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【Member's Story 006】FABRIC TOKYO・CEO 森 雄一郎が振り返る、スタートアップ経営者に求められるもの(後編 vol.1)

こんにちは、4月より社長室・広報に就任しました高橋です。

この記事では2017年から配信している当社で働くメンバー、働く想いにフォーカスしたインタビュー企画「Member’s Story」をお届けしたいと思います。

過去、森から取締役・経営&財務戦略担当の三嶋、CTOの中筋、、、などのメンバーにインタビューをしてきましたが、第6回となる今回は「代表の森にインタビューをしよう!」ということで、社長インタビューを企画・実行してきました。

一回目は「社長の仕事」、二回目は「経営者の仕事の魅力」をテーマにお届けしてきましたが、三回目は「スタートアップ経営者としてのリアル」をテーマに、

・経営者になって大きく変わったこと
・経営者としての苦難や葛藤
・経営者としてのやりがい、組織の魅力

について、詳しく聞いてきました。

「スタートアップの経営者が、普段どのようなことを考え、日々仕事に取り組んでいるのか?に興味がある」という方は、この記事を読んでいただけると、リアルな考えに触れていただけると思います。

前編を2つ、後編を2つに分け、合計4記事で配信していきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください

※前編の2記事ははこちらからご覧ください。
【Member's Story 006】FABRIC TOKYO・CEO 森 雄一郎が"熱く"語る、社長の仕事(前編 vol.1)

【Member's Story 006】FABRIC TOKYO・CEO 森 雄一郎がリアルに語る、起業家と経営者の違い(前編 vol.2)

【プロフィール】森 雄一郎

株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役 兼 CEO

1986年岡山県出身。大学卒業後、ファッションイベントプロデュース会社「ドラムカン」にてファッションショー、イベント企画・プロデュースに従事。その後、ベンチャー業界へ転向し、不動産ベンチャー「ソーシャルアパートメント」創業期に参画した他、フリマアプリ「メルカリ」の立ち上げを経て、2014年2月、カスタムオーダーのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO(旧・LaFabric)」をリリース。”Fit Your Life”をコンセプトに、顧客一人一人の体型に合う1着だけではなく、一人一人のライフスタイルに合う1着の提供に挑戦中。

◆実際のインタビュー時の音声データも公開していますので、合わせてお楽しみください。

Member's Story:代表取締役社長/創業者 森雄一郎(後編) by FABRIC TOKYO's Podcast | Free Listening on SoundCloud

【インタビュー本編】

永瀬:続いての質問にいきたいと思います。森さんは、経営者になって変わったこととかありますか?

森:それは起業家から経営者になってということ?

永瀬:会社を経営し始めてから。

森:む、難しいな(悩)。。。

高橋:いい質問じゃないですか。森さんを困らせていますね(笑)。

会社は船、事業は航海、経営者は船長

森:明確に1つあるのが、やっぱり会社を経営する前は、自分が考えていたことは、自分の中で思い止めておけばいいという状況だったんだけど。会社を経営すると、やっぱり組織ができるから、その組織を動かすためには、自分の考え、すなわちビジョンとか方針、長期的な目線、視野みたいなところをどんどん発信していかないと、人には伝わらないし。

結構もう組織って自分の分身とは言わないけど、すごく同じ方向を見ている仲間たちなんで、同じ船に乗っている。その船のやっぱり行先というのは、何となく大海原を航海していても駄目なわけで、明確にあの島に行くぞとか、あそこを目指すぞということを言わないといけないので、そこをやっぱり強く意識するようになった、会社始めた後。特に採用を始めた2014年以降は。

永瀬:発信というのは、発信する場を設けるのを増やすみたいなイメージじゃなくて、割と毎日いい続けるみたいな?

森:そうそう。毎日定期的にやっぱり伝え続けていかないといけなくて、さっきミニ四駆の大会とかを友達の間で主催するのが楽しかったと。あれは完全に趣味の範囲で、単純に大会を開いて、みんなでわいわい楽しむというのが目的だったわけね。だけど、結局目線変えて、じゃ、ミニ四駆の岡山大会に出場して優勝するとか、岡山大会で優勝したら全国大会行けるんだけど、それを目指していくということが、多分組織になると必要で。

でも当時は、要は趣味の範囲内だったから、ミニ四駆というのは。自分がもう出ればいいのね。チームもなかったから。今は大きな仕事をするためには、やっぱりチームというのは絶対に必要で、それでチームを率いてこのサービスを運営しているから、必ずチームでまとまった方向性を見るということが絶対に必要で、それを発信するのはもう基本的には僕しかいない。というのはかなり変わった。

永瀬:意識的に変えていったんですか?

