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未来は変わる!変えられる!

起業に失敗

大学卒業後に入社したJTBでは、企業の海外視察を担当していました。小売、農業、宿泊、電力など、様々な業種の経営者といろいろな国を訪れ、日本にはない最新の事例を目にしました。

旅先で毎晩、食事をしながら経営者の話を聞くうちに「経営者ってかっこいい!」「自分も経営者になりたい!」という思いが強くなりました。28才のときに事業の立ち上げを決意。仕事が終わってからビジネススクールに通い、事業計画を何度も作り直しました。当時はまだ介護保険施行前で「これから高齢者が増える」と言われていました。選んだ業種は「高齢者向け弁当の宅配事業」。まだフランチャイズなどもなく、特に私が住んでいた札幌では、冬の宅配ニーズは極めて大きく「成功間違いなし」と思えるプランでした。

しかし、現実は甘くなかった。

当時の私は貯蓄ゼロ。初期投資は全額、銀行からの融資をあてにしていました。希望額は800万。それだけの金額を借りるために、何度も銀行に足を運びました。それでも毎回、門前払い。最後には「実家を担保に入れるなら貸しましょう。お父さんをつれてきなさい。」とまで言われました。それはつまり、自分が失敗したら、おやじが建てた家、自分が育った家がとりあげられるということです。

断念せざるを得ませんでした。

介護事業との出会い

この一件から「経営をもっと学びたい」と思い、大手コンサルティング会社の船井総合研究所の門をたたきました。配属されたのは旅館業を担当するチーム。旅行会社出身だからという理由でしょう。当時は、いまでは想像もできないくらいの労働環境で、入社当日から2泊徹夜。休みもほとんどありませんでした。しかしそれは、私にとっては好都合でした。コンサルティング会社は、ビジネスアイデアの宝庫です。体力的にはきつかったですが、とても刺激的な毎日でした。

ある日クライアントから「介護事業はこれから有望か?」という相談をうけました。もともと高齢者向けビジネスをしようと考えていたくらいですから「すぐ調べます」と即答し、調査を開始しました。ところが、当時はまだ介護に関連する書物はほとんどなく、調査データもありません。仕方なく、ネットで出てきたところに電話でインタビューしたり、特養やデイサービスなどにアポイントをとって、ヒアリングしたりしました。みなさん親切で、何を質問しても丁寧に教えてくれる時代でした。

衝撃でした。。

当時はまだ「痴呆棟」などがあり、鉄格子のついたドアの無効に認知症の方が暮らしていました。デイサービスなども、よく言えば牧歌的。悪く言えば放置で、サービス業で育った私には、信じられないような状態でした。施設がかなり不足していて”預かり”さえすれば喜ばれるような時代だったのでしょう。”ちゃん付け”なんて当たり前。一人の職員が、3台の車椅子を同時に押すシーンなどにも遭遇しました。(もちろん、質の高いケアをしていた施設もあったことを補足しておきます)

クレームが殺到した初セミナー

この光景を見て私は、大きなビジネスチャンスを感じました。マーケティングも、サービスもない業界。しかもこれから爆発的に成長する産業です。コンサルタントとしてやれることも盛りだくさんだと感じました。

そこで私は「介護の専門家になる」と社内で宣言しました。早速、セミナーの企画書を仕上げ、上司に提出しました。「福祉なんてお金にならない」「そんなのはやめておけ」と、上司や先輩から散々言われました。「自分の仕事はしっかりやります。空いた時間で研究させてください」と言い続けたところ、上司も根負けして許可をしてくれました。

セミナーは、クレームの嵐でした。。

初めて手掛けたセミナーは、参加費が2万円もするにもかかわらず、80名を超える方々が集まりました。みな、介護事業の経営者です。そこで私は、4時間かけて「介護業界にもマーケティングが必要だ」「サービスを徹底的に磨いて、顧客満足度を向上しよう」「利益を得て、戦略的に拡大しよう」と説きました。当時の介護業界は「儲けてはいけない」という考えがまかり通っていましたから、事後のアンケートでは「ふざけるな」「聞いていて気分が悪い」「素人が勝手なことを言うな」と散々なことを書かれました。途中で退席する方も続出しました。

しかし、8社もの会社から、コンサルティング依頼がありました。それが私の介護経営コンサルタントとしてのスタートです。

介護業界の変われば、日本の未来が変わる!

それから19年。今では独立して、コンサルタント仲間と全国をとびまわって経営指導をする毎日です。おかげさまで業界内では、確固たるポジションをいただいており、ご依頼がひっきりなしにある状態です。営業などはありません。ノルマもなし。講演、執筆依頼も多く、全てのスタッフが全国を出張しながら活躍しています。

加えて、介護事業も開始しました。最初は、自分のアドバイスが「机上の空論」ではないことを証明するための行動でしたが、今では多くの優秀な人材が仲間入りし、ユニークな活動を多々実践しています。

私たちがコンサルタントとして目指していることは2つあります。

1つは、クライアントに「地域一番」になっていただくこと。一番になるということは、高品質のケアを提供している証でもあります。また、一番とは、お客様が一番集まっている状態ということでもあります。社員にとっても、お年寄りにとってもベストな状態。それを後押しするのが、私たちコンサルタントの役目です。

そして2つ目は、介護業界の明るい未来をつくることです。そういうと壮大な感じがしますが、どちらかというと生活者に近い視点で考えています。いまの日本は、歳をとることに対してネガティブなイメージを持っている方がたくさんいます。しかし、介護事業がもっともっと素敵なサービスを提供できるようになり、介護職の皆さんがいま以上に能力を発揮してキラキラと輝くことができれば、歳をとることにポジティブな方も増えるのではないかと考えています。

介護業界の未来が、高齢者の未来、日本の未来につながっている。

そう考えて活動しているのです。

仲間になってほしい!

いま、介護業界は慢性的な人手不足です。職員が充足しないために閉鎖する施設もあります。それでも高齢者は増えていきます。介護業界の明るい未来を築くためには、人材が必要です。それも、もっといろんな知識、技能を持った方、いろんな職歴の方に介護業界で活躍してほしい。そのために、クライアントに対する採用面のサポートを強化していきたいと考えています。

クライアントは、あなたとの出会いを待っています。ぜひ仲間に入ってほしい。そして、業界の活性化に力を貸してください。

株式会社スターコンサルティンググループでは一緒に働く仲間を募集しています
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