こんにちは。
Orange Moon株式会社 代表の増山です。
私たちは、AIを活用したマニュアル作成・共有サービス「ManualForce」を開発・提供しています。
今のOrange Moonは、営業と開発を合わせて10人前後のチームです。
これまで、入社後にどんな経験ができるのか、若手にどこまで仕事を任せるのか、といった話を書いてきました。
今回は、もう少し普段の仕事について書いてみたいと思います。
「Orange Moonの営業って、毎日何をしているんですか?」
という話です。
AI SaaS企業の営業と聞くと、なんとなくスマートな働き方をイメージするかもしれません。
データを分析して、営業戦略を考えて、AIを活用しながら効率的に商談を進める。
もちろん、そういう仕事も大切です。
ただ、実際のOrange Moonの営業は、想像以上にお客様と直接向き合う時間が長いです。
IS(インサイドセールス)は、お客様への架電を中心に、資料請求への対応や見込み顧客のフォローを行う。
FS(フィールドセールス)は、商談からトライアル、振り返り、受注まで、お客様の導入検討を進めていく。
決して派手な仕事ばかりではありません。
でも、ただ電話をかけたり、商談をしたりしているわけでもありません。
お客様の関心をどう引き出し、どうやって導入への納得につなげていくか。
そのために、一つひとつの接点をかなり緻密に考えています。
今日は、そんなOrange Moonの営業の日常をご紹介します。
ISの1日は、架電を中心に動いている
Orange MoonのISは、基本的に10時から18時まで、お客様へのアプローチを中心に活動しています。
その中でも大きな割合を占めるのが、架電です。
お客様に電話をする。
現在の業務についてお話を伺う。
ManualForceをご紹介する。
興味を持っていただけたら、FSとの商談につなげる。
こうした活動を日々積み重ねています。
ただ、電話をすれば必ず話を聞いていただけるわけではありません。
「今は必要ないです」
「特に困っていません」
「忙しいので結構です」
そんな反応をいただくこともあります。
突然電話がかかってきたお客様からすれば、当然のことだと思います。
それでも、毎日多くのお客様にアプローチしていきます。
正直、地道な仕事です。
ただ、私はこの仕事を、単に電話をたくさんかける仕事だとは思っていません。
むしろ、短い会話の中で、お客様の関心をどう引き出すか。
そこに、ISという仕事の難しさと面白さがあると思っています。
ISの腕の見せ所は、最初から興味のあるお客様ではない
ISの仕事で、私が特に力量を問われると思っている部分があります。
それは、最初はManualForceにほとんど関心がなかったお客様に、どうやって興味を持っていただくかということです。
例えば、お電話した際に、
「マニュアルはもうありますから」
と言われたとします。
そこで、
「そうですか、分かりました」
と終わることもできます。
でも、もう少しお話を伺える状況なら、別のことが見えてくるかもしれません。
マニュアル自体はあるけれど、更新が追いついていない。
作成した人しか内容を理解できていない。
新人が入るたびに、結局ベテラン社員が付きっきりで教えている。
こうした課題は、必ずしも最初から「マニュアルの問題」として認識されているわけではありません。
そこで、
「ちなみに、マニュアルの更新は普段どなたが担当されているんですか?」
「新しく入った方も、そのマニュアルだけで業務を進められる状態ですか?」
といった質問から、少しずつお客様の状況を理解していく。
すると、最初はあまり関心がなかったお客様でも、
「確かに、そこは困っているかもしれない」
と感じていただける可能性があります。
そして、
「それなら、一度詳しく聞いてみたい」
となれば、FSとの商談につながります。
私は、ここがISの一番面白いところだと思っています。
最初から関心の高いお客様を商談につなぐだけではなく、関心の低かったお客様に新しい価値を感じていただく。
これは、決して簡単なことではありません。
相手の反応を読み取る力。
短い時間で課題を見つける力。
適切な質問をする力。
サービスの価値を、お客様の業務に置き換えて伝える力。
さまざまな力が求められます。
もちろん、関心のないお客様に無理やり話を聞いていただくわけではありません。
今は必要ないという判断も尊重します。
重要なのは、まだお客様自身も気づいていない課題や、知らなかった解決方法をお伝えできるかどうかです。
そして、FSに引き継ぐときには、
単に「アポイントが取れました」ではなく、
「このお客様は、こういう業務で困っていて、ManualForceのこの部分に興味を持っていただいています」
という状態にしたい。
そうすれば、FSも最初からお客様の課題に踏み込んだ商談ができます。
同じ1件のアポイントでも、どれだけお客様の関心を高めた状態でFSにつなげられるかによって、価値は変わる。
私は、そこにISの実力が最も表れると思っています。
実際には、電話だけをしているわけではない
とはいえ、ISの1日は、決められたリストにひたすら電話をかけるだけではありません。
日中には、さまざまなお客様への対応が発生します。
