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CXとEXの両輪で企業経営の全体最適を図る。エモーションテックは「三方よし」で社会をより良くする会社

『エモーション × データで、三方よしの社会を実現する力になる』を掲げ、顧客・従業員にとっての体験価値を最大化するクラウドサービス「EmotionTech CX」、「EmotionTech EX」の開発・運営を手掛けるエモーションテック。

今回は、代表取締役である今西良光さんと、Experience Solution Teamでコンサルタントを務める武下大作さんに、エモーションテックにおけるCX・EXの定義や他社にはない強み、求める人材像についてインタビューしました。

<話者プロフィール>

今西
株式会社エモーションテック代表取締役CEO。新卒で日立製作所に入社しITシステムの営業に従事した後、ユニクロに入社。店舗のマネジメント業務の経験の中でサービスの現場におけるマネジメントの課題を痛感。課題解決の為、早稲田大学大学院に入学。在学中に海外のCX・EXに関する事例や論文を研究し2013年に株式会社wizpra(現エモーションテック)を創業。CX・EXの分析に関する独自の手法を開発し特許を取得。著書『実践的CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)』(日経BP)

武下
東京大学大学院卒。新卒で三井住友銀行に入社し、グループ会社間の連携推進やグループ会社の経営管理を担当。従業員サーベイを運営するベンチャー企業の執行役員を経て、2021年10月からエモーションテックに参画。
コンサルタントとして多くの企業のNPS調査・eNPS調査に関わり、導入〜調査分析〜運用体制の構築までトータルで支援している。

エモーションテックにおけるCX・EXは「一連の体験の総和」

――まずはエモーションテックにおけるCXの定義を教えて下さい。

今西:
CXはCustomer Experience、顧客体験です。例えばカフェに行くとき、顧客が店内に入って商品を購入し出ていくまでのあいだに体験することは、お店の雰囲気や商品のレパートリー、接客対応、商品提供スピードなど様々です。一般的には一つひとつの体験に注目しがちですが、私たちはそのお店のすばらしさを構成する一連の体験をCX(顧客体験)と呼び、良い顧客体験を実現するために部分最適ではなく全体最適を図ることを、CXマネジメントと表現しています。

――続いて、EXの定義もお聞きしたいです。

今西:
EXはEmployee Experience、従業員体験です。給与や福利厚生、職場環境、人間関係、教育や評価、会社のビジョンなど、「働く」にも様々な要素があります。CXと同様に、各体験の総和をEX(従業員体験)と呼びます。
CXと違ってEXは「店に入って出ていく」というような始点と終点を設定しにくいですが、私たちは3ヶ月、あるいは半年に一度の継続的なアセスメントを通じて課題を可視化し、経年変化を見ていきます。課題に対する改善策を常に考え続けること、その策によりどう変化したかを再度可視化することが、本質的な改善のためには重要です。

――CXやEXという概念は、いつ頃から世の中に浸透しはじめたのでしょうか?

今西:
多くの日本企業がCX・EXを明確に意識しはじめたのは、この5〜6年だと思います。私がエモーションテックを創業した2013年当時は、CS(顧客満足度)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、ES(従業員満足度)などが語られることが多く、CXやEXという概念は日本ではあまり聞かれませんでした。Web領域では、オンライン上のユーザー体験を充実させて定量的に把握するUI・UXが進んでいましたが、オフラインまで拡張した事例はほぼありませんでしたね。

――創業から11年が経ち、CX・EX領域にはどのような変化がありましたか?

今西:
当時のUXは、いわばサイト上だけの体験を指していました。ECサービスでいうと、商品を探し、選び、購入するところまでです。しかし、実際には購入した商品が到着するまでの期間やコールセンターの対応なども顧客の体験に含まれます。どこまでをカスタマージャーニーとして捉えるかが拡張されてきたと思っています。

武下:
サイト上の導線だけでなく在庫や配送などオフラインの部分も含めて、個々の体験ではなく総合的な顧客体験のなかで全体最適を図っていこうというのが、企業がここ数年向き合っている課題感です。

今西:
たしかに、企業におけるマクロ環境の変化もCX・EXの重要性が増した一因ですね。昔と比べて消費者の購買活動は多様化しています。選択肢は非常に多く、ユーザーの可処分所得や時間を奪い合っています。企業にとっては、お客様に向き合い、長期的にどんな体験を提供するかが重要なテーマになってきています。

――企業を取り巻く環境には、具体的にどのような変化が起こっているのでしょうか?

今西:
例えばアパレル企業なら、オンラインで商品を買う人の増加により店舗ではコーディネート提案を重視するなど、「場」の作り方に変化が起こっています。企業がお客様に長く愛され、収益を上げていくためには、多様なチャネルを統合的に捉えたうえで「体験をマネジメントする」必要があります。また、CXを充実させるために、従業員がいきいきと自分のパフォーマンスを発揮できること、つまりEXの重要性も増しています。

――テクノロジーの進化も、CX・EXの発展に寄与していそうですね。

今西:
そうですね。Web業界においてUI・UXが注目されていたのは、閲覧やクリックなどオンライン上の顧客の行動は定量化して計測しやすかったという背景があるかと思います。現在はスマートフォンの普及やアプリの浸透、人の行動を計測するデバイスの増加により、オフライン上の顧客の行動や接客対応も定量化してデータを取得しやすくなりました。

――今までは難しかったオフライン上の体験も含め、CXやEXがデータとして計測できるようになったことで、どんな良いことがあるのでしょうか?

