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学び続けるデザイン〜学びを支える読書会〜

/登場人物:株式会社コンセント|User Experience Design group UX/UIデザイナー 嶋田幸乃
学校法人専門学校東洋美術学校クリエイティブデザイン科高度コミュニケーションデザイン専攻卒業。2021年、コンセントに新卒入社。主にUX/UIデザイナーとして、アプリケーションの開発・改善に携わる。 現状調査から画面制作まで、一連の体験設計を担う。

こんにちは。UX/UIデザイナーの嶋田です。コンセントには新卒で入社して3年目になります。今回は私が参加している「読書会」の取り組みを通して、コンセントがどのような会社なのかをお伝えできればと思います。コンセントに興味のある皆さんに、少しでも社内の雰囲気が伝われば幸いです。

読書会とは何か

コンセントは会社公式の研修や有志の勉強会が頻繁にひらかれるなど、学びの機会が多い会社です。読書会はその中で有志の勉強会のひとつとして開催しています。

開催はオンライン形式で、週1回30分。参加者は同じ本の同じ範囲を読んで感想を持ち寄ります。1週間に40-80p程度と「無理のない範囲」で読み進めており、継続期間は18ヶ月(2023年4月時点)と、細く長く続けられている活動です。

メンバーは所属しているチームのリーダーと先輩、私の3人。読書会の目的を「社会人としての素養を身につけること」としているため、読む本はビジネス書が中心です。

本の選出は、書籍資料や先輩のおすすめから、分野が偏らないように行なっています。具体的には、「コンセントデザインスクール」という社内教育プログラムで4年前に紹介されていた「ビジネス書マンダラ」や、サービスデザイン事業部の2015年当時の「推薦図書品目」を参考にしています。どちらも先輩からの紹介をきっかけに、参考にするようになりました。

「ビジネス書マンダラ」と「推薦図書品目」には長く読み継がれる書籍が多数掲載されており、各分野で何を学べば良いのかすらわからなかった私にとっては、ひとつの指標として、頼りになる存在です。

読書会の3つの魅力

1年以上継続をする中で、私なりに感じた読書会の魅力をご紹介します。

「学び」の習慣化ができる

わたしは「本を読むのが苦手!」というタイプではないのですが、日々の業務に追われると新しい知識のインプットが疎かになってしまう傾向がありました。そして、一度学びが疎かになると、なかなか立て直せない日々が続いてしまいます。

そのため毎週30分、必ずインプットの時間が取れることは、学びのリズムをつくる上で、とても役立ちました。

また学びを継続できている状態が、自信に繋がり、更なるインプットのはずみもついたように感じます。

「頼れる人」ができる、「頼り方」がわかる

本を通してコミュニケーションが増えるために、お互いがどのような人物なのかの理解が深まることも魅力のひとつです。

読書会のメンバーは、普段別々のプロジェクトに入っており、業務内容も違えば、得意なこと、考えていることも人それぞれ。読書会では「あのプロジェクトではこういう対処をした」「ここを読んでこう思った」など、メンバーが普段やっていることや考えていることが垣間見える場面が多々あります。ときには本の感想から話が膨らみ、本筋から脱線してしまうこともありますが、その内容も含めて、メンバーの得意分野や精通しているものを知るよい機会です。

「この分野で困ったらあの人に聞けばよい」というように、頼り先がはっきりすることで、仕事をする上での安心感にもつながっています。

また読書会で質問をし合うことにも慣れるため、メンバーには読書会以外の場面でも質問のしやすさを感じています。

自分にはない「新しい視点」を知れる

人の感想を聞いていると「そんなこと書いてあったっけ?」と思う場面が多いことに驚きます。同じ文章を読んでいても、メンバーによって印象に残る点が全く違うのです。印象に残った点は同じでも、着眼点が異なるために感想が変わることもあります。

