2026年6月、malnaはバリューを刷新しました。3年前、2023年6月に定めた5つのバリューのうち、2つを入れ替える3年ぶりの大きな変更です。
この記事では、なぜ変えたのか、何を変えたのかを紹介します。
対外向けに整えた説明ではなく、代表の高橋が社内で語っている内容を、できるだけそのまま載せています。理由は単純で、採用のミスマッチを減らしたいからです。面接用に磨かれた理念を見て入社した人が、入社後に別の言葉で動いている会社を見たら、それは不誠実です。だったら最初から、社内で使っている言葉と同じものをお見せしたい。そう考えて、この記事を書いています。
読み終わったときに「この考え方で働いてみたい」でも「自分には合わない」でも、どちらでも構いません。皆さんがご自身で判断できる材料を、出来るだけお伝えできればと思います。
malnaの5つのバリュー
変えたのはこの2つです。
- 変更前:「本質にこだわる」「常識を超え続ける」
- 変更後:「プロフェッショナルである」「変化と挑戦を面白がる」
その結果、いまのmalnaのバリューは次の5つです。
- 至誠を尽くす
- スピードで驚かせる
- オーナーシップを獲る
- プロフェッショナルである(新)
- 変化と挑戦を面白がる(新)
なぜバリューを変更したのか
バリューは、日々の判断基準です。何を優先し、何を諦めるかを決めるときのものさしになります。だからこそ、会社のフェーズが変われば、このものさしも合わせて更新しなければ機能しなくなります。理由は3つあります。
1つ目は、事業のフェーズが変わったから。malnaはマーケティング支援の会社から、「マーケ×AI化をまとめて請け負う会社」へ進化している最中です。会社の戦い方が変わるなら、行動の基準も次のフェーズに合わせて更新する。そう考えました。
2つ目は、旧バリューが行動として観察できなかったから。ここは高橋の言葉をそのまま載せます。
高橋:「『本質にこだわる』『常識を超え続ける』。方向は今も正しいと思っているんです。ただ、抽象的すぎました。ある行動が本質にこだわっているかどうかって、人によって解釈が割れるんですよね。解釈が割れる言葉は、評価のものさしになりません。そこで、行動として観察できる言葉に置き換えました」
3つ目は、AI時代の競争優位の源泉が変わったから。AIが進化するほど、誰が使っても一定水準のアウトプットまでは届きやすくなります。だとすれば差がつくのは、その水準を毎回確実に再現できるかどうか。そして、AIという道具自体を人より早く使いこなせるかどうか。前者が「プロフェッショナルである」、後者が「変化と挑戦を面白がる」です。
バリューの中身を決める過程にも、経営陣だけで完結させない工夫があります。malnaでは月に1回、社員研修の時間を設けていて、その中で既存の5つのバリューを見直すワークを行いました。参加した社員がそれぞれの意見を出し合いながら、今回の新しいバリューの言葉を固めていきました。
高橋:「MVVって、一度作ったら終わりではないと思っています。会社のフェーズに合わせて、更新し続けるものです。それに、バリューを変えたこと自体が、新バリューの『変化と挑戦を面白がる』の体現になっていると思います。」
評価のものさしは、社員が自分たちで
2026年6月25日の全社会で、malnaはこの5つのバリューの評価基準を作りました。作ったのは経営陣ではありません。社員一人ひとりが1つのバリューのオーナーになり、「このバリューが行動として現れているとは、具体的にどういう状態か」を自分たちで言語化しました。
このものさしは、実際に評価面談のベースとして使われます。ただし目的は減点ではなく、お互いの成長を同じ言葉で見ることです。
高橋:「上から配られる理念ではなく、全員でものさしにする理念。この状態を作れたことが、僕にとっては刷新そのものと同じくらい大きな出来事でした」
ビジョンは変えていない。戦い方を変えた
誤解のないように書いておくと、変えたのはバリューだけです。malnaのビジョン「歳をとるのが楽しみな社会をつくる」は、創業からずっと変わっていません。ビジョンに込めた思いは、以前のこの記事に書いています。刷新前のバリューの解説も載っているので、読み比べると今回どこが変わったのかが分かるはずです。
