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※この記事は、毎週の社内週報の1コーナーからの抜粋です。
viviONのリーダーたちに聴く「7つの質問」は、マーケティング部&コンテンツ部GMの谷島(やじま)が、普段なかなか話す機会の少ないマネージャー/リーダーと1対1で話し、仕事のこと、人となり、目指していることを知ることで、全社理解のきっかけにしていきたいと考えているコーナーです。
読んでくれた方が『こういう想いでこういうことやってたんだ!』と思えるような内容を届けていきたいと思っています。
今回は、事業推進部 サポートチームのリーダー、藤岡 純矢さんです!
質問① まずは自己紹介をお願いします!入社のきっかけや、これまでどんなキャリアを歩んできたのか、簡単に教えてください。
谷島:
実は昔、藤岡さんとは色々と仕事で絡んでいたので、私は藤岡さんのことはある程度は知ってはいるのですが、改めてとなりますが、藤岡さんの自己紹介と入社のきっかけ、これまでどんなキャリアを歩んできたのか、簡単に教えてください。
藤岡さん:
はい、サポートの藤岡です。私はもともと将来の夢とかなかったんですよね。目的とか何がやりたいとか、何が得意かも分からない。そんな状況だったんですが、家業が建築事務所だったこともあって、昔から父につき添って、現場とかお客さんのところに行ったりしてわかったのが、人と喋ったりするのがとても好きだったということでした。 なので、接客業に就きたいな、「人のプロになりたい」な、といったところから自分の社会人人生が始まっているという感じです。
今39歳ですが、一貫して対人折衝を貫いています。
一番最初は、ゲームセンターのアミューズメント部門で、UFOキャッチャーの設定、景品担当、接客担当者として業務にあたっておりました。 そこから関東に引っ越し、NTTデータのコールセンターに入りました。そこで、アウトバウンドの契約業務、ひかり回線の切り替えであるとか、セキュリティー関連など、複数の商材を扱うアウトバウンドを行い、SV(スーパーバイザー)になりました。
次は、ソフトバンクショップで販売スタッフから店長、エリアマネージャーの経験をしました。その後、音楽業界にいったのですが、そこでは人事を。
谷島:
人事までやっていたんですね。
藤岡さん:
はい、採用担当とか研修担当、教育担当をやっていました。
その後はカスタマーサポートのセンター長になり、電話業務、チャットサポート、メール対応というものをすべてやっていましたが、業務が立ち行かなくなっていったので、立て直し、再設計もやっていました。 直近ですが、ベンチャー企業に入りまして、そこでカスタマーサクセスを経験し、サクセス系のものをいろいろ、あとは谷島さんの前でこれを言うのはおこがましいんですが、少しだけマーケティング要素を学びました。そして今に至るという感じです。 エイシスへの入社のきっかけとしては、その時私が35歳だったので集大成にしたいな、全てをまとめて活用でき、活躍できるところに入りたいということを考えていました。なので強くエイシスに!というのは正直はなかったのですが、エージェントから、私と親和性が非常にあるから、受けてみたらどうだ?とありまして。話を聞いてみたら、一緒に働く人たちも良い人だったし、この会社は面白そうだな興味が湧いて、入社に至りました。
谷島:
ありがとうございます。今まで対人折衝のプロになるっていうところは一貫しながら、今までのご経験の幅は業種も業態も変わりながら広がっていったなかで、35歳という人生の岐路に「集大成はどうするか?」と考えられたんですね。
35歳になったっていうのはあると思うんですけど、藤岡さんの中では他にポイントとなることもあったんじゃないですか?
