今回は植山社長に、組織が拡大する中で「変えてきたこと」と「絶対に変えないこと」についてインタビューしています。
創業期から規模が大きくなった今もなお、創業時からの軸をブレさせずに守り続ける「経営理念」や「行動規範」。
社員一人ひとりに浸透させるために工夫し続けてきた「仕組みの変遷」について熱く語っていただきました。専門外からチャレンジできる環境の裏側や、成長し続ける組織カルチャーの真髄に迫ります。
理念は変えない。だから、伝え方を変え続けてきた
理念をつくり、社内で発表し、ウェブサイトに掲載する。それだけで社員一人ひとりに浸透すると思っていました。
しかし、そんなに甘くはありませんでした。
当社は2011年に2名で創業し、今は社員約20名。
アルバイトやインターン、業務委託の方まで含めると、40名を超える組織になりました。
この10余年で変えてきたのは、「何を大切にするか」ではなく、「それをどう受け渡すか」でした。
変えないもの―経営理念とクレド・ソルブスタイル・ソルブコードは、会社の憲法
経営理念は「社会に貢献する事業を通じて、従業員及びその家族の幸福を追求する」です。私たちは、この理念の実現を本気で追求しています。
その実現に向けて、基本となる行動規範として「クレド」を、心がける価値観として「ソルブスタイル」を、具体的に取るべき行動として「ソルブコード」を定めています。一例を挙げると、ソルブコードの「自分事」があります。
「同僚の課題は自分の課題、他チームの課題は自分の課題、会社の課題は自分の課題、他社の課題も自分の課題」
役割の外側にある課題を、誰かがやるだろうと置いていかない。当社の性格がいちばん出ている一文です。
これらの理念や行動規範は、創業期から現在まで変えていません。社内では「会社の憲法」と話しています。守り抜きたいのは、突き詰めればこれだけです。
変えたのは「浸透のさせ方」
掲示物のままだった言葉を、判断に使える言葉にするために、日常的に触れ、考える機会をつくってきました。
・全社集会では、できる限りクレドやソルブコードに触れる
・毎日の朝礼で、折に触れて取り上げる
・朝礼の日替わり3分間スピーチに、理念や行動規範に関するテーマを設定する
・代表が全社員との1on1を隔週で行う
・判断に迷ったときは、ソルブコードを一つのヒントとして提示する
やっていないこともあります。全員での唱和や毎日の読み上げはしていません。
目的は覚えることではなく、迷ったときに判断材料として自分の中から出てくることなので、暗記するより、適度に触れて考える回数を増やすほうが効くと考えています。
1on1は評価の場ではありません。
ほとんどは目の前の仕事や困っていることの話や雑談です。
ただ数ヶ月に一度くらいは、「この人にはこのソルブコードを届けたい」という話を混ぜています。全員との隔週の1on1を、10年以上続けてきました。最も地味で、最も意味のある投資だと信じています。
一例です。以前、入社間もない仲間が1on1で、「一生懸命やっているのに成果が上がりきらず、これ以上何をやればいいか分からない」と打ち明けてくれました。
私が投げかけたのは、ソルブスタイルの「パフォーマンスの把握と追求」。
自分の目線から離れて、第三者の視点で、今の自分の位置を捉え直してみる。求められている水準はどこにあるのか、うまくいっている人はどういう状態なのか、そして今の自分はどこにあるのか。その差を埋めるために、次に何をすべきなのか。後日その人から「客観的に見たら、まだできることがあると分かりました」と言われ、実際にその後、成果が出ました。答えを渡したわけではなく、見る位置を変えてもらっただけです。
人が変わっても、事業が変わっても、守り抜きたい中身が引き継がれていく。そのための仕組みをつくり続けてきたこと自体が、当社のカルチャーの「変遷」です。
専門外からでも、役割を担える組織へ
当社には、専門職として入社した人はほとんどいません。
それでも今は、システムやAIの活用、プロジェクトリーダーの役割を、もともと専門ではなかったメンバーが担っています。
ただ、これは「自然に身につく」といったきれいな話ではありません。
役割を渡し、渡した後に放置しない環境を用意してきた結果で、うまくいかなかった打ち手も相応にありました。
社内のBIツールをはじめ、多くの情報を全社で共有しています。必要なデータには誰でもすぐにアクセスできます。判断材料が一部の人に閉じていないから、「こう変えたほうがいい」を自分の言葉で言えるようになる。
コンタクトセンターでは、お客様と話している最中に「どう答えるのが正解か分からない」という場面が少なくありません。
新入社員が研修後のロールプレイングでつまずくのも同じです。そこで現場のメンバーから「AIで対応案を出せないか」という提案が出て、生まれたのが社内ツール「ミラクルトーク」。
質問内容を入れると、当社のガイドラインに沿った対応案が提示されます。経営側からの指示ではなく、現場の課題意識から生まれたツールです。
現在は、全社員がCursorなどのAIツールを使い、業務に必要なAIエージェントをつくれる環境を整え、スキルを身に付けています。
この種の提案は週に何件も生まれています。
当社で活躍しやすい人と、戸惑うかもしれない人
当社で活躍しやすいのは、変化や成長、創造を楽しめる人です。
学ぶ意識がとても高く、チームで物事を成し遂げることに喜びを感じ、目標から逆算し、自ら行動を起こせる方。
その上で、AI・システム・マーケティング・金融といった領域に強い興味がある方なら、当社の環境はかなり面白いはずです。
反対に、決められた業務範囲を正確にこなすことだけを望む方には、居心地の良い会社ではないかもしれません。役割の境界は動きますし、提案が歓迎される一方で、「では、やってみよう」と実行まで任されることも多いからです。
守り抜くものは決まっています。決まっていないのは、どうバージョンアップしていくか。
その方法を一緒に考え、実行してくださる方とお会いできたらうれしいです。
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