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急成長中の少人数組織に発生した「コミュニケーションの量と質の低下」を防ぐ|Pulse User Interview・株式会社STOCKCREW

ヤマト運輸の宅配便取り扱い個数が2020年に過去最高を記録するなど、コロナ禍でネット通販の需要が急速に高まるなか、最低契約期間なしで“明日から始められる”手軽さが特徴の、中小企業・個人事業主向け物流業務代行サービス「STOCKCREW」もサービス開始から1年半で利用社が120社を超える急成長を遂げています。

同サービスを運営する株式会社STOCKCREWは、社員10人ほどのベンチャー企業ですが、「少人数組織がゆえに起こる、コミュニケーションの量と質の低下という悩みを抱えていた」と取締役COOの北原一樹さんと、取締役CFOの新保貴之さんは語ります。急成長中企業の課題解決に向けてコンディション・マネジメントサービス「Pulse」を導入した同社で、どのように「Pulse」を活用されているのか、お2人にお話を伺いました。

見た目では分からない社員の変化を「Pulse」で素早くキャッチできるように

ーー 成長著しいなか、どのような組織課題を感じられているでしょうか。

北原:多くの課題がありますが1つに絞るなら、やはりコミュニケーションです。当社のような少人数の組織ですとお互いのことがよく見えますが、それゆえにコミュニケーションの量が減ってしまい、ともなってコミュニケーションの質も下がっていくことが、今の課題ではないかと思っています。

新保:課題解決のために、これまでは社員全員に対して1on1ミーティングを行っています。昨年までは1週間で全員と1on1を行っていましたが、さすがにペースが過密だったので今年に入ってからは1週間に1人というペースに落ち着きました。全社員が10人程度とはいえ一回りするのに3カ月もかかってしまうため、社員の状況をリアルタイムで掴めないのが悩みでした。

ーー 「Pulse」の導入のきっかけと、導入後の使用感について教えてください。

新保: Wantedlyで求人募集を作っているときに「Pulse」を見つけ、担当の方に連絡したのがきっかけです。社員のコンディション推移をシステム上で管理したいという思いと、1on1での話のきっかけ作りになればという思いから導入しました。

北原:「調子どう?」の使用感として最も特徴的だったのは、目に見える面に出ているもので人を判断してはいけないと、あらためて実感できたところですね。パッと見はとても明るく元気にやってくれている社員でも、「Pulse」で見ると「疲れ気味です」とか「最近夜眠れません」などと書いていて、このような気付きを与えてくれるのがとても大きいです。毎週金曜日に1週間の振り返りもかねて「調子どう?」に回答してもらうことで、1on1だけだった頃よりも早く社員の調子を把握できるようになりました。

「調子どう?」の管理画面

新保:コメントの記入は任意にしているので社員によって内容もボリュームもまちまちですが、コンディション評価に関してはどの社員も正直に答えてくれています。たぶん、人が直接聞くのではなく、機械的に聞いてくるから答えやすくなったのだと思います。これまではすべて直接聞いたり、表面的に判断していたりしていたので、「Pulse」ならではの効果なのかなと思っています。

北原:現場での声がけも1on1も大切ですが、対面コミュニケーションは互いの時間が削られてしまうので、端的に回答を書いてもらえる「調子どう?」なら移動時間のような隙間時間でもチェックできるし、家に帰ってからコメントするのも苦にならないので、すぐに返答するようになりました。

「コミュニケーションの質の向上」と「MVVの浸透方法」が見えてくる

ーー 導入によってどのようなメリットがありましたか?

新保:当社の場合、バックオフィスと倉庫が離れた場所にあるので、バックオフィスにいる人から、現場で働いている方たちのコンディションがリモートでも把握できるというのも大きいメリットですね。

北原:昔だったらお酒を飲みながら話を聞くのもありだと思いますが、コロナで飲みに行けないですし、若い世代の社員との間で「飲みニュケーション」への認識の差もあって難しいですよね。年齢が離れれば離れるほど、プライベートな質問も聞きづらくなり、会話の量も減ってコミュニケーションが取りにくい状況になりがちです。

その世代間の隙間を埋められる情報が得られるという意味でも「Pulse」はとてもいいツールだと思います。コミュニケーションの質も上がりましたね。

ーー 運用するうえで、どのような工夫をされていますか?

北原:「調子どう?」のコンディション回答に対して、とにかく早くレスポンスをするように心がけています。調子の悪い社員がいたときには「点」で解決しにいくか「組織」として解決しにいくか、場合に応じた方法を採るようにしていますね。例えば、10人中10人が疲れたと言っていたら組織の課題ですし、もし1人だけが言っているとしたら、業務過多になっていないかウオッチするという感じですね。

また、コメントのない回答に対しても、何かしらのコメントを返すようにしています。コンディションの数字を見て調子が悪ければ、その社員の1週間を振り返って表情を思い出しながら、「ああ、確かにこの局面はきつかったよね」というところを拾い上げ、それをねぎらう言葉と、次につながるような鼓舞する一言を添えるように気を付けています。

ーー 「さすが!」機能についてはいかがですか。

新保:社員全体での使用頻度はまだこれから高めていきたい段階ですが、MVVを社員へ伝えるきっかけになっていると感じています。これまでもMVVを浸透させたい気持ちはあっても、やり方がよく分からなかったというのが実情でしたが、「失敗はどんどんしてもいい」「俺がやらずに誰がやる」といった当社が大切にしている価値観を体現する行動を「さすが!」が可視化してくれることで、どのように浸透させればいいかという方法を考えるきっかけにもなりました。

現場で働くメンバーの様子

本来の目的にフォーカスし、続けやすい「ちょうどいいシンプルな機能」

ーー 今後「Pulse」に期待する新しい機能やアップデートはありますか。

北原:機能よりは、僕ら自身が「Pulse」を続けられるかですね。経営層がめちゃめちゃ飽き性なんですよ(笑)。何か始めたけど気付いたらなし崩しに終わっていて、誰も更新しない……みたいなのは一番ダサいパターンですよね。社員へ本当に伝えたい重要なことが伝わらなくなってしまいます。

本当にやりたい取り組みが出てきたときに、「どうせまたやめるんでしょ」と社員に思われてしまうのが一番よくないですから、現状のシンプルな機能が続けやすくてちょうどいいですね。

ーー 最後に、組織運営においてこれから必要になってくると思われるポイントを教えてください。

北原:「Pulse」関連では、「調子どう?」の回答がない社員には私や新保からリマインドしたり、コメントを返していることもあって回答率は毎週100%を保てています。しかし、組織が大きくなり、経営者が同様に対応するのは難しくなったとき、同じ意識で任せられる人をどう育てるかという問題に直面するはずです。今後、社員が増えていくなかで、マネジメント側の人材をどう育成していくかが一番の課題だと思っています。

新保:少し前時代的かもしれませんが、「立場が人を作る」という言葉があるように、適切なポストを増やして、人を作れるような体制を企業として整えることだと考えています。現在の社員10人程度の規模はたぶん一番中途半端な社員数で、育成しようとすると個々に応じて最適化する手法を採ってしまいがちなので、体系的なマネジメント層の育成手法の確立を、私と北原を含めて役員は取り組まなければなりません。

そのためにはまず会社を大きくしていくこと、そして「Pulse」などを活用してコミュニケーションの質と量を高めていくことが大事だと考えています。

(取材・執筆協力:池田麻友菜)

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