藤岡さん:
そうですね、やはり大きかったのは結婚というタイミングでした。
谷島:
あー、なるほど。ビジネスとライフワーク、両方とも契機になったっていう感じなんですね、35歳って。
藤岡さん:
そうですね、落ち着かないといけないし、本気でやれる仕事を見つけたいなと。
転職も多かったので、もう辞めるわけにはいかない。辞めていたら、本当に自分自身も育たないってことは分かっていたので。だから本気でやれるところをちゃんと探していたっていうところが一番大きい理由ですね。
谷島:
7つの質問でリーダーの人たちのお話を聞くとそのくらいの年齢で、この会社がというよりは、自分の人生やりたいこととは何かも考えて、タイミングが合って入社されている方が結構多いですね。目的というかゴールを意識してからの会社選びの動き。
藤岡さん:
そうなんですね。
谷島:
藤岡さんもそうなんだと思い、リーダー陣以上はみんな一緒だなぁと思いながら聞いてました。
ちゃんと人生を考えた上で、viviONに入社されているのはうれしいです。
藤岡さん: そう言っていただけると助かります。
質問②今、どんなお仕事や目標に取り組んでいますか? チームやプロジェクトの紹介も含めて、最近注力していることをぜひ教えてください。
谷島:
カスタマーサクセスをご経験されてからの集大成を考えられ、エージェントさんからの紹介もあってジョインしていただいたんですけども、今、藤岡さんのチームがやっているお仕事と、どんな目標に向かって取り組まれているのか、改めてお聞きしたいです。
藤岡さん:
カスタマーサクセスとカスタマーサポートというところで言いますと、我々はやはりカスタマーサポートになります。より詳細にお伝えすると「守りのカスタマーサポート」となります。
この守りじゃないのは何かと説明しますと、例えば保険料であるとか、電話がかかってきたお客様からの「問い合わせを受ける=売り上げに直結する」というような業態はカスタマーサポートとはいえ守り・受け身ではない。
もちろん、チャーンレートやLTVなどに影響はしますが、我々は直接的なところを計測しているわけではないので、そういったところとは多少違うので、一言で言うと「守りのカスタマーサポート」になると思います。
何を守るか?ですが、企業を守る、DLsiteを守る、売り上げを守る、顧客を守る、クリエイターを守るといった、「すべてを守る」というものになります。
お客様のサポート、問い合わせから始まり、あとはリスクヘッジ。お知らせなどの何か対外的なお客様に打ち出すアクションといったもの、想定される炎上やネガティブなもの、そういったものを事前に察知して、それらをすべて回避する。そのために各部署にもアクションする、といったものが我々の主な仕事になります。
それ以外では細かいところには売り上げの計算など色々ありますが、お客様を守る、運営チーム、社内の人を守る、その仲立ち、といったものが我々の仕事となります。
谷島:
なるほど、すごい分かりやすい。そうですよね、運営チームにおける「守り」はめちゃくちゃ重要な話ですよね。
例えば、私たちはマーケティング部ではめちゃくちゃ考えたうえでメルマガを送ってますけど、うちのユーザー層だったら恐らく楽しんでもらえて、カスタマーサポートのところに文句を言わないだろうっていうラインを攻めてますけど、それもカスタマーサポートチームがいるからの安心感をもとに僕らも送っています。
広告とメルマガに関しては刺激しちゃいそうでも、サポートチームの安心感があるからこそだなって、私はめちゃくちゃ感じてます。
同人の営業チームもサポートチームのありがたみはめちゃくちゃ感じてますよね。
ちなみに、最近注力してるのってどんなことやってるんですか?
藤岡さん:
最近注力しているところ、やはり目的達成のためにやっていることになりますが、目的はCSの価値向上、価値創出、新しい手段といったことの創出です。
私たちが唯一持っている一番の武器となるのが情報資産、お客様の声、反応、心理的な部分、感情的な部分だと思っています。ですが、それを対外的に、有効的に出すことができていない、お渡しすることができていない。
CS的な用語で言うと、VOC(ボイスオブカスタマー)活動という、お客様の声を社内に伝播させていって、より改修、改善を活性化させ、効率的かつ合理的にする。
その一番の情報になるのがお客様のダイレクトな声、感情、といったところなのですが、これをちゃんと届けられていないというのがずっと課題としてやきもきしているところです。
これはもうチーム一丸となって全員がアクションする必要があるので、これが目的です。
谷島:
なるほど。その目的に対してどのようなアプローチを考えられてますか?
