VALUENEX / データアナリスト
「世界に伍する研究大学」実現に向けた日米大学の保有技術全体像と産学連携状況の把握
2021 年 3 月、向こう 5 年間の「第 6 期科学技術・イノベーション基本計画[1]」が閣議決定された。これまで「科学技術基本計画」という名称であったが、そこに「イノベーション」が加わったことや、自然科学だけでなく人文科学も含めた「総合知」を重要視したことなどが注目されている。ここで述べられている重要な政策は、「1. 国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会への変革」、「2. 知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化」、「3. 一人ひとりの多様な幸せと課題への挑戦を実現する教育・人材育成」が挙げられる。これらの政策を検討する場として、総合科学技術・イノベーション会議の中に様々な専門委員会[2]がある。その中の 1 つに「世界と伍する研究大学専門調査会[3]」があり、世界と伍する研究大学を実現するために必要な制度改革及び大学ファンド事業に係る制度について調査・検討を行っている。世界に伍する研究大学とは、研究面・資金面で成長し続けられる大学であり、「1. 世界最高レベルの研究成果」、「2. イノベーションの創出」、「3. 高度専門人材の輩出」が期待されるアウトカムである。本調査会では、世界のトップ大学と国内大学に関して、人材・資金・ガバナンスとった観点から調査して議論を進めている。そこで本レポートでは、我が国の研究力強化への貢献の一環として、専門調査会で議論されている日米大学が保有する技術の全体像と日米の産学連携の違いについて、特許情報を用いて調査した。