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【専門性執行役員 R&Dプロデューサー 北原成憲】「潮流をつくりたい。」世の中を熱狂させる大手メーカーとの製品開発。


世界を熱狂させるチャレンジがしたくて、Makuakeへ飛び込んだ。

日本が抱える年に19兆円の研究開発費。そこに一筋の光が見えた。

大企業の中に埋もれていたR&D技術から世の中の潮流をつくってみせる。

――北原成憲(専門性執行役員 / R&Dプロデューサー)


工学系の兄を横目で見ながら、インターネットの道へ

実家は鉄工所を営んでおり、子どものころから工場で働く父の背中を見て育ちました。故郷である福岡県久留米市は産業が盛んな街。二人の兄は工学系に進んだ後家業に携わり、僕だけは違う道へ。小さい頃から慣れ親しんだ製造業とは真逆のIT系やベンチャーに進みたいと思い、東京で就職することにしました。今思えば、家族と同じ仕事に就くことに少しコンプレックスがあったのかもしれないですね。

大学で東京へ出てきて、音楽にハマりました。ギターを演奏したり、ライブに通ったり。観客が熱狂する様子に感動を覚えていた。ぼんやりと、世界を熱狂させるようなことがしたいと考えていました。

当時はインターネット企業が目立っていて、FacebookやTwitterが登場したころ。ネットを通じて地球の裏側の人々にも熱狂がもたらせることに大きな可能性を感じました。インターネットを通じて、世界中の人の心を動かすことができるのではないかと思い、サイバーエージェントへ入社したんです。

入社後はとても恵まれて、広告代理店部門で若手にもかかわらず様々なチャンスや成長機会を頂きました。プランナーとして大企業の広告企画に携わり、多くの方の支えもあり1年目から社内で表彰を頂くこともありました。やりたいことができて、すごく充実していたんです。

大企業の製品開発に関わりたい想い

大きなプロモーション企画のお仕事に関わらせていただく機会をもらっていたからこそ、上流工程である製品開発段階から関わりたいと思い始めていました。

そんな時、マクアケの社長である中山さんと話すタイミングがあった。お互いに仕事の話をして「製品開発からやってみたいと思い始めた」と話すと、「マクアケは(ある大企業メーカー)の新製品開発に関わってるよ」と話すんです。僕としては青天の霹靂。その企業は、誰もが知る日本を代表する電機メーカー。小さなベンチャー企業であるはずのマクアケが大企業メーカーの製品開発に関わっているなんて、信じがたいことでした。

インターネットの力によって、ベンチャー企業が世界を驚かす力を持ったメーカーのチャレンジを応援して日本のものづくりに貢献している。そのことは、「ものづくりの家」に生まれ、世界を熱狂させたくてインターネット企業に就職した僕にとって、使命感を感じるほど挑戦したいテーマでした。そうして、大企業メーカーをサポートする新部門を立ち上げるために、マクアケに参画したんです。

前例がない製品でもチャンレンジできるMakuakeという仕組み

Makuakeの仕組みを詳しく知る前の僕は、資金に困っている方の資金調達の仕組みだと思っていました。でもそれだけじゃなかった。大企業の新製品開発や新規事業開発に活用できる仕組みであることを見出しました。

日本の大企業は、新しい技術や製品企画の宝庫です。ただし、「売れる見込み」が乏しい技術や製品企画は、商品化の社内意思決定が難しい。特に、新しい技術や斬新な製品企画は世の中に前例がないため、「売れる見込み」をロジカルに社内説明することが極めて難しい。そんなジレンマを抱え、なかなか斬新な新製品を世に生み出せずにいる共通の課題が大企業の中に存在することを見つけました。

前例がない場合に、売れる見込みを計る方法がこれまでになかった。でも、量産する前にMakuakeで製品企画の先行予約販売を行うことで「買いたい」という人たちを実際に集められれば、量産前にもかかわらず「売れる見込み」を見える化できる。もし「買いたい人」が集まらなかった場合は、サポーターに代金を返金をした上でその経験を今後に活かす。リスクを低減して新しい製品にチャレンジできるMakuakeの仕組みを、大企業に提供できることに大きな可能性を感じました。