藤岡さん:
手段としてCSのHow toを教える、伝授する、学ぶっていったことはできますが、結果的にそれらがどれだけ優れた方法、ツール、フレームワークであろうとも、最終的に使う人の能力に大きく依存してしまう、といったところが一番の課題と考えています。
なので、目的に向かうために今一番注力していることっていうのは、各々の思考力、人間力、能力を引き上げることです。
谷島:
個人の能力の引き上げなんですね。
藤岡さん:
はい、ちょっとおこがましい考えなのですが、徹底的に個人的な能力を教育して引き上げていくというところになります。
例えば、ChatGPTとかGeminiが優れたツールというのは周知の事実だと思いますけど、書き方、プロンプトによって全然回答が違うというのがわかりやすいと思います。
ですので、同じツールを使ってもその人によってクオリティの差が開くっていうのは、やっぱり個人の経験による、思考力による。
私たちカスタマーサポートは、ユーザーの心理のプロフェッショナル、ユーザー感情のプロフェッショナルです。とはいえ、お客様の感情は、無形で抽象的で、答えを確かめる術もない。お客様にどういう感情ですか?、なんて聞けるわけがない。常に正解がわからないものを感じ取って、先読みして、先回りして、お客様に満足以上の感動を届けるというのが、私たちの顧客対応においてのモットーになります。それを達成するためには、やっぱり感じ取って、そのお客様の期待を上回るアクションをしないといけない。 これは個人の能力、ユーザーの心理のプロ度合いによって大きく変わってしまうので、ここの教育というものをめちゃくちゃ注力しています。
谷島:
確かに、守ると言っても、個人の対応する担当者ごとに差が生まれてしまうと、守れないんだなと。本当におっしゃる通りで、そこのノウハウって高原さんたちが長年貯めてきた秘伝のタレで、今までずっと店内だけで出してたけど、これからセブンイレブンで全国展開しましょうみたいな感じなんですね。
ブランディングを上げるために、この秘伝のタレを使った商品を改めて使って、誰でも出せるようにしましょうとなると、それこそ本当に個人差が出ちゃうといけない。今までの情報を外に活かしていくためにノウハウ作りを今やっているって感じなんですね。
藤岡さん:
はい、おっしゃる通りです。
谷島:
これ、めちゃくちゃ大変なことに取り組んでますね。
藤岡さん:
人の能力、思考力を引き上げて、人をどうこうするCSはやっぱり面でできるものではなくて。
パーソナライズした個人に向けて、より深く、より相手の個人的な観念を全部考慮し、一旦相手の間違っているところも受け入れてからスクラップ&ビルドして。本当にこれをやる胆力が、やる側にも求められるので、なかなか一般化したノウハウにならないのは当然だと思っています。
谷島:
なるほど、そうですよね。ユーザーには答えを聞けないですからね。
藤岡さん:
答えがないんですよね。
ただ唯一、間接的にあるのは、ユーザーアンケート、顧客満足のアンケートを、今回の担当者の対応はいかがでしたか、というような携帯ショップや、お問い合わせとかでもありますが、サービス調査をやっていますの。
そこで言ってくれる人は言ってくれる。こういったところが良かったって言ってくれるので、アルバイトから社員まで全員、全部じゃないですが、ある程度はフィードバックの確認ができます。
谷島:
評価のフィードバックって、Uberも一緒じゃないですか。評価をもとにクオリティが担保されているのかどうかっていうところは、カスタマーサポートチームとしてはずっとやってるって感じなんですね。
藤岡さん:
はい、やってます。こういった点が良かったらここまで満足してくれているのか、こういったユーザーには不満点や感情があって、さらにその背景には本質的な目的があって。これを解決してあげたから、お客さんはここまで喜んでいるんだよと担当者にフィードバックをしています。感触を確かなものに顕在化させるということをしています。
質問③ 最近「これはうまくいった!」と感じた取り組みはありますか?規模の大小は問わず、ご自身が「やってよかった」と思えた経験を教えてください。また、 その取り組みがうまくいったポイントや、意識していた工夫はありますか?
谷島:
こういった取り組みをサポートチームが取り組んでいることをみなさん知らないんですよ。みなさんに知ってもらいたいじゃないですか。
これってうまくいっている事例だと思っているのですけど、最近取り組んだもので、藤岡さんがうまくいったなぁみたいなものとか何かありますか?
藤岡さん:
大きなところではないんですが全部紐付いているんです。
私が今で5年ですが、私がずっと存在している意義はサポートチームの組織改革にあって、よりCSを確立させるというところにありました。私がこれまでの経験でそこを得意としているのですが、合理化・効率化、保守的といった旧態依然としたものを壊して、仕組みそのものを変えるといったことは常にしてきました。
数年前のCSの仕組み、対応のやり方と違う現状があるので、うまくいっています。人が辞めて辛い時期もありましたが、それでもCSは途絶えることはなく、しっかりと回ったというところは全員の頑張りがあって、仕組みとしてはうまく回ったなということかなと思います。
谷島:
メンバーが入れ替わっても、人が少なくても保ってたの良いですね。
藤岡さん:
そうですね。社員としても育ったし、アルバイトとしても契約社員に引き上がって、そこから正社員に挑戦するというレベルまでみんなが成長してくれているのはめちゃくちゃ嬉しいです。
あとは当然、サブリーダー育成、次のリーダー育成というものもやっております。
質問④ またその取り組みがうまくいったポイントや、意識していた工夫はありますか?
