データとAIでカスタマーサポートを変革するRightTouch、シリーズAラウンドで8億円の資金調達を実施し累計調達額は14.2億円に |株式会社RightTouch
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https://righttouch.co.jp/news/FpF1waA5
※この記事は2025年5月に『RightTouch公式note』に掲載した記事を転載しています。
こんにちは、RightTouchでアクセラレーター(法務)をしている古澤です。
RightTouchでは、hanamaruというあだ名で呼ばれています。
RightTouchは先日、プロダクト3周年記念を迎え、この度シリーズAの資金調達を行いました。
3周年記念と資金調達を記念して、RightTouchではリレー形式でのブログ投稿を行っています。
本記事では、アクセラレーター的な観点を入れながら、スタートアップの法務が持つべきマインドとスキルについて自分の考えを述べます。
「アクセラレーター」って何?と思った方は、先日公開された同じアクセラレーターの山田さんの記事を読んでください!
とてもアツい記事なのでおすすめです。
同記事で紹介されている「アクセラレーターマインド」は、本記事の内容とも重なるため、何度か言及します。
本記事を通じて、法務の方には「スタートアップの法務って面白そうかも」「自分のマインドやスキル志向はスタートアップに合うかも」と感じてもらえると嬉しいです。
また、法務以外の方にも、同僚である法務メンバーが考えていることを知って連携を深めてもらったり、法務人材を採用する上でのマインドやスキルを考える材料にしてもらえるとありがたいです。
はじめに
簡単な自己紹介
簡単な事業紹介
本題:マインドとスキルの全体像
マインド①事業への共感と貢献意識
モチベーションの源泉となること
法務業務の品質向上に繋がること
マインド②:人との関わりを持つこと
マインド③「リスクを減らす」ではなく「リスクを最低限減らす」意識
スキル①法律の専門知識と実務経験
マインド④法務の枠を超えること
スキル②周辺領域の基本知識
補足
まとめ
古澤 拓/Furusawa Taku 東京大学法学部・一橋大学法科大学院を卒業後、2014年12月に弁護士登録。 企業法務系の法律事務所にて一般企業法務、M&A、訴訟対応などに従事。その後、法務の立場で事業の成長を後押しする実感をより持ちたいとの思いからキャリア転向し、企業内弁護士としてスタートアップ2社で企業法務・IPOなどを経験。 2025年1月にRightTouchに入社。
上記のとおり私は弁護士として10年ほど企業法務に携わっており、4年半ほどは法律事務所にいましたが、その後はスタートアップの企業内弁護士として通算5年半ほど過ごしています。
2社目のスタートアップはIPO前に入社して無事IPOを果たしたため、上場会社の法務実務を含め一通りのことは経験しています。
RightTouchの事業を簡単に説明すると、SaaS事業であり、カスタマーサポート領域に向けたBtoBのSaaSプロダクトを複数展開しています。
事業の背景には、「あらゆる人を負の体験から解放することで、人と企業の可能性を引き出す」というミッションがあります。
今はテクノロジーの進化によって、Webサービスを始めとするいろいろなサービスは、多彩で便利な機能を提供できるようになりました。
しかし、その価値(ポテンシャル)が最大値でユーザーに届いていない、という課題があります。
その原因にあるのは、サービスの使い方が分かりづらい・調べても解決できない・問い合わせに時間がかかる、などの「負の体験」です。
このような負の体験を解決するのは、サービス提供事業者のカスタマーサポート部門の役割です。
RightTouchのプロダクトは、カスタマーサポート部門がユーザーの負の体験を解決できるよう、テクノロジーの力で支援することを目的としています。
私がRightTouchの事業やミッションを最初に聞いたとき、テクノロジーの進化により本来は大きな価値を生み出せるはずなのに、それが100%ユーザーに伝わっていない状況はたしかに存在するし、それは非常にもったいないと感じて、ミッションに強く共感しました。
上記を読んで「たしかに」と感じていただけた方は、カスタマーサポート領域に取り組むその他の意義や可能性について、RightTouchの代表が書いた以下の記事もぜひ読んでほしいです。
ここから本題です。
スタートアップの法務が持つべき4つのマインドを軸にして、関連するスキルにも触れつつ、そのマインドを持つことによる効果について私の考えをまとめます。
まず最初に、全体像を図式化してみました。
まず最初のマインドが「事業への共感と貢献意識」です。
平たく言えば「自社の事業が好き・社会的意義がある・社会に浸透してほしい」という気持ちです。
このマインドが必要となるのは、モチベーションの源泉になるため、そして法務業務の質の向上にも繋がるためです。
スタートアップでは、事業が成長しやすく、また人員が少ないため自身の寄与度も感じやすい環境にあります。
