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ファーメンステーションの原点 創業編

みなさん、こんにちは。
ファーメンステーション代表の酒井里奈です。

3月、4月と新たなメンバーも増えたこのタイミングで、全員で集まってオフサイトを実施しました。
会社が大きな変換期に入っている今、これまでを振り返り、ファーメンステーションという存在について改めて、みんなと話したいと思ったのがきっかけです。

その場で会社のメンバー、みんなに伝えたことを、是非ここでもご紹介させてください。

■ 岩手でオフサイトをしました!

普段は、東京(含リモート)と岩手と2拠点で働く私たち。毎日のようにオンラインやスラックでやり取りをしていますが、やっぱり顔を見て(マスクしてるけど)集まりたいよね、ということで、
私たちのラボがある岩手で集合です。

(ラボから車で30分。岩手県奥州市胆沢にある「ひめかゆ温泉」
焼石岳が美しい!こういう場所が身近にあるのもファーメンステーションのいいところです♪)


実は、こういった形で、普段とは場所を変えてきちんと全員と話すのは初めて。
なんとなく場が緊張しております。。。私もこの日に向けて、改めてこれまでを振り返る作業をしました。

どういう思いで起業したのか、ここまでの12年間(ファーメンステーションは創業2009年)の出来事を思い返す中で、まだみんなにきちんと伝えていないことがあると感じました。

みんなに「今日は、いままでみんなにこれまで伝えていなかったことも含め、起業のきっかけや創業の思い、これまでとこれから、存在意義などについて正直にお話ししたいと思います」と伝えました。

えっ。。。いままで言ってなかったことって何?!みたいな空気が。。。笑
大丈夫です!そんな変な話じゃないからー。

■ 原点 創業の想い

ということで、なぜ起業することになったのか。
これは私がよく使うスライドです。


「金融機関で10年間勤務、ある日テレビを見て生ゴミから燃料(エタノール)を作る技術があることを知り、それにチャレンジしたくなり東京農業大学に入学、そこでのご縁などをきっかけに2009年にファーメンステーション創業。」

これは事実。全くもってその通りなのですが、実はこの間にも色々と紆余曲折がありました。

その話をこれまでほとんどしていなかったのですが、今回これまでを振り返る中で、実はとても大切なことだと気が付き、改めて何があったのかを(大袈裟)お話しすることにしました。

■ 銀行員としてのキャリアスタート

私のキャリアのスタートは、邦銀でした。なぜ銀行かというと、やりたいことがわからなかったから。

私が通っていた大学には、将来のビジョンを明確に持っている人たちが大勢いて、彼らをまぶしく思っていたのを今でもクリアに思い出します。何をやりたいか、自分が何が好きなのかさっぱりわからない、でも仕事は絶対楽しそうだから(根拠もなくそう思っていました)チャンスがあるところで働きたい。そんな中で、ご縁があって大学の先輩に声をかけていただき、「やりたいことがわからないなら、銀行がいいよ。いろんなセクターの会社と接点があるから、ビジネス全体をみることができるよ」。なるほど、じゃあ銀行行きます!

当時は総合職(という仕事がいまもあるのかわかりませんが)が200人ちょっと、そのうち女性は5人しかいない、という環境でした。驚愕です。ここについては色々言いたいことがありますが、それはまた別の機会に。。。

さて、最初は銀座支店勤務。ダメ社員すぎて、ごめんなさい、としか言いようがありません。ここは割愛(笑)。ちなみに銀行では先輩、同期、後輩、本当にみなさんにお世話になりっぱなし、迷惑かけまくりで、いまでもお付き合いいただいている人が大勢いる大切な古巣です。

■ 出向先で出会った新しい世界

2年間の支店勤務の後、国際交流基金に出向しました。これがその後の運命を大きく変えることになります。国際交流基金では、日米センターという部署に所属、私は日米の草の根交流を促進する仕事につきました。当時、NPO法案が成立した直後、ということもあり、アメリカの市民セクターの動向に学びつつ、日本のNPOセクターの底上げを図るためどうしたらいいか、という課題に取り組んでいました。

国内のNPOの皆さんの事業について教えていただきながら、アメリカの西海岸やワシントン、NYなどで活動するNPOやこれらをサポートする行政制度などの同行のリサーチ、日米NPOの交流事業をスタートさせたりしました。

この仕事が面白い!!! 全く知らない世界です(私はおそらく知らない世界にやたら萌えるタイプです)。環境、福祉、教育、貧困、さまざまな社会課題に正面から取り組む魅力的な人々に出会いました。この時あった人々は、今でも親しくしている大切な友人になりました。そこで、私も仲間に入りたい、もう銀行をやめて、こっちの仕事をしたい、と思うようになります(単純です)。

