初任給40万円のメガベンチャーではなく、当時まだ数名だったDelightを選んだ平田ももさん。
現在は統括として、個人の成果ではなく、組織全体が成果を出し続ける仕組みづくりに向き合っています。創業期から現在までを知る平田さんに、役割の変化、失敗から得た学び、そして100億円企業を目指すDelightのこれからを聞きました。
<プロフィール>
株式会社Delight 統括 平田 もも(ヒラタ モモ)
立命館大学4年生時にDelightに内定承諾し、インターン開始。
【サブマネジャー→マネジャー→統括】への昇進を全てDelight史上最速で達成。
現在は営業部全体をまとめながら、自身も営業業務で活躍中。
初任給を半分にしてでも、Delightを選んだ理由
――就職活動では、初任給40万円のメガベンチャーからも内定を得ていたそうですね。なぜ、当時まだ数名規模だったDelightを選んだのでしょうか?
正直、迷いはありました。
同じ営業職をするのに、初任給40万円の会社と当時20万円のDelightでは2倍の差があります。
それでも、自分にとって本当に大切なものは何かを考えたとき、Delightを選びました。
私は学生時代、バスケットボールに青春を捧げてきました。
小学校から高校までキャプテンを務め、お金をもらわなくても夢中で努力できた。その経験を振り返り、「自分の最大のモチベーションは、お金ではない」と気づいたんです。
お金以外の軸でどちらに行きたいかを自分に問い直したとき、浮かんだのがDelightでした。
入社時から、会社に何かを用意してもらう感覚はありませんでした。
創業したばかりの会社に入る以上、自分がつくる側になるつもりでした。
同じビジョンを本気で目指せる仲間がいる。
それだけで、私にとってはDelightを選ぶ十分な理由でした。
今振り返っても、あのときの決断に狂いはなかったと思っています。
想像以上だったのは、任されるスピードです。
入社から2週間後には、新卒説明会を担当していました。
年齢や社歴に関係なく、意思と行動があれば仕事を任せてもらえる。
この環境は、今もDelightの特徴だと思います。
トップセールスから統括へ。手放したのは、自分で売ること
――プレイヤーとして成果を出す立場から、統括へ。最も大きく変わったことは何ですか?
トップセールスだった頃は、自分が数字をつくることが、会社にとって一番早いと思っていました。実際、目先の売上だけを見れば、自分が現場に入る方が早い場面もあります。ただ、それではメンバーが育たず、組織として出せる成果にも限界が来ます。
統括になる過程で手放したのは、「自分一人で成果を出し続けること」です。
抱え込むのをやめ、自分が現場に入らなくても成果が出る状態をつくる。それが今の役割だと考えるようになりました。
同時に、人は正論だけでは動かないことも学びました。成果が出ず、苦しい時期に踏ん張れるのは、「この上司のために頑張りたい」「このチームなら成長できる」と思えるからです。数字やロジックだけでなく、信頼関係や期待されている実感が、人を動かす大きな力になります。
離職と降格。失敗が、マネジメントを変えた
――マネジメントで、最も大きな失敗は何でしたか?
以前の私は、「ベンチャーにいるなら、死ぬほど頑張れるのが当たり前」「頑張れない人は辞めた方がいい」と考えていました。
メンバーの感情を見ずに、仕事量や一生懸命さを強く求めていたんです。
結果としてメンバーの心は離れ、売上も上がらず、他部署への異動につながりました。
自分の部署から複数名の離職を出した際には、代表の新井から「ももがリーダーでなければ、もっとメンバーが頑張って残っていたかもしれない」と言われました。
悔しさと情けなさで、ミーティング後は大泣きしました。
ただ、言葉の厳しさだけでなく、その背景にある意図と自分の未熟さを考えると、事実だと受け止めるしかありませんでした。
サブマネージャー時代には、自分のミスや部下のルール違反に対して、保身から隠すような行動を取り、降格した経験もあります。
自分を守ろうとする行動が、最終的には一番大切な信頼を失わせる。
そのことを痛感しました。
転機になったのは、代表が数百万円を投じて外部講師を招き、組織マネジメントを学ぶ機会をつくってくれたことです。
それまでの「頑張れないメンバーが悪い」という考えから、「なぜ頑張れないのか」「どうすれば頑張れる状態をつくれるのか」と、自分の側に原因と改善余地を探すようになりました。学んだことを実践し続けた結果、周囲からも『一番変わった』と言ってもらえるようになりました。
正解がないからこそ、リーダーが決める
――統括として、難しい意思決定にはどう向き合っていますか?
