こんにちは。Orange Moon株式会社 代表の増山です。
私たちは、AIを活用したマニュアル作成・共有サービス「ManualForce」を開発・提供しています。
採用面接では、これまでの成功体験を聞くことがよくあります。
「目標を120%達成しました」
「社内で表彰されました」
「この施策を企画して成果を出しました」
もちろん、私もこういう話は聞きます。どういう環境で、何を考えて、どんな成果を出したのかは、その人を知るうえで大切です。
ただ、20代の採用で、それ以上に気になることがあります。
それは、
うまくいかなかったとき、その人がどうしたのか。
ということです。
私は、失敗しない人を採りたいわけではありません。
むしろ仕事をしていれば、失敗することの方が普通だと思っています。
だから知りたいのは、失敗そのものではなく、
その失敗を、その後の自分にどう残したのか。
そこです。
失敗の大きさは、そこまで重要ではない
「失敗経験を教えてください」と聞くと、すごく大きな失敗を探そうとする方がいます。
でも、別に大きな失敗である必要はありません。
営業目標に届かなかった。
商談でお客様の質問にうまく答えられなかった。
提案した施策が全然うまくいかなかった。
上司から何度も同じことを指摘された。
準備不足で周りに迷惑をかけた。
そんな話でも十分です。
私が知りたいのは、
「何を失敗したのか」
よりも、
「その出来事をどう受け止めたのか」
だからです。
「反省しました」だけでは、あまり分からない
たとえば、
「商談でうまく話せず、反省しました」
と言われても、正直まだよく分かりません。
そのあと、何をしたのか。
商談前の準備方法を変えたのか。
先輩の商談を見たのか。
自分の録音を聞き直したのか。
質問の仕方を変えたのか。
分からないことを早めに相談するようになったのか。
そして、その後の商談はどう変わったのか。
私は、そこまで聞きたいです。
失敗を経験したこと自体には、それほど価値はありません。
失敗をして、
考えて、
何かを変えて、
次の行動が変わる。
そこまでいって初めて、その経験がその人の中に残るのだと思っています。
失敗を「血肉にできる人」は強い
仕事をしていると、同じような失敗を経験しても、その後の伸び方がまったく違うことがあります。
ある人は、一度指摘されたことを次からすぐ変える。
また別の人は、何度同じことを言われても、行動がなかなか変わらない。
この違いは結構大きいです。
特に20代なら、今の完成度よりも、
経験からどれだけ自分を更新できるか
の方が重要だと思っています。
今は営業がそれほど上手くなくてもいい。
SaaSの知識がなくてもいい。
スタートアップで働いた経験がなくてもいい。
でも、仕事をしながら失敗して、フィードバックを受けて、それを次に反映できる。
そういう人は、数年でかなり変わります。
逆に、入社時点では優秀に見えても、過去のやり方にこだわって変わらなければ、そこから伸びづらいこともあります。
だから私は、20代の面接では完成度だけを見たくありません。
伸び方を見たい。
その人がこれまでどう変わってきたのかを見ると、これからどう変わっていきそうかも少し見えると思っています。
そのために、素直さはかなり大事だと思っている
そして、失敗から学べる人に共通しているものの一つが、私は「素直さ」だと思っています。
ただし、ここで言う素直さは、
上司に言われたことを何でもそのままやること
ではありません。
自分と違う意見を言われたときに、
最初から跳ね返さないこと。
「自分はこう思っていたけど、もしかしたら違うかもしれない」
と、一度受け取れること。
これがすごく大事だと思っています。
フィードバックをすると、
「でも、自分としてはこういう理由があって……」
と、すぐに説明したくなることは誰にでもあります。
もちろん、理由があるなら話していいです。
むしろ、考えを持っていることは大切です。
ただ、
相手がなぜそう言ったのかを理解する前に、自分を守ることが先に来てしまう
と、成長の機会を失うことがあります。
「確かに、そう見えていたのかもしれない」
「一度そのやり方を試してみよう」
と受け取れる。
試してみて、違うと思ったらまた考えればいい。
