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凄く伝えたい。プロジェクトの炎上あるあるを避ける基本の考え方

プロジェクトマネージャーのこんな姿、現場で見たことありませんか。

虚ろな目、空になったレッドブル、もうダメ無理…って顔。

ちなみにこの見慣れない缶は海外版レッドブル、カフェイン量は80mg、タウリン1000mg。これだけのパワーを入れても再起動する気配なし!

プロジェクトマネージャーの胃痛の原因といえば、プロジェクトの炎上。トラブルなく順調に進んでくれればいいけど、プロジェクトマネージャーなら一度は炎上案件に頭を抱えたこと、ありますよね。「テストする以前にそもそもこれ動かないじゃん!!」なんてこともあるある。顧客側の問題でどうにもならない炎上も多いけど、対策とテクニックで乗り切れるものは乗り切っちゃいたいですよね。

外国籍エンジニアが多数参入するオフショアは、炎上の仕方も日本とは一味違う!?でも、ちょっとしたことで案外簡単に解消して乗り切れるんです。ポイントは「コミュニケーションの基本に忠実に」基本的なプロジェクト管理のテクニックで、「なんでそうなるのよ!!」を「お互いに良かった!」に変えていきましょう!

炎上例1)役割分担が曖昧で誰も手を付けないまま放置されたタスクが炎上


誰のタスクかわからないので、一旦とりあえず…で放置。気付けば誰も手を付けないまま進行して、進捗を確認したときには時すでに遅し…!!!どうしてこのタスク放置しちゃったの!

対策法)プロジェクト開始前や定期ミーティングで「役割を可視化する」→「チームで情報を共有する」→「タスクの抜け漏れを補う」→「チームで合意する」

このサイクルをしっかりと作ることで、宙に浮いた迷子のタスクを洗い出し、再配分することができます。そしてなにより、「誰のだかわからないからそっとしておこう」ではなく、「このタスク誰もやってないみたいです」と言える空気が大事。

ここで大切なのは、ミーティングの習慣や共有のサイクルよりも、それをしやすいと感じる「心理的安全性」と呼ばれる状況を作ることです。

心理的安全性とは、Googleが発見した法則で、「他者の反応に怯えたり羞恥心を感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のこと」と定義されています。

自発的に自然と会話をし、情報を共有できる空気を作っていくことで、チームの労働生産性は大きく上がります。提案や指摘に対して、詰問にしたり叱責に繋げず、コミュニケーションを取りやすい関係の構築の上で、しっかりとした情報共有サイクルを作ることで自然と「そういえばあのタスクがまだ…」「じゃあ見直ししようか」とプラスの話し合いができるわけです。

炎上例2)日本対オフショアで、「空気読んでよ」からの炎上


ミーティングした時、ウンウンと真面目に聞いていたから伝わっている…と思った?ベトナム人エンジニアに忖度は通用しない。

真剣に聞いてうなずいて、いい手応えだ!空気感が通じている!と思ったら大間違い!!

アイコンタクトなんてまったく通じていないのはもはやあるある。(物理的に離れてますしね(笑))

意思疎通の齟齬から少しずつ火種がくすぶり、気づけばあっちこっちで火の手が上がって大炎上!!どうしてこうなった!

対策)日本人同士でも顧客とベンダーで起きがちなトラブルですが、オフショアではさらに言語と文化の違いが加わり、「ちょっとは空気読んでよ!」「は?空気は吸うものでしょ?」なすれ違いが顕著に出てきます。

「ベトナム人は謝ったら負けだと思ってる!責任をすぐに人に押し付ける!」という人もいますが、根拠が明白でないことでもとりあえず謝るという文化がないだけなのです。そしてその根拠が、「あの時の感じだったら空気でわかるだろう」だったり。それじゃあ、伝わりませんよね。

打ち合わせで出たタスクや課題は、箇条書きでいいのでかならず明文化して、共有するルールを徹底しましょう。チーム全体で共有することで、今一体なにが課題になっているのか、進捗はどうなっているのかを全員で把握できるようになります。さらにメールやチャットツールでリマインドの習慣をつけておくと、言った言わないも発生しにくくなります。空気を察して!は特にオフショアではトラブルのもと。アイコンタクトは通用しません。

炎上例3)残業前提VSノー残業前提の甘い見通しからの工数ズレ


ある程度の残業が基本の日本人と、家族が大事でキッパリ定時帰宅のベトナム人エンジニアでは、そもそも「1人月」の作業量に差があります。オフショアなのに見積もり段階で「日本人エンジニア」想定で工数を積み上げ、当然工数に対して人員が不足して炎上!!全然工数が足りてないじゃない!!

