ポリミルのミッションは「のこしたいみらいをともにつくる」。この言葉が生まれるまでには、いくつもの物語がありました。創業者でビジョナリー・エバンジェリスト・Julian Brody(以下、ジュリアン)と、2025年3月に代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任した伊藤あやめのふたりは、これまでずっと同じ未来を目指して歩んできました。
「この出会いは手放してはいけないと思った」
ジュリアン:伊藤さんと出会ってから、もう4年になりますね。それ以前から伊藤さんのお父さんとは知り合いでした。
伊藤:私は中学生の頃から父からジュリアンさんの話を聞いていたので、初めて会ったときは「やっと会えた!」という感覚でした。想像していた通り、落ち着いた雰囲気のなかに静かに燃える情熱がある人だなと感じました。
ジュリアン:初めて話したときから、「自分たちの営みが未来の社会をつくっていく」という感覚をもった素晴らしい人だなと感じたのを覚えています。そうした社会参加への意識がある若い人にはなかなか出会えないですから。
伊藤:最初に「ポリミルに来てほしい」と言ってもらったときは、しばらく悩みました。新卒入社した会社でもやりがいを感じていたし、大学院で勉強したい気持ちもあったので、キャリアについて考える時間が必要だったんです。「入社は難しいかもしれない」と伝えたこともありました。そうしたら「大学院に通いながら働くという選択肢もあるよ」と背中を押してくれて。
ジュリアン:伊藤さんにはどうしても来てほしかったのです。Surfvoteを運営していくにあたって「こういう人材がまさに必要だ」と感じました。若い世代にも使ってほしいサービスなので、自分の時間とエネルギーを社会課題の解決のために投資したいと思える若い人の参画は素晴らしいことです。それに、「伊藤さんは、私が見渡せる空間と時間の中で働いたら絶対に幸せになる」と感じました。この出会いを手放してはいけないと強く思いました。
伊藤:今の社会を変えたいという思いや、同世代に漂っている諦めムードみたいなものへの危機感はもちろん根底にありました。でも、最終的に私が大切にしたかったのは「誰と働くのか」だったんです。学生の頃から「ジュリアンと働いてみたい」と思っていて、その本人がこんなに誘ってくれている。そんな機会は誰にでもあることじゃありません。「ジュリアンに賭けてみよう」と決意して、2023年にポリミルへ入社しました。
ポリミル創業前夜の思い
ジュリアン:2021年に創業する前から、Surfvote(サーフボート)の前身となるプロダクトを少人数のチームでつくっていました。自分たちだけで完結するなら「実験」でもよかった。でも、社会に出すのであれば、関わってくれる全員に責任が発生する。—金銭的な対価を支払える仕組みが必要でした。
伊藤:その対価を支払うシステムとして、株式会社という器を選んだんですよね。
ジュリアン:資金を集めて事業を加速させる手段として、この資本主義社会には株式会社という便利なシステムがあります。ただ、それ以上に考えていたのは「資本主義への挑戦」でした。社会的不公平や孤独・孤立から環境問題にいたるまで、拡大再生産される多くの問題や困りごとは、「市場メカニズムの失敗」としても捉えられています。株式会社は、その市場メカニズムの象徴です。素晴らしいシステムですが、さまざまな課題も内包しています。その課題を解決するプロダクトをつくる組織を、あえて資本主義の象徴である「株式会社」にする——それはとても意義のある挑戦だと考えました。
北極星を目指して、手綱を握る
ジュリアン:伊藤さんが2023年1月にポリミルに加わってから、さまざまなことを主体的に推進してくれています。広報担当の社員だった頃から、その判断に不安を覚えたことは一度もありません。それは、「どうすればこのブランドの価値を最大化できるか」という本質的な部分を共有できているからだと思います。CEOをお願いしたのも、ポリミルというブランドに対して私と同じ視点と熱量をもっていると感じたからです。
伊藤:メンバーのことはみんな心から信頼しているし、それぞれが素晴らしい才能をもっている。一人ひとりがポリミルにとって欠かせなくて、純粋にみんなのことが大好きだから、自分がそのCEOを務めることはすごく光栄なことだと思っています。
ジュリアン:私も含めて、伊藤さん以外の取締役は、どこか「いっちゃっている」「ぶっとんでいる」人たち。だからこそ、普遍的なバランス感覚に優れた人が中心にいて、求心力となってくれることが重要で、みんな安心するのです。
伊藤:ジュリアンが北極星みたいに方向性を指し示してくれて、それぞれの才能をもった取締役メンバーたちが自分の好きなように突っ走っていく。他のみんなが気持ちよく走れるように、私は手綱を握るというか、行き過ぎそうなときにちょっと整える役割をするのがいいのかなと思っています。
ジュリアン:私たちって意見がぶつかることはないですよね。
