医療法人成精会刈谷病院 / 精神保健福祉士
入院患者の退院支援
刈谷病院の医療社会事業科での勤務時、入院患者の退院支援のための担当者会議(患者本人、主治医、看護師、家族、外部の相談支援事業所など)の調整や会議の司会、進行の業務もしていました。 その中で、自分が担当したある患者の退院支援での経緯を紹介したいと思います。精神科救急病棟の場合は、入院期間が3カ月と決まっており、その目標に向けて、どのように支援していくのかを検討する必要があります。そのため、早めに主治医、看護師、両親と連絡を取りながら、担当者会議の日程調整をすることを心がけました。また、上司たちにも、部署会議で口頭での説明に加え、患者の退院支援の進捗状況も文章でまとめて共有し、情報の齟齬がないように報告して、適切な助言が受けられるように工夫しました。担当者会議では、ホワイトボードを使いながら、目標や課題を可視化し、会議の関係者が意見を話しやすいように声掛けをしながら1時間を目安に運営することを心がけました。会議では、関係者の意見がすれ違い、論争に発展しそうになって苦戦することもありました。そのため、冷静に論点をまとめたり、それでも笑顔で対応して雰囲気が険悪にならないようにしたりして工夫しました。その結果、会議後に看護師や患者の両親から、『会議の流れが分かりやすくて、患者とどのように向き合っていけばいいか方向性がわかってすっきりした。』などのフィードバックを頂くことができるようになりました。これらの努力の甲斐があって、その患者は無事に退院することができました。