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【INTERVIEW】世界で一番、自分のことを必要としてくれた会社で働く幸せ

「人生を変えるような物語体験をつくり、届ける」というミッションを掲げ、オリジナルIPのVRゲームを作り続けてきたMyDearestには色んな経歴を持つ仲間が集まっています。今回取り上げるのはVFXディレクターの池田博幸さん。誰もが知るAAA級ゲームタイトルからキャリアをスタートさせ、ゲーム業界で20年以上のキャリアを積み重ねてきた池田さんがMyDearestに転職を決めた思いや、VRゲームだからこそのアーティストとしての苦悩、そして今後見据えるキャリアについてお伺いしました。

ーーまずは池田さんのこれまでの経歴から教えてください。

専門学校のCG科を卒業後、新卒で当時の株式会社スクウェア(現 株式会社スクウェア・エニックス)に入社し、国内外の開発スタジオでコンシューマゲームのVFXアーティストとして働き始めました。その後もコンシューマゲームやスマートフォンゲームなどの開発会社を複数社経験した後、2022年にMyDearestに転職しました。新卒から一貫してゲーム業界に携わってきています。

ーー池田さんはどういうきっかけでMyDearestに入社することになったのか、お話していただけますか。

ある転職プラットフォーム経由でスカウトを受け取ったことがきっかけですが、とにかく「熱意」に尽きるかな、と。人が誰かを好きになるにあたって、一番大きなものは熱意しかないと思っていて、その熱量がとにかくMyDearestは凄かったです。正直、MyDearestという会社は当時まったく知らなかったわけですが、自分のキャリアを見て声をかけていただき、そこから情報交換や面接を経て、何度も何度もラブコールをしてくれて。その姿勢が最初から最後まで変わらず貫いてくれたことは、自分の中でキャリアチェンジを決断する明確な理由になりました。

その中でもすごく印象に残っているのは、「池田さんを世界で一番欲しがっているのはMyDearestです!」という言葉ですね。過去色んな会社に在籍し、選考も受けてきましたが、「お金の心配はしないで大丈夫です」とか「世界に知られた作品づくりに加われますよ」といった言葉をいただくことが多く、それはそれでとても大事なことだと思いながら、やはり自分が激しく求められているところに行く方が自分にとって幸せだな、と。転職は恋愛に近い要素もありますから、そこまで強く言われれば、元々自分にその気がなくてもグッと来てしまうところは、やはりありましたよね。

統率されたオーケストラではなく、即興のジャムセッションのように作られていくMyDearestのクリエイティブ

ーー実際に入社してみて、MyDearestは池田さんにとってイメージ通りの会社でしたか。

そうだと思います。選考時にもお話していたのですが、自分は明確な仕様が決められていて、常に的確な指示を与えてくれる指揮者が率いるオーケストラの一員であることより、お互いが持っている強みを即興でぶつけ合うジャズバンドのようなチームで働きたいと思っていて、MyDearestはまさに後者のカオスなチームだと思っています。常にみんなで喋りながら、それぞれが持つアイデアや視線が混じり合い、アウトプットが生き物のように変化し続けていく感覚が気に入っています。代表の岸上さんも事あるごとに「面白いものが偉い」と言葉に出して発信し続けていて、そのDNAがちゃんと組織に息づいていると感じますね。

仕事においても自由だと感じますし、仕事以外でもとにかくMyDearestは自由です。30年近くクリエイターをやってきていますが、会社の中でみんなで鍋をつついたり、燻製をやり始める会社を私は知りません(笑)。ONでもOFFでも賑やかで、うちに秘めたエネルギーを何かしらの形で発散し続けないと生きていけないような人が多いのかな。私も口数は決して多い方ではないと思いますが、CEDECなどの外部イベントに毎年登壇することがライフワークになっているという点では秘めたエネルギー総量は多いタイプかも知れません。

ーー業務内容にも少し触れてもらいましたが、VRゲームを作る上で意識していることや、これまでの手掛けてきたゲームとの違いなどはありますか?

