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【ライナフ社員紹介】アナログを追求することがIoTの真髄。エンジニアストーリー

コンピュータの土台となるOS「UNIX」。1969年代のアメリカ、ベル研究所で開発されたもので、当時、初の高水準言語のOSとして広まりました。商用ベンダーや非営利組織などによって開発が続けられ、現在では大学や研究所をはじめ、幅広く採用されています。その後、1991年にUNIXベースで開発された「Linux」が、商用フリーでオープンソースでもあったことから、開発者の間で広く普及していきます。今回は、そんなUNIX時代から開発経験を有する志田さんに、インターネットがなかった時代から、ライナフ入社に至るまでをお聞きしました!


これまでどんなことをされていましたか?

1990年代までさかのぼるので、いろいろと話せます笑。

ライナフのスマートロック開発に役立った経験から話すと、まずはUNIXのデバイスドライバーの開発ですね。当時はインターネットがなく、代わりに通信機能やストレージ機能など、各種機能を追加するための「拡張カード」があり、それを動かすソフトウェアを開発していました。その中でも、パケット通信や回線交換データ通信など、通信用に使われるISDN(公衆交換電話網)をやっていました。まだまだ一般的ではなかったので、企業間通信や取引のデータ転送、金融機関のやりとりといった、一部の法人向けに提供していました。インタ―ネットの普及とともに、現在はなくなりましたね。


企業の中でも、データ通信がまだ一般的ではなかったのですね。志田さんのキャリア的には、法人向けサービス開発がメインだったのでしょうか?

法人向け以外にも、家庭用ゲーム機のソフト開発もしていました。パナソニックが家庭用ゲーム機にチャレンジしていた頃、「3DO」というゲーム機があったのですが、囲碁将棋のゲームソフトを作りました。そこで、作業を効率化するのによく「グラフィックスパイプライン」というハードウェアの機能を使っていました。3次元のコンピュータグラフィックスの計算処理の1つで、ゲームのキャラクターやオブジェクトをきれいに動かしたり、早い描画の表現に使ったりできるんです。あとはプライベートで、Macintosh Classic(マッキントッシュ クラシック)で旅行記を書いて遊んでいたことも、見せ方・表現の仕方という点で現在の開発に役立っています。


インターネットが普及し始めると、インターネットのプロバイダー企業が続々と登場しました。そのタイミングで、プロバイダーの決済関連のバックエンド業務の開発を経験しました。さらに、インターネット接続サービスを普及させるために、企業の技術コンサルティングもしていました。ここが一番長く在籍していましたね。当時はドコモの iモードなどが主流で、携帯電話のIP接続でウェブページを閲覧していましたが、いまの20代の子は知らないかもしれませんね笑。


iモードは懐かしいですね笑。 携帯電話なども携わっていたのですね。

携帯電話や通信の仕組みを学べたことは、いまでも役立っています。このほかだと、セキュリティに関する実績も強みとなっています。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する組込み機器の調査で、Bluetoothの基本から、組込み機器一般の脆弱性の調査をおこなっていました。スマートロックでもBluetooth技術を使うので、ここでの経験が生きています。


お聞きしていると、まるでライナフに入るために得たご経験のようですね!笑

偶然にも笑。実際、転職活動でWantedlyを見ていたときに、「IoT」で検索すると、最初にヒットしたのがライナフでした。業務内容をみて、これはピッタリだなと思いましたね。


嬉しいです! それではライナフの業務内容を教えてください。

スマートロックの新型「NinjaLockM(ニンジャロック・エム)」と、マンションエントランスをスマートフォンで解錠できる「NinjaEntrance(ニンジャエントランス)」の開発に携わっています。出荷台数が増えるため、課題になりそうな点の調査と改善をおこなっています。スマートロックは家の鍵になるので、1%でも不具合があってはならないと思っています。利用台数が増えれば問題が発生する件数はどうしても高まるので、そうならないように動いています。


ハードウェアを開発する上での大変さはありますか?

クラウドやソフトウェアの特徴は、何度操作しても同じ結果が得られる点です。手順に対して結果があり、それが安定的に繰り返されるようにプログラムを組むことができます。これを冪等性(べきとうせい)と言います。一方ハードウェアは、電池がへたったり、通信が途切れたり、ソフトウェアのようにかっちり決まらない要素が多く、そこが大きな違いです。一言でいうと「アナログ」ですね。デジタルは0か1、アナログはあれもこれも、さまざまな要因に対してあらゆる結果が得られるので、そこが苦労する点ですね。


たしかに天候ひとつで左右されますよね。それゆえの楽しさややりがいがあるのでしょうか。

最終的には、モノが動くのがハードウェアの楽しさで、IoTの真髄ですね。ソフトウェアやブラウザは情報で完結するので、実際のモノを動かしませんから。


1日の仕事はどのように決めているのでしょうか?

家を出る前に、今日は何をやろうか考えています。1週間に1回は溜まっている課題の洗い出し作業に1時間以上を費やします。先程言ったように、「アナログ」はやればやるだけいろんな結果が出てくるので、意識して整理することを心がけています。あとは、繰り返し作業はコンピュータに任せるようにしています。めんどうなことが得意ではないんですよね、自分では"怠惰ドリブン"と呼んでいます笑。



注目している最新技術はありますか?

Bluetooth5.1、5.2ですね。現時点で発表されている最新バージョンです。これまでとの大きな違いは、Bluetoothの電波が来る方向がわかることです。「AoA=angle of arrival」と言われ、1m以下の精度で判定できるようになります。5.2は、オーディオストリームがメインなので対人向けサービスになりますが、アドバタイズ(Bluetoothデバイスの発見や接続に利用される特殊なチャンネル)の強さを変更できる機能があるので、製品の省電力化や、遠くの端末との通信に活用できるのではないかと注目しています。


移転してワンフロアのオフィスになりましたが、変化はありましたか?

営業メンバーのアグレッシブな話が聞こえるようになり、勢いや会社全体の雰囲気をより身近に感じられるようになりました。みんなやるな、と思っています。彼らがもっと動けるよう、足を引っ張らないようにしたいなと気を引き締めています。

開発チームは、私たちハードウェアチームとウェブチームとに大きく分かれるのですが、隣のウェブチームを見ていると、組織としてより堅固になっているように思います。テストや検証など細部まで整備され、全体的に気配り・目配りがきいているなと。

私自身、若い頃は組織にあまり意味を感じていませんでしたが、今は人をやる気にさせるのが組織だと思うようになりました。おもしろいテクノロジーを見つけたら、どんどん共有していこうと思います。またソフトウェアとコンピュータが好きなので、ぜひそうした話で楽しめる方が入社してくれたら嬉しいなと思います。

志田さん、ありがとうございました!



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「2年前までプログラム未経験でした」と話す、エンジニアの矢野さん。 もともと友人の手伝いから不動産の仲介業を経験、現場で感じた不動産の煩雑な業務を、もっと効率化するサービス開発に携わりたいとライナフに入社。現在は副業で不動産仲介業をおこないながら、ライナフでは自社プロダクトの開発に携わっています。今回は、ライナフ最年少エンジニアである矢野さんに働き方についてお聞きしました。 ...
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