情報科学芸術大学院大学 / メディア表現研究科
コロナウイルスの感染状況を視点を変えて捉えられるデータビジュアライゼーション作品の制作
新型コロナウイルスの世界的流行は、2019年から現在に至るまでを象徴する一大事件として今後語られていくだろう。しかし目に見えないコロナウイルスに対する危機感やリアリティは、同じ時間を共有していながらも、人口集中地区とそれ以外とでは異なるはずだ。 私たちはコロナウイルスについて、日本という広大なスケールから見下ろした感染者数にではなく、一人ひとりを取り巻く身近な環境での感染状況にリアリティを感じている。 本作は、「そのとき、ある場所から」みたコロナウイルスの動向を感じ取れるような情報可視化を試みた作品だ。 三次元空間上に47個配置された球体は、それぞれある時点での各都道府県における人口あたりの感染者数を大きさで表現している。 呼吸するように膨張と収縮を繰り返す球体のなかを、自由に視点を切り替えながらダイナミクスを観察する。同じとき、同じ現象を前にして、視る場所が変われば様相も変わることが感じ取れるだろう。