高橋:何かきっかけとかは?

森:変わらざるを得なかった、どちらかというと。だから、FABRIC TOKYOというサービスは、世の中に絶対に必要なものだし、すごくやっぱり受け入れられて、それで使ってもらえるサービス、たくさんの人に――と僕は思ったから創業しているんだけど、それをなぜ僕が思ったのかというのを伝えていかないと。やっぱり入ってきてくれる人とか、周囲の協力者というのは全然賛同、納得しないんだなというところはすごく痛感したので。ちゃんとメッセージをしっかり発信していって、僕はこう思っているから、これを始めたんですと。将来的にはこうなると思っていますというのは、明確に言うようになった。

永瀬:結構苦労したところとかありますか?変えざるを得なかったわけじゃないですか。

森:やっぱり1つの発言が、人によってはとらえられ方が全然違うというのは、すごいやっぱり、この立場になって痛感していて、最初は自分の中で勝ち筋があるわけ、めちゃくちゃ。もうとにかくやれば絶対成功すると。もう絶対人気のサービスになるというのは思っているんだけど、でも、それを感じてくれたまーたろうとか、創業期に。

というのは、まーたろうと僕は同じ想いだったというのがすごくあるし。まーたろうとのコミュニケーションはめちゃめちゃ楽なんです、そういう部分では。だけどまーたろうみたいな人ばかりじゃなくて、やっぱりまーたろうと僕はカスタマイズアパレルという世界観が当たり前のものになっていくということが共通点としてあったから、まーたろうと僕の中では、すごいコミュニケーションというのは少なくても済むんだけど、その分野では。

だけど、仮に例えば「ITでアパレル業界を構造改革したい」という人が採用された場合、そういった人もすごいうちはウェルカムだから、採用された場合って、「その人にとってのカスタマイズ、オーダーメイドという分野って何なんだろう」というところで、情報の格差が生まれる。情報というか、想いの格差が生まれるから、そこはしっかり伝えて、なぜカスタマイズという洋服が世の中にとって必要なものなのかというのは、しっかりやっぱり伝えないと、その人は納得してくれないよね。というところでの目線合わせをすごいやっぱりやっていく必要があって。

人によって思いも違うし、経験も違うし、情報の量も違うんで、そこの情報の格差というのはすごいやっぱりなくしていく必要があって、だから定期的に発信する機会を増やさないと。そういった意味では、冒頭に話した最終面接とかいうのは、すごいやっぱり選考しているようで選考していないというか、自分の想いを伝えて、相手がどう反応するかというのを確認する場合でもあったりとか。

永瀬:ほかに変わったことはありますか?

森:ほかに変わったことは――どうだろうね。

永瀬:仕事とブライベートの割合というのは。

森:あんまりないけど…。

永瀬:考える比重みたいなのが全然変わってくるのかな。

失敗するかもしれない、という不安と闘う日々。

森:それでいうとやっぱり、創業する前は、創業した後もなんだけど、すごいやっぱり不安な毎日で、今考えているビジネスプランが失敗したらどうしよう....みたいなことをやっぱり考えざるを得ないというか。それがしかも3カ月後来るかもしれないし、来月来るかもしれないみたいな状況で、そうなってくると、収入がストップするし、どうやって生活するんだろう…みたいな話になっちゃうんだけど。

今、FABRIC TOKYOってやっぱりすごい将来性を感じているし、実際に足元の数字もものすごく伸びていて、それでそういった心配をするよりも、要は短期的な心配はなくなった。長期的にはどれだけ伸ばせるかみたいな話とかは、すごい考えるけど、いまだに。短期的に来月なくなったらどうしようとか、そういった心配がなくなったので、かなり日々の考える時間というのは、FABRIC TOKYOに対して、すごい長期的に考えられる。

昔はやっぱり、FABRIC TOKYO、もしかしたら3カ月後なくなるかもしれないから、次のビジネスアイデア考えておかないとなとか、そういうのはすごいやっぱりあったけど、今はかなりFABRIC TOKYOのことだけを考えられる時間がもう大半になったので。そこはやっぱりかなりやりやすくなったというか、シンプルになったよね、生活が。

永瀬:ちなみに昔そういう時期って、どうやって生活していたんですか?

