2頭の黄色い泉
作品のテーマは「紙に動物を転移/転位する」。紙を用い実物大で動物の形を作り、それらを用いて屠畜のプロセスを模倣し、そこから採取される紙を使って、様々な作品を作った。 《2頭の黄色い泉》では、紙で出来た実物大の2頭の家畜が吊るされている。そして壁には、吊るされる前にそれらを牛小屋で撮影した写真など(紙に印刷された)が展示されている。また、以前に同じようなプロセスを経て作られた立体作品と平面作品が展示されている。これらが、一つの空間に展示されることで、紙に動物を「移す」プロセスが暗に示されるようにしている。この制作プロセスと作品を通して、紙は、紙の表面のみの情報を運ぶものではないということを伝え、紙という存在が持つ世界観を書き換えることを目的としている。