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3社統合で成し遂げたいこと

この4月に私が代表を務める船井総合研究所と、グループ内の兄弟会社である船井総研デジタル、船井総研ITソリューションズが統合します。社内では通称「シン船井総研」と呼んでおり、3社統合で社員数1,000名を超える「経営」×「デジタル」コンサルティング会社として出発できるよう、準備を進めています。

 経営とデジタルを兼ね備えたコンサルティング会社は、大手企業をクライアントとしていれば、ポピュラーな業態ではありますが、中堅・中小企業向けではあまり多くはありません。本来であれば、上流・下流とはっきり行程が分かれやすい大手企業向けは、一定の分担があり、上流も下流も混在しやすい中堅・中小企業向けは、一体となってチームで対応することで、臨機応変に進捗させられるはずです。

 当社はコンサルタントが800人在籍しており、中堅・中小企業のご支援先と常時約6千社契約が走っています。今後の中小企業淘汰の波を生き残る上では、DXは避けられないテーマで、我々コンサルタントが強いリーダーシップでご支援先の経営者を動機付けし、業績アップとDXを同時に実現できるようなソリューションを、業種業態別に提供しています。とは言え、全員がDXに従事しているわけではなく、この6千社にまるでインフラのようにデジタルサービスを提供するには至っていません。

 今回の統合は、より大勢のエンジニアの応援を受けて、この6千社のデジタル実装をいち早く実現する、ということが、大命題なのです。

 さて、日本の中小企業は何社あるか、ご存じでしょうか?よく350万社と言われています。これはあくまで登記がされている、という前提ですので、実体として活動しているのは50万社とも言われますし、一方で法人化していない事業体も存在しますので、それは漏れているのかもしれません。

 いずれにしても、50万社のうち、たった6千社のDXを実装するにも、1,000人の体制で不足がある、のが実情です。8割がコンサルタント、2割がエンジニアという比率は、大手向けの場合は逆転するのではないか、と思われますが、こと実装ということに関して言えば、それだけ伸びしろがある、とも考えられます。

 その意味では、今回の統合は、6千社にDXを実装する、始まりでしかありません。まず、6千社に実装するために、この統合でシームレスに、スムーズに提供できるようにすることが第一歩。次いで、「実装」も1社1社からすれば、DXの始まりでしかありません。「活用」「浸透」して「成果」を出すことに、チームでコミットできるようにすることが第二歩。そして、この6千社に目途が付けば、あとは残る49万4千社に拡大、展開するのが第三歩。

もちろん、全てを我々だけでやり遂げる必要はありません。一部のリーダー企業は既に実現されていますし、当社のパートナー会員でIT企業の方も活動されています。それでも、我々コンサルタントとしては、同じグループ内でも実装する上でギャップがあると認識し、一体化することを答えとして統合に至りました。コンサルティング会社の一つの帰結なのかもしれません。コンサルタントが理想を描いたら、その通りに実装できるエンジニアが併走するのがベストである、と。

この帰結が1社でも多く実現し、6千社に近づけば近づくほど、日本の中小企業のDXが進捗し、生産性を向上させるスパイラルに突入できるよう、まずはこの統合を丁寧に、丁寧に、進めたいところ。

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