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Pactera Xによる本質的な経営課題の解決 ーナレッジ共有とイノベーションの民主化

はじめに

パクテラ・コンサルティング・ジャパン(以下:パクテラ)は日本のDX化を推進させる活動の一環として、最新のテクノロジーに関する考察や事例をレポートさせていただいております。

今回は本質的な経営課題であったナレッジ共有イノベーションの民主化にフォーカスし、パクテラのPactera Xによる解決についてご紹介させていただきます。

外部環境の変化

出典:World Population Prospects 2019

まず、APAC(アジア太平洋)地域において確定された中長期的な変化に、少子化・高齢化があります。出生率は減少傾向にあり、全人口に占める70歳以上の割合は増加傾向にあります。少子高齢化は、もはや誰の手でも解決できない構造的な変化と言えます。


出典:World Trade Organization

次に、APAC地域における財・サービス輸出入額について考察していきます。財・サービス輸出入額は、どれも前年比で安定的に成長しています。これにより、グローバル競争がスタンダードになった、ということが分かります。

これからの成功要因

人的資本の総動員が求められる

出典:Uzabase

外部環境の変化である、少子化・高齢化により採用条件に合う有望な人材獲得が難しくなり、また内部環境の変化である社員の平均年齢の上昇により、長年の経験値の流出の恐れが生まれました。故にこれからは人的資本の総動員が求められ、社内で蓄積してきたナレッジを集約して、限られた人的リソースで成長していく必要があるのです。つまり、企業は現在抱えている人的資本を効率的に活用した成長が必要不可欠です。

中国で導入されている新たなマネジメント手法

出典:
Womack, James P.; Jones, Daniel T. (2013), Lean Thinking: Banish Waste And Create Wealth In Your Corporation, Simon and Schuster, ISBN 9781471111006
Merrill Douglas (June 2013). "The Lean Supply Chain: Watch Your Waste Line". inboundlogistics. Retrieved 22 February 2017.
Levinson, William A. (2016). Lean Management System LMS:2012: A Framework for Continual Lean Improvement. CRC Press. p. 11. ISBN 9781466505384. Retrieved 5 May 2019.

中国では、「リーンマネジメント」と呼ばれる新たなマネジメント手法が導入され始めています。元々映像業において使われていた「リーン(Lean)」という状態を示すワードが語源となっており、さらに遡るとその源流はトヨタの「カンバン方式」という有名な生産方式にたどり着きます。

リーンマネジメントの最終目的は「最小限の資源で生産性を高めること」にあり、今や様々な業界で使われるようになりました。具体的には、組織全体に対する思考を変えることで、価値を生まない業務プロセスを徹底的に軽減し、顧客に付加価値を与えることに人的資源や経営資源を集中することで目的を達成します。

個々の従業員が持つ潜在能力を引き出す時代へ

出典:https://36kr.com/p/776771273411200

リーンマネジメントは、製造業発の概念ということもあり、古くから製造現場における実装が主な手段でした。しかし、企業価値の源泉が有形資産から無形資産に移行している現代では、本社機能やオフィスワーカーの現場におけるリーンマネジメントも着手されています。

中国企業で導入が進められているリーンマネジメントの構想では、「部門別目標」「重点戦略」「タスク」「業務指標」の4つの要素を用いて従業員と経営者の双方にアプローチし、パーティクル・マネジメントの時代へ向かいます。

現在まで先延ばしされていてた経営課題

人的資本の個別管理には、ナレッジシェアリングが必須

マイクロマネジメントが主流になっていく中、個人間・チーム間のナレッジ共有は、必要不可欠です。しかし、デジタル化社会において、社内ナレッジ共有・継承ツールはまだまだ浸透しきっていません。

エンタープライズ向けのソフトウェアツールは浸透してきており、社内・顧客情報管理やオンラインでのコミュニケーション、ペーパーレス化などは広く行われるようになってきました。

