・中村 慶彦
But, right now, the new is you
商社系の物流会社から独立して物流、IT、ロボットと流通業に関わることを広範にやっています。起業して5年が経過して、会社の規模は大きくなり従業員150名、ロボット100台を稼働させるまでになりました。
ワンチャンスで人生に変化を生み出したい人にとっては面白い会社だと思います。
一緒にワクワクしたいと思う人はぜひ連絡ください。
まず、ミッションから話します
KEYCREWのミッションは「在庫の流動性を加速させる」です。
物流代行の会社に見えるかもしれませんが、僕らが向き合っているのは物流という機能ではなく、在庫という概念です。モノを仕入れて、倉庫に置いて、注文が来たら出荷する。この動線のどこかが詰まると、在庫はキャッシュとして機能しなくなる。バランスシート上の資産が、止まったまま死ぬ。それを複数のレイヤーから解きにいくのがKEYCREWグループです。
グループには3つの事業会社があります。
STOCKCREWはEC・通販向けの物流代行で、2,000社以上に使っていただいています。ROBOCREWは物流ロボット関連事業で、自動化設備をすでに倉庫に導入して動かしています。そしてMARKETCREWでは、在庫のバランスシート上の流動性を高めるSaaSとして、在庫マッチングサービスの開発を進めています。
物流オペレーション・ロボット・在庫SaaS。この3つが揃うことで、在庫が生まれてから売れるまでの流れを、川上から川下まで構造として持てる。これがKEYCREWが物流会社でもITの会社でもない理由です。
グループ全体のVisionはNOT YET.──まだ、何もできていない。今の規模はまだ序章だと思っています。
違和感をそのまま仕事にする、という話
KEYCREWの仕事の起点は、違和感です。
面白いプロダクトを作っている事業者が、物流の複雑さと初期コストのせいで踏み出せない。そこに違和感があった。だからSTOCKCREWを作った。
初期費用ゼロ、固定費ゼロで始められる物流代行というモデルは、その違和感から来ています。
在庫がバランスシートに乗ったまま動かない。デッドストックという概念があれだけ当たり前に存在しているのに、在庫と在庫を繋ぐ仕組みがない。そこにも違和感があった。
それがMARKETCREWの原点です。
物流倉庫の改善が、特定の人間のスキルに依存している。再現可能な仕組みではなく、「あの人がいないとできない」という状態が普通になっている。これも違和感です。だからロボットと自動化と、組織設計の変更を同時にやっています。
KEYCREWは違和感をそのまま仕事にする会社です。「なぜこうなっているのか」を問い続けることが、新しい事業の種になる。そういう文化が、グループ全体に通底しています。
事業モデルと成長の方向
事業モデルとしてはトヨタ型を目指しています。
物流代行は労働集約型のビジネスです。人が動いてミスをなくして荷物を出す、これだけを続けていても利益率は上がらない。だから「知識と資本で改善し続ける」ことを組織の基本動作にしています。現場が自律的に課題を見つけて、データと構造で解いて、改善をストックしていく。その積み重ねが1件あたりのコストを下げ、収益性を上げていく。
そしてその利益を、高い人財に還元する。「人類を舐めるな」というのが僕の言葉ですが、高い還元率の組織ほど高い収益性を実現できるというのは統計的に正しい。人に投資すれば返ってくるということを、僕は信じている側の人間です。
売上は数字を目標にはしていません。在庫の流動性を加速させた結果としてついてくるものが売上だという認識なので、問題を解き続けた先に規模がある、という順番で考えています。
AIと物流DXに対して、何を見ているか
AIの話は物流文脈でロボットや自動倉庫に収束しがちですが、僕が重要だと思っているのはそこではありません。
縦型ヒエラルキーの機能は、AIがすべて代替できる。
これが本質です。上司が情報を集めて整理して判断して部下に指示を出す、この一連の動作の大部分は今のLLMで代替可能になっています。情報収集、整理、承認判断の補助。
