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やってみる、行ってみる、食べてみる。エンタメ溢れる社会をつくるために、まずは自ら楽しむ。

キッチハイク「ふるさと食体験の準備室」メンバーインタビュー、第8回目はセールス担当の古屋達洋(@tatsuhiro_furuya)さんです。

野菜なら畑を耕してみる、魚なら捌いてみる、新しい地域なら足を運んでみるという古屋さん。「地域 × オンライン食体験」の可能性についてお話を伺いました。

開墾作業を通じて人の輪がどんどん広がっていった

ー 古屋さんは、野菜づくりにハマっていると聞きました。

4年くらい前から家庭菜園を楽しんでいます。実は、開墾から取り組みました。モットーは「ゼロから手作業で始めてみること」「人を巻き込むこと」。私は気になることは「何でも、やってみる」という信条があって、家庭菜園も基本に戻って開墾からチャレンジすることにしたんです。やってみて改めて感じていますが、種から手をかけて育てた採れたての野菜が食べられるのはとても贅沢な体験です。

野菜が採れるようになるまでは本当に大変でした。きっかけは、住んでいるマンションの花壇が使われていないのを見て「もったいない」と思っていたことです。住居側と話を通して花壇を家庭菜園にする準備を始めました。当初は種を植えたら豊作だと甘い考えを持っていたのですが……収穫までには大きな壁がありました。

ー 開墾から始める家庭菜園、たしかに大変そうです!

今まで使っていなかった土地なので、雑草だらけのやせ細った土地だったんです。農業用の土を買ってきてもよかったのですが「何でも、やってみる」信条を思い出し、自分で開墾してみることにしました。草刈りをして鍬で土を掘り起こしていくとても地味な作業です。これが気が遠くなるほど大変な作業で、友人に手伝ってくれないかと声をかけました。少しずつ友人たちが集まってくれて人手が増えていき、順調に開墾が進みました。でも、それよりも良い気付きになったのが、友人の友人、さらにその友人と開墾作業を通じて人の輪がどんどん広がっていったことです。

スーパーの野菜は安すぎる。農家さんが培ってきた知見は尊いもの

ー 体を動かしながらのコミュニケーションは、仲間との繋がりが強くなりそうですね。

そうなんです。開墾作業を通じて分かったのは、人は体験やプロセスに魅力を感じるということです。あと、野菜を作るって本当に大変な作業の積み重ねで、人件費も含めてコストがかかります。自分で作った野菜を収穫した時に、農家さんが培ってきた知見は尊いものだと分かりました。この経験を経てスーパーに並んでいる野菜の値段を見ると安すぎると感じます。生産者に対するリスペクトは、泥にまみれて筋肉痛になってこそ得られたものでした。仕事で農家さんと話をするときも、自分でも実際に野菜作りの体験があったからこそ相手の言葉に自分なりに寄り添って話すことができるようになったと思います。

食に関わるプレイヤーの目線でも語れるようになりたい

ー 古屋さんは、時々、キッチンからライブ配信でご友人と交流をしているそうですが、どんな経緯で始めたのですか?

きっかけは、私が担当させていただいた静岡県南伊豆町さんとのオンラインイベント「ふるさと食体験」でした。南伊豆町の特産である伊勢海老を捌く食体験だったのですが、リハーサルで私自身がユーザー体験として漁師の平山さんに教わったところ、これがものすごく面白かったんです。自宅にいながら南伊豆町の獲れてまもない伊勢海老を現地の漁師さんと交流しながら捌く体験。「オンラインの食体験は、コロナに関係なく、ものすごい可能性と伸びしろがある!」と思ったんです。それからは誰よりもオンラインで「魚捌き×交流」をする人になろうと決めて、今もひたすら魚をさばく回数を増やしています。

ー ここでも古屋さんの「何でも、やってみる」精神が発動したのですね。

どうしても新しいエンタメを目にすると「これは自分で出来るかな?」と考えてしまいます。これ面白そう → やってみよう → マスターしよう、という一連の流れで自分のモノにしていく作業がたまらなく好きだと認識しました。キッチハイクの仕事は、この作業を様々な地域の多様な食材で実現していくことができる。この構図は、自治体の皆さんへの提案時にも活用しています。今後は、各地域の郷土料理の体験開発にもチャレンジしていきたいと思っています。

ー 魚を捌く練習を続けることで、何か生活が変わりましたか?

