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コスメECノインのCEO渡部が予想する2022年のECトレンド〜キーワードは「コミュニティ」「コミュニケーション」 〜

ノインの渡部です。弊社は2017年より化粧品ECプラットフォーム「NOIN」を提供しています。

ECは今、大きな転換期を迎えつつあります。

今回は、このECの転換期とはどういうことなのか、その先に何があるのかを、これまでのECの歴史を紐解きつつ考え、ノインがこれから向かう方向性についてもお話できればと思います。

プロフィール

ノイン株式会社CEO渡部 賢(わたべ けん)です。2016年11月にノインを立ち上げ、現在創業代表を務めています。独立前はNaver Japan (現LINE)やグリーでメディア事業や新規事業の企画開発などに携わっていました。2015年からフリーランスのプロデューサーとしてクライアントの新規事業の立ち上げや運用を行い、その後ノインの立ち上げに至ります。

ノインではWEBサービスの開発だけでなく、プライベートブランドの開発にも取り組んでおりsöpöのブランドマネージャーも兼任しております。

「コミュニケーションを通じたロイヤリティ形成」がこれからのECのトレンド

これからのECのトレンドを考える時に重要になるのは「コミュニティ」「コミュニケーション」といったキーワードです。自分たちのブランドを好いてくれるお客様を自分たち自身でネットワーキングしていこうという動きがコミュニティ形成で、そのコミュニティの中で交わされるものがコミュニケーション。これからはそういうものに注目して大事にする時代になると思います。

メーカーや小売業といった販売主お客様のコミュニケーションが起点になって、良質な情報交換が行われ、結果商品が購入される、ロイヤリティ(ブランドへの愛着)が形成される。そんな構図です。起点は人同士の関わり方で、どれだけ個人で勝負できるかが重要になります。だから今までの売り方からは大きく変わらないといけないでしょう。

お客様が売り場に来てから商品を選ぶ時代はシュリンクし続けていき、これからはデジタル上でコミュニケーションを完了してから、買いたいと思ったものを売り場に買いに来るようになります。なので、売り場に来る前のデジタル上でのコミュニケーションを行う必要があります。

どこに行っても素晴らしい商品ばかりが並んでいる日本で選ばれるのは、ストーリー性があるもの。それはコミュニケーションを介在しないと伝わりません。

このような「コミュニケーションを通じたロイヤリティ形成」を既にすごく上手にやっているのが、中国発のコスメブランドPerfect Diary(パーフェクトダイヤリー)や、フランス発のコスメのセレクトショップSephora(セフォラ)です。

Perfect Diaryには、「小完子(シャオワンズ)」というバーチャルなKOLが存在します。個人のWeChatアカウントを使ってグループチャットに購入者を招待することで、独自のコミュニティを作っています。グループチャットでは、美容の専門家である小完子から新商品やセール品の紹介、商品のレビューが届いたり、商品に関する質問や相談が出来たりします。

Sephoraでは、EC上の商品レビュー以外に、ユーザー同士で化粧品選びをサポートし合えるコミュニティを作っています。コミュニティのメンバーにはビューティーアドバイザーもいて、店舗と近い体験ができるような対応をしています。

※参照

こういったコミュニケーションがロイヤリティ形成につながります。

来るべきEC第三世代はコミュニティとコミュニケーションの時代

今の話はECの歴史を振り返ってみるとよりよく分かるはずです。


いま、ECは第三世代、いわばEC3.0への過渡期だと思っています。

第一世代は、楽天やAmazonといった機能型EC。圧倒的な品ぞろえと、類似した商品の価格比較で商品購入転換を促している、総合ECプラットフォームの時代

第二世代は、2005年ごろからチャイナ系を中心に展開されたコンテンツコマースの時代。第一世代の要素の中にコンテンツが入ってきて、買い物自体がエンターテインメント性を持つようになりました。また、第二世代はKOLが台頭した時代でもあって、売るのがうまい、自分を見せるのがうまい、そういう特徴を持っていてユーザーの購買の意思決定に強い影響を与えられる個人がコンテンツコマースの表舞台に出てきました。

それが変化して第三世代に移行しようとしているのが今で、KOLがやっていたことを内製化していこう、発信だけでなく双方向型のユーザーとのコミュニケーションも大事にしようという動きが出てきています。さっきのPerfect DiaryやSephoraの例などが好例です。

第二世代から第三世代への進化の最大のポイントは、コミュニケーションが一方通行から双方向になったことで、それを支えたのがSNSの台頭です。SNSは、センスがあって面白いコンテンツを発表できる、情報発信力のある個人が最初はずば抜けることができるものの、段々とユーザーとのコミュニケーションに力を入れていかないとロイヤリティ形成ができなくなってきます。だからEC3.0の世界ではコミュニティやコミュニケーションが大事にされるんです。

SNSの台頭により個人が発信できる時代が来た


もともと企業は、面白い情報を持っている個人を見つけてきて、その人が持っている情報をあたかも自分たちが言っているかのように情報発信することを得意としていました。テレビや新聞がその代表例です。

SNSが台頭したことで、その元々面白い情報をもっていた個人が情報発信のツールを手に入れました。この変化により、企業の持っている発信力を介さなくても、面白い情報を持っている個人が最速で自分の持っている知見を世の中に広めることができるようになりました。

そういう人たちさえフォローしておけば、ユニークな情報はスマホを開いた瞬間に手に入る時代になりました。世界の情報収集の起点がサーチエンジンからSNSに変化したとも言えます。

