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【代表インタビュー】「本当の意味で幸せな人生を送るための力になりたい」医師として治療に取り組んできた経営者が、次に目指すビジネスとは

耳鼻科・小児科のクリニック運営だけではなく、多数の事業を展開する医療法人社団梅華会。
医師がなぜ、農業やコミュニティ運営?そこにはどんな「オモイ」があるのか。
今回は、梅岡 比俊理事長へ、多角的な事業展開に込められた想いをお聞きしてきました!

梅岡 比俊 / 医療法人社団梅華会 理事長

阪神間を中心に耳鼻科・小児科・内科8院を運営。
医療のみならず、農業、発達支援事業、予防・未病ビジネス、人材ビジネス、コンサルティング、 開業医向けコミュニティ運営など、幅広く事業を展開。
書籍の執筆にも積極的に取り組んでおり、現在13冊の本を出版している。

医師であり経営者。二足の草鞋を履く、医療法人理事長の軌跡

ーー医師を目指した理由について、聞かせて下さい。

私は、機械関係の小さな会社を営む父と、それを支える母の長男として生まれました。学生時代は、漠然と家業を継ぐことを考えていたのですが、大学受験を機に改めて進路や将来について考えた結果、医学部進学を決めました。

私が子供の頃、病気で歩けなくなってしまった祖母が、手術を受けたことにより歩けるようになったんです。とても喜ぶ祖母の姿に、子どもながらに「お医者さんて凄くかっこいいな」と思ったことを覚えています。これが、医師は他人のためになる職業だと私が認識した最初の出来事でした。

当時の思い出と、「医師になれば社会に貢献できるのではないか」という想いから、私は医師を目指し、医学部へ進学することを決心しました。

医学部卒業後は、研修医として365日休み無く出勤し、患者さんを診て勉強し、複数の診療科を経験しました。手術の仕方などの医療技術のほか、患者さんとの接し方、患者さんや家族への説明の仕方など、医師としてのスキルがここで培われたように思います。研修医時代の2年間はかなり忙しかったですが、総じて楽しく過ごせたと思っています。

ーー開業を決意された理由は?

実は、経営者として働く父の姿を身近で見て、経営者としての仕事の醍醐味を感じていたせいか、医学生の頃から漠然と開業医になるんだろうなとは思っていました。

その漠然とした想いが、ハッキリとした決意に変わったのは、奈良県立医科大学卒業後の約10年間の勤務医としての経験です。公立病院や民間病院での勤務を経験しましたが、大きな病院であればあるほど、一個人の意見は受け入れられにくいことを実感しました。診療に当たっての治療方針を立てていく中で、私は「もっと自分の考えた方針で診療してみたい!もっと効率的な組織を自分自身で作ってみたい!」と考えたことが、開業を決断した一番の理由です。そして、2008年9月に兵庫県西宮市に梅岡耳鼻咽喉科を開業することになりました。

開業後は、本当に沢山の苦労がありました。開業当初は1時間以上患者さんが来ないこともありましたし、新しく採用したスタッフが急に連絡もなく出勤しなくなることもありましたね。

また、分院展開をして組織の人数も増えてきたころには、スタッフ教育という新たな壁にもぶつかりました。開院当初はトップダウンが当たり前で、部下の仕事が自分の思い通りに進んでいないと、すぐにイライラして、部下に対して感情的に怒ることも日常茶飯事でした。さらに、部下には女性のスタッフが多いのですが、昭和の体育会系で育ってきた私にとって、女性の気持ちを理解することは本当に難しかったんです。(笑) しかし、今ではアンガーマネジメントスキルについて学んだこともあり、今では女性の部下とも良好な関係が築けていますよ。

ーー開業後は医療分野だけではなく、経営についても熱心に学ばれてきたそうですね。

そうですね。開業から1年ほど経ったある日、私に一大転機がやってきました。それは、とある経営者のセミナーに参加した時のことでした。私は、参加者の皆さんの経営者としての意識レベルの高さと、経営に関する知識の広さ・深さに愕然としました。

開業当時、医療業界はブルーオーシャンで、開業すれば患者さんがやってくる時代でした。なので真剣にマーケティングを考えたり、システマティックな運営を行わなくても、自分一人が頑張ればそれなりに患者さんがやって来て、生活には困らない状況でいられたのです。そのため、クリニックをそこそこうまく経営していると思っていた私は、基本的な経営用語の知識すらなく、自分自身の経営に対する知識や理解力の乏しさを痛感せざるを得ませんでした。

セミナーを通して様々な業種の経営者の方々と交流できたことで、私はさらに多くの学びを得ました。そういった方々に囲まれて、ブルーオーシャンと言われる医療業界の空気に浸ったままではいけない、自分のクリニックを大きく発展させよう。という想いにかられ、まずは他業界の経営者の方々が行っている経営方法を徹底的に真似しようと思いました。

このセミナーへの参加をきっかけに、私の経営者としての本当の学びが始まりました。経営に関して、読書による独学だけでなく、世で認められている経営セミナー、自己啓発セミナーに次々に参加するようになりました。

