正直に言えば、
私は特別な才能のある人間ではありません。
圧倒的な能力があるわけでもない。
華やかな経歴があるわけでもない。
「成功が約束された条件」など、どこにもない。
もし強みがあるとすれば、ただ一つ。
早い段階で、ある事実に気づいたことです。
個人の能力の上限は、
時代のトレンドの力に勝てない。
努力は大事。でも、方向のほうがもっと大事。
努力は尊い。
しかし、組織は「どれだけ頑張ったか」では動きません。
見るのは前進かどうか。
構造が動いたかどうか。
努力はアクセルです。
方向が間違っていれば、
アクセルを踏むほど消耗する。
下降トレンドの中で全力疾走すれば、
ただ早く疲れるだけ。
上昇トレンドの中で動き続ければ、
普通の努力でも拡張される。
だから私はいつも先に問います。
「もっと頑張るべきか?」ではなく、
「私はどこに立っているのか?」
運はある。でも、掴み方のほうが重要だ。
私は時代の追い風に乗ったことがあります。
業界拡大期。
技術変革期。
構造転換期。
それは確かに運でした。
しかし、同じ会社、同じ環境にいても、
全員が前に進んだわけではない。
後になって気づきました。
差は能力ではない。
差は、
機会を「様子見」するか、
「掴む」か。
私は余裕があったから前に出たのではありません。
怖かったから、手を離さなかった。
機会が来たら、まず掴む。
方法は後から考える。
楽ではない。
でも、軌道は変わる。
なぜ日本で起業するのか
日本社会は完璧ではありません。
保守性もある。
変化のスピードも速いとは言えない。
それでも私が選んだのは「雰囲気」ではなく、
制度です。
起業は不確実性の塊です。
・市場は不確実
・収益は不確実
・競争も不確実
そこに制度まで不確実なら、
リスクは倍加します。
私が重視したのは、
・契約が機能する
・財産権が守られる
・ルールが予測可能である
・法律が個人より上位にある
「Rule of law」
起業家にとって、
心理的な心地よさよりも、
制度の安定のほうが重要です。
私は、
ルールが明確な環境でリスクを取ることを選びました。
組織の暗い側面について
制度が現実に作用する場所は、
組織です。
そして組織は、一度成立すると、
独自の本能を持ち始めます。
その本能は一つ。
存続し、拡張すること。
理想でもない。
理念でもない。
情熱でもない。
生存です。
拡張を妨げるものは、
自動的に「問題」と認識される。
それが、創業者であっても。
これは陰謀論ではありません。
構造の話です。
組織は善意で動きません。
誠実さに感動もしません。
結果に反応するだけです。
だから私は警戒します。
組織を道徳共同体だと誤解しない。
規模を正義だと誤解しない。
成長を価値だと誤解しない。
起業の難しさは市場ではない。
拡張の過程で、
「存在すること」自体に支配されないこと。
制度が必要なのは、
組織を縛るためです。
ルールが必要なのは、
拡張に境界をつくるためです。
放置すれば、
組織は初期の意図を飲み込みます。
なぜAIを主軸にするのか
AIは流行ではありません。
基盤になります。
電気のように。
照明に使う人もいる。
湯沸かしに使う人もいる。
半導体を作る人もいる。
違いは「使うかどうか」ではない。
どこまで組み込むか。
これからは
「AIを使っているか?」ではなく、
「AIを構造に組み込んでいるか?」が問われます。
日本でもAIは国家戦略レベルで推進されています。
それはつまり、
トレンドが制度と結びつき始めたということです。
技術は組織の形を変えます。
AIは効率ツールではない。
意思決定と分業の再設計です。
組織の本能が拡張なら、
技術はその拡張の形を決める。
MOREはAIを「機能」として扱いません。
構造として扱います。
私たちが探している人
天才ではありません。
求めているのは、
・トレンドを観察できる人
・機会を手放さない人
・課題に対して解決ルートを描ける人
・不確実性の中で動ける人
・自走できる人
起業は避難所ではありません。
構造の冷たさと向き合い、
リスクを共有し、
成果を拡張する場所です。
安定を求めるなら、
ここは向いていないかもしれない。
構造変化の交点に立ちたいなら、
話しましょう。
最後に
私は平凡です。
だから天才に賭けない。
トレンドに賭ける。
・上昇する技術
・安定した制度
・制御可能な組織
・長期的な構造
・現実的な行動
組織は拡張する。
市場は変わる。
技術は置き換える。
それでも、
立つ場所は選べる。
構造の冷たさを理解しながら、
それでも参加する意思があるなら、
良い協働ができるはずです。