そのため、事業への共感や貢献意識を持つことで、事業の成長を自分自身の目標や達成感に結び付けることができます。
法務以外の人にとっては、事業の成長がモチベーションになるのは当たり前のことかもしれません。
しかし、法務やその他の管理部門には、次のような特徴があります。
このように、自分の業務と事業との間に隔たりがあるため、事業の成長をモチベーションの原動力とするためには、そのような意識作りが必要となります。
また、特に転職のタイミングでは事業の好き嫌いを考慮する人は多いと思いますが、入社後も継続的にこのマインドを意識し続けることが重要です。
なぜなら、法務の仕事をこなしているだけでは、以下のように事業への思いが薄れていったり、時にはマイナス影響を受けることがあるからです。
これらのマイナスの引力に負けないよう、継続的に、それこそ自分を洗脳するくらいの勢いで、「事業が好き」だと思うために行動する必要があります。
では、「事業への共感と貢献意識」を持つためにはどうすればいいか。
必要なのは、何よりも、事業のことを深く知ることです。
今、新規プロダクトや新機能として何がリリースされるのか。
それによってどういう価値が社会に届くのか。
そこに込められたDevメンバーの思いは。
プロダクトを社会に届けるためにBizメンバーはどういうことに取り組んでいるのか。
そういったことを知る機会を逃さず、また自分でも機会を作って情報収集に努めることを意識する必要があります。
アクセラレーターマインドの「“超”事業理解」と同じです。
事業のことを深く知ることは、法務業務の品質向上にも繋がります。
基礎的な部分では、たとえば自社プロダクトで起きる個人情報の取扱いが適法なのかを顧客から聞かれることがあります。
それに正しく答えるためには、自社プロダクトにおける情報の流れ、取扱い目的、取扱いの態様、外部クラウドサービスの利用の有無などを正しく理解しておく必要があります。
また、プロダクトの新たな開発の方向性を知ることで発明発掘・出願の活動のきっかけとすることも考えられます。
より高度な取組みとして、たとえばBizチームとの連携を深めることで、受注の際にボトルネックになりやすい顧客側の法的論点があることに気づき、商談の初期からその論点の解消を促せるように営業資料の修正を提案するなど、法務が能動的に価値を生むことも考えられます。
なんだか脱・引きこもりみたいなマインドですね。
マインド①で少し触れましたが、法務の業務は「人のために行う」ものが中心という特徴があります。
そのため、人のために頑張ろうと思うことは、モチベーションの源泉になります。
そして、人のために頑張ろうと思うためには、シンプルに、その人のことを知ること(関係性を築くこと)が必要です。
人間誰しも、よく知らない相手よりも、よく知っている相手への方が親切にできますよね。
RightTouchでは、SlackやProgress(全社会)でプロダクト開発の進捗や商談・受注状況がオープンかつ頻度高く情報共有されます。
それを見ていると事業に対して全員が真剣に向き合っていることがすごく伝わり、メンバーに対する尊敬の念しかないため、それだけでも十分モチベーションになります。
さらに、社内や社外も交えた交流イベントが定期的にあるため、そこでメンバーのこと一人ひとりをよく知ってこそ、より本気で力になりたいという気持ちが湧いてきます。
特に、法務の業務はリモートワークがしやすいため(ファイルのやり取りが多かったり、正確性を重視するためテキストコミュニケーションが望ましいため)、油断すると人との距離が遠くなってしまいがちです。
そのため、人との関わりを意識する必要があると考え、マインドとして掲げました。
また、法務の業務は人から依頼を受けるだけではなく、人に何かを依頼する機会もそれなりにあります。
たとえば資金調達の法務DD対応の中で、回答のためにプロダクトや事業の細かな情報が必要になり、他部署に情報を提供してもらう場面などです。
そのような場合にも、人との関係性を作っておくことは大切です。
これは法務業務の品質向上に直結するマインドです。
法務の界隈でよく言われる言葉として、新規事業の立ち上げなどの「攻めの法務」の領域では、「リスクがあるからNoで終わらず、「どうすればOKになるか」まで提案する姿勢が重要である、という言葉があります。
これは本当に重要なことだと思いますが、割と言い古されている感があるので、ここではこれ以上は広げません。
(ちなみにこれはアクセラレーターマインドの「なぜダメかより どういけるか」です。)
これと似たような、しかしあまり言われていない気がする大事な姿勢として私が考えていることがあります。
それは、社内体制の整備など「守りの法務」の領域で、「リスクは限りなく0にするのではなく、最低限、受け入れ可能な範囲まで減らす」ということです。
スタートアップでは、IPOに向けた社内体制(ルールや承認制度)を作ります。
ルールや承認制度は、不正やミスの可能性(リスク)を減らすために存在します。