寿司屋の大将との会話が広がるようになりました。”この人は魚のことが分かっている”と思ってもらえると、大将は面白い話をしてくれるんです。そこから魚の知識がさらに増えて、ますます好きになっていく。家庭菜園の経験から農家さんとの会話に気付きがあったように、相手の言葉で話すことから広がった経験です。

ー 古屋さんにとって、家庭菜園と料理が日常になって、仕事にも影響を与えているのですね。

そうなのですが、一つ課題があって。それは、作業中に、感想を仲間とシェアできないことなんです。コロナの前だったら、その場で仲間と一緒に苦労したり感想を言い合ったりできるのですが、今は難しいですね。そこで考えたのが、作業中に四苦八苦している様子をそのままライブ配信することでした。
面白い話も作り込みもしない配信で、エンタメとしての完成度は低いのですが、自分では思ってもいなかったことが起きました。友人やこれまで関わった生産者さんがライブ中にコメントを送ってくれたんです。

ー これまでは表に出なかった準備段階を公開することで新しいコミュニケーションが生まれた。まさに副産物ですね。

そうなんです。一人の作業時間が交流の時間に変化しました。これまで別々にあった2つの時間がオンラインで混ざり合うことで、相乗効果が生まれました。インフルエンサーのようなレベルではないですが、今後も配信は続けていこうと思います。続けていけば今度は「ライブ配信をしている人」になれるかもしれません。そうすると、家庭菜園・魚さばきに続いて、ライブ配信をする人として、配信活動をしている料理人と一歩近い距離で会話ができるでしょう。生産者だけでなく、食に関わるプレイヤーとしての目線でも「ふるさと食体験」を語れるようになりたいです。

地域の魅力を引き出せる併走者を目指している

ー キッチハイクのセールス担当として、生産者や料理人などの多角的な視点を持つことが強みになっているのですね。

私は、ニューノーマルとしての地域の魅力発信を実現する「ふるさと食体験」を自治体にご紹介し、導入するまでのお手伝いをしています。移動の制限がある中で、いかにオンラインで地域の魅力を伝えるか腕が試されていますが、ここで私は「できるだけ当事者であり続けること」「エンターテイナーであり続けること」をセールスポイントにしています。そのために私は、相手と同じことを自分でゼロからやってみます。極めるところまでいかなくても、相手が感じた苦労を自分も少しでも感じてみる、相手が手にした感動を自分も味わってみる。そうすることで、相手とは言葉も気持ちも共有できると考えています。
もう一つ大切にしているのは、「自分だったら、どう楽しくするか」を常に考えることです。私の性分として、目の前の人と同じ目線に立ちつつ自分ならどんなプランを立てるかを考えて、より地域の魅力を引き出せる併走者を目指しています。

ー 地域の数だけ魅力と可能性がありますね。これからの更なる出会いが楽しみです。

オンライン×体験提供は、まだまだ伸びしろがある未完成のサービスです。どうしたら参加者の記憶に残るか、どうしたらより地域のためになるか、地域の方と一緒に考えていくことを大切にしています。イベントは、地域と参加者と私たちが継続的に繋がっていくきっかけです。私たちの体験の本質は繋がりを取り戻すことです。乾杯や会食が難しくなった社会にエンタメを取り戻して、繋がるってこんなに楽しかったんだという感覚を味わってほしいです。
最近、コロナ時代の食と繋がりをテーマに大学へ呼んでいただく機会が増えています。オンライン×体験提供が新しいマーケティングの一つとして捉えられてきているのかもしれないと思うと、とても光栄です。

冒険を楽しむように未知の領域を発掘して、地域の価値を開発したい

ー キッチハイクで地域の仕事をするようになって、どんな発見がありましたか?

