筑波大学|University of Tsukuba / 理工学群 社会工学類 経営工学専攻 (社会経済学副専攻)
卒業論文:意思決定重視学習を用いたポートフォリオ最適化
ポートフォリオ最適化はリスクとリターンを考慮して最適な投資配分を決定する問題である.この問題は一般に,期待リターンを予測する段階と,その予測値に基づいて最適な投資配分を決定する段階からなる二段階構造で扱われる.しかし,第一段階では予測誤差の最小化が目的である一方,第二段階では投資成績の改善が目的であり,両者の目的関数は整合していない.そのため,予測精度の向上が必ずしも投資成績の向上に結びつかないという課題が存在する.この課題に対し,意思決定重視学習は予測モデルを後続の最適化問題の目的関数を直接学習する枠組みである.本研究では,平均分散ポートフォリオ最適化を下位問題とする二段階最適化問題を定式化し,下位問題の最適性条件を適用することで単一レベルの非凸二次最適化問題へ再定式化し,提案手法を構築した.これにより,投資成績を目的関数として厳密に反映しつつ,一段階の非凸二次最適化問題として求解可能な形に整理した.数値実験では,アセットアロケーションを題材としたローリング方式による運用評価を行い,提案手法が複数の資産集合において比較手法よりも高い投資成績を達成することを確認した.