それぞれの視点で、同じ本の感想を共有し合うことは、自分がなんとなく読んでしまっていた点を省みたり、物事の新しい見方に気がついたりできる貴重な機会です。

また次に読む本の選出もメンバー全員で行うため、自分の知識や興味範囲に偏ることなく、本が読めるのもよい点です。自分だけでは得られなかったであろう知見を広げられることは、さまざまな領域で活動を行うデザイナーにとって、強みになると思っています。

読書会のはじまりと継続のコツ

きっかけは会社のチューター制度でした。

チューター制度とは、新入社員に対して業務の内容やそのやり方を教えたり、業務でわからないことがあれば相談にのったりしてくれる先輩社員がつき、新入社員の成長をサポートする制度です。

私の場合はチューターの先輩社員との年齢が近かったこともあり、2人が一緒に成長できるような活動をつくれないかと考えました。そして、自分たちの課題や伸ばしたい能力を整理する中で出てきた案が読書会です。

入社3ヶ月後のチューターとの振り返り資料。当時の悩みとしては「経営やマーケティングなど、クライアント理解を深めるためのビジネスの前提知識が足りない」「情報分析への苦手意識がある」などがありました。

課題への解決策としては、読書会のほか、セミナーへの参加や企業のIRサイトを読んでみるなどさまざまなアイデアが出ていましたが、基礎から自分たちのペースで学べる方法がよいということで、読書会の開催が決まりました。

チューターとの話し合いから、まずは「ビジネス基礎」をテーマに読書会をスタート。開催にあたっては、「とりあえずやってみる姿勢」が長く続く秘訣になったと思います。まずは1回やってみるところから始まり、開催頻度や進め方、1週間で読むページ数などは回数を重ねる中で参加メンバーにちょうど良い塩梅を探っていきました。

現在はこの読書会きっかけに、他にもさまざまな読書会を開催しています。例えば、デザインと開発のつながりをテーマにした「デザイン&エンジニアリング読書会」(週3回 15分開催)や、UX/UIデザインの基礎を学ぶ「若手のUX/UIデザイナー読書会」(週1回 30分開催)、デザインシステムの知見を広める「洋書のアクティブ・ブック・ダイアログ会」(2時間×3回で完結)などです。これらの読書会はそれぞれ異なるメンバーで開催していますが、そのどれもが無理のない進め方で続けられています。

やってみての感想

特に印象に残っているのは、グロービス経営大学院 (2017.3)『[新版]グロービスMBA経営戦略」ダイヤモンド社を読んだ、初めての読書会です。

この本には、経営戦略の概念、理論、業界構造分析やマクロ環境分析などの各種フレームワークが掲載されています。読書会では、フレームワークの理解を深めるため「コンセントに当てはめたらどうなるか」を話し合いました。

社会における、デザイン会社の立ち位置を考えた会。デザイナーとしてどのように振る舞い、どう見られるとよいのかを意識するきっかけになりました。

メンバーと実際のケースを考えてみたことで、フレームワークについて実感をもって理解できただけでなく、入社したての私にとっては、会社や組織を取り巻く環境を知るきっかけにもなりました。

その後も読書会でさまざまな書籍に触れることで、クライアント理解のための前提知識が少しずつ深められていると感じています。例えば「クライアントとのコミュニケーションに際して、全くの未知ゆえの不安がなくなった」「理解が足りない部分を調べたいと思ったときに、なんとなく資料にあたりがつくようになった」という点で、クライアントワークがスムーズに行えるようになった実感があります。

今後もひとつずつ、不安要素をつぶしていけるように、知識のインプット・アップデートを続けていきたいです。

まとめ

今回はあくまで、私個人が読書会をどう捉えているかを紹介しました。記事を通して、コンセントの雰囲気や読書会の面白さが少しでも伝わればうれしいです。

知識のインプット方法は世の中にさまざまあり、一概に読書会が正解というわけではありません。冒頭に、コンセントでは多種多様な勉強会が開かれていることを紹介しましたが、それも社員それぞれがやりやすい方法を探っているが故のことだと思います。

この記事を読んでくださっているあなたが、コンセントに入社されたあかつきには、ぜひ一緒によりよい学び方を探究しましょう!

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