私は、そういう柔らかさを持っている人と働きたいです。
「素直=自分の意見がない」ではない
一方で、
「何でも言われた通りにします」
という人が欲しいわけでもありません。
Orange Moonは小さい会社なので、むしろ自分の意見は持っていてほしいです。
「私はこう思います」
「こっちの方が良くないですか?」
と普通に言ってほしい。
大事なのは、
自分の考えを持ちながら、他人の意見も受け取れること。
だと思っています。
たとえば自分では良い商談だったと思っていた。
でも、上司から「質問が浅かった」と言われた。
そのときに、
「いや、ちゃんと聞きました」
で終わるのか。
それとも、
「自分では聞けたつもりだったけど、どこが浅かったんだろう」
と考えられるのか。
この差は、その後かなり効いてきます。
素直さというのは、
自分をなくすことではなく、
自分の考えを更新できる余白を持っていること
だと思っています。
何でも自分のせいにすればいいわけでもない
もう一つ、誤解してほしくないことがあります。
失敗したときに、
「全部自分が悪かったです」
と言える人が良い、という話でもありません。
仕事には、自分ではどうしようもないこともあります。
会社の仕組みが悪かった。
タイミングが悪かった。
相手の事情が変わった。
そもそもの戦略が間違っていた。
そういうことも普通にあります。
大切なのは、何でも自責にすることではなく、
その中で、自分が次に変えられるものは何だったのか
を考えられることです。
環境要因は環境要因として見る。
そのうえで、
「それでも自分にできたことはあったか?」
と考える。
このバランス感覚も、面接では結構見ています。
Orange Moonでは、たぶん何度も失敗する
Orange Moonは、まだ社員数名の小さな会社です。
完成された営業の仕組みがあるわけではありません。
展示会のやり方も改善します。
営業トークも変えます。
ターゲットも考え直します。
営業資料も変えます。
新しい施策をやって、全然うまくいかないこともあります。
だから、
最初から全部うまくできる人
よりも、
うまくいかなかったときに、次の打ち手を考えられる人
の方が、長く見ると活躍しやすいと思っています。
私自身も、判断を間違えることはあります。
「これでいこう」と決めたけれど、やってみたら違った。
そんなことも普通にあります。
そのときに必要なのは、
誰が悪かったのかを探し続けることではなく、
「じゃあ次はどうする?」
に切り替えることです。
Orange Moonでは、そういう会話をたくさんしたいと思っています。
面接では、きれいな成功体験より、少し泥臭い話を聞きたい
だから面接でも、
完璧な成功ストーリーだけを用意しなくて大丈夫です。
むしろ私は、
「最初は全然できませんでした」
「上司にこう言われて、結構悔しかったです」
「そのときは納得できなかったんですが、後から考えると正しかったです」
「一度失敗してから、こういう習慣を作りました」
みたいな話の方が気になります。
その話の中には、
どう考える人なのか。
人からの意見をどう受け取るのか。
失敗したときにどう立ち直るのか。
同じ失敗を繰り返さないために何をするのか。
その人の仕事への向き合い方がかなり出ます。
そして私は、そういうところを見て採用したいです。
最後に
採用面接で、成功体験を聞くことはもちろんあります。
成果を出した経験も大切です。
でも、20代の採用で私がそれ以上に知りたいのは、
失敗したあと、その人がどう変わったのか。
です。
失敗したときに、自分なりに原因を考えられる。
他人からのフィードバックを素直に受け取れる。
必要なら自分の考えを変えられる。
そして、実際の行動まで変えられる。
そんな人は、今できないことが多少あっても、これからどんどんできるようになると思っています。
失敗しない人を求めているわけではありません。
むしろ、
失敗をした分だけ、少し強くなっていける人と働きたい。
私はそう思っています。
だから面接でも、成功した話だけではなく、
うまくいかなかった話。
悔しかった話。
誰かに指摘されて変わった話。
そこから次の仕事の仕方を変えた話。
そんな話を聞かせてもらえたら嬉しいです。
その方が、その人のこれからを想像できる気がしています。