発信とコミュニケーションを他者依存から内製へ

メーカーや小売業といった販売主が、そういう優れた個人をKOLとして立てて、「そういう個人に商品を紹介してもらおう」「それを通じてユーザーに買ってもらおう」と考えて、KOLにお金を払っていたのがEC第二世代という時代です。

EC第三世代は、それを販売主が自らやりましょうという時代です。外注、広告費という話が続くと、販売主は疲弊してきます。「自分たちでできる時代ですよ」「自分たちでできるということはサステナブルですよね」という話は多くの販売主が興味を持つと思います。

一番最初にお客様にリーチするフェーズは発信力のある外部に頼ったとしても、そこでリーチできた人たちを自分たち自身でネットワーキングしていきましょうよ、と伝えるのはいいスタンスなのではないかと思っています。

ノインの役割は素晴らしい商品に出会えるサイクルを生み出していくこと

ここまで説明してきたようなトレンドを踏まえて、これからノインがどこに行こうとしているのかを説明します。

まず、ノインが作りたい世界は一貫しています。

「本当にほしい化粧品がみつかってそれが当たり前に買える世の中をつくる」

これを実現する手段として、ノインはコミュニティコマースというところに進化していきます。ブランドさんの「購入者」をつくるプラットフォームではなく、ノインでの購買体験を通じて「ファン」を形成することを目的にしたプラットフォームになります。そのブランドを少しでも好きになってくれるファンが自然と形成される、化粧品専門のECプラットフォームですね。


それを実現するために、ノインには6つのサービスサイクルがあります。

1)コンテンツで振り向いて(知って)もらう
2)コミュニケーションで好きになってもらう
3)商品を買って頂く
4)イベントで会い、さらに好きになってもらう
5)信頼しあえるコミュニティを形成
6)皆で商品をディスカバリーするサイクルが完成

この6つのステップを踏んで、素晴らしい商品に出会えるサイクルを生み出していくのがノインの役割です。

「新しい商品のディスカバリー体験」へと続く6つのサービスサイクル

ノインの6つのサービスサイクルに沿って、ノインの取り組みを紹介します。

1)コンテンツで振り向いて(知って)もらう

企業としては、たくさん登場している個人のインフルエンサーに質と量で勝たないといけません。ストーリーズの活用やアーカイブの活用を積極的にやっています。自分たちにしかできないことが必ずあるはずなので、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指そうとよく言っています。



お客様がどこから入ってきても必ず等しく情報にたどり着ける状態にしておくことを大事にしています。SNS、店頭、オフィシャルEC、どこから入ってきても同じキャンペーンをしている、同じ情報に触れられる。そこに偏りや滞りがあると良くないです。だから、色々なものちゃんとやりましょうと言っています。

2)コミュニケーションで好きになってもらう
3)商品を買って頂く

ただ、そのようなコンテンツ発信は表層でしかなく、本当に大事にしているのはDMでのコミュニケーションです。


「ミレニアムやZ世代の、移り気が多い女性たちの心をどうやって掴み続けているんですか?」とよく質問されます。コンテンツを見ているだけ、商品を買っているだけでは、すぐに離れていってしまいます。コミュニケーションすることで好きになってもらえさえすれば、また使おうと思ってもらえます。それを泥臭くやっているのがノインです。

ライブ配信は商品理解の向上とユーザーコミュニケーションの手段として使います。商品を売ることはライブ配信では一番最初のKPIにしないほうがいいと思います。


ノインの場合は、多種多様な商品の取り扱いをさせていただいている関係から、色々な商品を取り上げる、総合型の商品紹介をします。他方でノインが持っている個人とのネットワークのなかで、各個人には、例えば「J-Beauty」「K-Beauty」「プチプラ」「ニキビ肌」といった狭小のセグメントの中でコミュニケーションしてロイヤリティを発揮してもらうように考えています。


4)イベントで会い、さらに好きになってもらう

オンラインでお客様とコミュニケーションが取れたら、今度は定期的にオフラインのイベントを開催することでお客様のロイヤリティを形成していきます。


5)信頼しあえるコミュニティを形成

コミュニティ運営は、今はLINEのオープンチャットを活用して、ビューティーアドバイザーやKOL、お客様が情報交換し合えるコミュニティを運営しています。先ほど事例を紹介したSephoraをベンチマークしています。


6)皆で商品をディスカバリーするサイクルが完成

ライブ配信を視聴した人にそこから直で購入してもらうことが実現したらいいとは思うものの、それはうまくいかないと思いますので、ライブ配信を観て興味を持ったらEカウンセリングに誘導するというのを、今PoC(実証実験)としてやっています。

「興味を持って細かいことを聞きたかったらDMさえくれれば今すぐお応えするよ」という状況を作っていくことで、どれだけのコンバージョンレートが実現するのかを実験しています。


DMに入ってきたお客様から購入転換まで60%くらいのコンバージョン率が出ている事例が過去に2回ありました。今はInstagram上でやっていますが、今後は内製化してNOINアプリ内の機能にして、購入までの導線をシームレスに作っていくことを考えています。

また、お客様とのロイヤリティ形成もできるはずなので、そのお客様たちを最適なコミュニティに誘導していき、よりよい商品のディスカバリー体験を提供し続けることも考えています。それがこれからのノインの在り方かなと思っています。

最後に

いかがでしたでしょうか。今後も化粧品業界のトレンドについて考えていること、ノインの未来などを発信していきたいと思います。もしよろしければ感想などをぜひSNSでシェアいただけると嬉しいです。ノインに興味を持ってくださった方はぜひ、弊社社員へご連絡ください。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

▼ノインCOO千葉のnote

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