変わったのは、そこへ向かうための戦い方です。マーケ×AI化で一社一社の生産性と売上を上げ、企業に余力が生まれ、働く人が疲弊せず、新しい挑戦に時間を使える状態を増やしていく。その積み重ねの先にしか、歳をとるのが楽しみな社会はないと本気で信じています。

僕らが「歳をとるのが楽しみな社会」の実現を、本気で信じている理由|malna株式会社
新しく加えた2つのバリュー
ここからは、新しく加わった2つを、社内で語っている言葉のまま紹介します。既存の3つ(至誠を尽くす・スピードで驚かせる・オーナーシップを獲る)にもそれぞれ込めた意味とエピソードがありますが、長くなるので続編で書きます。
プロフェッショナルである
プロフェッショナルであることにこだわります。納期・品質・報連相・期待超え・やり切り——これらを「当たり前」として実行できる組織だけが、クライアントに本物の価値を届け続けられます。
高橋:「恥ずかしながら、かつてのmalnaは根性論と場当たり的な判断で走っていた時期があります。そこから抜け出せたのは、才能ではありませんでした。納期を守る、品質を担保する、報連相をする。この当たり前の徹底です。地味だと思われるかもしれません。でも、学生起業からの約9年間で確信しています。当たり前を、例外なく、凡事徹底でやり切れる組織は、ほとんど存在しないと思います」
高橋:「いつも考えるのは、どうしてクライアントは、自社の社員でもできるかもしれないことを、高いお金を払って僕たちに発注してくださるのか、ということです。社内でやるより確実で、速くて、質が高い。そう信じてもらえているから任せていただけている。だとしたら、当たり前の水準で満足していたら失礼なんですよね。約束を守るのは当然で、その上で期待を超え続けて、はじめてプロと呼べると思っています」
この先、アウトプットの水準そのものは、AIによって一定のところまでは誰でも届きやすくなります。差がつくのは、相手の期待を超える品質のものを、約束した期日に、確実に届け切る力です。
実際に、納期の直前になって「今のクオリティでは出せない」と気づき、全員でゼロからやり直したことがあります。妥協する理由はいくらでもありました。時間がない、担当が入ったばかり、このくらいでいいだろう。それでも、誰かが「プロフェッショナルでありましょう」と声をかけ、全員がそれに応えました。そして、作り直したうえで、約束した納期にはきちんと間に合わせました。いまでも妥協しそうになったとき、お互いに「プロフェッショナルであろう」と言い合う。これがmalnaの日常です。
変化と挑戦を面白がる
変化を脅威ではなく機会として捉えます。新しいツール、新しい市場、新しいやり方——それを面白がり、誰よりも早く試し、型化できる組織であり続けることが、malnaの競争優位の源泉です。
高橋:「Claude Codeに初めて触れたとき、『僕の仕事もなくなるんじゃないか』と本気で怖くなりました。でも、その恐怖を面白さに変えて、1週間で全社導入を決めました。あのとき『様子を見よう』と判断していたら、今のmalnaはありません」

Claude Codeに触れて衝撃。malnaを1週間で"AIネイティブ"な企業に変えると決めた話|malna株式会社
このバリューの核心は「面白がる」という言葉にあります。変化に「対応す
る」でも「耐える」でもありません。面白がる。新しいツールが出たら真っ先に触りたくなる。市場が変わったら「これはチャンスかもしれない」とまず考える。この感情の向きが、行動の速さを決めるからです。
高橋:「根っこにあるのは、どうせやるなら面白く楽しくやろう、という姿勢です。malnaは、これまでも、これからも変わり続けます。数ヶ月前の組織とはまったく別物になっていくし、そこで働くメンバーも、日々成長して全然違う自分になっていく。昨日まで、先週までできなかったことが、できるようになっている。この変化を楽しめる人にとっては、最高に面白い環境だと思います。」
もう1つ大事なのが「型化」です。誰よりも早く試すだけなら、ただの新しもの好きです。試した結果を型にして、チーム全員が使える状態にする。まず自社で使い、社内の業務で回して型化し、そのうえでクライアントに提案する。自分たちで試してもいないものは、売りたくない。マーケ×AI化を掲げる会社として、この順番にこだわっています。
