二年前にインタビューした、ヒラソルのチーフエンジニア大将さんに、改めて話を聞きました。当時はまだ、「自分たちの技術がどこに一番刺さるのか」を模索していたフェーズ。そこから組織は急拡大。今では、再生可能エネルギー/電力を起点に、設備(ハード)、制御(ソフト)、そして市場取引までを一気通貫でつなぐエンジニアリングが、ヒラソルの明確な強みになりつつあります。変わり始めた開発のあり方、需給調整市場やVPP、太陽光×蓄電池といった次の挑戦、そして「変化を楽しめる人」と一緒に作っていきたいこれからのヒラソルについて。技術と組織の“今”と“これから”を、大将さんに聞きました。
目次
「技術の刺さる場所」が明確になった2年間
ハードからソフト、市場まで──“一気通貫”で価値をつなぐ強み
「できるかも」を形にする。技術と運用が直結する開発の面白さ
再エネの未来を“実装”する。これからヒラソルが取り組むこと
変化を楽しみ、境界線を越える。これからの採用で出会いたい人
「技術の刺さる場所」が明確になった2年間
ーー前回のインタビューから約2年。組織は20名以上増え、オフィスも移転しました。今、ヒラソルで何が一番変わったと感じますか?
大将: 一番は「自分たちの強み」が明確になったことですね。以前は、高い技術力を持ちながらも「自分たちの技術が刺さるところを探そう」を模索している段階でした。 自分たちの強みが明確になり、その上でだんだん人も増えてきて、「この人が得意だからお願いして、もっと良くしていこう」という循環ができてきているのが、すごくいいなと思っているところです。
ハードからソフト、市場まで──“一気通貫”で価値をつなぐ強み
ーーそんな循環の中で、うちの一番の強みはどんなところですか?
大将: 「ハード(設備など物理的なもの)からソフト(制御)、市場までを一気通貫で作る」というところです。
物理的には、まず最初に電気系統があります。電気を理解した上で、それを制御するハードウェア(基本は調達ですが、作ることもあります)を扱っています。その設備を制御するにはどのような機械や構成が必要なのかをきちんと理解し、さらにその機械を細かく制御するためのソフトウェアも実装して、クラウドに繋げて管理・監視を行っています。さらに最近は需給調整市場などにも参入していますが、電気には、物理的な電線を伝ってやり取りする部分と、電気を売り買いする計画上の取引という部分があります。物理的な側面から計画上の取引まで全てが繋げて、サービスとして提供できること。そして、そういった全体像をちゃんと理解して、お互いに手を取り合いながら進められる会社というのが、今のヒラソルの1番の強みだと感じています。幅が広がったなと感じます。多分このコンパクトな組織でいろんな人に刺さるものが作ることができているのは、結構強いと思います。
ーーー組織が大きくなり事業が変わってきた今でも、変わらない軸はありますか?
大将: 電気のことをよく理解して、たとえば、パソコンやコンピューターが好きな人、電気が好きな人、制度設計が好きな人──そういう方は、自分の得意領域に集中したいという思いがあると思います。一方で、隣の領域も「理解しておく」ことは大事だと思っています。そうすると、いちばん下からいちばん上までを、チームで“⼀気通貫”にできる。そんな考え方を大事にしてやってきたら、自然と今の形になってきた、という感じです。特に再生可能エネルギーや蓄電池は、これからぐっと伸びて社会に役に立つ領域ですし、そういう意味でも、まとまれているのかなと思います。
ーーーそれぞれの専門性を生かして、社会に役立つことを実現していく形ですね。
大将: そうですね。再エネ業界に限らず、電気の業界はここ10年くらいで市場が解放されてきました。2016年に小売の全面自由化、2020年に発電と送電の分離などがありました。加えて、需給調整市場、これまでは、電力会社(一般送配電事業者)が担っていた業務の一部、特に電源調達のところが解放されてきて、20年、30年かけて電力事業が改革されてきた。その流れの結構“終わりのところ”に、今ようやく来ている感覚があります。そこがうまくいくためには、今の僕たちのサービス開発がすごく大事なんじゃないかと感じています。制度を理解した上で、必要なエネルギー供給を担うことは、使命がある仕事だと思っています。
ーーーヒラソルを見ていると、楽しみながら仕事をしているし、お客さまからの相談内容に対しても「こういうやり方ならできるかも」と頭を使って寄り添っている印象があります。
大将: そうですね。サービス提供の範囲を決めて「ここまでしかやらないです」というやり方もできると思うんですが、それは大多数がしていることでもあります。
技術進歩があって制度も変わるし、技術も進化して、できることが増えてきている。今までは採算にならなかったことができるようになってきたりもする。状況が変わってきているので、あまり凝り固まって「僕たちはこれしかやらない」というよりは、「今の状況ならできるかもしれない、僕たちのメンバーならできるかもしれない」と考えて動く方が楽しいと思います。一方で、メンバーの規模とお客さん数の比率が、今はある程度やりやすい状態になっているからこそできている面もあります。今後、スケールさせるためには、体制や分担づくりを工夫して(これもエンジニアリングですが)、より多くの電気を供給し、もっとお客さんに喜んでもらえるようにしていきたい。そういう意味で採用が重要になってきていると思います。
「できるかも」を形にする。技術と運用が直結する開発の面白さ
ーーー技術的に「いま一番面白い」と感じるのは、どのあたりですか?
