大人とは何か
大人とは、感情がなくなることではない。
嫌なこと、理不尽なこと、意味がわからないこと——
そういうものに直面したとき、自分の気持ちに折り合いをつけながら、
それでも前に進める人のことだ。
我慢とは少し違う。
押し込めることでもない。
「今はこういう時期なんだ」と理解して、自分の役割を受け入れていくことだ。
四季報のア行から電話をかけ続けた話
俺が22歳で最初に就職した会社は、体系立てた教育制度なんてものは存在しなかった。
行き当たりばったりの作業指示ばかりで、ある日突然、四季報を渡されてこう言われた。
四季報って言うのは分厚い会社の名簿帳でア行から順番に会社情報が羅列されてる本だ。
「ア行から順番にテレアポしろ」
意味がわからなかった。
なぜやるのか、誰も教えてくれなかった。それでも電話をかけ続けた。
上司たちのアポを一人で埋め続けた。
そして誰も行けない商談は、何も知らない22歳の俺が自分で消化しに行った。
すげー嫌だった。本当に嫌だった。
だって、アポを断られるならまだしも、怒鳴られることすらあるし、アポが取れたら取れたで 俺みたいな若造が来るもんだから、何しに来たんだよって時間の無駄みたいにあしらわれるんだよ。
でも今振り返ると、あの時期に確実についたものがある。
それは ビジネス筋肉だ。
意味がわからなくても、筋肉はついている
サッカーで試合に出るためには、まず走らないといけない。筋トレもしないといけない。
きつい基礎練習を何度も何度も繰り返す。
でも走ってる間は、試合に出られない。ポジションも決まってない。
「これが何の意味があるんだ」と思いながら走り続ける時期がある。
新入社員の今がまさにその時期だ。
ただ、俺の時代と一つだけ違うことがある。
「なぜやるのか」は、聞いていい時代になった。
俺の頃は問答無用だった。
聞くことすら許されない空気があった。
でも今は違う。
上司に「この仕事の目的を教えてください」と聞くことは、むしろ正しい姿勢だ。
意味を理解した上でやる方が、成長も早い。
だから聞け。遠慮するな。
それでも、やり続けることだ
聞いた上で、やり続けることが大事だ。
意味がわかった。でもしんどい。そういう局面は必ず来る。
そこでやらない理由を並べずに 踏ん張れるかどうかが、3年後5年後の自分を決める。
今君たちがやっていることは、激しい筋トレだ。
意味がわからないくらい負荷がかかってるかもしれない。
でも確実に、ビジネス筋肉はついている。
それは今の時代で必要な力とされている レジリエンス——折れない力——だ。
楽な場所では絶対に育たない。しんどい今の毎日が、レジリエンスを作っている。