そこで、出向の延長ができないか、と銀行に打診をしたら、えらい怒られました(そりゃそうですね)。一方で、NPOのみなさんからも「今、酒井さんが銀行やめてこっちに来ても正直あんまり役に立たない。社会課題の解決にはビジネスの視点も必要だし、もうちょっとビジネスのことを理解してきてから戻ってきては。。。」とのご意見をいただきます。それもそうだ。

ということで、自分にできることは何か、という視点でアンテナを立て始めました。

そこで出会ったのが、この本です。

(Beyond the Bottom Line 2014年に刊行された書籍の和訳です)

当時は、会社は株主のもの、株主への収益還元が第一、という時代でした。それに対して、企業としての経済的成長を実現させつつ、地域の課題や環境問題、貧困、不平等など多様な問題に対しても働きかけをしている企業があることを知ります。

アメリカのアイスクリームのBen & Jerry’sはその例です。
(気になりすぎて、アメリカに出張で行った際に、真っ先に探して食べました。猛烈に甘かった。)

これだー!と思ったわけです。笑 1998年くらいの出来事です。

(スライドの一部です)

私がやりたいのは、社会課題の解決にチャレンジすることとビジネスを両立することだ!
こういう概念があることを、銀行の人にも伝えよう、と張り切りまして、当時の米国での動向や事例を集め、簡単な論文のようなものを作成して、銀行に提出しました。

残念ながらそのレポートは手元に残っていないのですが、Social Responsbile Investmentという概念があること、銀行でもそういった視点をもったファイナンスや投資商品があるといいのではないか、というような提案をしたと記憶しています。今では、ESG投資という概念も一般的になってきましたし、ファイナンス時のスクリーニングなども聞くようになりましたが、当時はなかなか難しかったのだと思います。

レポートは、関係部署の方などにもみていただきましたが、特に動きもなく、私もそれ以上粘ることなく、素直に?2年間の出向を終えて、また銀行に戻りました。

■ 銀行に戻ってキャッシュフローに燃える

銀行に戻って配属されたのは、プロジェクトファイナンス営業部。石油などのエネルギー開発やインフラ事業など巨額の資金を必要とする事業に融資をする仕事です。国内だけでなく海外の大型案件の事業の採算性を分析し、融資を実行、フォローするような業務で、数字が命!

これまでとは全然違う仕事でしたが、仕事の基礎を教えてくださる先輩にも恵まれ(今でも大切な上司だと思っている方々です)いままでのソーシャル、とか言ってた熱はどうした、というくらい、エクセルにのめり込みます。数字を見つつ、海外のクライアント、海外の銀行などとの交渉を進める席に同席し(交渉してたわけじゃないです。同席。。。)なんてエキサイティングなんだ!と仕事に夢中になりました。

ここで過ごした2年間は、いまでも私のベースになっています。
ですので、経営者になった今も、数字を追う、色々な視点で分析する、とかは好きな仕事の一つです。

石油化学、鉄道、様々なプロジェクトに関わらせていただく中で、審査の過程で環境評価、というものを発見しました。事業の採算性だけではなくて、事業が環境に与えるインパクトを正当に評価することが求められます。さらに、ヨーロッパの方では代替エネルギー、風力発電などの大型案件も出ていました。

ファイナンスと環境の掛け合わせ。。。こういう仕事がしたい!となるわけです笑
とはいえ、なかなかそういう案件も多くはない。今の仕事も面白いけれど、もう一歩踏み込んだ何かがないのものだろうか、、、とまた考え始めます。

そんな中で、ある日、日経の記事で国内にも「社会貢献投資」をテーマにした金融商品ができたことを知ります。これは私がやりたかったことじゃないか!と思い、その商品を作った会社の方に会いたくなり、お手紙を書きました(メールじゃなくてお手紙)。「御社で働きたいです!」と突撃。
有り難いことに、お返事をいただき、お目にかかります。何度かやりとりをさせていただき、この会社で働かせていただけることになりました。

■ 銀行を退職!しかし。。。

ということで、6年間お世話になった銀行を退職して、新たなチャレンジをすることになりました。
よく決めたね、と言われることも多かったのですが、私としては迷いは全くなく、「ビジネスと社会性の両立をするんだ!銀行ではできなかった新しいチャレンジをするんだ!」と息巻いていて、後ろを振り返ることも全くなく、意気揚々と銀行を後にしました。

