初めまして。
SGPで代表を務めております、マーケターの坂本と申します。
今回は「総合的マーケティング力を身につけることが、キャリアの分かれ道になる」という私の考えについて、お伝えさせていただきます。
現在、広告運用やSNSマーケティング、制作ディレクションや広報PRなど、何かしらの領域で成果を出しているマーケターの方も多いと思います。
しかしその一方で、漠然とした「このままでいいのか」という不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
・今の業務は評価されているけれど、手応えがない
・「マーケティングの全体が見えるようになりたい」と思っているが、何をすればいいのかわからない
・スキルは伸びているはずなのに、キャリアとしての価値が頭打ちになっている感覚がある
私自身、広告代理店に在籍していた当時、まさにこうした違和感を抱えていました。
広告運用という「できること」の範囲では成果も出していましたが、それ以上の広がりがなかったのです。
今振り返れば、その原因は「視点の狭さ」にありました。自分の目の前のKPIや数値目標には向き合えていた一方で、事業全体の構造や売上の因果には目が届いていなかったのです。
その視点の狭さが「改善しているのに、成果が出ない」という閉塞感を生み出していた。
つまり、自分の武器だけで戦っていたから、突破できなかったのです。
本記事では、こうした行き詰まりの正体を言語化しながら、
・「一部だけやるマーケティング」がなぜ限界を迎えるのか
・「総合的なマーケティング力」を持つ人は、なぜキャリアが強くなるのか
・そしてその力を、どうすれば身につけられるのか
この3つの視点で、できるだけ実感を伴うかたちで、お伝えできればと思っています。
キャリアの中で少しでも伸び悩みを感じている方にとって、本記事が次の一歩のヒントになれば幸いです。
【自己紹介】
株式会社SGP 代表取締役 坂本真司
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2015年 Supership(KDDIグループ)株式会社
2018年 株式会社ワンメディア
2020年 株式会社SGP 創業
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Web広告代理店やメディア企業にて、Web広告およびSNSマーケティングを
300クライアント・1,000アカウント以上担当。前職ワンメディアでは、広告事業部の立ち上げを担う。
2020年に株式会社SGPを創業し、2021年からはDMM.comグループが運営する
「マケキャンbyDMM.com」のスクール事業責任者にも就任。「マーケティングの一部」では、いつか行き詰まる
マーケティングの実務に携わっていると、特定の分野で成果を出すこと自体は、そこまで難しくありません。
広告運用なら、CPAやROASを改善する。PRなら、掲載メディアの数を増やす。Web制作なら、CVRの高いLPをつくる。それぞれに評価指標があり、経験値を重ねれば「その領域の成功体験」は蓄積されていきます。
しかし、この「部分的な成功体験」が、あるときから自分の成長の足かせになる瞬間があります。
「クリエイティブを改善しても、LPを変えても、成果が上がらない。これって、広告以前の問題なんじゃないか?」
売上が上がらなかったのは、プロダクトの価値訴求が弱かったり、ターゲットがズレていたり、そもそも競合と比較して勝てるポジションに立てていなかったり。
要するに、「どこで戦うか」「何を伝えるか」といった戦略に課題があったのです。
ですが、自身の担当領域に責任感が強いと「打ち手」の改善ばかりに意識が向いてしまい、そもそもの前提条件を疑う視点はなかなか持ちづらいです。
この視点を持ち合わせていないと、成果が出ないときの仮説の出し方が、極端に狭くなってしまいます。ここに、マーケターのキャリアが詰まる大きな落とし穴があります。
成果が出ないときに「自分の手札の中」でしか改善できない人は、手詰まりを起こしやすい。一方で、マーケティング全体を俯瞰できる人は、「なぜ売れないのか?」を広く捉え、最適な打ち手を選び直せます。
それは手段の切り替えだけでなく、「成果が出る構造」に対する解像度の差です。
この構造が見えないままでは、どれだけ施策を回しても、根本的な改善にはつながりません。
部分的な成果は、マーケターとしての入口にはなります。
ですが、その先のキャリアで通用し続けるためには、「売上全体をどう動かすか?」という視点での成果を追えるようになる必要があるのです。
事業全体の視点=総合的マーケティング力を手にいれる
では、マーケターが本質的なマーケティングの力をつけるとは、どういう状態なのでしょうか。
私は「売上を構成するすべての要素を俯瞰し、自分の意思で手を打てる状態」だと考えています。
つまり、「どこが売上のボトルネックになっているか」を見極め、必要な手段を選び、実行・改善まで回せる状態です。これが「総合的なマーケティング力」の正体です。
たとえば、広告の成果が出ないとき。単純にバナーを差し替えるのではなく、「そもそも誰に、どんな価値を届けるべきか?」というレベルから問い直す。
場合によっては、広告ではなくLPやプロダクト、ターゲット設定を変える方が、成果に直結することもあります。
こうした打ち手の選び直しができるかどうかは、施策レベルの話ではなく、「どの視点でマーケティングを見ているか」によって決まります。
事業全体を見ている人は、マーケティングを「手段」として捉えています。売上が上がるために必要な構造を理解し、どこに手を入れると変わるかを逆算できる。
この視点を持つ人は、どんな環境でも成果を出せます。なぜなら、「売上をつくる仕組み」を設計し、再現できるからです。
一方で、担当範囲が限定されていて、その中だけで解決しようとする人は、常に答えが足りない状態で戦うことになります。仮説の幅が狭く、事業を拡大するという点では再現性を保つことが難しい瞬間があります。
総合的マーケティング力は、単なる「広さ」ではありません。
事業の視点で、最適な打ち手を選び直し、売上を動かす構造を見抜ける力です。
そして、その力を持った人こそが、マーケターとしてどこに行っても通用する人材なのだと思います。
総合的マーケティング力は「一朝一夕」では身につかない
マーケティングの全体像を理解し、事業を前進させる力を持ったマーケターは、確かに市場価値が高い存在です。
では、そのような「総合的マーケティング力」は、どうやって身につけるのでしょうか?