自分自身と組織を常に成長させ続けるため、今でも国内外問わず、積極的に研修に参加しています。

クリニック運営だけに留まらない、多角的な事業展開

ーー梅華会は、クリニック以外にも多数の事業を展開しているとか。

はい。私たちは「心身の健康と豊かさを実現し日本の未来を明るくする」というミッションのもと、耳鼻科・小児科6院の運営の他に、
・フランチャイズでのクリニック運営(2院)
・児童発達支援スクール運営(4校)
・企業主導型保育所運営(3所)
・開業医コミュニティ「M.A.F.」運営(会員数80名以上)
・農業(大阪府八尾市、沖縄県宮古島市に有機JAS認定農園運営)
・定額美容皮膚科 HADA LOUNGE運営
・全国の医師・歯科医師との予防・未病コミュニティ運営
など、様々な事業を展開しています。

保険医療のみに頼らず、コロナ禍のような未曽有の事態に直面しても永続する組織を作るため、このように幅広く事業を展開しているのですが、これら全てに共通するのは、「社会に貢献したい」という想いです。中でも特に、今後は予防未病分野に関して、より広く事業を展開していきたいと考えています。

ーー「予防・未病」を考えるようになった、きっかけは?

2020年に新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し、緊急事態宣言が出ましたよね。当時、耳鼻科や小児科は、患者さんにとっては「コロナの感染リスクの高い場所」という認識をされており、他の診療科に比べても受診控えの影響を強く受けました。2020年の患者数は、耳鼻科で前年比マイナス20%、小児科ではマイナス30%という、厳しい現実を突きつけられました。

多くの人が新型コロナウイルス感染症に罹患し、中でも、高齢者や持病のある方は、重症化に苦しんだり、残念ながら亡くなってしまう方もいました。そんな状況を前に「医師というのは、病気になった人を治すことしか出来ない。今、自分に出来ることは何もないのか。」という、何とも言えない無力感を味わったことを強く覚えています。

私は、仕事をする上で「社会に貢献できることをしたい」という想いが、常に根底にあります。そのため「この状況下で自分が社会に貢献できることは何なのか、何とかして地域の方々のために役に立ちたい」と考え続けました。そして辿り着いたのが、予防・未病の考え方だったんです。

私たちが幸せに生きていくための一番の土台は、言うまでもなく「健康」です。健康とは、単に平均寿命を延ばすことではなく、健康寿命を大切にすることです。統計によれば、最後に寝たきりや身の回りのことが出来ない状態で過ごす時期は、平均して 7〜8年あると言われています。
私たち医者の多くは、治療に関する知識や経験は豊富ですが、あくまでそれは、既に病気になってしまった方に対するアプローチです。私たち医師は、「病気の専門家」ですが、「健康の専門家」では無いのです。

しかし、患者さんたちが本当に求めていることは、病気を治すことではなく、病気にならないことなのではないか?そう考え、医師として治療以前に、「本当の意味で人生を幸せに暮らせるための力になりたい」という想いから、病気になる前に出来る、予防・未病に関する事業に取り組んでいます。

ーーでは、具体的にはどんな取り組みを?

私は「医食同源」という点から、農業に大きな関心があります。地域の方々や、スタッフ、そしてその家族にも身体に良い食事を意識して頂くために、まずは身近な方々に食事に対する関心を持ってもらいたいと考え、大阪府八尾市と、沖縄県宮古島市に有機JAS認定の農場の運営を始めました。農園では、農家さんの協力を得ながら、職員が実際に無農薬野菜を栽培しています。農業は、とても手間がかかる一方で、その分食事に対する感謝や、ありがたみを実感することができます。日本ではフードロスが問題となっていますが、米粒1つさえも無駄にしない、食材に対する感謝の気持ちを大切にしていきたいと、私は考えています。

地域の方々の健康維持に関して、農業以外にも取り組みたいことは沢山あります。しかし、私一人の力ではどうしても限界があります。

そのため、開業医コミュニティを7年以上運営してきたノウハウを活かして、このたび予防・未病に関して同じ志を持つ全国の医師たちと共に「予防・未病コミュニティ」を発足しました。現在、50名以上の医師が参加しており、情報交換をしながらマスターマインドグループを作っています。自身の得た知識や経験を、自分だけの財産とするのではなく、他者と共有し社会的な価値として広めることで、自己概念の向上や社会貢献を実感することができると信じています。一人では成し遂げられないことも、仲間と共に取り組めば、必ず社会へ大きな価値を生むことができるはずです。

常に成長を止めない組織であり続けるために

ーー今後のビジョンについて、教えてください。

予防・未病事業に関しては、現在、農業、ファスティング事業、全国の医師による予防・未病コミュニティの運営、予防・未病に関する書籍の出版を行っています。今後さらに、自社農園の農作物販売だけではなく、無農薬・減農薬野菜の栽培に取り組む農家と、健康に良い食物を求める消費者を繋ぐためのプラットフォームの設立や、さらなる書籍の出版も予定しています。

ーー最後に、梅華会の経営幹部としてどんな方がマッチすると思いますか?

将来的に、私の右腕となって活躍して頂きたいと思っています。特に幹部メンバーは、担当事業に関しては経営者と同等の役割を担います。自らに委ねられる裁量の中で、大いに主体性を発揮して事業の推進に取り組んで頂きます。

また、私たちの想いに共感して下さり、成長意欲のある方であれば、これまでの経験や資格は全く関係ありません。実際に経営幹部として活躍してくれているメンバーも、他業界からの転職組がほとんどです。

梅華会は、常に成長し続ける組織でありたいと考えています。ですので、まだまだやりたいことは沢山ありますし、今後展開を予定している事業も多くあります。私たち梅華会と共に、日本の医療業界を引っ張っていってくれる、志のある方をお待ちしています。

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