今回は、金融系企業におけるシステム運用基盤の構築や、医療DX企業でのCIO就任など、数々の企業でIT・DX推進の分野を牽引してきた道場大さんにインタビュー。
数々の実績を積み重ねてきた道場さんが、新たなキャリアの舞台に選んだのは、従来の不動産取引が抱える構造的な課題に挑み、「不動産ビッグバン」を掲げて急成長を続けるネクサスエージェントです。
道場さんのこれまでのキャリアや企業選びの軸、ネクサスエージェント入社後に取り組んだ変革や組織づくり、さらにIT部門として描く将来像や求める人物像について伺いました。培ってきたマネジメント経験や技術を活かし、新たな環境へ挑戦したい方にとって参考にるでしょう。
高水準の金融システムや医療DXを経て、不動産テックで描くIT基盤の変革
――ネクサスエージェントへの入社前の経歴を教えてください。
新卒で京都の電子部品メーカーに入社し、マネジメント業務を経験した後、東京で基礎プログラム開発からサーバー構築まで携わり、プロジェクト開発を通じて幅広い知識と経験を積み、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。
その後、FX専業の金融会社へ入社し、システム責任者として各種サービスの保守・運用や金融庁対応、レガシーシステムの完全クラウド化を主導しました。社内MVPを2年連続で受賞したほか、最高技術責任者として情報技術・セキュリティ部門の統括を歴任しました。
さらに次職の証券会社では、新設された技術部SRE(Site Reliability Engineering)グループのグループ長を務めました。グループの企画段階から参画し、役員や上長、現場エンジニアへのヒアリングを重ねながら、会社におけるSREの役割を定義し運用に落とし込む組織をゼロから組成しました。
10年以上にわたり金融業界で経験を積んだ後、医療DXベンチャー企業のCIO(最高情報責任者)に就任。前職までに培った高い水準での社内IT・システムグループの全体マネジメントやセキュリティ体制の構築を推進するとともに、プロダクトの成長と組織づくりに尽力しました。
――ネクサスエージェントへの入社経緯や決め手を教えてください。
前職の事業売却に伴い、関西を拠点に新たな領域へ挑戦したいと考え、転職活動を開始しました。
選考過程で、技術領域を牽引する河野彰取締役と対話を重ねる中で、不動産業界が金融業界の初期のようにレガシーな業界であることを知り、「DXを推進し、『不動産ビッグバン』を主導する」「次世代の不動産取引プラットフォーム(イエリーチ)を構築する」というビジョンに深く共感しました。
金融システムや医療DXで培った経験を活かせると確信できたことに加え、大きな裁量を持ちながら経営戦略に直結するIT基盤や組織構築に参加できる環境にも魅力を感じました。現場の課題を経営層と直接議論しながら改善し、事業成長に貢献できることが最大の決め手です。
――いくつもの転職を経験されていますが、キャリアを選ぶうえで大切にしていることは何ですか?
どのような業界や企業であっても、「自分が楽しく、満足して働けること」を大切にしています。企業の課題に対して自分なりの解決策を考えられるのか、ビジョンや事業内容に興味を持てるかなど、「楽しく働けそうか」を基準に企業を選んできました。給与や保有スキルだけで判断するのではなく、働く環境まで理解したうえで、自分らしく楽しく働けると感じた企業を選択しています。
事業スケールを支える通信・AI基盤の構築
――ネクサスエージェントに入社してみて、どのような印象を持ちましたか?
経営層との距離が近く、意思決定・事業推進のスピード感が早いと感じました。私はこれまで従業員数十名規模の企業で働くことが多かったのですが、ネクサスエージェントは従業員200名を超える組織でありながら、経営層との距離の近さ、一人ひとりに大きな裁量が与えられています。そのうえでスピード感もあり、大きな魅力を感じています。
――入社当時はどのような課題があり、それをどのように改善しましたか?
入社当初は、規程は存在するものの、技術・運用面の方針や決まり事が不足していると感じました。そこで単なる社内インフラの整備にとどまらず、全社の生産性向上につながるITガバナンスやセキュリティ対策に着手しました。例えば、当時は社員が個人の携帯電話を業務接続に使用している実態があり、セキュリティリスクが懸念されたため、会社としてモバイルWi-Fiを貸与する運用ルール・方針を新たに策定して是正しました。
現在は役員や各事業部と密にコミュニケーションを取りながら、現場のボトルネックを迅速に解消できるIT環境の構築を進めています。
――具体的に現在取り組んでいる業務改善について教えてください。
現在は、クラウド型IP電話サービスの全社導入と通信基盤の刷新を進めています。実証実験を通じて品質とセキュリティを担保しながら、営業活動の効率化と事業成長への貢献を目指しています。
また、全社的な生成AI活用の推進にも注力しています。単にツールを導入するのではなく、各部署の課題をヒアリングしたうえで、生成AI・AIエージェントを活用した改善施策の検証・提案を行なっています。最近では社内で「生成AIや業務改善なら道場」と認知されるようになり、「Geminiを活用して業務を効率化できないか」「プログラムで業務課題を解決できないか」といった相談を他部署から直接受ける機会も増えました。こうした動きを通じて、情報システム課主導で全社的に業務効率化への意識が高まっていることを嬉しく感じています。現場からの要望や課題に対して最適な改善策を迅速に提供し、会社全体の生産性向上と情報システム課の価値向上につなげています。
――新しいツールやシステムをスピード感を持って導入しつつ、品質を担保するために意識していることはありますか?