しかし、ナレッジシェアリングはまだまだ未開拓です。オフィスワーカーやエンジニア、セールスマンに対し、ナレッジを共有することで業務生産性の向上が期待できます。

方法は以下の2つ
A:プッシュ戦略 → マニュアル化・教材化し、eラーニング形式で受講できるようにする
B:プル戦略 → データベース・プラットフォーム構築によるフリーアクセス化
が考えられます。

暗黙知から形式知への転換が鍵

そもそも、これまでのビジネスプロセスは、暗黙的に運営されてきたことが多く、デジタル化による早急解決無くしてナレッジシェアリングの浸透が困難です。そして、ナレッジシェアの促進には、以下の3つが欠かせません。
1. 通常業務の時間を削ったり専用の人材を活用せずに共有できる
2. ドキュメントだけではなく、言語化が難しい行動記録も含めて共有できる
3. ユーザー(=従業員)の恣意性が混在しないように共有できる

イノベーションの民主化

これからのイノベーションは1人の天才が作るものではない

1人の天才のアイデアが市場を動かすまでには、実装・生産し、マーケットフィットさせ、顧客をつなぎとめるという工程があるため、あらゆる領域でナレッジシェアリングによるイノベーションの民主化が求められます。

Pactera X とは何か

「非構造化データ」を蓄積・共有・継承する

どの情報がパートナー企業のビジネスにとって重要なのかを把握し、共有できる体制を整えることで、イノベーションの促進を支援するのが、Pactera X です。
Pactera X で計画策定・実装・ナレッジマネジメントを行い、組織内の重要員全員が価値の高いノウハウを活用できるようになるためパフォーマンスが向上します。

リーディングカンパニーであるゼネラ社と協業

パクテラはヒトの行動をデジタル技術によって見える化するためのコアエンジンに関する豊富な経験を持つゼネラ社と事業提携を行い、デジタルソリューションプラットフォームを活用して、データの構造化に成功しました。

「NBA」「NLP」「STT」「TTS」の4つの技術を活用しながら社内データを蓄積していくことで、個々の企業にとって個別最適化されたシステムが生まれます。

具体的な事例

生命保険会社でのコールセンター業務

全体でごく一部のトップオペレーターとその他のオペレーターの間で受注率のバラつきが見られ、是正が必要でしたが、トップパフォーマーの行動分析を通じて改善しました。

受注率のバラつきを改善することで平均受注率は向上し、更にコンプライアンス違反の防止、eラーニング教材として人材育成の促進にもつながりました。

製造業における高齢退職問題に終止符となる一手

これまで、ナレッジが豊富な高齢従業員を再雇用でつなぎとめていましたが、Pactera X を導入して音声データや映像データをデジタル化し、ラーニングプラットフォーム上で共有することで、高齢退職問題を解決しました。

Pactera X の目指すビジョン

ヒトが生み出し、属人化を経ずに循環する仕組みへ

自らイノベーションを起こせなくても、ビジネスプロセスに関わる当事者全員がハイパフォーマーとしてイノベーションを実装できる時代へ突入を目指します。ヒトが生み出したナレッジをデジタル化することで可視化と蓄積を行い、これを従業員に共有することで、従業員全員をハイパフォーマーにします。

採用による固定費増加を回避しながら事業拡大

社内特有のナレッジの構造化が進めば、人的資本に頼らずに、顧客とコミュニケーションを取れるようになると考えます。

ヒトが生み出したナレッジをAIアルゴリズムなど最先端テクノロジーを活用して蓄積し、バーチャルオペレーターに継承すれば、採用による固定費増加を回避しながら事業拡大が可能です。

終わりに

本レポートをお読みいただきありがとうございました。今回はナレッジ共有をテーマにリサーチを行い、考察や事例を紹介させていただきました。

目まぐるしいスピードで経済成長を遂げる中国ですが、その裏側であらゆる方面でデジタル化が促進され、業務効率化やサービスの質の向上が図られています。

今後も私たちパクテラはグローバルカンパニーである利点を活かし、日本だけでなく世界のマーケットに目を向け、トレンドとなるテクノロジーやそれに関する事例やインサイトを本レポート通じて提供させていただきます。

是非、よろしくお願いいたします。

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