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MAMORIO社がストレングスファインダーの特性を全員に公開している理由

MAMORIO社では、社員が社内コミュニケーションに利用するオンラインチャット(Slack)のプロフィールに、ストレングスファインダー(以下、CSF)の5つの特性(強み)を公開しています。CSFとは、個人のもつ潜在能力の” 強み”を教えてくれる性格分析ツール。MAMORIOメンバーが強みを全員で共有する仕組みは2017年より本格的に導入されました。ここには、代表・増木大己(ますきだいき)の過去の経験とビジョン達成に向けたコミュニケーションへのこだわりがあります。

学生インターン時代に出会った、ストレングスファインダーという自他を知るツール

増木がCSFに出会ったのは今から10年くらい前。自身が学生インターンとしてIT企業に入社したときのことです。先輩が、“自分の特性、強みを知ることができるツール”としてCSFを紹介、チームオンライン会議のプロフィール欄にCSFの自身の強みを記載してみないか?と提案したのです。実際に本を購入し、CSF診断を体験した増木は、漠然としていた個人の潜在的な能力が具体的になったことに大きな衝撃を受けたといいます。

増木「僕は当時、学生だから雑用とかを行っていたんですけど、先輩に教えてもらってCSFを自分で受けて、当たってる!と思うことがたくさんありました。そして強みをチームで共有したときに、相手がなぜ、その発想や発言に至ったのか? 僕が相手の強みを見て考えることができたんです」

その後、MAMORIO社が急成長を遂げ、組織規模も大きくなった頃、増木はCSFを通じた自分の経験を思い出しました。スピード感のある業務が多いスタートアップ企業では、効率的なコミュニケーションをなくして仕事を前に進めることはできません。しかし、代表である増木が日々増えていく社員の性格や考え方のすべてを把握することは現実的に困難です。

増木「その頃、面接も多く行っていました。だから“人事考課や業績評価に一切関連性を持たない、その人独自の魅力”って僕だけの判断で決めていいものなのか?と悩んでいて……。やっぱり、MAMORIOを選んでくれた人には、自分の得意なことを活かして、どんどん活躍してほしいんですよね。マイナスをゼロにするより、プラスをもっと引き伸ばせる組織にしたいのでーー。だからCSFをひとつの参考材料として利用しよう、みんなに受けてもらおうと思ったんです」

個人の性格的傾向を知るツールはたくさんありますが、MAMORIO社がCSFを選んだことには2つの理由があります。まずは、自分自身の傾向をポジティブな言葉で知ることができるツールであること。特性を“強み”とし、実生活で活かす手段を教えてくれるため、社員は自分のもつ力を自覚できるのです。次に、CSFがあらゆる個性をマッチさせていくことに重きを置いていること。社員一人ひとりが、自分の“強み”を把握できる一方で、別の強みをもつ人との関わり方を知ることができます。お互いを知るヒントを得ることで、ミスコミュニケーションを起こしにくくできると考えました。

自分の、他人の武器を知るーー。ストレングスファインダーの特性を共有して強みを掛け算

代表・増木がCSFの利用でこだわっている大きなポイントは、“強みを社員に公開する”という使い方ーー。相手の強みを知っていれば、「どうしてこの発言、提案に至ったのだろう?」という問いの答えが、出しやすくなります。そして、自分はどうすれば効率的に課題解決ができるのかを考えることができるのです。各々の可能性を制限するのではなく、仲間の強みを無限に掛け算できるツールとして、CSFはMAMORIO社にマッチしました。

増木「僕はCSFの特性をゲームで言うところの“属性・武器”だと思っています。そして多くの属性があるほうが、いいパーティーを組めますし、武器の種類は多ければ多いほうがいいと思うんです。解決すべき課題を今から戦いに行くゲームのボスと仮定すれば、そのボスの属性によって”高い攻撃力が出せる属性・武器”って、変わってきますよね。
自分の装備している武器(特性)を知ることで、どんな戦い方ができるのかを効率的に考えることができます。そして仲間の属性や武器を知ることで、組み合わせは無限大になるーー。社員のもつ能力を足し算ではなく、掛け算して最大限に発揮することができるんです」