谷島:
実は次の質問が、「その取り組みで上手くいったポイントとか意識した工夫はありますか?」ってことだったんですけど、先ほどの数年前のカスタマーサポートと違うといったところを、もうちょっと言語化すると、藤岡さんからすると何が変わった感じなのでしょうか?
藤岡さん:
実はテンプレート対応というのは変わっていません。カスタマーサポートというのは、テンプレート対応がむしろ望ましい。誰か一人突出したエースがいるというのは、その人に当たった人が得をして、当たらなかった人が損をするというところで、公平性、平等性の観点から、あまりCS業界的には良くないですね。なので差別化されない、全員が平等といったところでもテンプレートが基本となるといったところは、やっぱり変わっていません。
ですが、やっぱりお客様もバカではないので、気づく人というのは多いです。ですので、キーワードになるのは、パーソナライズされた対応です。
接客業だとお客様の顔色を見て、お客様の状況、ニーズを把握して、じゃあお客様、こちらいかがですか当然やってますよね。やっぱりお客様の背景、心情、状況、目的、購入金額などいろいろちゃんと読み取った上でパーソナライズしたお客様に合わせた回答をするのですが、それをやると一件が膨大な時間になっていく。そうではなく、それをテンプレートとして、まるで選択肢として引き出せるように選択肢を用意してあげたというところですね。
「これとこれの組み合わせだったら、こういうことを言っている」、「こういう感情が救われるよ」、「こういうお客様を汲み取る言葉に切り替わる」まど、今使っているものをZenDeskにテンプレートを落とし込む機能があるんですが、そのテンプレートからキーワードだけを引き出すということもできます。それで組み合わせて使うことえ、アルバイトでもある種システマチックに全部自分で考えずとも回るようにしました。
でも、見た目は感情までちゃんと汲み取られている機械的でありながら合理的でパーソナライズな対応です。
谷島:
さきほどおっしゃられたユーザー別の購入データとか、こういうことが起きるってことは、多分背景はこうだろうみたいな、今までのノウハウをベースに、個人に教えるというよりは、それをいかにテンプレートに落とし込むかということで、感情的な対応の部分もできるところが、以前と全然違うって感じなんですね。
藤岡さん:
そうですね。もう1点あります。これは社員側になるんですが、先ほど出てきた他部署への働きかけといったところになります。
時にはサポートは内容によっては他部署の人と相反することを言わないといけない。文句のようなことを言わないといけないといったところがどうしてもあります。否定もしないといけない。そのところはやっぱりみんな言いづらかった。基本的に運営部署の要望を聞いたままにしていたといったところがあったんですが、それではユーザーや企業のためになっていない。
だから、ちゃんと言う、改善策であるとか、代替案であるとか、「こういったことはいかがでしょうか?」ということをきちんと他部署の方々、担当者に伝えて、その上で一番良い折衷案に落とし込むということが今までできていなかったんです。
これが先ほどの個人的な能力を引き上げることで、他部署への働きかけができるようになりました。積極的にミーティングもするようになって、会話もするようになって、一緒にチームを作り上げていく。一緒にブランドを作り上げていく。まだ40%くらいですかね、やってない部署もありますが昔と大きく違います。
谷島:
私も入社したときから現在を比べるとサポートチームは変わったなという印象です。
どちらかというと急がば回れ的な感じで、サポートチームが同人チームなど他部署の仕事をひきうけるようになったことで交流ができ、その上で、「これってこういうことですよね?」って言いやすくなるコミュニケーション量が増えたことが、うまくいった一つのポイントだなってちょっと思ってたんですけど。
藤岡さん:
そうですね。引き受けている部門も多くなりましたね。「viviON BLUE」ですとか「comipo」であるとか「Ci-en」のところもそうでしたね。
それこそ「DLチャンネル」の時の通報の対応とかで、「DLチャンネル」チーム話しやすくなったというところもあります。そういったところは踏み込まないとダメだねって思いました。
谷島:
そうですよね。間接効果で良くなった感じですね。直接的に何か交渉して云々かんぬんじゃなくて、お互いがお互いの仕事内容を理解したってことが、多分ここの部分でスムーズになったポイントですよね。
質問⑤ これから挑戦したいこと、実現したいことはありますか?チームの展望でも、個人の野望でもOKです!
谷島:
さきほどまでお話しされていた、メンバーのレベルの引き上げがこれから挑戦したいこととして変わりはないと思っているんですが、対外的な部分での挑戦したいってどういう風なイメージになりますか?