毎回、出会いの素晴らしさに感動しています。「ふるさと」がない自分にとっては馴染みの薄かった「地域」の仕事だったのですが、現地を訪れ、真摯に地域のために動いている方々にたくさんお会いするようになり、その方達から教えていただいた新しい価値観に刺激を受けています。もともとGoogle Mapを見ながら脳内旅行をするのが好きでした。それが今は仕事になり、知らなかった地域を知って一緒に働ける。好きなことで生きていくことがキッチハイクで実現できています。


コロナ以降は、オンラインファシリテーターという数年前では考えられなかった仕事もしています。これはまだ発展させられるスキルで、今なら私が第一人者になれるかもしれません (笑)。

ー 古屋さんはキッチハイクの仕事を楽しみ尽くしている感じがします。

私にとって仕事は遊び場であり、挑戦を楽しむフィールドです。ミッションに則して自由に夢を描くのと同時に、サスティナブルなビジネスの成長を見据えた事業設計に取り組める。両軸がカッチリ合わさっているのがキッチハイクです。

ー 「好き」を仕事にできているんですね!

今の時代、「好き」を仕事にしやすくなったと思います。オンラインで繋がりを作る「ふるさと食体験」は、まだ未知の領域もたくさんあり、誰も見出せていない付加価値があるはずです。とてつもなく楽しい、面白いと思える事業です。「楽しい」と思えることに伸び代があるので、それを発掘していくのは答えの無い世界を冒険するようなもの。これからそんな冒険を楽しめると思うとワクワクします。

ー これから描いていきたいキッチハイクの未来を教えてください。

今はコロナ禍を経てニューノーマルのポテンシャルが出てきたところだと思っています。ご家族や周囲の事情・アクセスの有無に関わらず、エリアフリー&タイムフリーで気軽に繋がれるようになりました。一般的に、文化は都市で生まれて地方に伝播するものでしたが、新しい価値観に出会う難易度の下がったこれからは、エリアを問わずに皆で創り出すことができる時代です。
オンライン交流はリアルな交流の対義語ではなく相乗効果が出せるものだと思っています。まだ開拓真っ盛りのマーケット。そのポテンシャルを最大限に活かしていきたいです。
そして、私はキッチハイクで、「地域 × オンライン食体験」の楽しさを全国へ広めていくために、まずは誰よりも自分が楽しんでいたいと思っています。

古屋 達洋(ふるや たつひろ)
2017年3月入社
早稲田大学国際教養学部卒業
現在、セールス担当。

ブラジルで働いた頃、英語の通じない同僚とのコミュニケーションは、毎日お弁当を作って一緒にお昼を食べるところから始まりました。それ以来、「日々の食生活を通じて、あらゆる文化の壁を超えて人々が交流できる社会」を実現したいと考え、キッチハイクで「仕組み作り」に関わることを決意しました。
新と旧が絡み合う文化に興味があり、歴史×交通が特に好き。住まいが隅田川に近いことから、カヤックを漕いだり、歴史ある街を船で巡ったりしています。現在、船舶免許取得に向けて準備中。

<趣味>
家庭菜園・魚料理・アウトドア

<好きな食べ物>
自分で採った野菜・自分で捌いた魚・自分で捌いた牛タン

<暮らしの変遷>
千葉 → アメリカ → ブラジル → アメリカ → 東京

キッチハイク「ふるさと食体験」を一緒に作りませんか?

キッチハイクは、全国各地から食と文化と交流に興味がある仲間を探すべく、「ふるさと食体験ができるまで」をコンセプトに、ふるさと食体験を一緒につくっていく準備室メンバーを募集します。

社員候補の新メンバーだけでなく、業務委託や副業、まるっとチームでの参加もOKです。
個人・法人、年齢・性別、問いません。また、居住地も問いません。全国地域からフルリモートで参加できます。ご応募、お待ちしています!

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