「日本一の椎茸農家ってなんですか?」
「日本一の定義はなんですか?」
「日本一って、何の日本一なんですか?」って。
これ、よく聞かれます。
たしかにそうだと思うんです。
売上なのか、生産量なのか、知名度なのか。
“日本一”って言葉だけ聞くと、少し大きすぎるし、ふわっとも聞こえる
でも、自分たちの中では、目指しているものはわりとはっきりしています。
それは、生産量だけを追う日本一ではありません。
ビジネスモデルとしての日本一です。
農業って、やってみると本当に大変です。
手間がかかる。人も必要になる。自然や環境にも左右される。
しかも、頑張ったからといって、そのまま利益につながるとは限らない。
すごく大事な仕事なのに、
「大変なのは当たり前」
「儲からないのもしょうがない」
みたいに扱われてしまうことがある。
でも、自分はそこにずっと違和感がありました。
こんなに手間も時間も想いもかかっているのに、それがちゃんと利益にならない。
働く人にちゃんと返っていかない。
もしそれが当たり前になってしまったら、農業って続いていかないと思うんです。
だから、自分たちがずっと考えてきたのは、
"どうやったらいいものを作りながら、きちんと利益も出せるか"ということでした。
ただ、ここが難しいところでもあります。
売上だけを追いかければいいなら、話は早いんです。
でも、それをやると、どこかに無理が出てきます。
現場が疲弊したり、働く人に負担が偏ったり、本来こだわるべき品質が置き去りになったりする。
逆に、理想だけを追いかけても続かない。
すごくいいものを作れても、利益が出なければ事業としては残っていけない。
だからずっと、その間を探してきた感じなんです。
品質も妥協しない。
でも、根性論だけでもやらない。
ちゃんと利益が出る形をつくる。
そのために必要なら、やり方そのものを変える。
自分たちがやってきたことは、ずっとその繰り返しでした。
たとえば、自分たちで菌床を作ること。
栽培環境を細かくコントロールすること。
湿度や換気に強くこだわること。
商品そのものにきちんと価値を持たせること。
一つひとつだけ見ると、ただの“こだわり”に見えるかもしれません。
でも実際は、全部つながっています。
品質を安定させることも、他と違う価値を作ることも、価格競争だけに巻き込まれないことも、最終的には全部、会社がちゃんと利益を出し続けるために必要なことなんです。
その利益があるから、設備にも投資できる。
新しい挑戦もできる。
人も育てられる。
給料や働く環境にも返していける。
つまり、自分たちがやりたいのは、単に椎茸を作ることじゃないんです。
椎茸という事業を通して、ちゃんと回る仕組みを作ることなんです。
変わらなくちゃいけない
自分は、農業が“気合いと根性の仕事”だけで終わってほしくないと思っています。
もちろん、現場には泥くささもあります。
楽な仕事だとは全然思っていません。
でも、それを理由に
「大変だから仕方ない」
「人が辞めてもしょうがない」
「給与が上がらなくてもしょうがない」
で終わらせたくないんです。
むしろ逆で、大変な仕事だからこそ、もっと設計されるべきだと思っています。
どこを効率化するのか。
どこは手間をかけるべきなのか。
何に投資するのか。
どこで利益を作るのか。
誰がどの役割を担えば強くなるのか。
そういうことをきちんと考えて、農業を“続けられる仕事”“誇れる仕事”にしたい。
その形を作れた会社が、本当の意味で強い会社なんじゃないかと思っています。
だから、自分たちが目指している日本一はただたくさん作ることではありません。
ちゃんと利益が出る。
ちゃんと人が育つ。
ちゃんと給与が上がる。
ちゃんと働く意味がある。
そして、会社として次の挑戦ができる。
そういう状態を、きちんと成立させることです。
それを椎茸農家で実現できたら、ただの一農家ではなくて、一つのモデルになると思うんです。
農業でもここまでできるんだ、
地方でもここまでできるんだ、
そう思ってもらえる形を作りたい。
それが、自分たちの言う
「椎茸農家で日本一になる」
という意味です。
「農業の当たり前」を疑う
そのために、自分たちは省人化もやります。
ITも使いますし外部の人ともしっかり組みます。
必要なら、これまでの農業っぽくないこともどんどんやります。
きっと批判もあるでしょうが…笑
ここは、レンチナスの面白いところかもしれません。
農業の会社ではあるんですけど、考え方はかなりビジネス寄りです。
だから、農業経験があるかどうかだけでは決まりません。
むしろ、外から来た人が会社を変えることもある。
農業の常識の外にいた人だからこそ、見えることもある。
実際、発見も凄いありましたし、気付きもものすごく多かったです。
そうやって今のレンチナスも少しずつ変わってきました。
何かを守るだけじゃなくて、何かを作り変えていける人。
現場をただ回すだけじゃなくて、「もっと良くできないか」を考えられる人。
そういう人が入ると、会社は一気に前に進むんです。
自分たちが目指している日本一は、誰か一人の力で辿り着くものじゃないと思っています。
現場も、商品も、仕組みも、採用も、組織も。
全部を少しずつ良くしていった先にあるものです。
まだまだ途中です。
完成なんて全然していません。
でも、目指している方向はかなりはっきりしています。
椎茸を作る会社で終わるんじゃなくて、
椎茸から、新しい農業の形を作る。
その挑戦を、本気でやっています。