今西:
経営改善に取り組むにあたり、企業の事業活動にとってCXやEXがどのように作用するかをデータで示せるようになります。すでに、店舗の売上とCXスコアの相関を実証できたケースや、EXのスコアとお客様からの評価がリンクしていることが分かったケースなども多々出てきています。CXやEXのスコアと収益などの事業KPIがリンクしている事をデータで示せると、企業にとっても「これは重要な活動だ」と腹落ちすることにつながります。

武下:
CXの可視化により、自社の顧客ロイヤリティにとってどの顧客体験が重要かが見えてくると、従来は経験と勘で割り振っていたリソースを効率よく配分できるようになります。また定量化されたデータは、全体最適を目指すときの共通言語となります。異なる部署が一つの目標に向かって動くためには、指標となるデータが必要です。顧客体験が複雑化・長期化している今、経験や勘だけで顧客体験を良くするのには限界があるので、課題をシンプルに捉えるためにも、CXやEXのデータ化は必要と考えています。

「人」と「プロダクト」の両輪で組織を動かす

――今はどのような顧客層に対してサービスを提供していますか?

武下:
BtoCもBtoBも両方ありますが、規模が大きい企業が多いですね。以前は社内でNPSリーダーと呼んでいる、顧客体験で他社と圧倒的な差別化を測ろうとしている企業が多かったですが、最近は優れた顧客体験を提供するNPSリーダーたちに主導権を奪われたくないと考えている業界大手企業もが、CXマネジメントに高い関心を寄せています。

――他社との差別化ポイントはどこにありますか?

武下:
CXとEXの両方にアプローチしている点です。CXとEXのどちらかを単独で捉えている会社が多いですが、私たちは「エンゲージメントが高まった従業員がお客様に向き合うことでより良い顧客体験が作られる。良い顧客体験はロイヤリティを高めて企業に収益をもたらし、その収益をさらに従業員に投資することによって良い従業員体験が作り出される」と考えています。CXとEXの両輪で企業経営の最適化を図り、従業員・顧客・企業の「三方よし」の社会を実現したいと考えています。

今西:
経営層のみなさんは、離職率を下げ生産性を上げるという視点からEXを重要視されることも多いです。バックオフィスの従業員も含めていきいきと働けるかどうかは、提供する商品のクオリティにも関わりますし、人材にどう投資するかという人的資本の側面にも直結します。持続的な企業成長のためには、お客様にしっかり価値提供していくことが大事で、そのためには従業員がいきいきと良い商品・サービスを提供することが大事です。CXとEXは循環しているというシンプルな考え方です。

――エモーションテックの強みは何でしょうか?

今西:
特許を取得している独自の解析技術を搭載したプロダクトはもちろん、CXやEXの体験マネジメントに対する知見や経験の豊富さ、そしてお客様の課題に深く入り込む「人によるコンサルティング」が私たちのコアな価値です。特に、改善のフェーズではコンサルタントによる伴走支援のウエイトがさらに大きくなります。今はまさに、この「人」の価値も高く評価いただいており、人とプロダクトの両輪のバランスが重要だと実感しています。人とプロダクトをセットで提供でき、コンサルタントの知見やノウハウを包括的にお客様に提供しながら伴走支援できることが私たちの強みです。

武下:
徹底的な伴走支援こそ、エモーションテックのコンサルタントがこれまでに提供してきた価値ですね。これから提供できる価値としては、顧客体験改善のPDCAサイクル、仕組み化などが挙げられます。アンケートによって顧客のインサイトを捉えて社内のデータと組み合わせ、重要な顧客体験を把握すること。その結果を、顧客体験を実際に提供されている部署の方々に伝える、デリバリーすることも重要だと考えています。

今西:
適切な人に適切な形で情報を伝える「デリバリー機能」は、全社を動かすために必要です。例えばアパレルのお店であれば、経営者、マーケティング部署、エリアマネージャー、各店舗の店長が考えることはそれぞれ違いますし、見ている視点も必要な情報も異なります。発展途上ではありますが、このデリバリー機能も私たちのプロダクトの特徴です。

求める人材像

――エモーションテックのコンサルタントに求められる役割は何でしょうか?

武下:
データを元に顧客理解を深めるお手伝いをすることと、仕組みづくりなどを通して企業を動かす力となることです。データ分析によって重要な顧客体験を可視化できても、実際に顧客体験を作っている現場の方々に伝えられなかったり、伝えられたとしても売上に直結する別のKPIを優先せざるを得なかったりして、企業の全体最適がなかなか実現できないというのが、クライアントが直面している課題です。テクノロジーやデータだけではなく、人が介在して初めて企業を動かすことができると考えています。

――コンサルタントにはどんな資質が求められますか?

