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Natureはどこへ向かう?新しいビジネスを作るおもしろさと電力事業の未来

Nature社員へのインタビューシリーズ。今回はの電力領域の事業開発を担当する劉に、入社の経緯や現在の業務、会社への想いを聞きました。

劉暢 / Chang Liu
京都大学大学院エネルギー科学研究科卒業。エネルギー業界に特化したコンサルティングファームを経て、株式会社パネイルの経営企画部に参画し、経営企画、新規事業開発、投資対応に従事。2020年11月にNatureに入社、電力領域の事業開発を担当している。

ーーこれまでずっと電力業界でのキャリアを歩まれていますが、劉さんはどのような経緯で日本の電力業界の仕事に携わるようになったのですか?

大学ではエネルギーを専攻していて、専門は石炭でした。私が学生だった当時の中国は経済発展の真っ只中で石炭の需要が増えていましたが、特に2005年〜2007年ごろは炭鉱の事故が多かった時期でした。炭鉱のトンネル設計における事故防止施策の立案など、安全性の確保は将来的に社会の役に立つのではないかと思って石炭の分野に興味を持ったのがきっかけです。新卒では奨学生としてニトリに就職したのでエネルギーの分野からは一度離れましたが、その後電力業界に転職して再びエネルギーの分野に関わるようになりました。

日本へは大学時代の留学がきっかけで来日しました。学部2年の時に、日本、アメリカ、オーストラリア、ドイツを候補に留学を考えていたのですが、当時留学先を早く決めたかったので最初にオファーが来た日本の大学に迷わず決めました。日本に関わりを持ったのは偶然ですが、その後日本の大学院に進学して原子力について研究し、卒業後は日本で働くことに決めました。

ーーなぜNatureに入社することを決めたのですか?

もともと電力事業をしているベンチャー企業に転職したいと決めていました。WantedlyでたまたまNatureを見つけて事業内容が面白いなと思ったので応募したところ、ご縁があって入社するに至りました。

Nature以外にもいくつかの企業を訪問していましたが、Natureを選んだのは電力の領域でプロダクトを作っているベンチャー企業でチャレンジしたいという気持ちがあったからです。さらにNatureは、プロダクトであるスマートリモコンをすでに多くのお客様に買ってもらっていてビジネスの基盤があったところにポテンシャルを感じました。応募した時期にちょうどNatureが電力事業を始めるところだったので、代表の塩出との面接では、自分がNatureでやりたいこと3つくらい話してみたところ、その話が塩出に刺さったようで意気投合しました。

もう一つの決め手は、Natureの面接や内定後に連絡を取っていた中で、Nature側から「劉さんにNatureに入って欲しい!」というメッセージを率直に伝えてもらったことです。

一般的に人を採用をする時には、戦略や駆け引きのような意図を持って他の応募者と比較したりするのはよくあることです。転職を3回経験し、また採用にも関わったことのある私はその辺りをよくわかっています。ですがNatureのメンバーと面接をした際には、他の誰かではなく、私にNatureに加わって欲しいということをシンプルに感じました。

また内定後も1ヶ月に1回くらいは塩出と電話で連絡をとっていたのですが、他の内定者で埋めることだってできるのにあえて自分に連絡してくれていたので、塩出は素直で裏表のない人というイメージが湧きました。それらを通して、Natureで働きたいという私の気持ちも固まりました。

ーーNatureではどのような業務をしていますか?

色々なことをやっていますが、基本的には電力事業の立ち上げ業務や、Nature Remo Eの事業開発、他には経営企画として事業計画の策定も担当しています。

経営企画としては電力事業全体の事業計画を策定したりその採算性を考えたりしつつ、事業開発では前職での経験を生かしてNature Remo Eを法人で活用してシナジーを生むような仕事をしています。前職での最初の1年は、ジョイントベンチャーを作ってビジネスをしていました。

丸紅と卒FITの買取をする合弁会社を立ち上げたり、東電のジョイントベンチャーPintとの企画を手伝ったりしていました。前職はシステムを作る会社だったので、他社とシナジーを出すのは難しい側面もありましたが、Nature Remo Eについては、プロダクトとして形があり競合の製品も少ないので他社との協業はやりやすい面もあります。ただ、スケールしていくフェーズはもう少し先かなと思っています。

ーー今後Nature Remo Eでどんな事業を展開していきたいですか?

Nature Remo EとNature Remoではビジネスの性質が違います。Nature Remoの場合はBtoCのビジネスなので、とにかくいい製品を作れば売り上げにつながります。これはNatureの成功体験の1つであり、我々の強みだと思います。

Nature RemoはBtoCプロダクトとして、価格やサービスについてはユーザー同士の公平性が必要です。
一方で、BtoBのビジネスなので商品は各事業者さんに合わせて価格などの交渉をするのが一般的で、例えば価格をオープン価格に設定することがあります。現状のNature Remo Eの事業は、BtoBでありながら、どのカスタマーに対しても誰でも同じ仕様で使えるものを提供するBtoCと同じモデルが採用されています。

そのため、例えば特定の会社に合わせてカスタマイズするようなことは想定されていません。それはNature Remoのビジネスと理念的に共通していますし、いい製品を作ることで売り上げを伸ばしたNature Remoの成功経験を生かしすことができているので、正しい面はあると思います。

ですが、今後はNature Remo Eを用いたBtoBのサービスのメニューやサービス内容を各事業者さん向けにカスタマイズしてもいいのではないかと私は考えています。製品の価値を下げることなく、お客さまのニーズにも応えていくための工夫が必要だと感じています。

今はまだエネルギーマネジメント市場がそこまで大きくないので、事業規模も大きくはないですが、これから1、2年で太陽光発電が普及していけば状況は変わると思います。

ーーNatureで事業開発をするには製品のことや製品に使われている技術に関する知見が必要だと思いますが、そういった知識は入社時からすでに持っていたのですか?