藤岡さん:
そうですね、ネガティブなところで言うと、役に立っているのかかがサポートは実感しづらいですよね?たとえば、実感するときは炎上しているとかダメな時で、それを鎮火するになってしまうので。
谷島:
たしかに、そうですよね(苦笑)
藤岡さん:
よくない動きを実感するときになってしまうので、何もないのが一番いい。問い合わせがなく、私たちが暇なのが一番いい。 ただ、それ故に私たちの介在価値、存在価値というのが、そう言っている私も実感しづらい。なので先ほどの話に結びつくのですが、こういったご意見が届いていますだけじゃなく、何の部分か?も届けたいし、そういったアクションもしたいです。
これが私たちの対外における一番良い距離感というか、必要な情報を相手の方がいつでも引き出せる状態にしておいてあげるっていうことをしたいです。
たとえば、SREチームの早川さんたちにも協力してもらって、ご意見のデータベースをLookerで作りました。これをどうみなさんにアクションして使ってもらうにはどうしたらいいんだろうね、というのが次の課題です。
谷島:
なるほど、私も問い合わせをチェックしていると、一つずつの意見は確かにそうだなっていう時と、そうかな?っていうところがあるのですが、集約して俯瞰して分析ができた時に、本当はこれさえあれば実は3つ4つ解決できるんじゃないみたいなものが、見つかるようになりたいっていう話かなと思っていまして。
結局、来てから対応というのは、受け身な後手の対応になっちゃうんですよね。「後の先」をやれるようなイメージですかね?
藤岡さん:
はい、そうなんですが、例えば改修した結果、ユーザーからの反発が大きいときがありますよね。想定する上でサポートに相談して、「反発がありそうと思ったから、やめておきますか?」とはならないと思うんですよ。
谷島:
そうですね。その上で、どうするかって話ですよね。
藤岡さん:
はい。ですので、私たちが先に入ることが正しいかと言われたら、私は正しくないと思いますし、スピードが下がると思います。そこではないと思うので、私たちはいかに迅速にリカバリーするかといったことは少なからずやりたい。それが一番邪魔しないポジションかなと。私としても、佐々木さんとしても、やっぱり邪魔とか、人の領土を動かすことがあまり好きではないので。そこのところはわきまえています。
谷島:
なるほど。サポートの意見が入りすぎてしまうと、確かに改善への取り組みがしづらくなるから、その上で、変えた後のリアクションですよね。
藤岡さん:
そうです。先日マイページを改修した際には、当日の朝にすぐご意見をまとめて改善に関する考えを提出しました。先に提出するのではなく、改修後に具体的に、邪魔にならないレベルでできたら、一番私たちの介在価値がある存在意義があるなと思っています。 うるさくなったり、敵を作ったらダメですし、そのバランス感覚、立ち位置というのは常に見ながら取り組んでいる感じです。
谷島:
なるほど。このサポートチームの思いがあるということを前提に、みんなが認識していれば、うるさいって話にはならないと思いますよ。
藤岡さん:
だとしたら嬉しいです(笑)
谷島:
マイページに関する問い合わせが来たときに、最初に思ったのは、もし本当にダメって判断したら、元に戻せばいいじゃない、しかなくて。それがもし本当にダメだった場合の最終の一手で、その前どう改修しようとか、もしくは本当にヤバいのであれば一文を出すかみたいな話とか選択肢がいっぱいあるはず。その選択肢を取らずに放置するのが一番良くない。ここの認識の部分を合わせ、みんなでキャッチアップして、すぐに対応できれば良いと私も思います。
藤岡さん:
だから次の一手としては、今まとめてはいますが、マイページのUIを改修した結果、届いたご意見を集約すると、「結局こういったご意見だった」という風に後から振り返れるメタデータみたいなものを私たちがデータベース化しておきたい。開発や三堀さんたちがいつでも見られて参照できるものになるから、これを作るべきなんだろうな、というのが今考えているところですね。
谷島:
良いですね!
批判するのは簡単なので、そうじゃなくて、より良くするためにはどうしたらいいかという構えの方が大事ですよね。
藤岡さん:
そうですね。感情をデータベース化するみたいな感じですかね。
質問⑥ 気になっている市場トレンドや、参考にしている企業・サービスはありますか?マーケティング部からの調査・情報提供の参考にします!
谷島:
なるほど、そういったかたちで色々と考えられている藤岡さんが今、気になっているカスタマーサポートの事例とか、例えば参考にしている企業とかありますか?