武下:
徹底的な顧客志向ですね。私たちはクライアントが抱える課題の解き方に制限を設けていません。お客様に前へ動いていただくために何をすればいいのかを考え抜くためには、極めて高い顧客志向性が必要です。「伴走支援」を謳う会社は多いですが、プロダクトを提供していかに使ってもらうかという、いわゆる「ドライ」な支援がほとんどです。私たちは顧客の成功に徹底的にこだわり、プロダクトやソリューションに固執しない「ウェット」な支援の提供を目指しています。

武下:
またチームへの貢献意識も大切にしています。クライアントワークは少人数で対応していますが、成長していくお客様に伴走し続けるためには、担当メンバーだけではなく、他のチームメンバーや他部署のメンバーの知識や経験・ナレッジをフル活用する必要があります。だから、知見や経験をチームにきちんと還元できる方、チームの知見をフル活用して自分もお客様に価値提供したいというマインドセットの方に加わっていただきたいですね。

――どういった企業のどういう役職で活躍されている方に応募してほしいですか?

武下:
例えば、大企業で企画職をされているけれども「もっとお客様に喜ばれる会社にしたいのに」とモヤモヤしている方とか、顧客に向き合いたいという強烈な原体験を持っている方は、エモーションテックでご活躍いただけると思います。

今西:
大企業の論理が分かっていて、周りを巻き込んでいける方ですね。例えば、SIerでソリューション提案などの営業をしていた方。僕自身もファーストキャリアが日立製作所なのですが、責任を持ってお客様と向き合い、リードしていくような仕事をされている方は向いていると思います。大企業向けのBtoBでビジネス経験がある方、例えば、部門のマネージャーや営業として社長や役員に提案していた方や、お客様のニーズに合わせて無形商材を提案していた方。ソリューションセールス、通信キャリアの営業、メーカーのセールス、経営者向けの金融系商材を提案していた方なども活躍していますね。

狭義と広義の「三方よし」で世界全体の幸福度を高めたい

――入社後は、どういった流れで仕事を経験していくのでしょうか?

武下:
入社から約3ヶ月間はサブとして案件を担当していただき、業務を網羅的に理解していただきます。それから徐々にお客様を担当していただき、早ければ1年から1年半ほどで、業界大手の役員の方々にも直接、調査結果などを報告していただくようなイメージです。

今西:
CX・EXにテーマを絞っている分、既存のチームメンバーがある程度作り上げてきた知見やノウハウがあります。お客様の課題を理解し、どういう価値を提供すれば自分を信頼してもらえるかを考え、粘り強くトライするという姿勢は大切ですが、土台はできあがっているので一般的なコンサルタント業よりは入りやすいと思います。

――エモーションテックに入社することで、どう成長し、どのようなキャリアを描けるでしょうか?

武下:
アンケートデータという目に見えないものを分析したり、数値から解釈して示唆を出したりといった能力は、キャリアにとって強みになると思います。また、日本の大きな企業の考え方や行動を変えるお手伝いができるのはやりがいですし、大企業にいる他の同年代と比べてもなかなか得難い経験ですね。

今西:
たしかに、各業界のトップ企業とお仕事ができる経験も、大企業の経営企画を真剣に考えている方々と向き合えることも魅力といえます。一般的なコンサルタントだとインダストリー(産業)で切られてしまうケースもありますが、業種・業態にかかわらず様々な会社のお話が聞けますし、組織を変えるために一石を投じるという貴重な経験もできます。世の中に対するインパクトを持っている方々に提案でき、間接的に社会を変える仕事にチャレンジしたい方に刺さってほしいですね。
あとは、自分で手を挙げてコミットメントすればいろんなことにチャレンジできるというのも、スタートアップとしての魅力ですし、キャリアにとってプラスにもなると思います。

――最後に、エモーションテックがCX・EXを追求することで、どんな未来がやってくるでしょうか?

今西:
一言で言うと、世界中の幸福度が「面」として上がってくると思っています。僕らは「三方よし」とよく言います。企業・顧客・従業員という三者が循環して総合的に良くなることが、「小さな三方よし」です。従業員がいきいきと働き、素晴らしい商品・サービスを提供すれば、お客様が長期的にファンになってくれて収益の基盤になり、企業は持続的な成長ができる。その成長で上がった収益をもう一度、従業員や顧客の体験に投資することで、このサイクルを回していく。この仕組みを世界中のすべての企業インフラにして届けていきたいというのが、僕らのミッションでありビジョンです。
世界中の従業員、世界中のお客様、世界中の企業がハッピーになれば、社会全体がハッピーになります。そうやって人・組織・社会という「大きな三方良し」が作れたら、世界規模で幸福度を向上できます。世界の幸福度を1ミリでも2ミリでも「面」で上げたいという思いがあって創業しました。生きているうちに社会に爪跡を残せる仕事なので、世界の幸福度を上げるという目標に向けて一緒に取り組んでいきたいという意欲ある人に、ぜひ入社していただきたいです。

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