伊藤:そうですね。
ジュリアン:経営会議で誰かから出された議案について、役員間で反対意見が出たことがありません。経営者合宿や日頃の会話を通して会社やブランドが目指す価値観を全員が深く共有できているから、ブレることがない。それは伊藤さんの功績でもあると思っています。
物語の蓄積が「ブランド」になる
伊藤:入社して最初の数か月間は、プレスリリースを毎日1本出していましたよね。「情報を蓄積していくことが大切」とジュリアンが話してくれて。
ジュリアン:そうですね。たとえば、iPhoneが提供する機能は技術的には他社でもつくれますが、Appleというブランドは模倣できません。ブランドは物語だから。物語は模倣できない。創業以来、ジョブズやウォズニアックたちが世の中に発信してきた情報の蓄積こそが、Appleという物語になっていると考えたのです。ポリミルも、「情報を蓄積していくことが大切」だと思いました。
伊藤:Surfvoteは絶対に世の中に必要なプロダクトだと信じていたけど、それがなかなか届かない時期が続きました。どうして伝わらないのだろう、どうして普及しないのだろうと悩むこともあった。それでも、徐々に反響が増えていく手応えはあったので、それを励みにしながら頑張りました。
ジュリアン:QommonsAI(コモンズエーアイ)をリリースした2024年秋以降は、公共でのユーザー数も増えて、社会的な責任も一気に大きくなりました。
伊藤:急成長していく事業に対して、どういう方向性で進んでいくのか。目の前にやってきた波に乗って、転げ落ちないようにする大変さがありましたね。
成長とともに変わっていく組織
ジュリアン:いま、QommonsAIは1000以上の自治体で数十万人の方に利用されていて、単一のAX基盤としては世界有数の規模に成長しています。サービスが止まってしまうと、自治体だけでなく省庁からも問い合わせの電話が掛かってくる。その責任の重さは、いい意味での緊張感を生んでいます。
伊藤:とはいっても、社内に息苦しさはありません。自分たちの仕事が社会にインパクトを与えているという実感をもちつつ、一人ひとりが自由闊達にそれぞれの個性を発揮していると感じます。
ジュリアン:ここまで組織と事業が拡大して、以前のように会社で起きていることのすべてを私一人が直接追うのではなく、それぞれの領域を理解し、考え、前に進めてくれる仲間がいる組織になりました。創業からの一番大きな変化といえば、そのことかな。
伊藤:これまでは創業メンバーを中心に組織を動かしてきたけれど、新しい仲間がどんどん参加してくれるようになりました。いろいろな人たちがポリミルに関わることで、組織として新しいフェーズに入ってきたのだなと実感しています。
「のこしたいみらい」とは、どんな未来か
伊藤:「のこしたいみらいをともにつくる」というミッションは、10年後、20年後、さらにその先を見据えて、みんなで一緒に未来をデザインしていきたいという思いから生まれました。
今のままでは、社会は持続可能ではない。じゃあどうするのか。あきらめずに、この先のことをみんなで考えて、みんなでつくっていく。それぞれの立場で、「残したい」と思える未来を一緒に考え、デザインしていく。それは、ポリミルという会社がどんな規模になっても共通するマインドだと思うのです。
ジュリアン:「未来をよいものにしよう」という標語は、さまざまなところで見かけますね。でも、その未来とはどんな未来なのでしょうか。代表である伊藤さんや谷口さんのような若い世代、これからの時代の主役となって活躍していく人たちに、私たちはどんな未来をのこすべきなのか、のこしたいのか。どうしたら、みんなが幸せになれるのか。「のこしたい」という言葉には、そうした含意があります。そして、残す未来に責任を負っていくことも大切です。「ともに」という部分には、みんなが、みんなの責任をもって参加するという意味を込めています。
大きな可能性のある空間で
ジュリアン:ポリミルは、ここで働く人に大きな「可能性」を提供できる会社です。小規模な組織でありながら、実に多くの人たちに利用され、社会的責任も大きなサービスを運営しています。
私たちは人生のなかで、限られた時間、認知能力、お金、エネルギー、感情といったリソースをどう投資するかを常に選びながら生きています。誰もが、自分の人生の経営者です。そんな人生の経営者たちに、私たちはポリミルという巨大な「可能性空間」を提供したい。ただ与えられた仕事をこなすだけではなく、この空間を使い倒して「自分を成長させたい」「社会を変えたい」「未来をつくりたい」という思いをもった方に、ぜひ仲間になっていただきたいです。
伊藤:ポリミルには、いろいろな感性をもったメンバーが集まっています。一人ひとりの個性を集結させることで、社会に大きなインパクトを与えられることを私自身も実感してきました。「自分の感性を活かして、社会をよくしたい」と本気で考えている方と一緒に働けたら嬉しいです。