藤岡さん:
今はあまりないです。過去はありましたという話なんですけど、というのもカスタマーサポートというものは業界、業種の特性としてやっぱりクローズです。オープンにできる事例があまりない。検索してもあまり出ないと思うんですよ。出てきても、やっぱり大手の通信キャリアだったり保険会社であったり、サポート的なところで言うとそういったところの情報が出るんですが、他は出てこない。さらに業界、業種、さらに顧客特性、その人たちに合わせたサポートをするので、参考にならないんです。
谷島:
確かに。いわれてみればそうですね。
藤岡さん:
あるのもあるんですが、それはほとんど「カスタマーサクセス」です。
サクセスの時はやっぱりメルカリやスタートアップ、ユニコーンとかを参考にしていたというところがありますが、サクセスとサポートは似て非なるもので。サクセスは随伴型で支援型で、こちらは守りなので、考え方が使えるというところはあるんですが、手法がそのまま使えるというところはないです。
カスタマーサポート業界はそうなのですが、トレンドとしてやっぱり気になっているのは、月並みですがAIですね。なぜかというと、AIに代替できる筆頭がカスタマーサポートと海外でも言われているからです。
新卒の研修でも事例として取り上げたのですが、海外の企業がAIを導入し、新規採用人員の募集を止めて、全部AIに代替したというニュース。最初はとても良かったのですが、1年したら、お客様の顧客の満足度が大幅に下がって、AIをやめて新規採用を再開して失敗だったというニュースがありまして。
違いってどこなんだろうね。AIが代替できないところ、人間じゃないとダメなカスタマーサポートって何なんだろうね、といったところが面白かったので、AIとカスタマーサポートの融和といったところは話題としてもずっと追いかけています。
谷島:
まだAIと人との差、配慮なのか、いわゆる感情の判断レベルの感覚なのかもしれないですけど、そのうえでAIを活用したいと。
藤岡さん的には取り組んでいく課題の一つなのですね?
藤岡さん:
そうですね、例えば今、私たちが海外サポートを全部引き受けていますが、ここはもう先日geminiで全部翻訳するということになりました。なのでここはAIを取り入れられるといったところがあります。
次なる一手として、お客様が問い合わせた本文を解析してAIがオートリプライで、こういったことができますよ、こうやって見てください、またはこのヘルプを見てください、この動画を見てくださいというのを返して、それでもダメだった方に人が登場するという、二段構えでいきたいなと。
問い合わせの半分は動作関係、ゲームが動かない、閲覧できないといったところですので、ある程度テンプレートが決まっている。そこはAIが強いですよね。
お客様が自己解決できたら一番満足度が高いので、そこは目指したいところです。とはいえ、お金はかかると思いますが。
谷島:
でも、ユーザーが増えたら、対応人員を増やせば良いかというと、そういうわけにもいかないですからね。サービスが成長しても、できれば今の人員のままでいければみんなの給料も増えるじゃん、みたいな感じが一番理想的ですからね。
藤岡さん:
そうですね、コストオフはしたいところですね。でも、カスタマーサポートはテクノロジーを取り入れるのはやりやすいと思っています。
谷島:
確かに。なかなかそういった事例情報っていうのは、どうしてもセンシティブな部分もあるので、各企業クローズドになりがちですけど、逆にだからこそAI活用をしっかりとやって、自社なりの、よりパーソナル対応まで効率化しようというところが面白いですね。
普通だったら事例をいっぱい取り込んで何とか使いましょうって話だったら思うんですけど。むしろクローズドだからこそみたいな話が面白いです。ありがとうございます。
質問⑦ 社内で「最近ありがたかったこと」「これから一緒に取り組んでみたい部署」などあれば教えてください!感謝の気持ちや、今後の連携希望など、カジュアルにどうぞ。
谷島:
最後に、感謝を伝えたい方や、これから一緒に取り組んでみたい部署とかあれば、ぜひ藤岡さんからアピールしていただけると。
藤岡さん:
私自身、個人的な話になりますが、まず関わって良かった、刺激を受けたといったところで言うと、先ほどちょっとお話ししました、ご意見ご要望のまとめの時でして、携わっていただたUXリサーチの鈴木さんには感謝ですね。
鈴木さんと一緒に仕事をできたのは、私の中でとてもいい刺激になって素直に学ぶことができた人です。ディレクションの仕方、進め方、ツールを用いての見せ方であるとか、会議の進め方。そういったところは自分としては得意でいたつもりだったんですけども、鈴木さんはすごくうまいなって思いまして。これを学ぼう、吸収しようとということで、鈴木さんをすごい見させてもらいました。
人を遮るとかじゃなくて、柔らかくスムーズに上手に持っていくのが良いなって思ったのですごく学ばせてもらいました。資料の作り方もすごく上手い。鈴木さんがとにかく私に刺激をくれた人でした。
谷島:
ああ、私は鈴木さんとはあんまり絡んでないので気になります。
藤岡さん:
チームメンバー全員に言いました。鈴木さんの動きを学べ、言い方を学べ、会議の進め方を学べ、資料の作り方を学べと言いました。とにかく全員で鈴木さんを見てくれてと伝えたくらい。
谷島:
鈴木さんまだ、入社が2023年なんで、まだ3年も経ってない。そして若っ!