そして入った新しい会社。よく大した経験もない私を受け入れてくださったな、と思います。
これまで大企業としか取引をしたことがなく、金融商品に関する知識もゼロ。業界のこともよくわかっていないまま、邦銀という大企業から、規模の小さい(10名もいない会社でした)組織への転職。

結論から言うと、私があまりに不甲斐なく、小さな組織で能力を発揮することができず、数ヶ月という非常に短い期間で、ここを退職することになりました。この会社にはご迷惑をかけたな、と今でも思っています。

これは大きな挫折でした。
大騒ぎして理想に燃えて退職をしたにも関わらず、チャレンジしきれずに退職。決して嫌いだったわけではなくてむしろ大好きだった職場をなんで辞めてしまったんだろうという後悔もありましたし、何より「仕事がない」という状況に大きなストレスを感じて(笑)、激痩せ!

精神的にも、これまでの人生で一番辛かったのはこの時です。
職がない恥ずかしさ、とかではなくて、仕事がないのがつらかったんです。
本当につくづく私は働くことが好きなんだな、と思います。。。笑

■ 職探しと新たなチャレンジ

ということで、仕事を探せねばなりません。

ここで「ソーシャルとか言ってる場合ではない。まずは自分のベースとなるビジネスが全然できていない。いったんこういうことしたい、とか置いておいて、力をつけるべきだ」と感じました。

面接を重ねたのですが、色々なところで「なんで銀行辞めちゃったの」と聞かれます。決して好ましいトーンではありませんでした。

そんな中で、一社だけ外資系のベンチャー企業で面接した後に上司となる人から「Nice challenge!」(アメリカの方だったのでここ英語)と言ってもらえました。なんていい人だ!前向き!この人と働きたい、ということで、ケーブルテレビ系のベンチャー企業で新たなチャレンジをスタートしました。

M&Aや、経営企画で、海外にいる株主とのコミュニケーションや経営陣のサポートをする中で、責任をもって仕事をする面白さ、経営の面白さを知りました。

同時に、ビジネスをする上で、その内容、技術が大事である場合にはその技術もきちんと理解することの重要さを実感しました。(例えばですが、なんでテレビがうつるのかも理解しないで経営企画にいて、色々間違った判断をしてしまうことがありました)

その後、社内で色々あり、私の上司が退職、外資の証券会社に転職することになりました。外資だとよくあることですが、この上司に声をかけていただだき、私も後を追って、また金融に戻ります。
ここでの日々もエキサイティング。緊張感のあるトレーディングフロアで、尊敬する上司の元で、経営企画や数字を追うような仕事をしていました。

■ やっぱり自分にしかできない仕事をしたい。。。

まあ忙しいわけです。朝から晩まで、調整したり、ミーティング出たり、数字をフォローして経営陣をサポートするような仕事をしていました。

そんな中で、ふと「この仕事、私じゃなくてもできるよな。。。」と思うようになってきました。こんなに1日中仕事するんだったら、自分にしかできない仕事がしたい、何かやっぱりこれ!というものが欲しい、、、と考えるようになります。

結局のところ、学生時代から考えていた「自分のやりたいことがわからない」状態はそのままだったわけです。「ビジネスと社会課題に向き合うことの両立」というテーマはあるもの、一度挫折しているし、とっかかりもなくて、何かそのテーマを探さねば、という焦りがありました。

悩みすぎたのか体調も崩したこともありました。入院して外科手術もしたのですが、その後休んでいる間に海外留学しようかと思って勉強したり、今思うと、「休みなよ。。。」という感じでした。

そんな日々の中で、NYとボストンに出張します。その時に、その後のきっかけとなるような出来事がありました。いまいち気力もないので、外でdinnerに行く気力もなくて(もったいない!)ルームサービスでパスタを注文しました。すると、絶対に食べられないような量のパスタが届きます。アメリカだし?特段おかしなことでもないのですが、その時はそれに対して、猛烈な違和感を覚えました。すごい生ゴミ。。。いつまで私たちはこんな生活を続けるんだろう、とふと思いました。

また、別の日に、ファストフード店に行った時には、1個しかチーズバーガーを頼んでいないのに、2個渡されます。「え、1個しか頼んでないけど」「みんなに2個渡してるの!」「いや、2個も要らないよ」「そしたら捨てちゃって!」という会話があり、なんだそれ、、、、と感じました。ちなみにちゃんと2個食べました:)

