四本やメンバーだけではありませんでした。
元キーエンスで責任者も務めていた三土さんも、私に手を差し伸べてくださいました。
三土さんはこう言いました。
「不安がなくなるレベルまで対策すればいい。」
その言葉の通り、テレアポ業務が終わった後も、夜23時近くまで面接対策に付き合ってくださいました。 さらに、土日の休みも返上して対策の時間を作ってくださいました。 普段は厳しい三土さんですが、忙しい中でも時間を割いて、最後まで私に向き合ってくれました。
人として心から尊敬していますし、感謝してもしきれません。 正直、この先も一生頭が上がらないと思います。
三土さんの面接対策は、一般的なものとはまったく違いました。
よくある面接対策では、緊張感のない環境で想定質問に答えるだけの練習が多いと思います。しかし三土さんの対策は違いました。 毎回、本番と同じような緊張感の中で行われ、何を聞かれるかも分からない状況で面接が進みます。 さらに、フィードバックも徹底していました。
「何を話したか」だけではなく、 身振り、表情、目線、間の取り方、言葉の抑揚。 そのすべてに対して細かく指摘をいただきました。
最後まで三土さんから「合格」という言葉をもらうことはありませんでした。
しかし、この対策を通して、テレアポでは鍛えきれない多くの能力を学ぶことができたと思っています。
そして、約3ヶ月の就職活動を経て、私は株式会社キーエンスから内定をいただくことができました。
この結果は、決して自分一人の力ではありません。
三土さん、吉田さん、社員の方々、相棒の四本、そして共に戦ってきたメンバー。 すべての人の支えがあったからこそ、今回の内定につながったのだと思っています。
最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
これまでの人生を振り返ると、私は本当に失敗ばかりの人生でした。
きっと、これを読んでくださっている方の中にも、夢を諦めてしまった経験や、受験や挑戦で悔しい思いをした経験がある方もいるのではないかと思います。
しかし、失敗そのものが大切なのではありません。
その失敗から何を学び、次の成功のために何を変えるのか。
そこにこそ意味があるのだと思います。
私は「ご縁を大切にする」という言葉を大事にしています。
今回キーエンスに内定することができたのも、 GFを紹介してくれた四本、 圧倒的な視座の高さと実行力を教えてくれた吉田さん、 そしてプロ意識とは何かを教え、面接対策まで支えてくれた三土さん。
この方々との出会いがなければ、私はきっと同じ失敗の人生を歩み続けていたと思います。
だからこそ、これを読んでくださっている皆さんとの出会いも、一つの「ご縁」だと思っています。
もし今、何かに挑戦したいと思っている人がいるなら、それはチャンスです。
これまでの失敗人生に、終止符を打ちませんか。
GFインターンは、挑戦する皆さんをいつでも待っています。