例えば、ManualForceのサービスサイトから資料請求をいただくことがあります。
こうしたお問い合わせには、チームでできるだけリアルタイムに対応することを心がけています。
興味を持っていただいたタイミングを逃さず、迅速にお客様と接点をつくる。
そして、何に困っているのか、どのような用途を想定しているのかを確認していきます。
また、すでに商談を検討されているお客様からメールが届けば、その対応も必要です。
さらに、以前お話ししたものの、まだ導入時期が決まっていないお客様へのフォローもあります。
つまり、ISが向き合っているお客様には、さまざまな状況があります。
まだManualForceを知らないお客様。
興味を持って資料請求してくださったお客様。
商談を前向きに検討しているお客様。
以前は関心があったけれど、今は検討を見合わせているお客様。
当然、全員に同じアプローチをすればいいわけではありません。
今、どのお客様に、何を、どのタイミングで伝えるべきなのか。
こうしたことを考えながら、日々の活動を組み立てています。
「今は導入しない」というお客様も、そこで終わりではない
ManualForceは法人向けのSaaSなので、興味を持っていただいても、すぐに導入が決まるとは限りません。
「来期の予算で考えたい」
「他のプロジェクトが落ち着いてから検討したい」
「社内の関係部署との調整が必要」
そんなケースもあります。
そのときに、
「今すぐ導入しないなら、もう見込みがない」
とは考えません。
お客様には、それぞれの事情やタイミングがあります。
今は優先順位が低くても、数か月後には状況が変わるかもしれません。
そのため、
いつ頃検討が進みそうなのか。
何が導入の障壁になっているのか。
どんな情報があれば検討しやすくなるのか。
次にいつ連絡するのが適切なのか。
こうしたことを把握しながら、継続的にフォローしていきます。
もちろん、むやみに何度も連絡することが正解ではありません。
お客様の状況を理解し、必要なときに、必要な情報を届けることが大切です。
新しいお客様への架電。
資料請求への迅速な対応。
商談見込み顧客とのやり取り。
継続検討中のお客様の管理。
これらを並行して進めていく。
Orange MoonのISは、活動量だけでなく、顧客管理の精度も求められる仕事です。
そして、日中はこうしたお客様との接点を優先し、18時以降には営業活動に伴う事務処理なども行っています。
FSは、商談からトライアル、受注まで一貫して向き合う
では、ISがつくった商談を引き継ぐFSは、どんな仕事をしているのでしょうか。
Orange MoonのFSは、基本的に次のような流れでお客様の導入を支援しています。
商談 → トライアル説明会 → トライアル → 振り返り → 受注
最初の商談では、お客様の業務や課題を詳しく伺います。
ManualForceの機能を説明するだけでなく、
何に困っているのか。
今はどんな方法で対応しているのか。
ManualForceを導入すると、何が改善できそうなのか。
そうしたことを一緒に考えていきます。
その後、具体的に検討いただける場合には、トライアルへ進みます。
トライアル説明会では、ManualForceの操作方法や活用方法をご案内します。
そして、お客様に実際の業務で使っていただく。
ここが、ManualForceの営業の特徴的な部分だと思っています。
言葉で価値を説明するだけでなく、実際に使っていただき、その価値を確かめてもらう。
マニュアルがどのくらい簡単に作れるのか。
現場の担当者が使いやすいと感じるか。
既存の業務に組み込めそうか。
そうしたことを、実際に試して判断していただきます。
もちろん、トライアル中に新しい疑問が出てくることもあります。
思っていた使い方と違う部分が見つかることもあります。
FSは、そうした状況にも対応しながら、導入に向けた検討を進めていきます。
FSの腕の見せ所は、トライアルの先にある
そして、トライアルが終わったら振り返りを行います。
実際に使ってみてどうだったのか。
当初の課題は解決できそうなのか。
どんな効果を感じていただけたのか。
本格導入に向けて、どんな懸念が残っているのか。
これらを整理して、受注につなげていきます。
もちろん、すべてのお客様が導入に至るわけではありません。
トライアルで十分な効果を感じていただけない場合もあれば、製品以外の事情で導入が進まないこともあります。
だからこそ、単にトライアルを実施して終わりにするのではなく、
お客様は何を確認したかったのか。
実際に何が分かったのか。
導入するためには、あと何が必要なのか。
を把握することが重要になります。
つまり、FSは商談で上手に説明するだけの仕事ではありません。
お客様がManualForceの価値を理解し、実際に試し、納得して導入を判断できるところまで支援する仕事です。
この過程では、営業スキルだけでなく、お客様の業務理解や課題解決の力も求められます。
ISが、お客様の関心を引き出し、商談への期待を高める。
FSが、その期待を実際の体験と結びつけ、導入への納得につなげる。
この二つがつながることで、初めて一つの受注が生まれます。
毎日の数字には、かなり向き合っている
Orange Moonでは、営業メンバーに入社1か月目から数字を持ってもらいます。