これまでだったら、そんなに気にならなかったかもしれないのですが、なぜか印象的な出来事として記憶されています。

その直後に、帰国してなんとなく見ていたテレビで、東京農業大学の紹介をしていたのです。「生ゴミを発酵することで、エネルギーに変えることができる」

ここで、バラバラだったピースがつながるような予感がして、これだ!と思ったのが農大に入るきっかけでした。

長い。。。長いですよね。

これを毎回伝えるのが、あまりに大変そうで(まあ面倒だったわけです)ざっと色々割愛してこれまでずっと説明していました。嘘をついていたわけではないのですが、そこまで言わなくてもいいかな、と思っていたのも事実です。

ただ今回、ファーメンステーションが新たなステージに入る中で、ここの経緯をきちんと話すことで、私の原点は、「事業性と社会性の両立をしたい」という想いであることを伝えないといけないのでは、と感じて、このながーーーーい話を、会社のメンバーに伝えました。

みんなもこれを聞いて「ああーーーー」という感じだったと思います。
特段驚くことではなかったけれど、よくわかりました、と後から言ってもらえたのが、とても嬉しかったです。

発酵技術は私にとって、やっと巡り会えた、素晴らしい手段でした。

発酵というのは、微生物が有機物に作用して、人間にとって有益なものになることを意味します。人間にとって有益か、そうでないか、という定義には、文化的な視点が入るのですよね。これも私が魅力的、面白い!と感じることの一つです。

■ 農大に入学

ということで、30歳すぎて、農大に入り直します。

ちなみに農大の入学面接の席で、なぜ農大なのか、なぜ発酵なのか、という質問に対して、
「社会の課題に取り組む手段としてビジネスは有益だと思っています。まだ理解されないかもしれませんが、そういうチャレンジをしたいと考えていて、発酵技術はその実現に必要なものだと感じました」と答えたことを覚えています。

農大では、若者に混じって、発酵、微生物の勉強、研究をしながら、発酵や代替エネルギーに関するリサーチを進めました。当時はバイオ燃料、というのがブームのようになっていて、「これはいけるぞ!儲けるに違いない」とギラギラした思いもありました笑。途中で出産したり(ちょうど夏休みで、学校休まずにすんでラッキー!)、自分のペースで学ぶことができたのもよかったなと思っています。
さらに、環境コンサルで仕事もさせていただきながら、世の中には多様な未利用資源があふれていることを実感しました。同時に、これらを活用する手段があるのか、ないのか、それすらも効果的に知る手段がない、と感じました。
未利用資源を活用するプレイヤーの多くは、国や自治体から一時的に受託するコンサルや大企業、大学で継続して事業に取り組む事業者が少ないことも気になったことの一つです。

私は今後、ここで学んだことを活かしながら、どういうビジネスをすべきなのか、そんなことを毎日考えながらすごした大学時代でした。

■ ファーメンステーション設立

そして、会社設立に至ります。やっとここまできました!2009年7月7日。七夕なのは偶然で、ちなみにみんなが大好きな発酵飲料カルピスの発売日も同じですが、それも偶然です。

ここで、現在ラボのある岩手県奥州市の皆さんとの出会いがあるのですが、それについては後でお話しするとして、ファーメンステーションという名前に込めた思いをここでご紹介させてください。

この意味のわからない絵は、子供が書いた絵ではなくて、、、
創業当時に私が書いた絵です笑

これを見た、会社のメンバーもやや絶句。。。
何このハートみたいなの?(正解:アルコールランプの炎)
なんで猫がいるの?(正解:発酵粕を食べる牛)
なんで駅から煙でてるの?(正解:発酵してるイメージ)

一旦絵心のなさは置いていただき、創業の想いを。。。

ファーメンステーションというのは、発酵の駅、と言う意味です。ファーメンステーションを通過したら、前よりいいことが起きる、そういう存在を目指しました。

そして改めて、私たちが毎日見ている会社ロゴについて、その意味をみんなで確認しました。


「大地にしっかりと立ち、皆が常に同じスタートラインに並び、一つ一つ、または、ひとりひとり、地域と地域をつないでゆくSTATIONでありたいという想いを込めて文字をつないでゆきました」
そして、これに「「I=私」に一つ灯りを灯しました。わたし、というひとりひとりを照らす光となりますように。」

オフサイトでも、改めて、全員で駅を、駅につながる線路を繋いでいきたい、そしてひとりひとりが、それぞれの想いを実現しながら、次の未来、社会を作っていきたいと考えていることを伝えました。

さて、この後、会社を設立してから今日に至るまでのさまざまな出来事、、、
これについては、続編でお話させてください。

ファーメンステーションの原点 事業立ち上げ編 

ファーメンステーションのこれから 決意表明編 

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