私はクジラへの就職を、考えていませんでした。
東京在住、クジラは大阪の会社。それでも参加を決めたのは、「社会に出てもデザインを続けたい。でも、社会人のデザインって、なんだろう? 」という問いを抱えていたから。
建築を学んでいた学生時代、デザインは「自分のつくりたいものをつくる」ことが中心で、感覚的に「いいな」から始まる世界。その楽しさの一方で、それを社会に出てからも続けるのかという問いへの答えが見えていなかった。そこで「実務型」という、その一言が刺ささったことを覚えています。
インターンで最初に揺さぶられたのは、デザイナーとして課題に取り組んでいる時でした。クジラは、住宅のリノベーションが中心で施主様の「住みたい空間」を、言語化できない想いも含めて引き出し、形にしていきます。そこには「自分のつくりたいもの」という発想の入る余地がほとんどない。先輩との壁打ちで返ってくる問いの方向は「施主さんはどう感じると思う?」
そこで初めて気づきました。自分のために考えることと、誰かのために考えることは、楽しさの種類が違う。難しくて、もどかしくて、でもどこか尊い。誰かに何かを届ける事は、職種を問わずすべてに通ずることだと思います。自分の好きなことをして過ごす楽しさとは別に、誰かのために動くことの楽しさと尊さがある。社会に出るとはそういうことなのかもしれない、と漠然と感じた瞬間でした。
インターン中には、代表による特別講義もありました。社会人として必要な考え方、持っておくといいスキル。内容は、いわゆる「人間力」と呼ばれるようなものでした。コミュニケーション能力が大事とよく言われますが、ただ話すことがうまければいいのか。クジラのインターンではもう少し噛み砕いて、後輩として動く力やチームとしてやり遂げるためのノウハウ、それらが社員との会話の中でも繰り返し出てきていました。まだ社会を知らない学生に、ちゃんと言語化して届けようとしている。そのことが伝わってきたし、だからこそ響きました。
インターン後半は、対面合宿があります。チームで一つのものを完成させることの難しさを、あの合宿でリアルに感じました。意見がぶつかる。それでも話し合い続ける。諦めたくなることばかりでしたが、粘り強く向き合ったからこそ、周りの人がいたからこそ、前に進めると気づいたのもあの合宿でした。発表を終えた後の達成感は今でも覚えています。
インターンを終えて、私は決めました。クジラに入社しよう、と。東京から大阪へ。当初は頭になかった選択肢が、気づけばいちばん自然な答えになっていました。
社会人になり現場に立つようになって、ふと思い返したことがあります。それは、クジラのインターンで学んだことは、社会に出たら当たり前のことだったんだ、と。でも、社会に出たら、誰もがその「当たり前」にぶつかります。
仕事の厳しさ、伝わらないもどかしさ、チームで動く難しさ。そしてほとんどの人は、実際に失敗しながら、時間をかけて身につけていく。クジラのサマーインターンは、それを学生という段階で、ちゃんと体験させてくれていた。「学ばせよう」じゃなくて、「体験させよう」という設計だったと、今ならわかります。だから自信を持ってクジラのサマーインターンで身につけたことは、社会に出た時に絶対に役に立ちます。
クジラのサマーインターンで大切なのは、自分を試すことだと思っています。自分の価値観に向き合うこと。考えることの限界にぶつかること。それでも前に進むこと。周りの支えに気づくこと。それは、スキルを学ぶより先に来る体験です。
漠然と「社会ってどんなところだろう」と思っているなら。ぜひ、挑戦してみてください。