森:そうね…。もう本当に全然事業で収入がない時とかってあったんだけど、それこそFABRIC TOKYOもだって、(2014年のリリース当初)初月の売上25万円で2か月目は15万円(笑)。自分の給料なんて出せるわけないぐらいの金額だからね。Webサイト制作の外注費も払っていたわけだし。だから苦しくて、最高なときは、会社の貯金が7万で、自分個人の貯金が2万まで行った。昔話じゃなくて、割と数年前の話(笑)。

永瀬:そのときは単純に、やっぱりサービス絶対成功するという思いで動いていたという感じですか?

不安な時、支えてくれたのはリピーターの存在。

森:サービスは絶対に将来的には成功するんだけど、成功するまで持っていけるかどうかというのは、すごいやっぱり考えることが多くて。何度もやっぱり、これはやめた方がいいのかとか、自分には無理なんじゃないかとか考えることはやっぱりありました。

なんだけど、やっぱりそのときは、何で今思い返すと続けれたのかなと思うと、リピーターが増えていたんだよね、その時期に。本当は月に10人とか20人とか30人いたら多いぐらいのお客さんしか、最初の数カ月はいなかったんだけど、リピートしていたというのもあって。

「これはその人たちにとっては、すごく必要なサービスなんだ」という。リピーターってそういう証明。「これはやめちゃ駄目だな」という思いがすごくあったし、やっぱり純粋にうれしかったよね、リピートしているというのは。だから今もうちの会社は、文化としては、新規のお客様よりもリピーターをとにかく大切にするということは明確に言っているし、いまだにやっぱりリピートというのはすごく大切な存在と指標だし、という感じ。

永瀬:森さん、その壁にぶち当たるみたいなときは、どういうふうに解決していっているんですか?

森:動いた方が後悔しないことが多いので、とにかく動いた方がいいというのを自分のマインドセットにしている。ひたすら動いて後悔しないようにしようと。ぶっちゃけ、そのときは、やっぱり従業員もいなかったし、僕1人だったので、最悪だめになっても、もちろん迷惑いろんな人にかけるんだけど、挑戦しないことの方が失敗だと思っていた感じで。だから、とにかく動いて、それで解決方法見付けてというのでやっていたかな。

永瀬:今思い返すと、とにかく動いたけど、何でこれやったんだろうな?みたいな話ありますか?

森:...ちょっと思い浮かばない。悪いことはすぐ忘れちゃうから(笑)。

永瀬:そういう本当に危険な状況のときって、結構おかしなことし出すみたいな、あるじゃないですか。何かあるのかなと思って。

森:でも、理性を失った意思決定みたいなのは結構少ない方かなと思うけどね。本当、どちらかというと、そういった状況でも本当に後悔しない判断、決断にしようということの方が大事でした。

永瀬:割と赤裸々な話が聞けました(笑)。
では、次の質問で、森さんが語るFABRIC TOKYOの魅力。

高橋:はい、いってもらいましょう!

永瀬:事業とか、サービス面もそうですし、うちの会社の組織みたいなところも聞いていければ。

IT化が遅れるアパレル業界でイノベーションを起こす

森:サービスに関しては、本当に未来があるサービスだなと思っていて。これ本当に思うんだけど、4年ぐらいやっているんだけど、競合という競合が出てきていない。大手のアパレル会社さんはいろいろ試されているけど、そんなベンチャー企業としての競合って本当に出てこなくて、だから圧倒的に参入が少ない。

これは何でかというと、多分アパレル業界って斜陽産業というか停滞産業で、参入も少ないし、その分、イノベーターみたいな存在がすごく少ない。凝り固まっている業界だと思うんだよね。でも、マーケットはバカでかいというすごいポテンシャルがある業界だと思っていて、それでFABRIC TOKYOというのは、僕は本当にイノベーティブなサービスによりしていきたいし、成長もその分、かなり将来的にも期待できるかなと思うので、今、事業の将来性でいくと面白い状態かなと思っています。

今年はすごいたくさん仕込んでいることもあるし、面白くなってくるかなと思うし、やっぱり「僕らがやらないと誰がやるんだ」という状態ですよね。

やっぱりすごいアパレルの工場さんとかと話しても、すごいやっぱりうちは先進的なことをやっているし、他社よりも先んじてIT化を進めている部分ってすごく多くて、そのあたりとかも、やっぱり僕らがいなかったら、多分もっと遅れていたんだろうなとか、そういった局面に出会うというのも多くて、やりがいをすごく感じた。

というのと、会社の組織としては、やっぱりうちは今、すごい機会が多いじゃない?何でかというと、例えばうちの会社って、4年前は僕1人で、3年前はまーたろうが正社員で入ってきましたと。