これらがコモディティ化した時点で、縦型組織の存在意義は消えかけている。段階的な変化ではなく、ある時点で機能の価値がゼロになる断絶です。
ここから何が起きるかというと、承認経路が残っている組織はAIを武器にできないということです。現場が課題を見つけても、ITへの依頼→承認→開発のルートが必要なら、AIの恩恵は永遠に届かない。自律チームだけが、課題発見→AI実装→効果測定を現場で完結させることができる。
だから僕らは今、組織構造を根本から変えています。縦型の家系図型から、各チームが価値の流れに沿って横並びになるフォーメーション型へ。AIがチームに直接届く状態をつくることが、物流DXの本丸だと思っています。
現在の課題と、どこに最も向き合っているか
構造の問題が3つありました。
・ひとつ目は、特定スキルが特定個人に集中していたこと。「あの人がいないとできない」という状態が組織の複数箇所にあった。優秀な個人の話ではなく、誰でも再現できる仕組みを設計していなかったという話です。
・ふたつ目は、現場が動くたびに承認が必要な壁があったこと。課題を発見しても即行動できない。動いた記録が残らない。記録されない行動は、組織にとって存在しないのと同じです。
・みっつ目は、誰が何に責任を持つかの設計が曖昧だったこと。「誰の成果か」が不明確だと、評価は感情と印象に依存する。それが続くと、実際に動いている人の価値が正しく扱われなくなります。
いずれも誰かが悪いという話ではなく、構造の設計が追いついていなかった話です。解法も個人への要求ではなく、構造の変更です。これを解く設計と実装が今の仕事で、そこに最も向き合っています。
どんな組織をつくりたいか、どんな人と働きたいか
作りたいのは、人間による自律分散型の組織です。
特定の誰かに判断が集まらず、各人が自分の担当領域で考えて動いて結果を出す。
その動きが分散したまま機能している状態。これが、KEYCREWが目指している組織の姿です。
強い組織の条件のひとつは、特定の個人に依存しないことです。誰かがいなくなっても機能が止まらない。それは「その人が不要」ということではなく、仕組みと判断が組織に根付いているということです。縦型のヒエラルキーでは、上が詰まると全体が止まる。
AIが承認や情報整理を代替できる今、その構造を残す理由はなくなっています。
そのためにKEYCREWが大切にしているのは3つのシンプルな考え方です。
・ひとつ目は、仕組みで再現できることしか信用しない、ということ。特定の天才に依存した成果は組織の成果ではない。誰がやっても同じ結果が出る構造を作ることが、組織の強さだと思っています。
・ふたつ目は、動いた事実で評価する、ということ。考えや意見をどれだけ持っていても、動いていなければ評価の対象にならない。行動の記録が、その人の価値の根拠になります。
・みっつ目は、状態ではなく変化量を見る、ということ。今どのレベルにいるかより、何がどれだけ変わったかを見る。この考え方が、評価にも目標設定にも組織設計にも貫かれています。
採用基準も同じです。経歴より、動いた事実と変化量。指示を待つ人、動かずに意見だけ持つ人とは、一緒にやるのが難しい。Drive to Survive──自律的に動いて、変化を生み続けられる人と、一緒にやりたいと思っています。
意思決定で大切にしていること
感情ではなく構造で決める、が基本です。
「あの人が頑張っているから」「印象がいいから」で判断すると、評価は記憶と感情に依存する。誰が、何を、どれだけ動かして、何が変わったか。事実と変化量に基づいて判断する。これが、メンバー一人ひとりを公平に扱うことに直結します。
もうひとつ大切にしているのは、「達成した瞬間に次を設定する」ことです。到達点を目標にしない。目標を達成した状態は通過点でしかない。止まることは、変化量をゼロにすることと同じです。
NOT YET.──まだ、何もできていない。この言葉は、うまくいったときほど自分に向けます。