ほぼ絡んでいないので。ぜひ一回お話しさせてください。
藤岡さん:
良い経験してきてるんだと思います。 あとは、昔から思っていたことは、やっぱりサポートが一緒にやるべきは、マーケチームだと思っています。
メンバー全員にマーケの考え方、マーケが見ていることを学んで欲しいと言っています。CSとは親和性がある。私たちの行動によって、LTVが変わって、ロイヤリティが変わって、メルマガの開封率も変わる。私たちサポートは問い合わせはまだ数値を予測できないが、マーケは測れて見ている。だからそこは意識してくれ、ということを常々言っています。
あ、面白いなぁと思ったのが、さきほど谷島さんがおっしゃっていたメルマガのところで。この前、あえて文字化けするものを送りますってありまたしよね。あれ、おもしろいなぁと思いました。バズを狙ってやってますよね?
谷島:
そうですね。CRMユニットにはそこを狙えて言ってますので。
藤岡さん:
なるほどなと思って、これは面白いなっていうのを話して、多分こういう手法でやってるから、お客様が怒ってもそれは、ちゃんと我々が対応しようということを伝えたんですよね。
なので、私たちは直接的にしなくとも、少なからずマーケチームがやろうとしている意図、意向、思惑、背景っていうのを正確に理解する必要があるよっていうことを伝えていますので、やっぱり私たちはマーケチームとももうちょっと関わるべきなんじゃないかなって思っています。
谷島:
先ほどお伝えした通りサポートチームの安心感があるのと同時に、これはさすがに攻めてるなと思う場合はサポートチームに一声かけなさいとは伝えてます。
藤岡さん:
いつからを境にこういった取り組みをしてるんですか?
谷島:
昔の話ですが、最初このようなメルマガとかを相談したらやめてくれって言われまして。だから、私が責任を取るので、とりあえずやっちゃえっていう風にしたんですね。
やっちゃえって言っても、責任を取るのでリスクは考えながら私は取り組んだのですが、おそらく当時だとサポートチームの方でも、うちのユーザーさんの考え方とか、ユーザー像をハッキリ認識はできてなかったと思います。
私のマーケティング目線で、なぜこのユーザーたちはDLsiteを使っているんだろうと思った時に、めちゃくちゃ知的レベルが高いなと思ったんですね。なので、おそらくメルマガの冗談を、冗談と捉えてくれるだろうっていうのが私の見立てでした。普通、冗談をそうは取ってくれませんよっていうのが、カスタマーサポートの通常の反応だと思うんで。
最初の頃は、それを先に聞いたらやめろって言われるに決まってるから、やっちゃえ!だったんですよ。なぜなら、明石さんが当時攻める人材として私に声掛けしてくれていたのと、明石さんもユーザー理解度が非常に高いので、ダメだったら止めてるはずなんですよね。 で、実際やってみたら大丈夫だった。つまり許容値がここまでだねって分かったので、サポートチームみなさんも実感してくれたんだと思います。
それから別に事前相談せにやっていたのですが、会員も増えてきてさらに増やすとなると、許容ラインをもっと攻めていかないと広がらないわけで。とはいえ、ラインを広げると思わぬ落とし穴が出てきてしまうので、さすがにこれはという場合は一声かけてねっていう。
でも、ここ6年本当に大炎上って一回も無かったと思うんですよ。正直なところで言うと。
藤岡さん:
そうですね。炎上っていうは障害からの~みたいなものですから、私たちのミスでっていうものでの炎上って無いですよね。
谷島:
そうですよね、本当に私も無いという感覚で、これほどマーケティング的に攻めても良い環境は奇跡だと思っています。これはサポートチームのこれまでの対応や、営業の積み重ねなど、安心感のおかげでできているというか。何かあっても大丈夫だろうって、サポートにおける信頼度を積み上げているからこそ、「DLsiteがまたアホなことやってるわ」、ぐらいの感じで受け取ってくるユーザーが育っていると思います。
藤岡さん:
はい、おっしゃっていただいた通り、「サポートチームがいるから大丈夫でしょう」というのは私たちにとって一番の褒め言葉だと思います。
