「地に足のついた“実業”がやりたい」── 博報堂で8年間、データドリブンマーケティングの最前線を走り続けてきた馬場さん。華やかな広告業界の中心で成果を上げながらも、彼の心に芽生えたのは“現場で価値を生み出す実業への渇望”でした。
30代を迎えて選んだ次のキャリアは、ノバセルでの事業開発。
広告業界の変化を肌で感じながら、なぜ彼はベンチャーへ飛び込んだのか。そして、入社から約1年、AI×マーケティングの「工場」づくりに挑む今、どんな手応えと学びを得ているのか。大手とベンチャー、両方のキャリアを持つことの意味を語ってもらいました。
目次
広告業界を選んだ原点 ー「伝えたい人の手伝いがしたい」
ノバセルを選んだ理由 ー ラクスルの“血”が流れる事業開発の魅力
AI×マーケティングの「工場」を作る!前人未踏の挑戦
「やらなきゃいけない」環境が、自分を鍛えてくれる
編集後記
広告業界を選んだ原点 ー「伝えたい人の手伝いがしたい」
── 馬場さんは新卒で博報堂に入社されたんですよね。もともと広告業界を志望されていたんですか?
馬場:実は最初は出版に興味がありました。大学時代は学生出版サークルで本の企画をしたり、出版社の編集者さんと一緒に書籍を世に出す活動をしていたんです。
ただ、就職活動を通して気づいたのは、僕は「本そのもの」が好きなのではなくて、“何かを伝えたい人の手伝いがしたい”という思いが強いということでした。だったら、媒体や手法に縛られずに「どう伝えるか」を考える仕事のほうが合っているのではと思い、広告業界を選びました。
── 博報堂ではどんな仕事をされていたのでしょうか?
馬場:ストラテジックプランナーとして、最初の配属はデータマーケティングの部署でした。当時は、One to Oneマーケティングや購買データ・エリアデータを活用したターゲティングなど、今では当たり前になった手法をつくり上げていく時代。僕自身、マス広告のような一方通行のコミュニケーションに違和感があり、「PDCAを回せる仕事がしたい」と思っていたので、とても肌に合っていました。
ただ、データマーケティングを続けるうちに「このままでは本質的に何も変えられない」と感じるようになりました。ユーザー体験を変えようとするなら、システムやテクノロジーの理解が不可欠だと気づいたんです。
そこで第二配属の機会を活かしてマーケティングシステムコンサルティング局へ異動し、CRM基盤の構築支援やMAツールの導入など、より実装・運用に踏み込んだ仕事に取り組みました。戦略やプランニングにとどまらず、業務やシステムの観点からクライアントの実務の進化に携わったこの経験は、今のキャリアの基盤になっています。
ノバセルを選んだ理由 ー ラクスルの“血”が流れる事業開発の魅力
── 8年間勤めた博報堂を離れ、転職を決めたのはなぜですか?
馬場:第二配属からちょうど3年が経つタイミングと、30歳を迎えるという自分の中の節目が重なり、改めて「社内で次のキャリアに踏み出すのか、それとも外の環境に出て挑戦するのか」を真剣に考えるようになりました。
大手だけ、ベンチャーだけという偏った世界しか知らないと、将来的に選択肢が狭まってしまう。すでに大手を経験した自分にとって、ベンチャーでの経験を積むことで“両方を知る人材”になれるのではないか ── そんな思いが、転職という選択を後押ししました。
── キャリアの選択肢を広げるための戦略的な転職だったんですね。
馬場:そうですね。広告会社でのクライアントワークを通じて、第三者的な立場での支援を続ける中で、「もっと地に足のついた実業がやりたい」という気持ちが次第に強くなっていきました。博報堂の新規事業開発は、グループシナジーを活かした壮大なプロジェクトや、未来志向のテーマが多かったんです。それも魅力的でしたが、自分自身の成長のためにも、泥臭くても確実に価値を生み出すような、そんな事業開発がしたいと考えました。
── 数あるベンチャーの中で、ノバセルを選んだ決め手は?