新規事業へ異動したときは、立ち上げが思うように進まず、正解のない中で商材や戦略を決め続ける必要がありました。自分の判断が本当に正しいのか、常に葛藤がありました。リーダーの迷いはメンバーの不安につながるため、簡単に弱音を吐けず、一人で意思決定するプレッシャーも大きかったです。
そのとき支えになったのが、「リーダーの仕事は決めること」という考えです。
十分に考えたら、まず決めて実行する。うまくいかなければ、修正してやり直せばいい。正解を待ち続けるのではなく、結果から学び、次の意思決定の精度を上げることを大切にしています。
一方で、新規事業に集中するあまり、以前の事業部メンバーとの接点が減り、「新規事業しか見ていない」と思われているように感じた時期もありました。統括は、担当領域だけを見ていればよい立場ではありません。以前のメンバーにも、変わらず味方であること、必要なときはいつでも協力することを言葉にして伝えるようにしました。
創業期から変わったものと、変えたくないもの
――創業期から現在までを見てきた平田さんから見て、Delightはどのように変化しましたか?
成果を出す営業担当者や、ヒットする事業が生まれ、会社としての実績は大きく伸びました。創業期のオフィスは、会議室もなく、男女共用トイレが一つだけのマンションの一室。家賃は約15万円でした。現在の東京オフィスは家賃が約150万円となり、当時の約10倍の規模です。
営業環境も変わりました。当時はトークスクリプトも営業資料もなく、実績のある先輩もいません。カラオケボックスやインターン生の自宅でロープレをしていました。今は成果を出すための知見や育成環境が蓄積され、入社後に学べる土台があります。
一方で、変わっていないものもあります。
嘘やごまかしをせず、お客様の採用と成功に本気で向き合う姿勢。
売上や社員数が増えても変わらない、代表の新井の仕事への向き合い方と周囲への感謝。
そして、「仕事を頑張りたい」と本気で思う人を採用し続けていることです。
環境や制度を整えることは必要です。ただ、整った会社になるほど、創業期から大切にしてきた基準や熱量が薄まるリスクもあります。規模を拡大しながら、Delightらしさをどう守り、次の世代へ渡していくか。それが今の私にとって重要なテーマです。
100億円企業へ。文化と成果を再現できる組織をつくる
――これからのDelightで、統括として実現したいことを教えてください。
Delightは今後、100億円企業を目指しています。人が増えれば、これまで当たり前に共有できていた価値観や仕事の基準が、少しずつ薄まる可能性があります。私は、代表が大切にしてきた考え方を、鮮度を落とさず新しいメンバーへ伝え、組織へ落とし込む架け橋になりたいと考えています。
同時に必要なのは、個人の経験や感覚だけに頼らない仕組みです。新人が入社しても、確実に成果を出せる育成体制をつくる。人が増えても組織の成果と文化を再現できる状態にする。ここは、これから私が乗り越えるべき課題です。
さらに、教育や営業組織の範囲だけでなく、会社を伸ばすさまざまな成長要因を捉え、経営へ提案できる視座も身につけたい。代表から出た考えを実行するだけではなく、代表からは出なかった新しい施策を提案できる存在になることを目指しています。個人としては、20代で最年少役員に就任することが目標です。
完成された役割ではなく、組織をつくる側へ
――これからDelightへ入る方に、どのようなことを期待していますか。
Delightで活躍するのは、経歴が華やかな人とは限りません。大切なのは、成果を出している人からのフィードバックを聞くだけで終わらせず、行動へ落とし込めること。そして、努力を一時的なものにせず、継続できることです。
もう一つ重視しているのが、全体最適の視点です。個人数字が高くても、周囲やチームにマイナスの影響を与える人を、Delightでは役職者に引き上げません。一定の成果を出しながら、メンバーを育て、会社の価値観を自分の言葉で伝えられる人が、より大きな役割を担っていきます。
Delightは、すでに完成された会社ではありません。だからこそ、決められた役割をこなすだけでなく、事業や組織の課題を見つけ、自分で仕組みをつくりたい人にとっては、大きな挑戦機会があります。若手であっても任せる文化はありますが、任されることは、自由だけでなく責任も伴います。厳しい局面や成果が出ない時期も含めて、本気で仕事に向き合える方と一緒に会社をつくっていきたいです。
最後に
私自身、最初からマネジメントができたわけではありません。売ることには自信があっても、人を動かすことでは何度も失敗しました。複数名の離職も、降格も経験しました。それでも、厳しいフィードバックを受け止め、行動を変え続けることで、統括という役割を任せてもらえるようになりました。
今の能力だけで、将来の可能性が決まるとは思っていません。自分の課題から逃げず、フィードバックを行動に変え、仲間とともに成果をつくれる人であれば、Delightで担える役割は広がっていきます。面接では、きれいに取り繕う必要はありません。これまでどんな経験をし、何を感じ、なぜその行動を選んだのか。ありのままの言葉で聞かせてください。私たちも、成長の途中にある会社として、良い面だけでなく、難しさも含めて率直にお話しします。
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