直接的じゃなくても、考えとか心の中にサポートチームがあって、サポートチームがいるから大丈夫だ、やっちゃえやっちゃえ、なんとかしてくれるよというのは、これまでやってきた甲斐があります。ここまで積み重ねたなぁって実感ができますので、ありがたい限りですね。
谷島:
だから、ユーザーの信頼とカスタマーサポートの信頼、この2つがあるってことを、社内のみなさんが知った方が、より攻められると思います。
藤岡さん:
確かに確かに。
谷島:
私が、やっちゃえばいいじゃんって言うと、みんな一瞬引くんですよね。そこは多分、私が思っているユーザーへの信頼度と、サポートチームへの信頼度との差だと思うんですよ。
藤岡さん:
確かに。であれば、ぜひこれは書いてもらいたいのが、何があっても私たちがなんとかしますし、遠慮なくやってください。私たちはユーザーのプロなので、任せてください。
谷島:
良いですね。サポートチームが、攻めたければ攻めてくださいと言う。こういうことだと思うんですよね。みなさんに理解してもらえると、もうちょっとこういうアイデアもいけるんじゃないかなって思ったりとか、ここを変えてもいいんじゃないかなと一歩踏み出せるみたいなことを今回のインタビュー記事として伝えたい内容ですね。
藤岡さん:
ありがとうございます。
谷島:
インタビューしてて良い言語化ができました。私が一番攻めてるように見られるときもありますが、ユーザーに対する解像度を高くし、バランスも取っているのは、サポートチームのおかげです。攻めないと。
藤岡さん:
本当にそうですね。私たちが暇になっちゃいますよ(笑)
谷島:
藤岡さんたちをちょっと忙しくさせるくらいが仕事だよって(笑)
藤岡さん:
もっと面白くしてください(笑)
これは一つ言えるんですけど、めちゃくちゃクレーム率が低いです、この会社。
谷島:
そうなんですか?すごい、良い話が最後に!
藤岡さん:
なので、腕の見せ所が少ないです(笑)
私は責任者もやってきたのですが、他の会社ではクレームが絶対出てたんですよね。 それに対して、DLsiteは特にユーザーを理解して、ペルソナを理解しているから範囲内に収まっていると思うんですよ。
他社でも最近だったらありますよね、プロデューサーが勝手に何かしすぎたとか、失言したとかあるじゃないですか。ああいう閾値を超えないバランス感覚というのがみなさん良いので、我々サポートチームに届く頃にじゃ何もないんですよ(苦笑)
谷島:
そうですよね。私、入社時にマーケティングの責任者になるので責任取ろうと思って、実名でTwitterの別アカウントを作ったんですよ。でも、メルマガとかで私、一度も炎上してないんですよ。
藤岡さん:
もしそうなったらすぐサポートします(笑)
私が今までいた会社は、必ずクレームが月1では絶対にあって、ユーザー感情ではあるある話なので。ただ、viviONでは月1ないというのがザラにあるんですよ。
顧客満足度が平気で90%とか85%以上を何ヶ月も維持したんです。それは私たちの対応が良いとも言えるし、でも、もっと手前に、サービスの安定度がとても高いんです。ですので、私たちやることがないんです。問い合わせ率も、ユニークユーザー、アクティブユーザー数に比べての問い合わせ率が0.0何パーセントになります。
元々が0.06%なところを0.04%にしてもインパクトが非常に少なくて。。。
谷島:
そうそう。昔、明石さんもサポートチームの目標に対して、同じことを言ってました。
いや、最後にも面白い話が聞けました。藤岡さん、ありがとうございました!
編集後記(谷島)
久しぶりに藤岡さんと長くお話をしまして。
色々とお話を聞いていると、「合理だけでは人はついてこない。熱量を上げる」ということを藤岡さんが体現してくれていて、 サポートチームの進化を感じましたし、ユーザーだけでなく私たちも色々とサポートしていただいているなと感じました。
それにしても、「攻めて良い」と言ってくれるサポートチームって、世の中では少ないですよね。ありがたい。次回もお楽しみに。
以上、社内週報からの抜粋でした。