たとえば、MAMORIOのCOOである泉水亮介はCSFで自分の最大の強みが“実行力”であること、そしてMAMORIO内で、実行力が最も強いのは自分であることを知りました。自分の強みが企業に足りない部分ならば、恐れず実行する! という泉水の想いは、特性を共有していなければ起こらなかったかもしれません。ただし、増木はCSFの特性はあくまで数ある手段のひとつだと断言しています。

増木「僕は別に、CSF信者というわけではなくて(笑)CSFを利用してもわからないことはたくさんあります。CSFの特性は絶対!という形で社員に何かを押し付けることは絶対にないですし、人事考課、給与にも関連性は一切ありません。
でも手探りでわからないまま話し合いを進めるより、CSFで自分のことを知り、相手を理解するための材料が手に入れば、不要な誤解をせずに前へ進むことができます。特性の共有はあくまでコミュニケーションをスムーズにするための手段のひとつでしかないんですよ」

CSFの特性の共有は、同じビジョンに向かって走っているMAMORIO社のメンバーが、チャットや実際の会話、何気ない仕草、口癖などでチームメイトを少しずつ知っていくことと同じように、自分・相手を知る手段として、メンバーをつないでいます。

強さを知れば変化に対応できる、フレキーシンプルな組織になれる

MAMORIOには5つのコア・バリューというものがあります。その1つが「フレキーシンプル」です。課題解決にフレキシブルに向き合い、物事をシンプルに考えようという意味の造語。

増木「生き物の歴史を見ると、絶滅せずに生き残ってきたのは強い生き物だけではないんです。地球の変化に合わせて、自分たちも変化を遂げた生き物のほうが、現代まで生き残っている傾向にあります。
過去、完璧な理論に基づく戦略を上層部が考案し、部下が実行する時代がありました。現代は変化のスピードも早く、過去のやり方で勝ち残ることは非常に難しくなっています。“仲間の強みをどう活かして戦うか”、自分たちで意思決定できる組織になれれば、時代やニーズの変化にも柔軟に対応することができると思うんです」

増木はMAMORIO社が変化することをまったく恐れることはないと感じています。それよりも、目の前にある課題をスピーディーかつ柔軟に解決するために、社内外のコミュニケーションを重要視しているのです。そこで得るものは社員や企業の成長につながると信じてーー。そしてMAMORIOはこれから入社する社員の個性を活かしやすい採用へ向けて、フレキーシンプルな変化を続けています。

社外公開を目指してーー“本音採用”でミスマッチを減らしたい

社内で特性の共有を行うという目標を達成した増木は、「社員の特性を、社外に公開する」ことを目指しています。それは採用面で着目した“RJP(本音採用)”から着想したものでした。従来の企業面接や求人では良いところをアピールした、表面的なイメージが先行する側面がありますが、RJPの採用戦略では、企業の実態をできるだけ具体的に、面談に訪れた相手に開示します。いい面・悪い面、すべてをできる限り正直に伝えることで、入社を希望する人財とのミスマッチを防止することが目的です。

増木「僕たちのバスに乗る人は僕たちが選ぶことができます。その上でRJPの仕組みは、面談にいらっしゃる方も”これから僕らと一緒のバスに乗るかどうか?” を対等に選ぶことができると感じました。 MAMORIOが社員の特性を、社外に公開することで社内にどんな人がいるのか? を伝えることができる。MAMORIOの全部をひっくるめた“個性”を開示することで、双方の本音を引き出せる採用方法になると思っています」

ただし、RJPにおける情報公開は、プライバシーの観点からも社員へのさまざまな配慮が必要です。増木はどのような情報であれば彼らのプライバシーを守れるのか?を考え、CSFの特性の公開という考えに至りました。

増木「企業、今のチームメンバーを知ってもらう選択肢はたくさんあります。SNSツールの公開でもいいわけです。でも、SNSはちょっと……という社員もいるかもしれません。それを無視して公開を強要することはあってはならないーー。今回、社外公開を検討しているCSFの特性は“強さ”のことです。MAMORIOは“自分の強みはどんどんアウトプットしていこう!“という姿勢なので、この方法ならば、彼らのプライバシーを傷つけることなく、MAMORIOを知ってもらえると思ったんです」

社内外で起こるコミュニケーションの摩擦を最小限に抑え、MAMORIOプロジェクトに携わる全員が”自分の強みを自覚し、活かせる環境”で活躍、成長するためーー。MAMORIO社はさらに多角的な視点でCSFを活用していきます。

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