VALUENEX / データアナリスト
特許文献で語られる「意思決定」に係るコンテキスト
最近、AutoML といった機械学習モデリング自動化技術の進展に伴って、データアナリストの仕事が淘汰されるのではないかと議論を呼んでいる[1]。しかし、データアナリストは、より適切な意思決定のために、問題設定、仮説構築、データ分析手法・機械学習モデリングの考案・検証、結果の解釈と考察、各部署とのコミュニケーション等、意思決定者を支援する様々なタスクに取り組んでいる。機械学習モデリングはその中の1 つであり、むしろ自動化技術はデータアナリストの仕事をスケールさせる方法だと著者は考えている。 上述の内容はデータアナリスト界隈の議論ではあるが、様々な主体の「意思決定」の連続によって、今日の世界が形作られていると考えると、そもそも「意思決定」が語られているコンテキストを把握しておくことは、今後の社会変化を想像する上で参考となる1 つの観点だと考えている。意思決定問題については、主に古くから人文・社会科学分野で取り組まれてきた。ゲーム理論、メカニズムデザイン、オペレーションズ・リサーチ、社会心理学、行動経済学、ビジネス・インテリジェンス等、関連しそうな分野を思い出していくと枚挙に暇がない。また科学技術情報、ニュース、記事、SNS、書籍等といった情報媒体によっても語られている内容が異なるであろう。 そこで本レポートでは、情報媒体の1つとして特許文献に注目し、そこで語られる「意思決定」に係るコンテキストを明らかにする。具体的にはVALUENEX 株式会社が提供するTechRadar Vision を用いて、米国公開特許公報をもとに、「意思決定」に係る技術開発動向、プレイヤー、エマージング技術等を把握する。