現場の課題と導入後に期待される効果を正確に把握し、経営層と現場の双方で十分な合意形成を図ることを大切にしています。そのために、仕様書やセキュリティ基準を徹底的に読み込み、少しでも疑問点があれば担当者へ確認し、自社の要件を満たしているかを慎重に検証します。また、社内でのテストを通じて十分なデータを収集したうえで、安全性と実用性を確認し、迅速かつ確実に全社展開するプロセスを徹底しています。
――これまでのキャリアは現在の業務にどのように活きていますか?
情報システム課の業務は多岐にわたるため、これまで培ってきた技術や経験がそのまま活かせるケースばかりではありません。しかし、「事業成長」と「ガバナンス・セキュリティ」を高いレベルで両立させる考え方は、現在ネクサスエージェントでの業務にも大いに活きています。
また、課員が挑戦できる環境づくりも意識しています。フランクでオープンなコミュニケーションを心掛けることで、組織全体のエンゲージメント向上につなげています。
メンバーの挑戦を後押しする、自走型組織のマネジメント
――情報システム課の雰囲気について教えてください。
東京本社と大阪本店にそれぞれ課員が在籍していますが、拠点を超えたコミュニケーションが活発で、連携もスムーズです。風通しが良く、相談しやすい雰囲気になっていると感じます。
また、最終的な意思決定は私が担う体制を整えているため、課員も気軽に相談してくれます。私自身、課員の挑戦を後押ししたいと考えているので、新しい技術や取り組みに関する提案には前向きです。
最近では、AIエージェント「Google Antigravity」を活用した業務改善プロジェクトを4名の課員が主体となって進めています。タスクを細分化し、小さな成功体験を積み重ねながら難易度の高い開発へステップアップできるように進めたことで、スキル向上と成果創出のスピードが大きく高まりました。進捗フォローやトラブルシューティングは一緒に行いますが、高いスキルを持つメンバーが主体的に挑戦できる環境づくりを重視しています。
――これまで、前職でも事業責任者を担ってきた道場さんが、チームマネジメントで意識していることは何ですか?
課員に積極的に挑戦してもらうため、可能な限り権限を委譲することを意識しています。私は情報システム課の責任者ですが、ネットワークやセキュリティなど、あらゆる領域で誰よりも詳しいスペシャリストである必要はないと考えています。チームには、特定分野において私以上の専門性を持つメンバーや、豊富な経験を持つエンジニアが在籍しているからです。
ただし、無責任に丸投げするのではなく、業務について信頼して任せつつも、経営陣へのコンセンサスや報告、プロジェクト全体の方針策定については私が責任を持って伴走します。課員が失敗を恐れず力を発揮できる環境を整えることが、私の果たすべき役割です。その土台として、密な報告・連絡・相談の徹底と、オープンなコミュニケーションを大切にしています。
――コミュニケーションや組織づくりで、どのような点を大切にしていますか?
最も大切にしているのは、自分自身はもちろん、課員や会社全体の「満足度」を高い状態に保つことです。一人ひとりが仕事を楽しみながら満足感を得られる環境をつくりたいと考えています。そのためにも、ネガティブなコミュニケーションは避けるよう意識しています。互いを尊重し合える関係性があるからこそ、安心して挑戦し、自走できるチームが生まれるのだと感じています。
経営層とともに描く、事業成長を支えるIT基盤
――管理者として経営層とコミュニケーションを取ることが多いかと思いますが、経営層の印象を教えてください。
経営層と社員の距離が近く、とてもコミュニケーションを取りやすい環境だと感じています。ここまで過度に気を遣わずに役員とコミュニケーションを取れる企業は、多くはないと思います。また、技術投資に対する理解とリスペクトが極めて高い点も印象的です。岩田社長はITによる事業効果を深く理解されていますし、直属の上司でもある河野取締役にも気軽に相談できます。経営戦略と技術戦略の両面から議論できる風通しの良さがあります。
――今後、情報システム課をどのように発展させていきたいですか?
間接業務の削減や自動化を推進し、社員一人ひとりが本来注力すべき業務・施策に集中できる環境を整えていきたいと考えています。具体的には、将来の事業拡大やオフィス拡張を見据えたネットワークのグランドデザインを設計する施策や、自社のセキュリティ現状をスコア化し、明確なロードマップに沿って着実にセキュリティリスクを取り除く施策の実装を進める施策などです。こうした取り組みを通じて最高水準のIT基盤やネットワーク環境を構築し、事業成長を支える仕組みづくりを進めていきます。
今後は社員数の増加やオフィスの拡張も見込まれるため、会社の成長スピードを上回る変革を推進し、事業成長を支えていきたいです。
事業成長を支えるIT人材へ。求める人物像とは
――情報システム課に入社する人に求められる要素は何ですか?
自ら課題を発見し、周囲と協力しながら解決までやり切る「自走力」です。具体的には、アイデアや高い技術力だけではなく、「①考える」「②共有する」「③承認を得る」「④実装・実行する」「⑤報告する」という5つのステップを自発的に完遂できる力が求められます。
この考え方は人事課や人材紹介会社にも共有しており、現在の情報システム課には、自走力を持って高度な業務に取り組める課員が集まっています。私自身も面接に同席する際には、この点を重視して見ています。
――最後に、これから新しい環境にチャレンジしたいと考え、応募を検討している方へメッセージをお願いします。
私たちが目指しているのは、単なる「ITのトラブル対応部門」ではありません。経営戦略を支え、事業成長を加速させるIT組織です。
将来の事業拡大を見据えたネットワーク基盤の設計やBCP(事業継続計画)の策定など、現状把握から課題抽出、ロードマップ策定、実行まで一貫して携わることができます。情報システム課の掲げる目標は、かなり高い水準に設定しています。視座の高い環境でスキルを高め、市場価値を飛躍的に向上させたい方と一緒に働けることを楽しみにしています。