大将:「一番」と言うのは難しいんですけど......生成AIですね笑。
電力業界はマニュアルがすごく多くて、そのマニュアルに沿ってプログラムを書いたり、いろんな製品を制御したり、ソフトウェア的にマニュアルを読み込んでやることがたくさんあります。そこで生成AIが大活躍です。これまでは、分厚いマニュアルを読む専用の人がいて、知識をきれいに圧縮して仕様書にする、という重いプロセスがありました。
でも今は、生成AIのおかげで、そこをエンジニアが自分たちで巻き取ってやれる、という意味で、やり方が変わってきたなと感じます。時間を使うところが変わってきた、という感じですね。
生成AIは一般的な話ですが......先ほど言った市場が解放されてきて、やれることが増えてきて、エンジニアリングを頑張って良い製品・良いシステムを作ると、それがダイレクトに電気的な価値に変換される。それが面白いところだと個人的に思います。
たとえば需給調整市場や、特にEMSの領域はリアルタイム制御が重要になってきています。今までは「翌日はこれだけ発電します」で終わって、翌日の調整は電力会社に“お任せ”だったところが、今は需給調整市場に対応したり、ギリギリまで頑張って制御したりして、コスト的に最適に制御することで収益を高められる状態になってきています。
再エネの未来を“実装”する。これからヒラソルが取り組むこと
ーーこれから始めようとしていることを教えてください。
大将: 需給調整市場です。
商品の設計がどんどん変わってきて、これまで調整市場で出せる電源の種類が高圧の発電だけだったところに、低圧の蓄電池を複数まとめて仮想的に1つに見せて調整力として出す、という技術(※)が制度的にできるようになります。(※仮想発電所/Virtual Power Plant/VPPのこと)
そうなると、家庭にあるような蓄電池も参加できるし、今まで大きな蓄電所が“ドン”とあるだけだったところが、メッシュ状に大量に分散して、それを群として制御する、ということができるようになります。
技術的には難易度が増しますが、うまくいけばより効率的で使いやすいものになる。これは「やりたい」というより、使命として「やらなきゃいけない」と感じています。
(詳しくは2026/2/5 のプレスリリース「分散したエネルギーリソースを 「ひとつの発電所」のように束ねる支援(VPP)を提供開始します」をご覧ください。)
もう一つは蓄電池併設です。
太陽光発電では、メガソーラーもそうですが、地域に根ざして、しっかりメンテナンスされ、安全に動くものが求められてきています。ヒラソルの百年ソーラー®︎事業でも、きちんとメンテナンスして安全に動かすことは、もちろんやっています。
その上で、太陽光は昼間しか発電できないので、蓄電池を併設して、充電と放電を組み合わせて、太陽光を“主力電源化”していく必要が出てきます。制度設計上も、FIP転や、蓄電池併設時に制度をどう利用するかの整理が進んできています。これはアグリゲーターのシステムとセットでやらないといけない前提で、実際にプレスも打って取り組んでいるところですが、ここも事業上、使命としてやることになると思います。
(FIP転について詳しくは、プレスリリース「再生可能エネルギーの主力電源化に向けて 既設FIT太陽光発電所への蓄電池併設プロジェクトを開始します」をご覧ください。)
理論上できるはず、こうなったらいいな、というのがあって、社内slackで話が出ることもあれば、エネルギー系の協議会、経産省資料などでアイデアを見ることもあって、楽しそうだし必要だよな、と感じます。それが再エネの未来の姿なんじゃないかな、と思います。
蓄電池の話も、一年ほど前に「いけるね」となって動いてできました。アイデアが出てから形になるまで、意思決定が早いですね。
変化を楽しみ、境界線を越える。これからの採用で出会いたい人
ーーーここからは、ヒラソルのチームやこれから出会いたい仲間について話を聞いていきます。ヒラソルに、どのような人が向いていますか?