対策)本来、定時帰宅が当然で、残業が前提で工数が見積もられていることが問題。納期が近ければ残業してでも追い込む日本人エンジニアの勤労意欲も、プライベートを大切にしてしっかり定時を守るベトナム人エンジニアの人生観も、どちらも正しいのでお互いを責めるわけにはいきません。

「仕事なんだよ!?自分の仕事が遅いせいで進捗が遅れてるのに、プライベートがーとか言わないで残業してよ!!」というのはお門違い、全く違う価値観と文化が根本にあるのです。

……という綺麗事ばかり言っていられませんが、そもそも人月の想定は定時を前提にした作業量で見積もる習慣が必要です。

炎上例4)なにを作っているのかわからないまま開発が進み、テスト工程で炎上


「あのう……これ…、なにを作るんでしょうか…?」なにができあがるのかわからないまま、仕様も要件もはっきりしない状態で始まってしまう開発。呆然とするしかない現場。

自分たちが作っているものは、誰がなんのために、どう使うものなのか?プロジェクトマネージャーすら全体像を把握できていない。

そんな炎上を約束されし案件で、「納期があるから…」ととりあえず作業を始めれば、予想通り炎上まっしぐら。日本人ならニュアンスと忖度でどうにかできる…わけない!エスパーじゃないぞ!案の定開発はぐだぐだで進まず、現場は炎上!

開発が遅延するのは当たり前、なんとかテストにこぎつけても動かないレベルの低品質で、テスト工程も大炎上。

「これ、なんのためにどう動く予定だったんですか…」の問いかけも虚しい。

対策)作業タスクや細かな仕様説明だけでなく、プロジェクトの背景や目的、目指すゴールなど、なんのためにどこへ向かうのかを共有して、チームとして一緒に走っていくイメージを共通認識として持つことが必要です。

日本でも要件を把握しないままの進行は大炎上の原因ですが、オフショアなら尚のこと。オフショア開発では言語や考え方が違う人たちに「どんな課題を解決したくて」「誰が使って」「なにをするためのもの」を作るのか、プロジェクトが目指す背景情報をきちんと共有して、ワンチームな協力体制を作らなければいけません。そこを端折って、なんとなく忖度するだけで進めるだけで、追っかけ理解してもらおうというのは大間違いです。

最初に時間を掛けてもでも徹底して話し合い、共通認識を確認してからスタートする「急がば回れ」が実は最短ルートになります。

炎上例5)プロジェクトマネージャーが多忙で爆発しそう

判断、施策が打てず炎上→謝罪対応でさらに多忙に→判断、施策が打てず…以下地獄のループの始まり。プロマネなら絶対にハマりたくない、でもいつも紙一重な事態ですよね。卵が先か鶏が先か、地獄のループにハマってしまった多忙なプロマネのお友達はエナドリと胃薬…なんて嫌ですよね。

このループ炎上のそもそもの原因は、もちろんお客様理由の不可避なものもありますが、ここまでで紹介した1~4にもあることが多いんです。

対策)一度立ち止まって、状況を可視化し、判断が下だせる状況にしましょう。

ただでさえ、炎上中は多忙や過去の経緯からの決めつけ等で正しい現状把握が大変です。その上オフショアにあると言語の違いや物理的な距離、時差などの理由から現状把握の難易度がとても高いです。

そんな時は現地のプロに相談するのも一手ですね!

※手前味噌ですが、弊社はそんなのが得意です(笑)

また、話し合いや指示の明文化と情報共有を、しつこいくらい徹底するくらいでちょうどよく、この間話したんだから、あとは察してよという相手の自主性に委ねるという名の甘えは炎上の原因です。

多忙になる原因はプロジェクトマネージャーの能力不足と、様々な要因によるプロジェクトマネージャーのタスク過多があります。一度タスクの棚卸しをして、今するべきことの優先順位をつけて処理する習慣をつけましょう。

ちなみに、弊社でもトラブル時は一旦立ち止まって状況把握することを心掛けています。(※余りトラブルになること自体が少ないですが笑。)

炎上時には、自力で落ち着いて解決策を考えるのは心理的に難しいものですよね。そこでPMチームのマネージャーが一緒に状況把握を支援しています。

えー、パニくってるやん(笑)というラフなイジリや場を和ませることはもちろん、その上できちんとなぜ炎上したか、いつまでにどれくらいリカバリーが必要か、そのために打てる施策は何かといった点で、共に整理・検討し解決する体制を作っていますよ!

まとめ

タスクの優先順位、振り分け、管理はプロジェクトマネージャーにとっては炎上回避のために非常に重要です。オフショアでは特に「空気」では仕事ができません。都度明文化し、言葉にしていくのが大切ですね!

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