Voynich ― Print Script vol.1
第20回文化庁メディア芸術祭に応募したアート作品 --- 本作品は、未解明の古文書「ヴォイニッチ手稿」の一部を、現代版の書物として作り直したものです。 「ヴォイニッチ手稿」は未知の文字で書かれた手書きの文書で、多くのページでは、植物の絵と文章がセットになっています。最近の研究で、文書に描かれている植物の一部が特定され、また、使われている言語の文法が、消滅した古典ナワトル語に近いことがわかりました。この文書は、消滅した言語で書かれた学術書だったのかもしれません。 もし、この言語が現代まで生き残っていたとしたら、手書きの文字はいずれ活字となり、様々な印刷用の書体がつくられたはずです。この思いつきから私は、この言語のために新しいフォントをつくりました。そして古文書の一部をこのフォントで書き起こし、特定された植物の写真とともにまとめました。これらは今となっては読めません。しかし、そこにはきっと文化や知恵が存在しています。現在、約3000の言語が、消滅の危機に瀕しています。言語とともに文化や知恵が失われてしまうことは、我々にとって大きな損害です。この作品を眺めることで、これらの重要性を身近に感じられるかもしれません。