「0→1が多いのか」「1を2、3と積み上げる仕事が多いのか」という話でいうと、どちらが多いですか?
大将: 変化を楽しめると言う点は重要ですね。どちらもあると思います。今のメンバーは、そういうことをやってきたメンバーで、1を2、3にするのは、みんなで勉強しながらやってきたという感じです。今は「やりながら学んでいる」段階なので、ここをよく知っている人が来てくれたら楽しいな、と思います。「僕たちのやったことが正しかったんだ」と思えたり、逆に「もっと教えてください」と言える関係になりながら、みんなでやれる気がします。なるべくコンパクトなチームで、お客さんが100から1000になっても増えるメンバーは数人でOK、というふうに、ソフトウェアの力や仕組みで対応したい。風通しよく、みんなが活動できる状態にしていけるんじゃないかなと思っています。
AIの活用も、そのための手段の一つです。AIを使うと、今まで隣の人がしていた仕事もよく分かると思います。コラボレーションの形も変わっていくと思います。そういう柔軟さを面白いと思える人に来てほしいですね。
今回の蓄電池・アグリゲーター事業も、1つのシステムに見えてコンポーネントがたくさんあって、構成を変えたり、新しいものが必要になったり、いろんなことが起きると思います。「この機能が欲しいけど、今は大変だな」という状況があるので、「これお願いします」というふうに任せられて、楽しめる余地が多いのではないかと。規模が大きい分、効率的に作るには横断的にシステム全体を見なきゃいけない。そこも楽しいポイントです。
「これが自分の仕事の範囲」というより、全体を見て越えていける人、視野が広い人が合いそうですね。ある程度進んだら、固めて範囲を決めるべき領域もありますが、今はこれから始まるところで境界線が分からないので、周辺を理解して乗り越えていく。その両方を楽しめると思います。
ーーー学生インターンやアルバイトの方に、どんな経験を提供していますか?
大将:なるべく「社内の人に使ってもらって、実際にサービスになっている」と思ってもらえる仕事を渡したいと思ってやっています。「こういう理由でこの機能が欲しい」という背景も伝えるようにしていて、リアルなプロジェクトってなかなかないので、ネットで拾えるサンプルではできないことだ、と伝えたいですね。
あとは社内の情シス的な仕事も部分的にお願いしたりします。ネットワークスイッチを触れたりするので、楽しい人は楽しいと思います。時間が限られているので長期プロジェクトではないですが、できるだけ「きっちり動くもの」を作ってもらって、僕も内容を確認して、直してほしいところはお願いする、という形で、かっちりやっています。
プログラマーの仕事は、同じことばかりではなく、必ず何かしら課題解決が発生するので、良いトレーニングになると思います。インターン・アルバイトからそのまま正社員となられた方もいます。
学生アルバイトは、基本的には「プログラムを書きたい」という思いがあればOKです。ソフトウェア系だとなお良い、という感じです。工学部などエンジニアリング系なら、コンピューターを使った実験などで誰でも勉強できる環境になりやすいので、「こんなの作ってみました」という実績(ポートフォリオ)が見れると良いですね。
中途採用も同様で、電気業界を知っている必要はないと思います。むしろソフトエンジニアとしてプロフェッショナルな経験がある方に来てほしい。そこが、僕たちから見ると知りたい・足りないところでもあるので。自動車系やロボット系などの経験がある方は、プログラムを書きながらいろんなものを組み合わせて最終的に動くものを作る仕事なので、エネルギー系のシステムと構造が近くてフィットすると思います。
今回のインタビューを通して感じたのは、「再エネの仕組みや技術が変わるたびに、面白さも更新されていく会社」だということ。
完成しきっていない今だからこそ、一緒に作れる余地がたくさんあります。
ヒラソルでは現在、以下のアルバイト/学生インターンのエンジニアポジションを募集しています!
- テストエンジニア/QAエンジニア
https://www.wantedly.com/projects/2292102 - ソフトウェアエンジニア
https://www.wantedly.com/projects/2291947 - 構造エンジニア
https://www.wantedly.com/projects/2292076
「できるかも」を一緒に形にしてみたい方、ぜひご覧ください!