やはり、コンシューマゲームやPCゲーム、そしてスマートフォンゲームなどのフラットディスプレイとは大きく異なる点が2つあります。まず1つは、まだまだVRデバイスのマシンパワーが低く、エフェクト界隈でいう「半透明」という技術が扱えないこと。半透明を採用することは負荷が非常に大きくなってしまうため、今時点では実用化は難しいとのことで、アーティストとしても純粋に驚きました。

そしてもう1つはカメラワークという概念もほぼゼロだということ。一般的なゲームであればキャラクターや世界観を映し出す視点の位置、つまりカメラの位置をどこに置くか、どの対象にズームアップするかというのは自由自在ですが、ことVRゲームに関しては自分自身の視点がそのままカメラの位置と同一扱いになります。この時の弊害として考えられるのは、何も考えずにエフェクトを作ると、仮に炎が燃え盛っているエフェクトに自分の視点を突っ込んだ場合、視界に炎の揺らめきが入り込んで何も見えなくなってしまったり、酷い場合にはVR酔いさせてしまう可能性もあります。このため、エフェクトと視点位置が一定距離に近づいた場合にどう処理するかといったレギュレーションを決める必要があり、世界観を壊さないようにしつつ、適切なエフェクトの見せ方をどうするかという点は手探りで進めていきました。

ーー現在開発中の『ブレイゼンブレイズ』は対戦アクションゲームということもあり、アーティストにとって開発難易度はさらに上がっていそうです。

仰る通りですね。前作の『ディスクロニア: CA』は世界観を補強する一部、という文脈が色濃くありましたが、『ブレイゼンブレイズ』に関しては、さらにもう一歩、二歩先を考えなくてはなりません。というのも、これまでMyDearestが作ってきたゲームタイトルはいずれもシングルプレイゲームなので、一人のユーザーにとっての見え方だけを考えていれば良かったのですが、『ブレイゼンブレイズ』はマルチプレイの対戦アクションゲームです。つまり「自分からどう見えているか」だけでなく「相手からどう見えているか」という客観性も担保しなければならず、ここは正直かなり大変な作業です。

さらに『ブレイゼンブレイズ』の魅力を、まだプレイしたことがない方に伝えていくという点も考慮すれば、動画映えするかどうかという、さらにもう1つ異なる視点も意識する必要があります。フラットディスプレイの中でどう見えるかという、誰の目から見ても変わらない1つの表現ではなく、3つの異なる視点からの見え方を常に意識するという点では、思考コストは3倍かそれ以上になっていると感じます。

ーーPC画面上でエフェクトを作成し、それをVRデバイスを被ってどう見えるかを逐一チェックして…という作業が発生しているわけですよね。

そうですね。グラフィックエンジニアらのサポートもあって、開発環境はフルスクラッチでかなり快適なものを用意していただいています。例えば、パンチアクションのエフェクトを作った場合、自分の視点からどう見えているかと、相手の視点からどう見えているのかを同時にチェックできるデバッグモードが搭載されており、エフェクトの表現を様々な距離や角度で確認できるようにしてもらいました。チェックには時間がかかるものの、限りあるリソースの中で自分が狙った表現がうまく形になった瞬間には、制約の中でしか感じられないカタルシスがあります。

ーー池田さんの中で、これまでに手掛けたエフェクトで特にお気に入りはありますか。

『ブレイゼンブレイズ』の中では、とあるキャラクターがとどめを刺したときに出てくる、大量のお金をばら撒くという表現が個人的には気に入っていますね。『ブレイゼンブレイズ』のコアコンセプトには「やっちゃいけないことをやる」というものがあり、ゲーム内にも色々な「やっちゃいけないこと」が登場するのですが、単純に物を壊したり、投げたりといった切り口とは違う「お金をばら撒く」という行為はエフェクトだからこそ表現できたものの1つだと思っていて。技術的な観点では、現行のVRデバイスでどれだけお金をばらまけるのか検証してみたりもしていて、やるからにはド派手な感じがいいよね!と、みんなで盛り上がりながら試していました。

ーー『ブレイゼンブレイズ』をはじめ、今後も魅力的なVRゲームを作り、届けようとしているMyDearestの一員として、これから一緒に働く仲間に期待することがあれば教えていただけますか。

仲間に対するリスペクトと謙遜、そして眼の前の仕事に対して情熱を燃やし続けられるかどうかだと考えています。私にとって身近な存在である二人の娘も、元々ダンサーだった母親からダンスを教えてもらう中で、自分にはとてもできない動きや力ある表現ができるようになり、純粋に「すごいな」「カッコいいな」と思わされる瞬間があるように、誰もが持つ強みを認め、称賛できるかどうかはすごく大切な要素です。

自分が人より秀でている点はごく僅かしかなくて当然で、その上で周囲の協力を得るためにしっかり発信すること。「このミッションを達成するために、あなたが持つ経験やスキルが必要なので、力を貸してください」とお互いに思いを伝え合うことができるパートナーになれる方と肩を並べて働けたらと思います。

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