馬場:もともとラクスルの「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに強く惹かれていました。BizDevという言葉を広めたこと自体が、ラクスルの世の中への大きなインパクトだと思っています。ノバセルには、そんなラクスルの“血”が流れている。
また、ノバセル代表の田部さんから「職種と業種を同時に変えるのではなく、まずはどちらか一方をピボットしてみては?」というアドバイスをもらったことも印象的でした。マーケティングという軸は残しつつ、支援から事業開発へと軸足を移す。その考え方が腹落ちして、ノバセルへの入社を決めました。
AI×マーケティングの「工場」を作る!前人未踏の挑戦
── 現在はどんな仕事をされていますか?
馬場:今は、ウェブ広告領域でAIを活用した「ファクトリー」をつくるプロジェクトをリードしています。
属人的だったマーケティング業務を型化・標準化し、高品質なアウトプットを再現性高く生み出す ── そんな“工場のライン”を構築しています。社内では「工場長」と呼ばれています(笑)。
── まさにAI時代のマーケティングですね。
馬場:そうですね。バナー制作やLP制作をAIで効率化しながら、成果が出る“型”をつくり、そのデータを蓄積して改善サイクルを回していく。「属人的だったマーケティングを、再現性のある仕組みに変える」というイメージですね。
戦略立案からMVPづくり、デリバリー、そして組織づくりまで全部やるのが事業開発。採用やPL、中長期のデータ戦略にも関わるので、毎日が挑戦の連続です。
── 採用について、もう少し伺えますか?
馬場:「工場のライン長」と「新規ライン開発メンバー」2つのレイヤーで採用しています。
前者は、既存の仕組みを改善し続ける“ライン運営のプロ”。後者は、次にどの領域を工場化すべきかを構想する“新しいラインの設計者”。どちらもAIを前提にした事業開発なので、最新テクノロジーへの興味は欠かせません。右脳と左脳の両方を使って、データとクリエイティブを行き来できるバランス感のある人が向いていると思います。
「やらなきゃいけない」環境が、自分を鍛えてくれる
── 入社して感じたノバセルの魅力は何でしょう?
馬場:博報堂のように整った育成環境ではないですが、「成長したい人」にとっては最高の環境です。
入社してまず驚いたのは、事業開発メンバーのレベルの高さ。自分より年次が浅くても、仕事の進め方に一目置くメンバーがたくさんいます。挑戦の機会が多く、優秀な仲間が周りにいる環境は、身を置くだけで学びになる。良くも悪くも常に発破をかけられるブートキャンプのような日々はつらい時もありますが、僕は自分がサボるタイプだと思っているので、サボれない環境の方がありがたいんです。やってもやらなくてもいい環境で頑張るのは大変ですが、「やらないと死ぬ」という状況なら、人は強くなれますから。
そしてノバセルを率いている田部さんの圧倒的な実行力。会社として方向転換が必要な時も、自ら率先して一番動いている姿を見ると「この人が言うならやるしかない」と思えます。
── 今後のキャリアをどう描いていますか?
馬場:まずは今の事業をしっかり仕上げること。そのうえで、CMOというよりはCOO的なポジションに関心があります。
採用や評価制度の設計など、組織全体のバランスを取りながら、みんながやりたいことを楽しく実現できる環境をつくる人になりたいです。
僕は「何か一つに突出している」タイプではなく、データもシステムもマーケティングも事業開発も経験してきた“中庸”な人間。だからこそ、全体をつなぐハブとしての役割を果たしていきたいと思っています。
編集後記
インタビューを通じて印象的だったのは、馬場さんの戦略的なキャリア設計と“実業志向”のバランス感覚でした。
大手とベンチャー、両方を経験することで選択肢を広げるという発想は、30代のキャリアチェンジを考える方にとって大きなヒントになるはずです。
そして「伝えたい人の手伝いがしたい」という一貫した軸を持ちながら、データ・システム・AIへと領域を広げてきた彼のキャリアは、マーケティングの未来を映す鏡のようでもあります。
「毎日がブートキャンプ」と笑いながら語ったノバセルでの日々。誰も正解を知らない「AI×マーケティングの工場」づくりに挑むその姿勢から、事業開発という仕事のリアルと面白さが鮮やかに伝わってきました。
🏋️ 現在、ノバセルでは事業開発メンバーを積極採用中です。馬場さんと一緒に、マーケティングの新しいあり方をつくっていきませんか?