しかし、長年の歴史の中で製品開発フローが確立した日本企業にその概念を浸透させるのはそう簡単ではありませんでした。手当たり次第にさまざまな企業のあらゆる部署を回りましたが、新たな概念を理解してもらえず、1年ほど成果が出ない日々が続きました。

我々はいったい大企業のどの部門のどんな課題に応えられるのだろうかといろいろ調べていくうち、日本は年に約19兆円もの研究開発費を使っていると知りました。世界第3位もの額です。こんな小さな国土で、それだけの費用が投入されているにもかかわらず、iPhoneのような世界に新たな潮流をもたらす製品がなかなか生まれてこないのは、必ずどこかに課題があるはず。そう思い、「お蔵入りになっているスゴいR&D技術があるんじゃないか」「Makuakeの仕組みを用いたR&D技術の出口戦略を確立できるのではないか」と仮説を立てたんです。

そして、その仮説は正しかった。大企業メーカーの研究や技術開発を司る研究開発(R&D)部門の方々は出口戦略に悶々とされていました。Makuakeという出口を保有しており、これまでに4500件(2018年3月時点)を超えるプロジェクトを仕立てたノウハウを持つ我々との取り組みに、興味を持ってくださる企業が数多くいたんです。

大企業のR&D部門がどうやって製品にしていいかわからないR&D技術を僕らが一緒に発掘して価値に変え、Makuakeを上市の出口として世に生み出していく。「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というMakuakeのミッションと、日本の大企業が抱える課題がつながった瞬間でした。

「新しすぎる」技術でも活かす方法がある

仮説が確信となったのは、シャープさんと取り組ませていただいた事例です。液晶技術を応用して7年ほどの研究開発から生み出された「-24度〜28度の狙った温度をキープし続ける」という特殊な蓄熱材料。活用用途を拡大していくために、価値検討段階からご相談をいただき共同で新商品プロデュースを行いました。僕らが参画することで、埼玉の老舗酒造とマッチング。マイナス2度で味わう日本酒「雪どけ酒・冬単衣(ふゆひとえ)」を商品化しました。酒造さんと共に「冬単衣(ふゆひとえ)」という商品のネーミングや、「雪どけ酒」というコピーを考案し、Makuakeのサイトに掲載する動画や写真の撮影・制作やページのクリエイティブ監修も我々が担当しました。結果的に、3000本用意した日本酒が3か月で完売し1800万円を集めただけでなく、たくさんのメディアにも取り上げていただくことができました。

ところが、その先にも展開があります。実は、その反響を聞きつけた他の企業から蓄熱材料のBtoB取引に関するお問い合わせがあったり、大きな流通機関から今回のお酒を取り扱いたいという打診があったりと、新技術にもかかわらず事業を拡大するための魅力的なオファーが舞い込んできたんです。

Makuakeでの成功は、世の中に新しい技術をPRできるだけでなく、それをきっかけにBtoB取引など事業を拡大させる展開へスピーディーにつなげられるとわかった事例でした。冬単衣は、2017年度グッドデザイン賞も受賞することができました。

「R&D技術」を起点に世の中の潮流をつくる

僕らは一般的な新規事業コンサルティングとは異なり、Makuakeという「出口を持っている」のが強み。さらには、新製品を企画する過程でMakuake上のヒットプロダクトデータを活用したり、過去のプロジェクト実行者様リソースや提携する全国の金融機関との連携から、たくさんの企業とのパートナーマッチングを行い「出口を見越して価値を生み出す」ことが可能です。企業のR&D部門と組み、まだ誰も知らないようなR&D技術を使い、製品を共同開発して軌道に乗せていく。日本が誇る研究開発を元に、こんなに上流工程からその先の事業化まで関われるのは、今の仕事以外にないんじゃないかと思うほどです。

R&Dプロデューサーとして、R&D技術を起点に世界中の誰もが知っている発明品をプロデュースしたい。それが僕の目指すところ。大企業の中に埋もれていたR&D技術が「世の中の潮流をつくる価値になる」。それを、僕たちなら証明できるんです。

取材・執筆:栃尾江美   

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