言葉だけの理念にしないために
ここまで読んで、「言うのは簡単だ」と思った方もいるはずです。その通りです。だからmalnaでは、バリューを「言いっぱなし」にしないために、行動基準を2種類に分けて言語化しています。
一つは「鉄則」。誤送信、契約、お金、機密——一度やってしまうと取り返しがつかない領域のルールです。これは例外なし。どんな事情があっても緩めません。
もう一つは「原則」。日々の仕事の質を左右する基準です。こちらは、状況によって緩めること自体は認められています。ただし条件が一つあって、緩めるなら必ず理由を申告し、相手と握り直すこと。黙って緩めるのは許されません。
高橋:「『目安』にした瞬間、『今日は忙しいから仕方ない』が積み重なって、基準は静かに死んでいくんですよ。だから目安にはしません。緩めること自体は許される。ただし、黙って緩めることは許されない。この設計で拘束力を保っています」
日々の運用にも組み込まれています。2026年7月現在、日々の定例や振り返りの中でも、バリューを共通言語として使っています。理念を「たまに思い出すもの」ではなく、日々の判断やフィードバックに使う言葉にするためです。
そして冒頭に書いた通り、この5つのバリューは、観察できる行動レベルのものさしとして評価制度につながっています。理念・行動基準・評価が一本につながっている。この状態をつくりたいと考えています。
なお、ここまで書いてきたことは、社内の行動基準であると同時に、一緒に取り組む仲間、クライアントや社会に対する約束でもあります。malnaに仕事を任せるとどうなるか。この記事が、その正直な答えになっていれば嬉しいです。
どんな人と働きたいか
最後に、どんな人と一緒に働きたいかを高橋に聞きました。
高橋:「一言で言えば、マーケ×AI化の時代に、この5つのバリューを体現できる人です。5つのバリューは、どれか一つできればいいという階段ではなくて、すべてが並列なんです。速いけれど雑、挑戦するけれど納期を守らない、では意味がない。5つ全部を当たり前にやる。そのうえで、一番の土台にあるのが至誠です。目の前の相手に誠実であること。ここが崩れたら、残りの4つは全部意味を失うと思っています」
高橋:「全部を最初からできる人を探しているわけではありません。いまのスキルや経験よりも、この5つの価値観をよしとして、同じ方向を向いてご一緒できるかどうかを見させていただいています。手前味噌で恐縮ですが、入ってからの基準は低くはないと思います。ただ、そのギャップは根性ではなく、育成とAIを含めた仕組みで埋めていきます。当たり前をやり切る力は、才能ではなく訓練で身につくものだと思っています。」
高橋:「一方で、これまでマーケティングやAI導入の現場で経験を積んできた方であれば、担当プロジェクトの戦略から実行までを、自分の判断で動かしていただけると思っています。数字は開示していますし、経営の意思決定にも関われます。この裁量の広さは、malnaで働く面白さの一つです。
いまのmalnaは、10年後に振り返ったとき、『あのときが分かれ目だった』と言うことになる時期にいます。マーケ×AI化という戦い方も、それを支える仕組みも、まだ作っている最中です。仕組みを使う側ではなく、作る側に回れるのは、この時期に入る人ならではのメリットだと思います。
ここで数年やり切った方は、経営に近い視点で数字を動かし、AIを武器に事業を伸ばせる人材になっているはずです。それが、malnaで働くことで得られる一番大きなリターンだと考えています」
もちろん、この環境が合わない人もいます。基準を「目安」にしたい人、与えられた範囲だけを守りたい人、変化を脅威としか感じられない人にとって、malnaは窮屈な会社かもしれません。それは優劣ではなく、相性の話です。この記事を読んで「合わない」と分かったなら、それもこの記事の価値だと考えています。
逆に、ここまで読んで少しでも心が動いた方は、ぜひ一度お話ししましょう。
いきなり応募するのはハードルが高い、という方は、まずはカジュアル面談からで構いません。所要時間は30分程度で、選考ではありません。この記事を読んで感じた疑問や違和感も含めて、率直にお話しできればと思います。