結論から言えば、それは一朝一夕で習得できるものではありません。
本や動画、セミナーなどで体系的な知識を得ることはできますが、それだけでは「見えるようにはなっても、使えるようにはならない」のです。
なぜなら、総合的なマーケティング力とは「座学」ではなく「実戦」でしか磨けないからです。
例えば、戦略設計では、顧客理解、競合分析、ポジショニング設計など、複数の視点から仮説を構築する力が求められます。そして実行フェーズでは、仮説に基づく施策を動かし、数値を見ながら改善を回していく必要がある。
こうした一連のプロセスを当事者として何度も経験することで、はじめて全体を見た意思決定ができるようになります。
実際、SGPにいるメンバーの多くも、元々は部分的なマーケティングの経験者でした。
広告運用だけ、PRだけ、制作ディレクションだけ。それぞれの専門性を活かしながらも、「事業を伸ばす力」には届いていないという共通の焦りを持っていました。
実際にクライアントの事業課題と向き合い、戦略立案から実行・改善までの全体に関わることで、売上を動かす手触りを掴んでいっています。
大切なのは、全体に関わる経験をどれだけ真剣に積み重ねるか。
仮説を出し、施策を動かし、数値で検証し、うまくいかないことを改善する。その繰り返しの中でしか、総合的マーケティング力は養われません。
どこでも通用するマーケターになるためには、才能よりも時間と打席数が必要です。そして、その打席に立てる環境を、どこで選ぶかが問われるのだと思います。
「打席」に何度も立てる場所で、経験を積む
総合的マーケティング力を得るには、たくさん打席に立つことが最短距離です。
本やセミナーで学べる知識は座学にすぎません。実戦経験を積めるかどうかで、キャリアの土台が決まります。
誰も教えてくれない因果関係に気づき、仮説を立て、施策を回し、結果を判断し…その全てを「当事者として繰り返す」環境が必要です。
広告代理店、PR会社、制作会社、事業会社……それぞれに良さがあります。しかし、「上流(戦略)から下流(実行・改善)」まで一貫して任せてもらえる環境は意外と少ないです。
たとえば、まだ戦略だけ、実行だけ、どれか一部だけ…という場合、「肝心の売上の仕組みを設計する力」まではなかなか身につきません。でもその逆に、全体責任の機会をもらえたら、人は瞬く間に全体を思考できる人材へと成長できます。
今キャリアが停滞している・このままでは市場価値が先細りだと感じているなら、どの環境で何を育てるか、その視点を置き直すタイミングかもしれません。
実際、SGPでは創業以来、クライアントの事業を数字で背負う環境を提供してきました。
戦略から手を動かし、数値で責任をとる。成功も失敗も、自分ごととして向き合うことで、本当のマーケティング力が身についていく。
目の前の業務に閉鎖せず、全体を見て決断できる人は、どんな環境でも活躍できます。
逆に、打席に立つ回数が狭まってしまうと、自分で自分の可能性にフタをすることになるかもしれません。
まずは、全体で戦える環境に身を置いてみてください。きっと、伸び悩んでいたキャリアが成長へと動き始めるはずです。
株式会社SGPでは、総合的マーケティング力が身に付く環境を用意しています。
事業を拡大できる本質的なマーケターになるべく、広告代理店・事業会社・Web制作会社・PR会社といったさまざまな領域でプロフェッショナルとして働いていた方が、さまざまなクライアントと向き合い、事業拡大を担う大きな責任を持ちながら、成果に貪欲に働いています。
本質的なマーケターにキャリアを成長させたいという志があれば、ぜひ面談にてお話しさせてください。