ISであれば、アプローチ数や商談につながった件数。
FSであれば、商談やトライアルの進捗、受注につながる結果。
こうした数字を日々確認しています。
ただ、活動量が多ければ、それだけでいいとは思っていません。
例えば、たくさん電話をしているのに、商談が増えない。
それなら、何が原因なのか。
ターゲットが違うのか。
最初の話し方が良くないのか。
お客様の課題を十分に聞けていないのか。
FSでも同じです。
商談はできているのに、トライアルへ進まない。
トライアルは実施しているのに、受注につながらない。
それなら、どの段階に課題があるのかを考える必要があります。
大切なのは、数字を報告して終わることではありません。
数字をもとに、自分の仕事をどう改善するか考えること。
もちろん、最初からすべてを自分一人で考えられる必要はありません。
うまくいかなければ、周りに相談すればいい。
フィードバックを受けて、次の行動を変えればいい。
ただ、同じことを繰り返すのではなく、少しずつ自分で改善できるようになってほしいと思っています。
地道な仕事だからこそ、成長の差が出る
ここまで読むと、Orange Moonの営業は少し大変そうに感じるかもしれません。
実際、簡単な仕事だとは思いません。
ISなら、毎日多くのお客様にアプローチします。
関心を持ってもらえないこともあります。
冷たい反応をいただくこともあります。
FSなら、商談を重ねても、すべてが受注につながるわけではありません。
時間をかけてトライアルを進めたのに、導入が見送られることもあります。
でも、私はこうした経験にも価値があると思っています。
最初はうまく話せなかったお客様に、少しずつ興味を持っていただけるようになる。
以前なら見つけられなかった課題に、気づけるようになる。
商談の中で、お客様が本当に重視していることを理解できるようになる。
トライアルの結果を踏まえて、より良い提案ができるようになる。
そうした変化は、実際にお客様と向き合っているからこそ生まれます。
私は、失敗しない人よりも、失敗したあとに行動を変えられる人を評価したいと思っています。
うまくいかなかった理由を考える。
人の意見を素直に聞く。
必要なら、自分のやり方を変える。
そして、もう一度挑戦する。
同じ仕事を繰り返していても、何を考えて取り組むかによって、身につく力は大きく変わる。
そこが営業の面白いところだと思います。
約10人の会社だからこそ、日々の仕事が事業につながっている
Orange Moonは、まだ10人前後の会社です。
営業組織も、これからさらに強くしていく段階です。
だからこそ、一人ひとりの仕事と事業の成果との距離が近いと思っています。
ISの工夫によって、これまで商談につながらなかったお客様に興味を持っていただける。
FSの提案によって、トライアル中のお客様がManualForceの価値を実感し、導入につながる。
お客様から何度も聞いた課題が、営業資料やマーケティング施策の改善につながる。
ときには、その気づきがプロダクトの改善を考えるきっかけになることもあります。
以前の記事では、営業メンバーがマーケティングの企画まで担当する可能性についても書きました。
ただ、最初から何でもやってもらいたいわけではありません。
まずは目の前のお客様としっかり向き合う。
数字を改善する。
成果を出せるようになる。
その経験を通じて得た知識や気づきを、他の仕事にも活かしていく。
そういう順番が自然だと思っています。
自分が毎日向き合っているお客様の声が、会社の次の打ち手につながる。
これは、小さな会社で働く面白さの一つです。
最後に
Orange Moonの営業は、普段どんな1日を過ごしているのか。
ISは、架電を中心に、資料請求への対応、見込み顧客とのやり取り、継続検討中のお客様の管理などを行っています。
FSは、商談、トライアル説明会、トライアル、振り返り、受注まで、お客様の導入検討を進めています。
どちらも、お客様と向き合う時間が仕事の中心です。
一見すると、地道な仕事の積み重ねかもしれません。
でも、その中で考えていることは、決して単純ではありません。
最初は関心の低かったお客様に、どうやって興味を持っていただくか。
お客様自身も気づいていなかった課題を、どうやって一緒に見つけるか。
実際にManualForceを使っていただき、どうやって価値を感じてもらうか。
そして、どうすれば納得して導入を判断していただけるか。
毎日、こうしたことに向き合っています。
私は、営業の面白さはここにあると思っています。
単に自社の商品を説明するのではなく、お客様の考えや行動が変わるきっかけを、自分の仕事で生み出せること。
もちろん、最初からできる必要はありません。
電話でうまく話せなくてもいい。
商談で失敗してもいい。
大切なのは、そこから学んで、次の仕事を変えていけることです。
Orange Moonは、まだ完成された営業組織ではありません。
だからこそ、日々の活動で成果を出すことも、その営業のやり方自体を改善していくことも、どちらも大切にしています。
お客様と向き合うことが好き。
自分の工夫で、相手の反応や数字が変わることに面白さを感じる。
そして、ただ営業をするだけでなく、強い営業組織を一緒につくっていきたい。
そんな方とは、ぜひ一度お話しできたら嬉しいです。