永瀬:第1号社員。

森:それで入ってきて、2年前はそこから採用が進んでいて、15人ぐらいなっていたから。そのタイミングで永瀬とか入ってきたりとかして、1年前は30人ぐらい。今は60人を超えて、入社待ちも10人いるみたいな状況になっていて、だから組織が倍々とかで増えていて。

だから急に、今入社して1年後でも、急にメンバーが2倍になっているだよね。だから機会が2倍になっている。マネジャーのポジションとかももしかしたら、2倍になっている、ということはあると思います。

永瀬:ありますね。

森:だからすごいコストも増えるし、新規事業とか新規のプロジェクトとかが動いているので、どんどん手を挙げれば、いつでも自分でチャンスをつかめる機会が多いという環境がすごく多くて。

経営者としてやっぱりうれしいことというのは、メンバーの成長がかなり感じられることというのはすごくうれしいことなので、そういった機会を生かして成長している人というのが1人でも増えるという環境というのを用意するのが僕の仕事だと思っているし。それが体現されているのが、今、うちの会社かなと思うので、何かすごい魅力的かなと思っていますという感じ。

あとは、うち2月まではライフスタイルデザインという会社名で、もう当時からずっとこう自分らしいライフスタイルをデザインしていけるような人を1人でも多く世の中に増やしたいという思いで創業しているから、この名前にしたんだけど、うちの会社まさに体現している会社の1つかなと思っていて、もう1人1人すごい個性的。

高橋:それはそうですね(笑)。

一人一人の尖った個性を大切にする、(株)FABRIC TOKYO(旧ライフスタイルデザイン)

森:得意なこと、強みとか――何か逆に苦手なことをめちゃくちゃ、1人1人それぞれあって、なんだけど、それを日本的な軍隊的な、並列で平等で同質化みたいなところじゃなくて、1人1人の個性って、尖っているところとかを尊重して、その個性を生かした仕事を適材適所で与える。そして一緒に考えるというのは、うちの会社のすごくいいところだと思っているので、そういった尖っている人って、すごいうちもウエルカムだし。

普通にスペック高いけど、普通な人ってうち結構採用ではあまり通らない傾向にあるかなと思っていて。逆にこの人、少し後ろめたい過去があったりとか、ちょっとコンプレックスを感じている。けど、その経験をばねにして、すごい努力をして成果を出そうとしているみたいな人とかは一緒に働きたいというのは、みんな言う傾向にあって。面接の評価のシートとか見ていても、すごいそれは思うんで。

だからすごい何か、ライフスタイルデザインなんだなと、みんな。名前は変わったけど、やっぱりその魂はずっと引き継いでいるし、ライフスタイルデザインという言葉はうちのビジョンでもあるから、そこがうちの魅力じゃないかなと

高橋:(愛着を込めて)「ライフ」とかって呼んでいましたからね。社名が変わるときには、「俺たちのライフを返してくれ!」「俺たちのライフはどこ行ったんだ!」とか言って(笑)。ちょっと居酒屋みたいな感じですよね。

永瀬:ありましたね、何か(笑)。

高橋:それはもちろん、サービスと会社名を一致させるという。

永瀬:ビジョンとして残っている。

高橋:そうですね。名前が変わっただけで。

森:将来的にライフスタイルデザインホールディングスにして、その下にFABRIC TOKYOという会社をつけるとかも全然ありますよ。

高橋:ライフ・イズ・バック。。。!!

森:みんなライフスタイルデザインという社名はすごい、いまだに好きですね。

高橋:愛着ありますね。「ライフはさ〜〜〜」って結構言いますよね。それは「俺たちっぽい」というのと、「俺たちっぽくない」という時と、両方使えるんですよね。そういうのが僕すごい好きです。何かあっても「ライフはさ〜〜」の一言で伝わる。

森:組織文化とか、カルチャーみたいなところだよね。「ライフ」の一言で伝わるよね。

(後編 vol.2へ続く)

代表・森へのインタビュー企画、第二弾(前編)いかがでしたか?

第三回目は、「スタートアップ経営者としてのリアル」をメインに紹介してきましたが、次は「0→1を生み出す、スタートアップ経営者の仕事術」をテーマにお届けします。引き続き、ぜひチェックしてみてくださいね。

>>続きはこちら

【Member's Story 006】FABRIC TOKYO・CEO 森 雄一郎が実践するスタートアップで0→1を生むための仕事術(後編 vol.2)

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