知見はなかったです。最初のころは伝言ゲームのように、取引先の技術担当者から聞いたことを、そのままエンジニアに伝えて、私はビジネス面を考えることを自分の仕事として責任を持って対応してきました。しばらくやっているうちに基本的な知識は身について技術的なことにも対応できるようになりました。

また、Natureに入社したときにはすでに私のやることがたくさん準備されていて、入社2日目からいきなりNatureスマート電気の事業開発のプロジェクトを担当しました。

進行中のプロジェクトに急に加わったので最初は戸惑いましたが、エンジニアやデザイナーなど関わっているメンバー全員がオーナーシップを持って取り組んでいて、すでにプロジェクトが軌道に乗っていたので、入社したての私にとってはとても仕事のしやすい環境でした。

ーーどんなところに面白さを感じていますか?

自分たちで考えたことがサービスとして形になって、それが世の中に出ていくことが好きです。今の事業開発の仕事でやっているように、新しいことに取り組み始めて、実際に新しいサービスを作っていくのは楽しいですね。

ーー電力業界全体で見たとき、Natureの立ち位置をどう捉えていますか?

電力業界はひとことで言うと難しい業界です。もちろん他の業界も難しいところはあると思いますが、電力は規制産業で、100年くらいはずっと規制があって高い塀の中に閉じこもっていた業界です。電力小売自由化で規制緩和された途端にいろいろな事業者が入るようになりましたが、新規参入したものの淘汰されてしまった事例はいくつもあります。生き残っている事業者は、なんらかの形で旧一電という既存のプレイヤーさんと上手く利益を共有しているケースが多いです。

Natureも同じように旧一電と組まないいけないのかというと、そうではないと思っています。もしある新規の事業者が電力業界のど真ん中のポジションを取ることができればそれは1つの成功事例になるかもしれませんが、そうではなく既存事業とのシナジーを出すためのクロスセルという形で電力事業に参入して成功した例は多いです。

例えば旅行・鉄道・通信の会社さんは、電力小売ビジネスで大きなシェアを取りにいきたいわけではありません。クロスセルとして、電気料金を他のサービスの料金とまとめて払ってもらうことが目的です。このような新規参入者は電気料金が安いという強みを持っています。

Natureもそういった事例に近いかもしれません。我々が目指しているのは、「Natureの電力販売量は低圧電力で◯位になりました!」みたいに電力業界のシェアを取ることではありません。我々の目標の基準となるのは、Natureスマート電気のユーザーがどれくらい増えたか、スマート電気によってRemo EやRemoのユーザーがどれくらい増加したかであり、将来的には現在構想しているNatureのプラットフォームのユーザーを増加させることを目指しています。

単に電力業界での競争力を得ることではなく、サービス全体の成長を達成することがNatureにとっての成功だと思います。それによってNatureの経済圏を形成して、「自然との共生をテクノロジーでドライブする」という我々のミッションを実現していくことが一番の目的です。

市場のシェアという観点では、電力小売の市場のNature Remo EのようなPtoPのサービスにおいては我々がど真ん中に入っていくことも可能だと思っています。

ーーNatureの仕事で思い出に残っているエピソードを教えてください。

ちょうどNatureが電力小売事業を始めようとしていた矢先の、今年の1月にJEPX(日本卸電力取引所)の価格高騰が起きた時には、「おっ!?」と、少しひるみました(笑)。私自身も市場連動プランの電気を使っていたのですが、自宅でエアコンつけずに我慢してどうにか乗り越えました。でも、消費者心理の観点からするとこれはまずいことで、サービスローンチに影響が出そうだなと思いました。

とはいえ、ローンチしてみたら結果的にはそこまで大きな影響はなかったと思います。世論では価格高騰が新電力のビジネスの逆風になっていると言われていますが、実際のところお客さまはそこまで気にされていないように感じます。自分は同じような事態を以前にも何度か経験していたので、驚きはそこまで大きくなかったのですが、当時は事業計画を変更せざるを得なかったですし、なにより塩出が一番心配していましたね。

他には、去年の年末にNature Remo mini 2を発売したときに、商品の発送作業をしたり大量にダンボール運んだのはいい思い出です。一般的にベンチャーの創業期にはどんな仕事でもしなければならないので、このような作業が発生することはよくあると思います。あらゆるポジションの人たちが一丸となって取り組んでいたのが印象的で、一体感のある会社の雰囲気が私は好きです。

ーー劉さんからみてNatureはどんな会社ですか?

大人のベンチャーです。ベンチャーにもいろいろありますけど、コアメンバーに優秀な人が集まっています。

IT系のベンチャーはコンサル出身やマーケ出身が多い傾向があって、名前の通った人を採用することを優先する会社もありますが、Natureは名前だけでなく実務的に強いメンバーが集まっています。実直に仕事をする優秀な人を採用しようとしているのが会社の特徴だと思います。

ーーどんな人と働きたいですか?

仕事に対して熱量がある人と引き続き働きたいです。

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