しかし、リスクというものは、0に近づけていくほど、リスクを減らすために必要な負担(コストや社内の運用の手間)が大きくなっていくという特徴があります。
イメージとしてはミクロ経済学における限界効用逓減の法則に似ています。
たとえば、メールの誤送信のリスクを0に近づけるために、システム部門に申請・承認しなければ送信サーバーで送信メールがブロックされる仕組みにしたり、いっそのことメール機能を一切使えないようなルール・仕組みにするのはどうでしょう。
たしかにリスクは減りますが、それによって運用上の大きな負担が生じることが分かると思います。
そのため、社内体制の整備など「守りの法務」の領域においては、「リスクをなるべく減らすような設計にしよう」ではなく、「リスクを減らすのには負担が伴うことを意識して、リスクと負担のバランスを見極めて最適な制度設計をしよう」というマインドを持つことが必要です。
アクセラレーターマインドの「最大のパフォーマンスは最小のルールから」に似たような考え方です。
上記で書いたような「リスクと負担のバランスを見極める」ためには、リスクの大きさを正確に評価したり、リスクを低減・移転させる手段の引き出しを多く備えておく必要があります。
特に法務に求められるのは、法的リスクについての上記の能力・知見です。
たとえば、契約に関する社内手続を作るのであれば、法的リスク=不利な契約を結ぶリスク・違法な契約を結ぶリスクについて、以下のようなことを考える必要があります。
このようなリスクの分析・評価をするためには、法律の専門知識はもちろんのこと、契約法務や社内規程などの実務の知見を総動員する必要があります。
これらは法務の専門性そのものであり、法務たるもの、実務経験の蓄積はもちろん、専門知識や実務動向をアップデートし続けたり、専門家や他社法務との情報連携に努める必要があります。
また、自社のリスクや運用の負担を正確に評価するためには、自社に特有の知識(プロダクトや事業の特殊性、他の社内手続との繋がりやバランス感など)も欠かせません。
ここでは自社の事業を深く知るというマインド①が生きてきます。
これも法務業務の品質向上に直結するマインドです。
法務の元には、法律相談という独特の切り口から、さまざまな情報が集まります。
また、法務自身が積極的に情報を収集することも推奨されます。(→マインド①)
そのようにして得た情報を、法的論点の検討にだけ用いるのはもったいないですよね。
そのついでに周辺領域(経理・税務・知財・情報セキュリティ体制など)における論点を抽出し、専門チームに連携する役割を果たすことは、僅かな負担で付加価値を生むことができます。
たとえば、顧客から利用規約の一部変更の覚書を提示された場合に、売上計上処理の観点でイレギュラーがあるかもしれないと考えて経理チームと連携するとか、プレスリリース文面のリーガルチェックをする際に知財観点で公表すべきでない内容(特許出願を予定している開発中の機能など)が含まれていないかを確認する、といった具合です。
特に、スタートアップでは社内の業務フローが十分整っていないこともあるため、必要な観点での検討が漏れたまま案件が進むことが起きてしまいます。
それを防ぐために、法務の枠を超えて、チームの間に落ちてしまいそうなボールをなるべく拾う。そのためにアンテナを広く立てておく。
それがこのマインドです。
アクセラレーターマインドの「職種一人前=アクセラ半人前」も同様の考えです。
そのような役割を発揮するためには、マインドだけではなく、スキル面も必要になります。
それが周辺領域の基本知識です。
「周辺領域」の範囲は会社のチーム構成や事業によってさまざまですが、たとえば経理・税務・知財・情報セキュリティなどが考えられます。
「基本知識」は、抽象的な説明になってしまうのですが、個別の案件を見たときに、その分野の論点やリスクがあるかもしれないと気付ける程度の能力です。
その論点について正確な答えを出したり、リスクに対する対応を最終判断する能力までは不要です。その部分は専門チームや外部専門家に委ねればいいからです。
やや蛇足気味ですが、2点補足します。
以上、私の考えるスタートアップの法務人材が持つべきマインドとスキル、そして果たすべき役割でした。
もう一度最初の図を貼って、まとめの代わりにします。
もし、私の考えるマインドとスキル志向に共感していただける方がいましたら、ぜひ私たちの仲間になって、一緒に強い法務チームを作っていきましょう。
向かって左から、星(財務経理)・山田(労務)・古澤(法務)
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<採用強化中:RightTouch採用概要>
資金調達に伴い、カスタマーサポート領域全体の変革に向けた事業をさらに推進すべく全職種で積極採用中です。
当社のチャレンジにご興味を持っていただいた方はぜひRightTouch経営陣による「オンライン座談会」へのご参加、または以下の採用サイト応募導線からのご連絡をお待ちしております。
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